出光 タイでバイオディーゼル10%混合品の実車テスト

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2018年9月7日

 出光興産は6日、タイ政府が推進する「バイオディーゼル高配合化プロジェクト」への技術支援で改良試作品の連続生産に成功し、パームヤシ由来のバイオディーゼルの燃料混合比率を10%とした実車テストを今月から開始すると発表した。バイオディーゼルの原料には、パームヤシの果肉部分から抽出したパーム粗油(CPO)を使用する。

原料となるパーム椰子の実

 タイ政府は再生可能エネルギー導入の推進とエネルギー自給率向上を目的として、バイオディーゼル配合率を現行の7%から10%に引き上げることを目標としている。

 しかし、バイオディーゼルの使用には金属腐食やオイル劣化、フィルター詰まりなどの酸化安定性に起因する問題があるため、目標達成のためにはバイオディーゼルの品質改良が必要とされる。

 出光興産はこれらの問題を解決するため、産業技術総合研究所が日本で開発した基本技術を活用し、タイでのプロジェクトメンバーと連携。酸化安定性を改善する部分水添技術(H‐FAME)の実証設備の連続運転に成功した。

テスト用の車両

 実車テストではピックアップトラック8台を使用し、エンジンなどへの影響を確認する。同社は実車テストの結果をもとに当該技術の商業化を検討し、東南アジアでの再生可能エネルギーであるバイオ燃料の普及に、積極的に取り組んでいく考え。

 なお、同プロジェクトには、タイ国立金属材料研究所(MTEC)、グローバルグリーンケミカル社(GGC)、出光興産の3者が参加。昨年10月に、バイオディーゼルの高配合化の技術協力に関する契約を締結した。

 出光興産はこの契約に基づき、部分水添技術の実証設備の設計、運転などの技術支援を実施している。

ダイセル インドにエアバッグ用インフレータの販売拠点

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2018年9月7日

 ダイセルは6日、インドの自動車エアバッグ用インフレータなどの販売拠点として、「Daicel Safety Systems India(DSSI)」を10月に設立すると発表した。

 場所はハリヤナ州グルグラム。資本金は約2200万円で、ダイセルが99.8%、Daicel Safety Systems(Thailand)が0.1%、Daicel(Asia)が0.1%出資する。

 インドでは自動車市場の急速な成長と安全規制強化に伴い、エアバッグへの需要も拡大している。ダイセルはこれまでインドでの営業活動を、主にタイを拠点に行ってきた。DSSIの設立により、インド市場で、より顧客に密着した営業活動を展開するとともに、将来的なインドへの生産拠点設置の検討も進めていく。

DNP リサイクルしやすいフィルムパッケージ2種を開発

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2018年9月7日

 大日本印刷(DNP)は6日、食品や日用品などに使用されるフィルムパッケージ向けに、よりリサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)で構成したパッケージ2種を開発したと発表した。

 近年、海洋プラスチック汚染が大きくクローズアップされ、全世界でリサイクルの推進が求められている。これまでのフィルムパッケージは、特性の異なる複数の素材を組み合わせて各種機能を付与しているため、リサイクルがしにくいという問題があった。

 同社はモノマテリアルによるフィルムパッケージの開発に注力し、製品化に成功。これまで培ってきたプラスチック基材へのコンバーティング技術や製膜技術、蒸着技術などを生かして必要な性能を付与することで、フィルムパッケージとしての機能を損なうことなく、PE素材とPP素材のモノマテリアルパッケージを実現した。

 さらに、地球温暖化防止への取り組みとして、一部に植物由来原料を使用したフィルムを使用することで、石油由来の原材料の使用を削減するとともに、ライフサイクル全体のCO2排出量の削減にも寄与していく。

 昨今の環境に対する危機感から、コストがアップしても環境配慮の取り組みを推進する企業が増加しており、今後はさらに環境配慮パッケージへの要求が高まっていくことが予測される。同社は、製造するフィルムパッケージをリサイクルしやすいモノマテリアルパッケージなどに切り替えることで、2025年度で国内と海外市場を併せて年間500億円の売上を目指す。

 今後も、モノマテリアルパッケージの性能向上や、製品ラインアップの拡充を進めていくことに加え、フィルムパッケージのリサイクルを推進する技術の開発や、スキーム(枠組み・仕組み)の構築についても、リサイクル業者や食品・日用品メーカー、流通企業などと共同で推進していく考えだ。

新日鉄住金エンジ 大ガスとタイでエネ供給プロジェクト

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2018年9月7日

 新日鉄住金エンジニアリングと大阪ガスはこのほど、共同出資するタイの現地法人NSETが、同国で二輪車製造を行うホンダグループのタイ・ホンダ・マニュファクチャリング向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトを竣工し、4月1日からエネルギー供給を開始したと発表した。

