積水化成品工業はこのほど、高機能発泡体をコア材としたCFRP/GFRP複合発泡成形体「ST‐LAYER」が、NTNの自然エネルギーを活用した発電ステーション「NTNグリーンパワーステーション」の風力発電ブレードに採用されたと発表した。加えて、積水化成品はこの発電ステーションを奈良県天理市にあるグループ会社に設置することで、地域防災に貢献していく。
今回採用された「ST‐LAYER」は、コア材に同社の高耐熱・高強度のエンジニアリングプラスチック発泡体「ST‐Eleveat」を用いた複合構造体。軽量かつ高強度であるためブレードの大型化が可能となり、高出力化と発電効率向上に寄与している。なお、「ST‐LAYER」のコア材に「ST‐Eleveat」を複合させた構造材として初の採用事例となった。
設置施設では、風力と太陽光で発電した電力を「NTNグリーンパワーステーション」内臓バッテリーに蓄電し、夜間にはLED照明を自動点灯する。蓄電された電力は非常用電源として外部出力が可能。災害により停電している被災地の暗闇を照らす街路灯としても、通信機器がシャットダウンするなど不安定な状況下での非常用電源としても利用できる。また、防犯監視カメラが取りつけられていて、地域の見守りポストの機能も果たす。
同社は今後、「ST‐LAYER」の特性(軽量・高強度)を生かした環境貢献事業展開と、地域社会と協働した防災・減災の取り組みとの両面で社会に貢献していく考えだ。