帝人の4-12期、のれんの減損損失計上で純損失に

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2023年2月9日

 帝人は8日、2023年3月期第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比11%増の7651億円、営業利益61%減の148億円、経常利益58%減の175億円、純損失71億円(同329億円減)だった。複合成形材料事業の米TST-US社について、のれんに係る減損損失を154億円計上したことが響いている。

 セグメント別に見ると、マテリアルは増収・営業損失。自動車・航空機用途を中心とした販売量の増加や、原燃料価格高騰に対応した販売価格改定および為替影響などで増収。米国拠点での設備故障による生産性悪化、欧州拠点での労働力不足による生産性悪化や工場火災などによる生産量低下、中国ロックダウンおよびその後の経済減速による需要減、原燃料価格高騰および物流費増などで大幅な減益となった。

 ヘルスケアセグメントは減収減益。主力製品「フェブリク」の後発品が参入し販売量が減少した。繊維・製品セグメントは増収増益。産業資材分野は需要が堅調、衣料繊維分野は需要が好調に推移し、コスト高を販売価格に転嫁した。ITセグメントは増収減益となっている。

 なお同日、通期連結業績の修正を発表。マテリアルでの収益悪化や複合成形材料事業での減損損失の計上を織り込み、売上高1兆300億円(前回発表比200億円減)、営業利益100億円(同150億円減)、経常利益120億円(同170億円減)、純損失180億円(同340億円減)に下方修正している。

塩ビ樹脂、2月インド向け輸出、前月比140ドル高

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2023年2月6日

米国品減少で需給が改善、在庫積み増しの動きも

  塩ビ樹脂(PVC)の2月分のアジア輸出価格は、インド向けが前月比140ドル高の1000ドル、中国その他向けが同70ドル高の885ドルで決着した。インド向けは5ヵ月ぶりに1000ドル台となり、中国向けも4ヵ月ぶりに800ドル台を回復している。台湾大手メーカーも、インド向け同90ドル高の930ドル(ボリュームディスカウントなし)、中国向け同70ドル高の885ドル(同なし)で決着。両地域とも2ヵ月連続でプラスとなり、アジアの輸出環境が持ち直してきたことが伺える。

 インドは需要期に入り農業用パイプなどの引き合いが強まっている。しかし、海外メーカーが内需の不振で余剰となった玉をインド向けに輸出したため、昨年の夏場から輸出価格は下落基調を強めていた。こうした中、12月に入り、在庫調整がひと段落した米国品をはじめ海外品のインドへの流入が一服。需給バランスがタイト化したことで、先高観から在庫を積み増す動きが強まった。これを受けてインド向け輸出価格は反転し、1月に90ドル高となり、2月も140ドル高とさらに上昇する結果となっている。

 ただ3月についてはステイあるいは弱含みになるとの見方が出ている。2ヵ月間で230ドル高となった反動で調整局面になることや、在庫を積み増した需要家が様子見になることが想定される。また輸出価格が持ち直してきたことで、米国品や中国品が急増し、上値が抑えられるとの指摘もある。

 一方、中国は、行動制限による需要減退に加え、不動産問題が解消されないこともあり、PVCの内需が盛り上がりを欠く。また、輸入したPVCが使用される再輸出品も、輸出先である欧米の景気悪化で引き合いが弱い状況が続いている。1、2月の中国向け輸出価格の上昇は、インドの価格に引っ張られたとの見方が強く、3月についてもインド価格に合わせた値動きとなりそうだ。ただ、ゼロコロナ政策が解除されことで、中国経済が回復することへの期待が高まっている。中国政府の対策次第では景気が好転する可能性もあり、今後の市場動向が注目される。

 なお、日本の12月のPVC輸出は前年同月比12.5%減の4万3200tと5ヵ月連続でマイナスとなった。2022年累計では54万tとなり、前年から5万tも減少している(VEC発表)。2023年についても、輸出環境が改善しない限り、輸出量は月間4万t台で推移すると見られる。

UBE、CPL1月契約価格、2ヵ月連続100ドル安

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2023年1月27日

中国経済の混乱が要因、春節休暇明けの動向注視

 UBEは、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、1月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比100ドル安の1550ドルで決着した。12月は原料ベンゼン見合いで100ドル安となっていたが、1月はゼロコロナ政策を緩和した中国の混乱が重荷となり、2ヵ月連続で大幅安となっている。

 CPLの契約価格は、中国から輸出されるナイロンチップの動向に左右される。昨年2月まで中国からの輸出量は月2万tペースだったが、行動制限による内需の低迷で増加基調となり、6月には4万1000tを記録。その後、3万t台まで落ちたものの、再び10月3万8000t、11月3万9000tと高水準で推移している。安価な中国チップがアジア市場に定着したことで、台湾チップの価格の下押し要因となっており、UBEの契約交渉も夏場以降から値下げ圧力が強まっている。

 こうした中、中国政府は12月にゼロコロナ政策を緩和。これが感染者の急増につながり、経済活動の混乱に拍車をかけた。中国のCPLスポット市況が急落したため、SINOPECは、12月(下旬決め)の契約価格を、75ドル安(900人民元安)の1360ドル(1万1700人民元)で決着している。こうした最悪期の交渉となったことで、UBEも2ヵ月連続での百ドル安を受け入れざるを得なかったようだ。

