出光興産、関西電力、住友電気工業は6日、卸電力市場価格に連動したEVおよびPHEVの充放電に関する遠隔制御実証を開始したと発表した。実証期間は2022年1月30日までを予定しる。3社は、参画する「関西VPPプロジェクト」において、VPPの構築や事業化のため、2016年度から一般家庭のEVなどをエネルギーリソースとして活用する取り組みを行ってきた。
昨年度は、卸電力市場価格と連動した時間帯別のダイナミックプライシング(DP)料金メニューに基づき、市場価格の安い時間帯に、EVなどを遠隔制御で充電する実証を行った。その結果、充電時間の移行、遠隔制御の技術的知見の蓄積、家庭の充電料金の抑制といった一定の成果を得ている。
今年度は、昨年末から今年1月にかけて需給ひっ迫に伴い市場価格が高騰したことを踏まえ、あらかじめEVなどに貯めた電力を主に卸電力市場価格が高くなる時間帯に、遠隔制御で住居に放電して家庭の電力をまかない、需給バランスの調整機能の一部として活用できるかを実証する。
また、昨年度に引き続き、市場価格が安い時間帯での遠隔制御充電の実証を合わせて行い、充放電に活用した場合でもEVなどの走行に支障を来さない運用の可否も検証する。
3社は今回の実証を通じ、EVなどのリソースがもつ電力需給バランスの調整機能に関する可能性をさらに追求し、EVや再生可能エネルギーなどの普及によるゼロカーボン社会の実現と、電力の安定供給に貢献していく。