BASF プラスチック廃棄物のケミカルリサイクル推進

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2021年6月8日

 BASFはこのほど、クアンタフューエル社(ノルウェー)とレモンディス社(ドイツ)との間で、ケミカルリサイクル(CR)事業での協働を評価するための覚書に署名したと発表した。プラスチック廃棄物の熱分解プラントの立地や共同投資も評価対象に含まれる。

 欧州では、リサイクルされないプラスチック廃棄物は毎年約2000万tある。熱分解技術により、技術的・経済的理由などでマテリアルリサイクルされていないプラスチック廃棄物を再資源化し、資源循環に戻すことが可能だ。3社はプラスチックの循環型経済を最大化するために、CR可能なものを特定していく。

 世界有数の廃棄物・水管理会社レモンディスがプラスチック廃棄物をプラントへ供給し、混合プラスチック廃棄物の熱分解と熱分解油の精製を専門とするクアンタフューエルが技術提供とプラント運営を行い、生成した熱分解油をBASFが統合生産拠点で原料として使用する。熱分解油は化学品バリューチェーンの初期段階で投入されるため、最終製品は化石資源由来の製品と同じ特性で、同量の化石資源の使用量を削減することにもなる。再生原料は、第3機関の監査を受けたマスバランス方式で最終製品に割り当てられ、製品名の末尾に「Ccycled」を付けて認証済み製品として提供される。

 BASFは、「2025年から年間25万tのリサイクル原材料を使用する」という目標達成にとってプラスチック廃棄物の持続可能なサーキュラー・エコノミー・モデルの構築は重要で、今回の廃棄物管理・リサイクル分野の企業や革新的な技術提供者との協業は理想的だとしている。

旭化成ホームプロダクツ フロッシュと名水百選、コラボでキャンペーン

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2021年6月8日

 旭化成ホームプロダクツはこのほど、「フロッシュ」と環境省が指定する「名水百選」がコラボレーションしたキャンペーンを展開すると発表した。「フロッシュ 食器用洗剤」を対象商品としたプレゼントキャンペーン「名水百選応募キャンペーン」を、イオンリテール・イオン北海道・イオン九州・イオン琉球の各店舗で、6月1日~8月31日に実施する。

:「フロッシュ 名水百選応援 キャンペ ーン」
「フロッシュ 名水百選応援 キャンペ ーン」

 同キャンペーンは、より多くの人々に「名水百選」について認知してもらうとともに、〝ほぼ100%自然に還る〟特長をもつ、サステナブルハウスケアブランド「フロッシュ」を使ってもらうことで、日本の豊かな水資源を未来へ残していくことを呼びかける。

 今回特集したのは、「安曇野わさび田湧水群」(長野県安曇野市)、「秦野盆地湧水群」(神奈川県秦野市)、「十王村の水」(滋賀県彦根市)。キャンペーンの形式は答えて応募と買って応募の2種類。答えて応募では「除加湿空気清浄機」、買って応募では「名水百選オリジナルQUOカード」や「名水の郷 おいしい水セット」が応募者の中から抽選で当たる。なお、応募方法の詳細については、ウェブサイト(https://www.frosch-meisui.com/)まで。

 

DIC 配線形成用シードフィルムが日化協技術特別賞に

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2021年6月8日

 DICは7日、太陽ホールディングスの子会社である太陽インキ製造と共同開発した「高周波対応配線形成用新シードフィルム」が、第53回日化協技術特別賞を受賞したと発表した。

日化協 技術特別賞を受賞した⾼周波対応配線形成⽤新シードフィルム
日化協 技術特別賞を受賞した⾼周波対応配線形成⽤新シードフィルム

 5Gの普及に伴い、使用周波数帯域であるSub6やミリ波帯で高周波信号をロスなく伝送する銅配線技術が重要になる。しかし、高周波帯域では電流が銅配線の表層にしか流れず、表層の形状が平滑でなければ伝送損失が増大するため、配線の4辺を平滑にする銅配線形成技術が求められていた。

 こうした中、DICは、同社の金属ナノ粒子材料をフレキシブルプリント配線板用に展開し、銅配線形成時の銅めっきのシード層として使うフィルム材料を開発。同フィルム材料により、基材フィルムと銅配線の界面を極めて平滑な状態で密着させることができる。

⾼周波対応配線形成⽤新シードフィルムによる銅配線形成例. png
⾼周波対応配線形成⽤新シードフィルムによる銅配線形成例

 また、同フィルム材料は、銅とは異なる金属をシード層に使用するため、シード層のみをエッチングすることが可能となる。より精度の高い銅配線を形成する方法として従来用いられている銅シード・モディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)に比べ、銅配線が痩せずに配線表面や側面が平滑なファインパターンを得られる。こうした特長が、次世代通信規格5G通信の高周波伝送損失を低減できる技術として高く評価され、今回の受賞に至った。

 DICは「当社グループは、2017年から太陽ホールディングスと資本業務提携を行っており、今回の受賞がその具体的な成果として評価されたことを大変喜ばしく思う。今後もさらに資本業務提携によるシナジーを生かして成長の基軸となる事業を構築し、将来にわたる発展に繋げていく」と述べている。

