MI・デジタル化に迅速に対応し、果敢なチャレンジに期待
━ 不透明感が増す近年の世界経済の動向は、我が国の化学産業にどのような影響を与えるのか。また、どう対応していけばいいのか。
村山 米中貿易紛争やブレグジット、サウジアラビアの石油施設への攻撃に伴う中東リスクの高まりなど、まさしく「VUCA(ブーカ)」と言われるように、社会経済の環境が極めて予測困難な状況に直面したのが2019年だった。
年が明けて2020年、夏には東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、日本経済の持ち直しも期待されていたが、中国の春節が始まる1月下旬頃から、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出始め、その深刻さが増している。我が国の石油化学産業にとっても大きな逆風となっており早期の終息が望まれる。加えて、サウジアラビアとロシアが原油の増産に踏み切ったことで原油価格が下落し、リスクマネーの供給懸念などから世界的に株価の急落を招いている。
原油価格の急落はコストの面からみれば良い面もあるが、目下の状況では