 同様のエネルギー供給プロジェクトは、昨年11月のホンダ・オートモービル・タイランド社向けに続き、同国では4件目となる。両社は引き続き、これまでの豊富な建設・操業・保守経験を生かし、環境性・経済性に優れたエネルギーエンジニアリングソリューションを提供することで、低炭素社会の実現に向けた顧客企業の取り組みに貢献するとともに、タイでの事業拡大を図っていく考えだ。

 同プロジェクトはガスエンジンによる発電後の排熱から蒸気・温水の双方を回収し、電熱供給する高効率コージェネレーションシステムと、高効率ターボ冷凍機を用いた冷水システムの導入により、15年間にわたり電気と熱(蒸気・温水・冷水)の供給を行い、工場内の省エネを図るもの。

 ガスエンジン・コージェネ設備の能力は、発電出力:7800kW、温水供給能力:2000kW、蒸気供給能力:4t/時、冷水供給能力:4900kW、想定CO2削減量:7000t/年。NSETが、コージェネの建設からオペレーション、ガスの調達まで全て行う「エネルギー・ワンストップサービス」を提供するビジネスモデルとなっている。

 また、系統電圧が低下した際には速やかに自立運転に移行し、コージェネが非常用電源として単独でのエネルギー供給を継続することが可能なため、系統事故時でも工場操業を安定化できる。

 環境面では、同プロジェクトは2国間クレジット制度(JCM)に基づくクレジットの獲得を目指す「環境省 平成27年度JCM設備補助事業」に採択されており、8月23日に環境省の確定検査を完了。JCMを活用することで、15年間で約10万tのCO2を削減し、日本のCO2削減目標の達成に貢献する。

帝人F 「ポランバリア」が花粉問題対策の認証マークを取得

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2018年9月7日

 帝人フロンティアはこのほど、花粉対策素材「ポランバリア」が、花粉問題対策事業者協議会(JAPOC)の認証マークであるJAPOCマークを取得した、と発表した。認定番号はJAPOC‐0043~0049。衣料用の生地がJAPOCマークを取得するのは初めて。

 JAPOCマークは、JAPOCが制定した花粉問題対策のシンボルマークであるとともに、JAPOCの規格を満たした製品・用品に付与される認証マーク。関連業界の発展と生活の向上に寄与することを目的としている。

 ポランバリアは細い糸を高密度に織り上げ、生地の表面を平滑にすることで、衣服に付いた花粉を落としやすくした花粉対策素材。コート、ジャンパーなどのアウターウェアや、スポーツウェアなどの素材として使われている。

 ポランバリアが衣料用の生地として、初めてJAPOCマークを取得したのは、衣服に付着した花粉を払い落としやすい性能や、衣服着用時の快適性能など、衣料用の生地に対する全ての評価基準をクリアしたことによる。

ULジャパン EV・HV用電磁環境両立性試験サービス開始

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2018年9月7日

 米国の第三者安全科学機関ULの日本法人であるULジャパン(三重県伊勢市)はこのほど、愛知県みよし市の自動車業界向け試験所「オートモーティブ テクノロジー センター」(ATC)内に、国内初となる電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)部品向け固定型ダイナモメーター搭載電波暗室「EHV Chamber」 を開設した。

 既存の高電圧対応電気試験に加え、EV/HV向け最新試験のワンストップ・サービスを提供する国内唯一の試験所となった。今月3日から正式にEMC(電磁環境両立性)試験サービスを開始している。

 同社はEV/HV市場拡大に備える国内車両メーカーや部品メーカーの試験期間の短縮を実現し、開発体制のサポートをさらに強化していく考えだ。2016年10月に発行された国際規格「CISPR 25:2016 Edition4」では、Annex ⅠにEV/HVに搭載される高電圧電源製品の評価方法が新たに追加された。これにより、EV/HV用車載部品の製品化段階で、走行中を模した実負荷試験が要求されるようになった。

 EHV Chamberは、最高トルク125Nm、最高回転数1万2000rpm、動力吸収容量一七〇kWまでの実負荷の再現が可能。さらに、ATCでは欧州メーカーが電気自動車に要求する電気試験(LV123、LV124、LV148)も提供しており、近年増加傾向にある車載向け高電圧製品にも対応する。

 米国・欧州が排ガス規制や燃費規制を開始するなど、現在各国の次世代自動車普及へ向けての対策が急速に進む中、国内各車両メーカーや部品メーカーも、EV/HVに付随する試験要求に対応するために、迅速に体制づくりを推進している。

