大日本印刷(DNP)はこのほど、植物由来の原料を50%使用し、チューブ胴体の薄層化によりプラスチック使用量を削減することで、環境に配慮したラミネートチューブを開発したと発表した。
今回開発したラミネートチューブは、チューブ胴体の全ての層と、肩にあたる部分と注出口に植物由来原料を使用し、キャップを除く全体のうち約50%を植物由来原料で代替した。
さらに、使用中の自立性や使いやすさを維持しながら胴体の薄層化を実現するため、材料設計に工夫を凝らすことで、従来製品に比べてプラスチック使用量を大幅に削減。これにより、CO2排出量を従来比約35%削減した。
同社が展開する環境配慮パッケージシリーズ「GREEN PACKAGING」の主要製品群の1つが、今回の「DNP植物由来包材バイオマテック」シリーズ。サトウキビから砂糖を精製した際の副産物(廃糖蜜)などの植物由来原料を1部に使用したバイオマスプラスチック製品だ。
植物は生育の過程で、光合成によってCO2を空気中から取り込むため、パッケージ使用後の焼却時に出るCO2と相殺することが可能で、製品ライフサイクル全体でCO2の削減に貢献する。同シリーズについては、2010年から開発に着手し、現在、食品や日用品などの包装材で広く使用されている。
同社は、「持続可能な原料調達」「CO2の削減」「資源の循環」という3つの価値を追求することで、循環型社会の実現と環境負荷の低減に向け取り組んでいる。今回開発したラミネートチューブをトイレタリー・化粧品や食品メーカーに販売し、来年度に年間20億円の売上を目指す。