住友化学の4-9月期 コロナ影響で石油化学の収益悪化

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2020年11月2日

 住友化学は30日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比6%減の1兆468億円、コア営業利益36%減の541億円、営業利益51%減508億円、純損失11億円(308億円の悪化)となった。

 セグメント別では、石油化学は売上収益1086億円減の2436億円、コア営業損失313億円(487億円の悪化)。コロナ感染拡大により自動車関連用途を中心に合成樹脂などの出荷が減少した。原料価格の下落に伴い、石化製品の市況が低水準で推移した。石化製品などの交易条件悪化や、持分法適用会社ラービグは定期修繕の影響があった。

 エネルギー・機能材料は売上収益258億円減の1052億円、コア営業利益78億円減の48億円。コロナ影響の拡大により自動車関連用途の電池部材(LIB用セパレータ、正極材料)や合成ゴムなどの出荷が減少した。

 情報電子化学は売上収益64億円増の2133億円、コア営業利益68億円増の221億円。半導体材料の高純度ケミカルやフォトレジストは需要の伸長により出荷が増加した。巣ごもり需要や在宅勤務需要などを背景に、ディスプレイ関連材料の出荷が増加した。

 健康・農業関連事業は売上収益397億円増の1861億円、コア営業利益181億円改善し99億円。農薬はニューファーム社の南米子会社四社の買収により販売が増加した。メチオニンは前期比で市況が上昇し、交易条件が改善した。

 医薬品は売上収益287億円増の2761億円、コア営業利益22億円増の491億円。国内では前年度に販売開始した2製品の販売が寄与し、北米では「ラツーダ」の販売が伸長した。

 その他は売上収益13億円減の225億円、コア営業利益5億円増の57億円。

 なお、通期業績予想の修正を発表。売上収益2兆2150億円は据え置いたが、コア営業利益1000億円(前回予想比200億円増)、営業利益1050億円(同350億円増)、純利益300億円(同100億円増)を見込む。石化では合成樹脂などの販売回復の遅れを見込むが、医薬品や情報電子化学の出荷は第2四半期まで堅調に推移していることを勘案した。