新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とKDDI、パーソルプロセス&テクノロジー社は24日、「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/地域特性・拡張性を考慮した運航管理システムの実証事業」で全国13地域・ドローン52機同時飛行での飛行管制の実証実験に成功したと発表した。
同日の記者説明会では、三重県志摩市で実際にドローンを飛行させての飛行管制デモンストレーションも行った。冒頭、経済産業省次世代空モビリティ政策室長の川上悟史氏は「ドローン国内市場は2025年には4倍に拡大し、特にサービス分野・業務用途の急拡大が見込まれる。産業を創る上で運行管理システムは不可欠だ」とその重要性を説明した。
警備分野やインフラ点検分野のほか、物流分野での運用負担低減と省エネルギー化が期待される。ドローンの安全確保や利用促進、技術開発など様々な課題に向け、「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」は「空の産業革命に向けたロードマップ2020」を昨年策定し、来年度をめどに「有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4)」を実現する方針を定めた。
NEDOは2017年度から「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」を推進し、今回、来年度に制度整備予定の「レベル4」を見据えて運行管理システムの開発と有効性検証を行った。3月に先行実証した2社の運航管理システムは、携帯4G回線を介してドローンと繋がり、有人機管制システムにも接続している。
今回、全国13地域、ドローン52機に拡大。機能・オペレーションの両面で、全国での運用と複数ドローンの衝突回避などの管理業務が可能なことを確認した。また、各地域の様々なニーズとドローンの活用方法についても検証した。
今後、この運航管理システムの社会実装に向けて解決すべき課題を洗い出し、持続可能なビジネスモデルの確立に向けた運航管理要件の具体化や、そのためのガイドライン作成に取り組む。これを活用して業界の発展や課題解決に向けたルールづくりを推進し、レベル4環境下でドローンが安全に飛び交う社会の実現を目指す。