ダイキンと日立 生産・販売の立案・実行支援を自動化

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2020年7月30日

 ダイキン工業と日立製作所はこのほど、日立グループのSCM(サプライチェーンマネジメント)最適化シミュレーション技術により、ダイキンの化学事業の需要変動に即応する最適な生産・販売計画の立案・実行支援ソリューションを実用化したと発表した。

 モノづくりプロセスの革新を目指した両社の協創の成果。複数の製造・販売拠点の需給バランスに基づき、利益、売上、キャッシュフローなどの重要業績指標(KPI)を最大化する製造・販売施策シナリオや生産計画を自動で提示し、迅速な意思決定や急激な需要変化にも対応する。

 需要の急激な変動は、生産の遅延や欠品による機会損失や過剰生産など、サプライチェーン全体に影響する。化学品は需要変動が激しくかつ多品種生産であり、製造から販売までの部門間調整による状況に応じた製造・販売施策、生産計画立案と迅速なアクションが重要となる。

 さらに海外の製造・販売拠点での販売価格や販売・生産量、設備稼働率、生産能力、関税など膨大なパラメータを販売先や製品ごとに考慮し、経営視点でKPIの最大化に向けた製造・販売施策や生産計画を立案するには膨大な時間と経験・ノウハウが必要である。

 ダイキンは、フッ素化学製品のグローバル5製造拠点、9販売拠点、数百品目を対象に、先月から同ソリューションの本格運用を開始。どの製品を、どの拠点で、どれだけ生産し、どこで販売するかといった製造・販売施策立案のために、従来の約60倍のパターンを短時間で作成。それらを定量的にシミュレーションすることにより合意形成が迅速化し、意思決定までの時間を約95%短縮できた。製造・販売施策のタイムリーな立案と迅速な意思決定が可能になるとともに、顧客起点のSCM施策や事業計画の検討・実行に一層注力できるようになった。

 今後、ダイキンは他の化学品へ適用を拡大するとともに、製造現場データとの連係で、タイムリーで高精度な分析と経営判断につなげていく計画だ。日立は、この協創で培ったノウハウ・技術を活用し同社ソリューション技術「Lumada」の製造業向けソリューションとしてグローバルに事業展開していく。