【化学企業 入社式訓示④】東レ 日覺昭廣社長

, ,

2020年4月7日

 東レグループは、1926年の創業以来、「社会への奉仕」を存立の基礎とし、素材には社会を変える力があると標榜している。2018年に「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」を公表し、2050年に向けた、東レグループの事業推進による社会への貢献と、それに伴う環境負荷の低減の両面について、当社の考え方と中長期の取り組みを示した。

 東レグループが応えるべき課題を推進するために、次期長期経営ビジョンと次期中期経営課題では、引き続き、「グリーンイノベーション事業拡大プロジェクト」と「ライフイノベーション事業拡大プロジェクト」の2つのプロジェクトを通じて積極的な事業拡大を推進していく。

 長期戦略では「事業を通じた社会貢献」という創業以来引き継がれてきた考え方に基づいた「東レ流の経営」を実践することで、単に事業規模を拡大するのではなく、社会から尊敬される企業体として存在することを目指している。

 2020年度は、次期長期経営ビジョン、次期中期経営課題のスタートの年だ。全社員が一丸となり、これを実現するための課題に取り組み、目標を達成することが重要である。皆さんもこれから始まる東レでの仕事に積極的にやりがいを持って取り組んでほしい。

 また、当社はグローバルに事業展開する企業グループであり、長期的視点に立ちその国の社会発展・産業振興・輸出拡大・技術水準向上への寄与を海外展開の基本方針としている。誠実な企業市民として高い倫理観を持ち、社会貢献を果たす企業である。これらの特徴は、社員が長い歴史の中で誇りを持って築き上げてきたことだ。今日から東レ社員となる皆さんにも是非、この文化・伝統をしっかりと身につけてもらいたい。

 最後に、入社に際し皆さんに四つのことを期待する。「『高い志』と『大きな気概』を持って仕事に取り組むこと」「現場に立脚した『第一人者』、世界トップレベルの『専門家』になること」「グローバルに通用するしっかりとした考え方・価値観・判断基準を持つこと」、そして「『社会的責任』を常に意識し、高い倫理観と強い責任感を持って行動すること」だ。

 これら4つのポイントをしっかりと胸に刻み、健康で明るく前向きに頑張って、有意義な会社生活を切り開いていただきたい。

出光興産と東工大 出光協働研究拠点を同大キャンパスに開設

, , ,

2020年4月7日

 出光興産と東京工業大学は、次世代材料の創成を目的として、今月1日に「出光興産次世代材料創成協働研究拠点」(出光協働研究拠点)を東工大すずかけ台キャンパス内に開設した。両者は、2000年代初頭から高分子材料分野を中心に幅広い領域で共同研究に取り組み、新規繊維・フィルム材料開発をはじめとして優れた成果を上げてきた。

 今回新設した「出光協働研究拠点」は、これまでの個別共同研究の枠を超え、「組織」対「組織」の連携により大型で総合的な研究開発を推進し、新たな価値創造を目指した次世代材料の創成と人材育成に取り組む。同研究拠点は、「東京工業大学オープンイノベーション機構」の支援の下、高分子分野の基盤技術の強化・拡充と、次世代モビリティ・高速通信などの領域で社会変革を実現する革新的な技術開発に関する研究活動を行う。また、高分子以外の幅広い分野を含むテーマ探索も推進する。

 なお、高分子関連分野では、高分子構造・物性、成形加工を専門とする東工大物質理工学院の鞠谷雄士教授と出光の代表共同研究員である末次義幸Ph.D.が組織を共同運営する。

 両者は、幅広い分野で高機能材料事業(潤滑油・機能化学品・電子材料・アグリバイオなど)を展開する出光の強みと、物質・材料をはじめとする広い領域にわたり、高度な学術的知見と最先端の科学・工学技術を持つ東工大の強みを融合し、新たな価値創造に挑戦していく。

出光興産次世代材料創成協働研究拠点の体制 イメージ図
出光興産次世代材料創成協働研究拠点の体制 イメージ図

 

デンカと明星セメント 糸魚川で石灰石鉱山を共同開発へ

, ,

2020年4月7日

 デンカと明星セメント(新潟県糸魚川市)はこのほど、糸魚川市青海(おうみ)地区内での次期石灰石鉱山の開発計画を共同で進めていくと発表した。両社は現在、デンカは青海鉱山で、明星セメントは田海(とうみ)鉱山でそれぞれ石灰石採掘事業を行っている。

