ランクセス 高性能プラ向け耐熱性黄色顔料製品を拡充

, , ,

2021年6月2日

 ランクセスはこのほど、高性能プラスチック向け耐熱性黄色顔料「カラーサーム」の製品ラインナップを拡充すると発表した。様々な熱安定性レベルに応じたオーダーメイド顔料により、費用対効果を最適化する。

 特殊な物理・化学特性をもつ高性能ポリマーが金属、ガラス、セラミックの代替として自動車、電子機器、プロセスエンジニアリングや医療分野などの特殊用途・ハイテク用途で使用されるにつれ、着色顔料の要件プロファイルも高まりつつある。特に熱安定性は決定的な品質要因で、有機顔料は処理温度が高いと分解が進み、無機代替顔料は温度が180℃を超えると色のばらつきが起こることがある。

 同社は、高温ポリマーを高い信頼性で黄色着色するモジュラー型の「カラーサームイエロー」製品ラインナップをもつ。耐熱温度300℃の「カラーサームイエロー20」「同30」と同じ色調・色強度で、220~260℃の温度範囲を補完する製品として「カラーサームイエロー5」と「同26」を拡充した。「カラーサームイエロー5」と「同20」は酸化鉄ベース、「同26」、「同30」、「同3950」は亜鉛フェライトベースで、淡黄色・濃黄色からオレンジの色調まで、最高300℃までの温度で加工できる。

 また「同26」と「同30」の色強度は同等製品比で最大20%高く、顔料の添加量は少量ですむ。着色顔料の要求熱安定性レベルはポリマーの種類によって異なり、PEでは240℃前後、PA、PP、PPSでは300℃前後だ。プラスチックの種類や必要な熱安定性に合わせて、最適な顔料の選択が可能となった。

 また同社は、広範な設備の技術センターをもち、顔料使用の包括的アドバイスを提供。顧客のプラスチック用途での熱安定性分析も可能だ。サンプルローディングから比色分析まで自動化され、専門性の高い試験を最高レベルの精度で行える。一貫した品質はプラスチック着色の決定的な要件であり、国際標準の試験方法で原材料を常時モニタリングし、継続的な品質管理を行うことで、製品の信頼性を最大限に確保するとしている。