新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、ドローンなど無人航空機の安心・安全な運航に向け、ブロードキャスト型通信システムによってドローンを遠隔から識別する評価試験に成功した。
試験は「福島ロボットテストフィールド」(福島県南相馬市・浪江町)で10月19~23日に行い、水平到達距離300m以上で識別できることを確認した。具体的には、Bluetooth5.0を使用したブロードキャスト型の試作送信機を搭載した高度約150mを飛行するドローンと、地上に配置した試作評価受信機との水平距離が300m(送信機側と受信機側に搭載されているGPSで測定)以上の条件で、識別情報や位置情報、Bluetooth5.0などの受信を確認するとともに、評価試験方法の確立を行うことができた。
また、通信評価試験を通じて、「送信機と評価受信機との水平方向の距離」「送信機の高度」「送信機の位置」が通信成功率に影響することを確認し、送信機と受信機が見通せる理想に近い状態で、水平距離300mにて最大通信成功率95%の性能を確認することができた。今回の試験で、将来Bluetooth5.0を搭載した一般的なスマートフォンなどで、ドローンを遠隔から識別できる可能性が明らかになった。
NEDOは今後、今回の試験方法に基づいて、ドローンを遠隔から識別するための送信データの精査、運用を見据えたセキュリティの実装を行い、安心・安全にドローンを運航するための研究開発を実施していく。