日本電気硝子 酸化物全固体Naイオン二次電解質を実現

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2023年3月7日

 日本電気硝子はこのほど、有機系電解液を超えるナトリウム(Na)イオン伝導性と広い作動温度域をもつ結晶化ガラス製の固体電解質を開発し、現行のβアルミナから置き換えることで、電池の主要部材のすべてに結晶化ガラスを用いたオール結晶化ガラスの酸化物全固体Naイオン二次電池を世界で初めて実現したと発表した。

現行品と開発品の変更点

 主要部材(正極、負極、固体電解質)をすべて結晶化ガラスに統一することで、同社の独自技術であるガラスの軟化流動を用いた強固な一体化を実現し、非常に良好なイオン伝導パスをもつ蓄電素子を形成。また、1つの電池内に蓄電素子を容易に集積することができ、電池設計の自由度向上にも寄与する。

 資源枯渇の心配がないNaを使用するメリットはもちろんのこと、発火や爆発のリスクがないなど、現行の優れた特性は維持しつつ性能を向上させた。安全かつ大容量の蓄電デバイスの実用化に向けて引き続き積極的に開発を進めていく。

 なお同社は、東京ビッグサイトで開催される「第14回国際二次電池展」(今月15~17日)に出展する。会場では集積電池の実物や動作デモ、電池を構成する超薄型蓄電素子を展示するほか、開発者のプレゼンテーションにより電池の特長やそれを実現した技術を紹介する。