ENEOSホールディングスは19日、MIRAI-LABO(東京都八王子市)と連携し、バッテリー循環社会実現に向けた協業を開始すると発表した。両社は、バッテリーのユース(リースやシェアなど)、リユース、リサイクルが循環する仕組み「BaaS(Battery as a Service)プラットフォーム」を構築し、これまで一次利用にとどまっていたバッテリーの3段階での利用を検討していく。
一次利用では、シェアサイクル・小型EVシェアをはじめとした電動モビリティサービスに利用する。二次利用では、使用後の中古バッテリーを集積し劣化評価を実施後、残存性能に応じた組み合わせにより定置型バッテリーシステムとして再利用し、ENEOSのサービスステーション(SS)や電動モビリティステーション、商業施設や住宅などの様々な場所への設置と利用を検討する。
三次利用では、二次利用によりさらに容量が低下したバッテリーを自律型街路灯など低容量でも活用可能な用途で再利用していく。さらに、三次利用を経て、寿命を迎えた中古バッテリーは、リサイクルにより資源化し新品バッテリーの材料として再利用。将来的には、この一連の循環サイクルをクラウドシステムにより適正に一元管理することで、バッテリー利用の最適化と最大化を図る。
また、定置型バッテリーシステム(二次利用)をVPP(仮想発電所)に活用することも今後検討していく。同プラットフォーム実現に向け、現在実証を行っているモビリティサービスに加え、電動バイクの活用も含めたバッテリーサービスの実証を、2022年度をめどに段階的に展開する予定だ。
ENEOSグループは、分散型電源の活用を中心とした次世代エネルギー供給・地域サービスのネットワーク構築を目指している。その一環として、オープンイノベーションによる革新的事業の創出に向けて、シェアサイクル・小型EVシェアをはじめとした電動モビリティサービスの展開を見据えた実証を行っている。
一方、MIRAI-LABOは同社がもつMBMS(複合バッテリー制御システム技術)を駆使し、環境に配慮したサスティナブルな自律型MaaS社会の構築を促進してきた。今回の協業では両社のノウハウや知見を生かし、使用済みバッテリーを評価・再活用することで、循環型社会の実現に貢献する新しい効率的なエネルギー供給の仕組みを構築していく。