旭化成はこのほど、「第4回インフラメンテナンス大賞」において、経済産業省「優秀賞」を受賞したと発表した。なお同大賞は、2016年より、国土交通省をはじめ6つの省が、日本国内のインフラメンテナンスに関わる優れた取り組みや技術開発を表彰しており、今回から経済産業省も実施している。
同社が受賞したテーマは「化学会社各社の設備データ共有化とそれを基にした保湿材下腐食の発生予測モデル開発」。長期使用している化学プラントでは、保湿材で覆われた鋼製の化学装置の外面から腐食(CUI)が発生する。それによる事故抑制が各社の共通の重要な課題だが、腐食発生を精度良く予測できれば、検査の合理化や設備の信頼性が向上できる。
同社は、この課題を解決するために、多くの化学会社から過去に実施したCUI検査などのデータを多量に収集・解析して、使用条件からこのCUI発生可能性を予測する方法を開発。また、その方法をWeb上で公開し、設備の管理に活用できることを実証した。これらの取り組みが評価され、今回の受賞に至った。
同社は、今回の受賞を糧に引き続き業界他社と協力して、デジタル技術の活用により設備信頼性の維持・向上に尽力していく考えだ。