日本プラスチック工業連盟 新4カ年計画、CNなど目線に重点目標を策定

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2021年6月7日

 日本プラスチック工業連盟はこのほど、プラスチックを取り巻く激しい環境変化への対応や課題解決に取り組む、新4カ年計画(2021~2024年度)を策定した。

 プラ工連は今後4年間を「プラスチックに関わる諸課題の解決に確実に取り組むとともに、プラスチックの有用性を改めて示していく極めて重要な期間」と位置づける。①「プラスチック資源循環戦略の強力な遂行、社会実装化」②「プラスチックのイメージアップ」③「日本からの主体的・積極的な主張発信」の3つの最重点実施項目に沿って、環境・広報・国際規格それぞれの側面から4カ年計画を推進していく考えだ。

 前4カ年計画(2017~2020年度)では、海洋プラスチック問題に関連したプラスチックのリサイクル促進や、樹脂ペレットの漏出防止対策などに注力。同時に、プラスチック有用性の広報活動、ISO/JISの適正な制定・改訂作業を継続的に進めてきた。その間にも、プラスチックを取り巻く環境はより厳しさを増し、地球温暖化の解決に向けた資源・エネルギー使用の徹底的な低減がより強く求められるようになり、海洋プラ問題についても環境への配慮や安全性が一層クローズアップされてきた。

 昨年10月には政府が「2050年カーボンニュートラル」を宣言。その達成のためには、単にプラスチックのリサイクルだけではなく、石油をはじめとする天然資源使用の抑制や、製造などで使用するエネルギーの徹底的な削減に加え、再生エネルギーの積極的な利用、さらには使用済みプラスチックの有効利用など、あらゆる場面で革新的な対応が必要になってくる。プラ工連は、「プラスチックの資源としての循環利用は、海洋プラ問題への対応も含め、プラスチック業界に求められる大きな使命」との考えの下、プラスチックへの理解促進などを含め、独自のプラスチック資源循環戦略を強力に推進していく。

 

 

ランクセス 消毒・衛生製品の仏テセオ社の買収を完了

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2021年6月7日

 ランクセスはこのほど、畜産衛生およびバイオセキュリティ・ソリューションのトップメーカーである仏テセオ社の買収を4月1日付で完了したと発表した。テセオ社の事業をランクセスの物質保護剤ビジネスユニットに統合し、ラヴァル(フランス)、ヴィートマールシェン(ドイツ)、ハル(英国)、カンピーナス(ブラジル)拠点に在籍する約100人の従業員も統合される。

 成長する畜産衛生市場向け製品のラインアップは大幅に拡大し、消毒・衛生製品ソリューションの幅広い製品群が提供可能となった。また畜産分野に、疾病予防・抑制製品、動物用栄養業界向けの製品が追加された。買収金額は約7000万ユーロ、買収事業の年間売上高は約3300万ユーロで、EBITDAは数百万ユーロだ。3年以内に、相乗効果による同程度の年間EBITDAの上積みを期待している。

東洋紡 VCファンドに出資、国内ベンチャーと連携強化

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2021年6月7日

 東洋紡はこのほど、リアルテックホールディングス(東京都墨田区)が運営するベンチャーキャピタル(VC)ファンド「グローカルディープテックファンド」に出資参画したと発表した。

 同ファンドは、地方発の「リアルテックベンチャー」、例えば、ロボティクスやエレクトロニクス、バイオ、環境・エネルギー、新素材といった領域に革新的なテクノロジーもつ、研究開発型のベンチャー企業に積極的な投資を行うことを目的として、昨年6月から活動を開始。参画企業である地域金融機関や事業会社と連携し、優れた技術をもつベンチャー企業を支援・育成することで、グローバルな課題の解決と、地域経済の活性化を図っている。今回の出資者募集では、総額100億円の資金を調達した。

 東洋紡は、リアルテックホールディングスが運営する日本最大規模のVCファンド「リアルテックファンド1号」に2016年に加入するなど、国内ベンチャー企業の支援に注力してきた。今後は新たなファンドの参画組合員として事業分野と適合性の高いベンチャー企業の情報を収集し、日本全国のネットワークを活用した協業機会の創出を加速する考えだ。

 東洋紡は〝めざす姿〟に、「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループ」を掲げる。引き続きオープンイノベーションを推進し、社会課題の解決に貢献していく。

マイクロ波化学 カーボンニュートラルの取り組みを推進

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2021年6月7日

 マイクロ波化学はこのほど、カーボンニュートラル(CN)に向けた取り組みを「C NEUTRAL 2050 design」として推進していくと発表した。CO2排出量削減策として製造プロセスの電化がカギとされるが、大型化や効率の観点から課題が多く、現段階では具体的なソリューションが確立されていない。