 近年産業の国際競争が激化する中、同地で共存共栄しながらさらに発展していくためには、両社で石灰石の共同採掘体制を構築することが不可欠と判断し、今回、共同での開発計画の推進を決定した。

 開発予定地は黒姫山の南側斜面一帯を想定。開発に当たっては、環境保護・保全を進めながら企業活動を継続していくことが社会的使命であると捉えており、すでに環境影響評価に着手している。

 また、糸魚川市は「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されていることから、開発計画に関しては産業の維持と環境保護の両面から検討する必要があるとの認識の下、今後糸魚川市へは審議を要請していく考えだ。

 鉱山開発は準備や調査項目が多岐にわたり、計画には長期の時間と多額の費用を要することから、出鉱開始はおおむね9年後の2029年頃を目標に進めていく。

【化学企業 入社式訓示③】JNC 山田敬三社長

, ,

2020年4月6日

 私からの祝辞として3つお話しをさせていただく。1つ目は、社会人としての基礎力についてだ。特別な才能を持っている人は別だが、通常は基礎となる土台があって、その上に職場で要求される能力を積み上げ、期待される専門分野のスキルを磨いていかなければならない。

 そして、さらに知恵を絞り、周囲を巻き込むことで、ようやく価値を創造する仕事ができるようになる。完璧に身に着ける必要はないので、最低水準を自分の目標と決めて社会人としてスタートしてほしい。

 2つ目は「約束の本当の意味」についてだ。約束の目的は期限を守ることではない。約束とは人を喜ばせることであり、その人が喜ぶとは、その人の役に立つことにほかならない。報告書1枚でも、たった1枚のメモであったとしても、どうすれば相手が喜ぶかを考えることで、仕事は円滑に進むだろうし、笑顔が生まれ職場の雰囲気もグッと和むのではないだろうか。「約束は相手を喜ばせること」と覚えておいてほしい。

 3つ目は、重役は無理かもしれないけれど部長には必ずなれるという秘訣だ。不平不満に終始する姿からは建設的なものは決して生まれない。会社を褒めるという態度で毎日を過ごし、そうなるように努力する人はどこの会社からも求められており、必ず注目される。とすれば、そんな人を部長にせずして誰を部長にするのだろうか。是非、今日から実行してもらいたい。

 最後に、今日まで皆さんを育ててくれたすべての人に感謝する気持ちを持ち続けてほしい。そして、今後皆さんが過ごすJNCの歴史を学びながら、今からお世話になる人たちに感謝の気持ちを持って毎日の業務に励んでほしい。同期の仲間を大切にすることも忘れてはならない。同期全員で一緒に成長していくことを、そして、JNCを通して社会に貢献できる人材になることを心からお願いする。

 

【化学企業 入社式訓示③】日本ゼオン 田中公章社長

, ,

2020年4月6日

 新入社員の皆さん、創立70周年の記念すべき年に入社されることを歓迎しお祝い申し上げる。

 皆さんが今日、無事にこうして社会への第一歩を踏み出すことができたのは、日々の努力があってのことだ。しかし、自身の努力だけではない。生まれてから今日に至るまで育ててくれたご家族やご親族の方の支えがあったからこそ、今日こうして社会への第一歩を無事に踏み出すことができたのだと思う。今までお世話になった方々、育てていただいた方々に感謝の気持ちを持つということは社会人の基本だ。周囲に対する感謝の気持ちを忘れないようにしていただきたい。

 さて、新入社員の皆さんに実践してほしい3つのお願いがある。1つ目は、「夢を持ち続ける」ことだ。私は「夢やありたい姿を真剣に追い求めるとすべてが変わる」と思っているし、信じている。夢を持ち続け、夢の実現に向け、真剣にチャレンジを続けてほしい。

 2つ目は、会社を変える、ゼオンを変えるということだ。現在、当社を取り巻く環境は、凄まじい勢いで変化している。お客様の真のニーズや価値観は多様化し、社会で求められているものを的確に把握することが難しい世の中になってきた。

 このような中、新しい価値を生み出す土台として、ダイバーシティ推進に取り組み、先を読み、仕事のやり方や考え方を大きく変えていかないと、ゼオンも生き残っていけない、と強い危機感を持っている。

 皆さんは、まずは仕事を教わることがスタートだが、ゼロベースで「本当にこの仕事が必要なのか」「こうやったほうがいいのではないか」、あるいは「もっと効率的にできるのではないか」などといった視点を持ち、提案することでゼオンを変えてもらいたいし、そういう気持ちを持って挑んでほしいと考えている。

