東亞合成の1-3月期 需要増に的確に対応し増収増益

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2021年5月6日

 東亞合成が28日に発表した2021年12月期第1四半期(1-3月期)連結決算は、売上高が前年同期比5%増の360億円、営業利益は38%増の47億円、経常利益は61%増の52億円、純利益は112%増の37億円となった。コロナ禍で伸長した電子デバイスなどの半導体関連や、昨年後半から持ち直した自動車関連の需要増に伴い、ポリマー・オリゴマー事業をはじめとした高付加価値製品が堅調に推移し、増収増益に貢献した。

 セグメント別に見ると、その他の事業が減収営業損失となったものの、他の主要5部門はすべて増収増益だった。基幹化学品事業では、アクリルモノマーは全般的に需要が回復し、シンガポール子会社も含め販売数量が増加したことから増収増益。一方で、電解製品であるカセイソーダなどの無機製品は販売減で減収となったが、電力値下げなどもあり増益となった。工業用ガスは振るわなかった。

 ポリマー・オリゴマー事業では、アクリルポリマーはLIB向けなどの自動車関連製品が、アクリルオリゴマーはハードコート、自動車用塗料、電子材料用途向け製品が堅調に推移し、販売増で増収増益に貢献した。高分子凝集剤は、製紙、鉄鋼、土木向け需要が低調だったが、下水関係向けが好調だった。 

 接着材料事業は、国内向けの瞬間接着剤が家庭用、工業用ともに伸長。機能性接着剤は、各種電子機器関係や自動車関係向けが好調だった。

 高機能無機材料事業は、半導体向け需要が好調で液化塩化水素などの販売が底堅く推移し、電子部品向け材料や無機抗菌剤も販売増となった。

 樹脂加工製品事業は、ライフサポート製品やエラストマーコンパウンドが収益を拡大した。

 なお、通期業績は前回予想を据え置き、増収増益を見込む。