大陽日酸はこのほど、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「燃料アンモニア利用・生産技術開発/工業炉における燃料アンモニアの燃焼技術開発」事業の委託先に採択された。AGC、産業技術総合研究所、東北大学とともに、2021~2025年度までの5年間で工業炉向けのアンモニア燃焼技術を開発する。
同社は、2014年から戦略的イノベーション創造プログラムのエネルギーキャリア「アンモニア直接燃焼」の「アンモニア燃焼炉の技術開発」に参画し、アンモニアを工業炉用燃料として使用する場合の技術的課題の解決に取り組んできた。10㎾のモデル燃焼炉で、空気中の酸素濃度を高める酸素富化燃焼とアンモニア・都市ガス混合燃料を組み合せ、火炎の輻射伝熱の能力強化とNOx生成の抑制技術を確立し、加熱炉の環境規制値を達成した。
今回、AGC横浜テクニカルセンターの建築用ガラス製造設備にアンモニア・酸素燃焼バーナーを導入し、アンモニア燃焼技術の実証試験を行う。ガラスや溶解炉材料への影響を評価するとともに、環境基準を満たすバーナーを開発し、ガラス溶解炉への本格導入を目指す。また将来は、鉄鋼やアルミなど他素材製造工程への展開も検討していく。