 3つ目は、健康であり続けることだ。病気にならない、怪我をしないと心に決め、皆さん全員が現状より一歩でも健康になるよう鍛錬を重ねて、定年まで元気に仕事をしてほしい。

【化学企業 入社式訓示③】積水化学工業 加藤敬太社長

, ,

2020年4月6日

 新入社員の皆さん、積水化学グループへの入社おめでとう。心からのお祝いと歓迎の意を表し、皆さんへの3つの期待をお伝えする。

 まず、「際立ち」を身に付けてもらいたい。仕事に慣れる過程で、自分の強みや弱みを把握し、弱みを改善するとともに、「これだけは他の人に負けない」という強み・持ち味を際立たせてほしい。それが自信と成長につながってくる。

 次に、困難は自分とチームの成長のもと、と捉えることだ。仕事に困難はつきものであるが、克服するために考え抜くことでひと回り大きくなれる。1人で抱え込まず先輩や同僚とチームとして解決策を考えれば、全体の成長につながる。その意味でも、同期を大切にしてほしい。

 3つ目は、約束を守ること。これは徹底してこだわっていただきたい。「必ず約束を守る人だ」「約束を守る会社だ」という評価が結果を左右する。最後まで約束を守ろうという姿勢が、皆さん一人ひとりと会社の信頼や、業容の拡大・発展にもつながってくるからだ。今の大変な混乱の中、困難や逆境の中でこそ課題の発見と解決、変革に挑戦できるテーマもある。

 積水化学グループは、10年先の2030年を見つめた挑戦を始める。新しい時代の主役として、新入社員の皆さんの挑戦と活躍、そして成長を心から楽しみにしている。

【化学企業 入社式訓示③】帝人 鈴木純社長

, ,

2020年4月6日

 私は37年前にバイオテクノロジーの研究者として入社した。当時はまさか社長になるとは思っていなかったが、会社は様々な仕事の機会を与えてくれた。その多くは門外漢だったが、好奇心を持って、常に明るく前向きに取り組んだことが今の自分につながっていると実感している。

 皆さんにも、変化を糧に大きく成長すべく、失敗を恐れず、情熱を持って仕事にチャレンジすることを期待している。

 会社は大きな変化・進化の真っ只中にある。各自の職場で大いに力を発揮し、帝人グループをより素晴らしい、より力強い、社会で存在感のある会社に変えていってほしい。

 皆さんに期待を込めて3点申し上げる。第1に、社内外のコミュニケーションを大事にしてもらいたい。現代はダイバーシティ&インクルージョンの時代だ。お客様や上司・先輩・同僚など、社内外の様々な価値観を持つ人たちときちんとコミュニケーションし、お互いに多様性を受け入れ、自分の考えを発信し合うことで、新たな考えや発想を生み出していく。1足す1を3にも4にもする、そんな考え方や仕事の進め方が求められている。

 第2に、仕事は、明るく・楽しく・真面目に・一生懸命に取り組んでいただきたい。皆さんには大きな可能性があり、どんな仕事にも必ずやりがいがある。仕事の価値は取り組む姿勢で大きく変わる。まずは上司や先輩の指導を素直に受け入れ、乾いた砂にしみこむ水のように知識やスキルを吸収して自分のものにし、3年でその道のプロになることを目指してほしい。

 第3に、何事にも挑戦し続けてもらいたい。今は新たな価値創造への挑戦が求められている。しかし、仕事は1回の挑戦で成功できるほど甘いものではなく、成功は最も忍耐強い人にもたらされる。1度や2度の失敗で諦めず、最後までやり抜く姿勢を持ってもらいたい。会社は大きな成長と活躍の場を用意している。

 皆さんは会社の歯車の1つではなく、1人1人がエンジンだ。今、皆さんが抱いている意欲や情熱、志に加え、「会社を動かし、さらなる飛躍を実現するのは、他の誰でもなく自分自身なのだ」という当事者意識と主体性を持ち続け、自身が誇りに思える会社生活を築いてもらいたい。

 

【化学企業 入社式訓示③】宇部興産 泉原雅人社長

, ,

2020年4月6日

 皆さん、宇部興産への入社、おめでとう。本日、ここに127名の新入社員の皆さんを迎えることができたことを、大変嬉しく思う。

 当社は120年を超える歴史を持つ会社だ。石炭の採掘事業から始まり、「限りある資源を、技術革新によって無限に発展できる工業に生かそう」と、機械・セメント・化学事業へと業容を拡大してきた。