 同社は、再生可能エネルギーによる「電化」と「マイクロ波プロセス」の2つの要素を掛け合わせて製造プロセスを構築することで、石油・石炭など化石燃料由来のエネルギーを利用する従来プロセスと比較して90%以上のCO2排出削減を可能にする。

 マイクロ波は電気を利用するエネルギー源で、物質を直接・選択的に加熱できる特徴がある。同社は、マイクロ波をプラント規模へのスケールアップを可能とする「マイクロ波プラットフォーム技術」を実現。国内外の様々な企業との共同開発やプラントの立ち上げを行い、世界に先駆けてマイクロ波プロセスを産業分野に導入している。

 また、2022年には年間数百t規模のマイクロ波を使ったプラスチックのケミカルリサイクルの実証試験を計画。2030年までのロードマップとして、さらなる大型化の技術を確立し、膨大なCO2排出量・エネルギー消費量を伴う石化プロセスをマイクロ波プロセスに置き換えていく。

 同社は、今後も「C NEUTRAL 2050 design」を加速させ、化学産業へのマイクロ波プロセスの導入を通じて、CNの実現をリードしていく考えだ。

 

チッソ 国内グループ会社で希望退職制度を実施

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2021年6月7日

 チッソはこのほど、国内の同社グループの従業員を対象とした希望退職制度を実施する、と発表した。今年9月30日時点で、国内に勤務する年齢50歳以上60歳未満かつ勤続年数十年以上の正社員と60歳以上の再雇用社員を対象に、7月12~30日に約120人を募集する。

 同社は今年3月に公表した「中期計画~業績改善のための計画~」(2020~2024年度)に沿って、早期の収益回復のために構造改革の断行、電力事業の収益拡大、ガバナンス/モニタリング機能の強化などの各施策に取り組んでいる。中計の実現に向け、同社グループで要員の適正化を図り事業体質を強化するため、今回、希望退職制度の実施を決定した。

日本ゼオン 電池サプライチェーン協議会に加入

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2021年6月7日

 日本ゼオンは4日、「一般社団法人 電池サプライチェーン協議会(BASC)」に正会員として加入したと発表した。BASCは電池材料、部品、それらの原料および関連産業の健全な発展を図る目的で今年4月に設立。関連企業約60社が加盟しており(5月末時点)、脱炭素社会の実現に向けて、電池サプライチェーンの国際標準化や電池エコシステム構築などの活動を行う。

 同社は、今後ますます成長が見込まれるリチウムイオン電池(LIB)市場に、電池用バインダーをはじめLIBの性能向上に寄与する各種素材を提供している。今回の同団体への参加を通じて、これからもカーボンニュートラルを実現する「ものづくり」に努めていく考えだ。

新日本理化 京都R&Dセンター、次なる100年に向け始動

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2021年6月3日

 新日本理化がけいはんな学研都市(京都府精華町)に整備を進めていた「京都R&Dセンター」がこのほど竣工し、業務を開始した。地上3階建て。実験室やオフィスのほか、パイロットエリアを同施設内に併設しているのが特徴だ。2階まで吹き抜けの大空間では、製品化に向けた合成実験や樹脂の成形試作といった実証実験を行い、顧客の要望に応える多様な取り組みを進めていく。投資額は土地・建物・設備などを含め総額約30億円。

「京都R&Dセンター」の外観
「京都R&Dセンター」の外観

 三浦芳樹社長は、同センターを「次の100年への発展に向けた挑戦の場、まさしくBe the best SPICE! の総本山」と位置づける。

 2019年に創業100周年を迎えた同社は、2030年を目標に経営ビジョン「Be the best SPICE!」を打ち出し、「スパイス」にキラリと光る唯一無二の特性をもつ素材と、それを生み出す多様な価値観をもった精鋭たちの意味を込めた。新拠点を中核に、次なる100年を担う研究開発・技術力の強化と、オープンイノベーション推進による新たな価値の創造を実現していく。

 同センターのコンセプトは「開放」「融合」「挑戦」の3つ。技術や研究テーマ、研究拠点を開放し顧客と共に活気ある研究空間の創造を行い、同業、異業種、スタートアップ企業を問わず、親和性の高いビジネスパートナーとの交流や共同研究を進めていく中で、ダイバーシティ&インクルージョンの実現と技術の進化を目指していく。

実験室の様子
実験室の様子

 さらに、開放と融合の下にイノベーションを創出し、社会課題の解決に挑戦していく考えだ。コンセプトに基づき、多様なパートナーと技術交流・共同研究を行う共同実験室を設置したほか、オフィスエリアにフリーアドレス方式を採用することで自由に動けるメリットを生かし、研究員同士のコミュニケーション促進と新たな発想を生む環境を整えた。

 また、環境への配慮から、屋上に太陽光発電パネルを設置したほか、高断熱素材の使用や、空調後の空気の排気量を抑える「低風量ドラフトチャンバー」の導入などにより、建物全体のエネルギー消費量を抑制している。

 けいはんな学研都市は、京都市街の中心部から南へ30Kmに位置する。多くの研究機関が集中する文化・学術研究都市として、現代のイノベーション発信拠点となっている。