 ULは最先端試験設備であるEHV Chamberの導入を通じて、EV/HV市場拡大に備えるメーカー各社の試験・開発体制構築をサポートするとともに、次世代自動車の普及と、自動運転技術の実現に貢献し、未来のクルマに対するトータルソリューションを提供していく方針だ。

SEMI 「世界OSAT工場データベース」の最新版を発表

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2018年9月7日

 マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会であるSEMIと、テックサーチ・インターナショナルはこのほど、半導体後工程受託製造(OSAT)企業の、世界唯一のデータベースである「世界OSAT工場データベース」の最新版を発表した。

 同レポートは、半導体デバイスのテストとパッケージングを請け負う工場の最新情報を提供するもの。最新版レポートは320の工場を収録し、前回レポートから提供パッケージング技術や対応製品、新工場発表、オーナー変更など、80工場以上の情報が更新された。

 また、今回のアップデートでは両者の情報を組み合わせることで、2016年と17年の売上トップ20のOSAT企業リストを提供し、各工場の技術やサービスの変更を加えた。

 同データベースは中国、台湾、韓国、日本、東南アジア、ヨーロッパ、南北アメリカのOSAT工場を網羅している。特に、工場所在地、技術、能力、センサー、自動車、パワーデバイスなどの特化製品、提供パッケージング組み立てサービス、新規工場の発表(計画、建設中)を重点的に取り上げている。

 同レポートに収録された情報は、世界の120社以上の企業から、両者が収集した。レポートはシングルユーザー・マルチユーザーのライセンスで提供され、SEMI会員割引がある。

 SEMIは米国カリフォルニア州ミルピタスに本部があり、世界2000以上の会員企業、130万人の専門家をつなぎ、エレクトロニクス製造の技術とビジネスの発展を支援している。テックサーチ・インターナショナルは1987年の創立。アドバンストパッケージング技術とマーケット情報を専門とする、技術ライセンス・コンサルティング企業である。

AGC インドネシアでPVCの生産能力を増強

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2018年9月6日

 AGCは5日、インドネシアのグループ会社アサヒマス・ケミカル社(ASC社)での塩化ビニル樹脂(PVC)生産能力を20万t増強し、75万tに拡大すると発表した。操業開始は、2021年の第2四半期を予定しており、東南アジア地域でのPVC年間生産能力は約120万tとなる。

 同社が行う東南アジアのクロール・アルカリ事業は、インドネシア、タイ、ベトナムで展開。同地域では製造業やインフラ事業などが経済成長に伴い継続的に拡大しており、今後もクロール・アルカリ事業で手掛けているカセイソーダやPVCの需要は安定的に伸長することが見込まれている。

 この旺盛な需要に対応するため、ASC社では16年のカセイソーダやPVCなどの大規模増強に続き、今回のPVC生産能力増強を決定した。

 同社グループは経営方針「AGC plus」のもと、東南アジアでのクロール・アルカリ事業拡大に注力。今後もさらなる能力増強を実施し、東南アジア地域ナンバーワンのポジションを確固たるものにするとともに、同地域の経済発展に貢献していく考えだ。

【合成ゴム特集】JSR S‐SBR生産で世界3拠点体制に

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2018年9月6日

 JSRは世界3極での生産体制の構築やマーケティングの強化、製品開発体制の見直しにより、現在の中期経営計画「JSR20i9」で、エラストマー事業の目標として掲げる「S‐SBR(溶液重合スチレンブタジエンゴム)でグローバルN0.1」の実現を目指す。

 同社のS―SBR生産は現在、四日市工場(年産6万t)とタイ工場第1期(5万t)・第2期(同)の10万tを合わせ16万t。これに、今年度内に稼働を開始する予定のハンガリー工場(6万t)が加わると、合計22万tとなる。

 山脇一公上席執行役員エラストマー副事業部長兼エラストマー事業企画部長は、同社のS‐SBRの現状について「低燃費タイヤの

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旭化成 MMAモノマーとCHMAを値上げ

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2018年9月6日

 旭化成は5日、MMAモノマーとシクロヘキシル・メタクリレート(CHMA)を、9月10日出荷分から値上げすると発表した。改定幅はMMAモノマーが22円/kg、CHMAが22円/kg以上としている。

 MMAモノマーは世界的に塗料・接着剤、キャストシート、透明樹脂用途の需要が旺盛なことに加え、中国での環境規制の強化から、リサイクルMMA生産が大幅に縮小しMMAモノマーへの切り替え需要も伸長している。

 一方、供給面では世界的に長期の定期修理が続き、設備トラブルも相次いだことから、需給バランスは非常にタイト化しており、海外市況は上昇を続けている。

 こうした中、ナフサなど主原料の価格も上昇しており、同社は今後もユーザーへの安定供給を継続させるため、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。