 この発展を、会社のみならず、全てのステークホルダーと共有していきたい。これが当社の創業の精神である「有限の鉱業から無限の工業へ」であり、「共存同栄」だ。我々はこれらの精神をDNAとして受け継ぎ、これからも常に時代の要請に応じ、新たな事業に取り組みながら、変化に挑戦する風土を今後も大切にしていきたいと思っている。

 今年の2月にセメント事業などを三菱マテリアル社と統合する検討を開始する旨を発表したが、これも大きな「変化への挑戦」だ。

 セメント事業を将来にわたって持続的に発展させるためには、製造部門も一体化し、収益基盤のさらなる強化を図ることが不可欠。これによりUBEグループの経営体制を大幅に変更することになる。大きなチャレンジと言えるが、グループで働く全ての人にとってもプラスになると確信している。

 昨今の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、今後の世界経済への影響は過去に例のないものになる見込みだ。また経済面のみならず、働き方や行動様式、社会のあり方全般にもその影響を及ぼし、コロナショック後の世界は今までと大きく変容したものになるかもしれない。

 しかしながら、このように混沌とした、変化の激しい時代であるからこそ、皆さんには落ち着いて、まずは社会人としての生活に慣れ、足下の環境に着実に対応することをお願いしたい。その一方で将来を見据え、常に自己を見つめ直しながら、自ら積極的に変化に対し挑戦してほしい。

 我々は「モノづくり」の企業だ。「安全はすべてに優先する」という認識の下、労働災害や設備・環境事故を起こさないことが事業の大前提となる。今後、製造に直接関わる人はもとより、開発や営業、管理業務に携わる人も、しっかり胸に刻み、心身ともに健康で、安全に会社生活を送っていくことをお願いする。

 

住環境研究所 卒FIT調査、大容量PVほど高い満足度

, ,

2020年4月6日

 積水化学工業・住宅カンパニーの調査研究機関である住環境研究所はこのほど、「卒FITに関するお客様の意識調査」を実施し、調査結果を報告した。

 昨年11月以降、10年間の固定価格買取制度(FIT)の適用が順次終了する、いわゆる「卒FIT」を迎えている。昨年には日本全体で約54万棟の卒FIT邸が生じ、そのうちセキスイハイムの居住者は約6万棟と1割以上を占める見込み。

 FITを利用してきたユーザーは、これまで高値で売電してきた余剰電力について、新たな販売先を探す、あるいは自家消費による新たな活用が求められる「卒FIT」問題に直面しており、その動向が注目されている。

 今回の調査は、太陽光発電システム(PV)採用から10年間での意識変化や、卒FIT後の選択について明らかにすることを目的に実施した。

 調査結果では、①PV採用後10年でも約8割が「満足」と回答し、容量が大きいほど満足度が高い、②大容量PVのユーザーほど、売電先の変更が進んでいる、③蓄電池の所有・リースに全体の約半数が前向き、などの結果が得られた。

デンカ 「アビガン」の原料を供給、5月から生産開始

, ,

2020年4月6日

 デンカはこのほど、日本政府の要請を受け、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」の原料となるマロン酸ジエチルを供給することを決定したと発表した。青海工場(新潟県糸魚川市)にて、今年5月より生産を開始する予定。同社は、新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、迅速に生産体制を構築し確実な供給を図っていく考えだ。

 「アビガン」は、富士フイルム富山化学が開発した、COVID‐19への治療効果が期待される抗インフルエンザ薬。COVID‐19は現在、治療法が確立されていない疾患であり、急速かつ世界的な拡大を受けて世界保健機関(WHO)がパンデミックを表明するなど、有効な治療法の早期発見と開発が急務となっている。

 今回、「アビガン」の国内薬事承認を進める日本政府より、国内での一貫した供給体制を構築するため国産の原料を使用したいとの要請を受け、マロン酸ジエチルの供給を決定した。

 マロン酸ジエチルは、合成香料・農薬・医薬品などの原料として使用される有機化合物。デンカは国内唯一のマロン酸ジエチルメーカーであり、またその原料となるモノクロル酢酸も国内で唯一、関連会社のデナックが生産している。グループ内で、原料から最終製品に至る一貫生産体制の下、2017年までマロン酸ジエチルの生産を行ってきた。