三菱ガス化 四日市のPOM生産を停止、タイ拠点に集約

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2021年6月3日

 三菱ガス化学はこのほど、四日市工場(三重県四日市市)におけるポリアセタール(POM)の生産について、2023年9月末を目途に停止すると発表した。POMは、耐摩擦性・耐クリープ性・耐疲労性・耐薬品性に優れたエンジニアリングプラスチックスで、自動車、電気・電子、精密機器などの部品の材料として広く使用されている。

 同社グループは、四日市工場のほか、タイ・韓国・中国に生産拠点をもち、「ユピタール」などのブランドで高品質なPOMを世界中に供給している。四日市工場では、1981年以来、40年にわたってPOMを生産してきたが、プラント規模が年産2万tと小さいことに加え設備の老朽化が進んできたこともあり、厳しい採算を余儀なくされていた。こうした背景から、タイ拠点に生産を集約し、より競争力のある供給体制でPOM事業を展開することを決定した。

 現在、四日市工場品を使用している顧客には、タイ品への切替えを依頼。また、タイ拠点においては、旺盛なPOM需要に対応するため、今後の増産を検討する予定だ。今回の生産停止は、昨年12月に発表した韓国POM事業再編に続く事業強化のための施策の一環となる。同社は、引き続きPOM事業の発展に努めていく。