DNP ICタグ効果検証用のトライアルキットを開発

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2020年7月9日

 大日本印刷(DNP)は8日、ICタグ(RFID)の導入に向けた効果検証を効率的に実施できるトライアルキット(リーダライタとアプリで構成)を開発し、ICタグを活用した業務効率化の効果をPoC(概念実証)で検証できる「DNP RFID導入検証支援サービス」を開始すると発表した。

据置型リーダライタでの利用イメージ
据置型リーダライタでの利用イメージ

 新型コロナウイルスの感染防止対策の一環で、非接触での業務が増加しており、数メートル離れていても複数のIDを読み取ることのできるRFIDの導入を検討している企業に対し、計画から評価まで一連の概念実証をスムーズに実施できるよう支援していく。

 製造や流通・小売りの企業では、サプライチェーンの中で製品の流れや在庫を可視化し、業務を効率化するRFIDの活用が注目されている。またRFIDで取得したデータの分析から、生活者が求める商品を生産し、店頭に配置して効率よく販売することで、サプライチェーンの各工程で価値を生み出す有用性が期待されている。

 RFIDの活用は、事前の導入効果検証や運用を想定した課題の抽出が重要な成功要因だが、これまでは機器の購入や簡易システムの開発など検証準備にかかる負荷が大きく、検証作業の障害となっていた。こうした中、DNPは、効果検証を短期間かつ安価で実施できる導入支援サービスを開始。現場でRFIDを導入するためのPoCを簡易に実施できるようにするために、システム・機器の貸し出しと、現場でのRFID読み取り環境構築のノウハウを提供し、2つのアプリを用いて検証・評価レポートの作成を支援する。

 RFIDの読み取りを検証評価する「RFID読取評価アプリ」では、ハンディリーダライタ、据え置き型リーダライタの2タイプの機器を使用して、①RFIDとバーコードとの読み取り速度を比較し、導入効果試算に役立つデータを作成、②RFIDの貼付位置やリーダライタのアンテナの位置の違いによる読み取り速度の差を比較し、最適なRFIDタグの貼付位置や、アンテナ設置位置などを導出、③RFIDを貼付した複数の商品の同時読み取り状況を可視化し、最適な商品の積み付け方を導出、の3つの機能を提供。一方、クラウドサービスである「サプライチェーン業務系アプリ」では、製品の入荷・出荷・棚卸の結果を可視化し、ステータス管理が行える。

 今後、DNPは同サービスにより、企業のRFID導入のサポートを通じて、様々な業種・業態でサプライチェーン全体の最適化・スマート化を推進し、生活者を豊かにする社会の構築に貢献していく。