 ベンゼンとのスプレッドも大幅に悪化した。1月のベンゼンACPが高騰したため、スプレッドは155ドル縮小の685ドルとなり、2020年9月以来、2年4ヵ月ぶりに700ドル台を割り込んでいる。副生される硫安の市況回復が遅れていることもあり、UBEにとって事業採算が大幅に悪化している状況だ。

 一方、感染拡大がひと段落したことで、年明けから中国経済回復への期待が高まっている。CPLのスポット市況も反転し、春節休暇(1月21~27日)直前まで上昇基調を継続。これを受けて、SINOPECは1月の公示価格を前月から580人民元高の1万2280人民元で発表。人民元高を踏まえるとドルベースでは10月の水準を上回っており、市場の空気が一変したと言える。

 中国のナイロンチェーン稼働率(1月3週目までの平均)を見ると、CPLは79%稼働と前月比7ポイントも上昇した。定修明けの複数メーカーが稼働を再開したことが背景にある。チップは汎用グレードが持ち直したことで66%と2ポイント上昇。ヤーン(糸)は、春節休暇を控え紡糸工場が早めに工場を止める傾向にあるため、50%と10ポイント以上も低下した。CPLが高稼働でも市況が上昇していることから、春節休暇明けの需要増を見据えた需要家の買いが入っているようだ。

 UBEは2月の契約について、ベンゼン市況の上昇を吸収できる200ドル高以上の値上げで決着したい意向。春節休暇明けに中国市況が強含めば、契約交渉がスムーズに進むと見られる。ただ、欧米の景気減速が懸念材料。アジア地域からナイロン製品の輸出が頭打ちになれば、在庫が積み上がる可能性もあり、この先の市場動向が注目される。

 なお、UBEは3工場で稼働調整に取り組む。宇部工場は硫安の輸出を抑えるため90%程度に稼働を落としている。海外工場についても事業環境の改善が見られないことから、タイ工場は80%稼働、スペイン工場は70%の低稼働が続いている。

帝人 建設現場で水素燃料電池を活用、実証を来春開始

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2022年10月18日

 帝人は17日、東急建設と共同で、水素燃料電池を建設工事現場における電源として活用する実証実験を実施すると発表した。東急建設が進める渋谷駅周辺開発の建設工事現場で、2023年4月からの開始を予定している。

 夜間工事では、

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東レ MLCC離型用フィルム、岐阜工場の生産能力増強

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2022年10月11日

 東レは7日、MLCC(積層セラミックコンデンサー)製造時の工程離型用ポリエステルフィルム「ルミラー」について、生産能力の増強を決定したと発表した。岐阜工場の生産設備を改造し、生産能力を現行比1.6倍に拡大する。投資額は80億円で、2025年の稼働開始を予定している。

 MLCCは、

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大陽日酸 各種産業ガスを値上げ、各種コストが高騰

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2022年7月12日

 大陽日酸は11日、各種産業ガスについて8月出荷分から値上げすると発表した。対象商品は液化ガスローリー製品(酸素、窒素、アルゴン)、各種シリンダー製品(酸素、窒素、アルゴン、混合ガス、水素ガス、ヘリウムガス関連製品)で、改定幅は「平均15%程度」。なお、ヘリウムガス関連製品の改定幅は、純度・容器仕様などの製品規格ごとに案内するとしている。

 同社は今年2月出荷分から、エネルギー市況高騰による電力料金の上昇や鋼材価格・各種原材料費の高騰を受け、各種産業ガスの価格改定を進めてきた。しかし、その後も電力料金や各種原材料費は上昇し続けており、足元のエネルギー市況、為替動向、脱炭素という不可逆的な潮流を鑑みても、これらコストの高騰は今後も継続するものと推測される。また、ヘリウムガスに関しては、世界的な需給ひっ迫や輸送長期化、海上輸送費の高騰などによって著しくコストが上昇している。

 同社は、これらの急激かつ大幅なコストアップは企業努力で吸収できる範囲をはるかに超えていることから、今回、改めて価格改定を決定した。

旭化成など PETボトルのリサイクルを見える化

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2022年7月7日

ファミマの店頭で回収、トレーサビリティを活用

 旭化成、ファミリーマート(ファミマ)、伊藤忠商事、伊藤忠プラスチックス(CIPS)は6日、ファミマ実店舗におけるトレーサビリティ(追跡可能性)システムのプロトタイプを用いた、PETボトルリサイクルの実証実験を行うことで合意したと発表した。今秋以降に、都内の一部店舗で初回の実証を予定している。

PETボトルリサイクル 実証実験のイメージ

 使用済みプラを資源として再利用する

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東亞合成 カセイカリ製品再値上げ、安定供給を維持

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2022年6月28日

 東亞合成は27日、「液体カセイカリ」「フレークカセイカリ」「スーパーカリ」の3製品を、7月1日出荷分から値上げすることを決め需要家との交渉に入ると発表した。改定幅は、液体カセイカリとスーパーカリが「110円/kg以上」(固形換算)、フレークカセイカリが「110円/kg以上」(有姿)。

 対象製品については今年2月に値上げを実施したが、その後も主原料の塩化カリは、需給ひっ迫や円安を背景に調達価格が大幅な上昇を続けている。また、電力料金や物流費なども高騰。同社では、生産効率化や物流合理化によるコスト削減を継続しているが、これらのコストアップは、自助努力のみで吸収できる範囲を大幅に超えていることから、適正品質の製品を安定供給していくために、価格是正が必要と判断した。