旭化成とトライポッド・デザイン(東京都千代田区)はこのほど、両社が共同で開発した環境共生型LEDイルミネーション「TIDA(ティーダ)」を、パレスホテルグループの宿泊主体型ホテル「ゼンティス大阪」のホリデーシーズンのライトアップに提供したと発表した。
このライトアップはパレスホテルの「未来の電気エネルギーを使用したクリスマスツリー」企画の一環として行われるもの。あらゆる自然物を媒体として、集電材(電極)を介して微小な電気を収集する「超小集電技術」が、パレスホテル東京のクリスマスツリーのライトアップに続き、商用環境で利用される(12月25日まで展示)。
旭化成は、グループビジョンの1つに掲げる「環境との共生」の観点から、トライポッド・デザインが開発した超小集電技術の活用方法の探索と事業化の検討を共同で行ってきた。今回提供する「ティーダ」は、その超小集電技術に、小さな電気を小さなまま活用できる旭化成グループ独自の低消費デバイスを融合した共同開発製品のプロトタイプとなる。
一方、ゼンティス大阪ではパレスホテルグループのサステナビリティコンセプト「未来を、もてなす。」に基づき、美しい都市型水系環境を象徴する表現として水を媒体とした庭園のライトアップを計画。旭化成とトライポッド・デザインは「ティーダ」を共同提供するとともに、庭園内レイアウトを含めたライトアップのプロデュースおよび運営を手掛ける。今後、両社は「ティーダ」の早期事業化を見据えてプロトタイプを改良すると同時に、超小集電技術の幅広い社会活用を目指した取り組みを進めていく。
なお、12月22日には、パレスホテル東京において超小集電の応用技術や環境型照明「ティーダ」などの展示会を併設した国際シンポジウム「OFF THE GRID」を開催。また、来年2月14日には、環境共生型照明「ティーダ」の市場投入を目指した製品・技術発表会の開催を予定している。