ヒートマネジメント設計が可能、適用拡大を図る
東レは19日、炭素繊維複合材料(CFRP)の放熱性を金属同等まで高める高熱伝導化技術を創出したと発表した。同技術をCFRPに用いた場合、熱源からCFRP内部の熱伝導経路を通って効果的に放熱することができ、モビリティ用途におけるバッテリーの劣化抑制、電子機器用途のパフォーマンス向上などに貢献できる。同社はすでに同技術の提案を開始。顧客ニーズに合わせてカスタマイズを行っており、数年内に製品化を目指していく考えだ。
CFRPは軽量で高強度、高剛性の特長をもち、航空機、自動車、インフラ部材、スポーツ用品、電子機器などに広く使用されている。自動運転や電動化など、CASEに代表される次世代モビリティ用途では、充電時の発熱によるバッテリーの劣化を防ぐため、構造材料であるCFRPの放熱性向上が求められている。CFRPの熱伝導性はアルミ合金などの金属に比べ劣っているため、金属よりも熱伝導性に優れたグラファイトシート(GS)を表面や内部に配置することで放熱性を改善するアプローチが取られている。しかし、