旭化成ファーマは9日、米国ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に行っていた、Endo Ventures社(アイルランド・ダブリン市)などに対してデュピュイトラン拘縮治療剤「ザイヤフレックス注射用」(一般名:コラゲナーゼ〈クロストリジウム ヒストリチクム〉)の供給継続を求める仮処分命令の申し立てが、米国東部時間1月7日に却下されたと発表した。
旭化成ファーマは、同剤の安定供給を可能にするため、当該申し立て却下に対する抗告を含め対応を検討していくとしている。
同社は、Endo社との間で同剤の日本での独占的な長期供給契約を締結し、国内での販売を行ってきたが、供給義務を負うEndo社が当該義務を履行しないと通告し、同剤の供給を拒絶した。これに対し、旭化成ファーマは、供給の継続に向けEndo社と協議してきたものの、Endo社の意向が変わらなかったため、日本国内での同剤の継続的な供給に支障を来す可能性が生じてきたとして、昨年10月に、供給継続を求める仮処分命令を請求する訴えを起こしていた。
なお、デュピュイトラン拘縮とは、手のひらから指にかけてしこりができ、症状の進行に伴って皮膚がひきつれ、徐々に指が伸ばしにくくなる病気。指が曲がって伸ばせないことにより日常生活に不便をもたらすようになる。