昭和電工 LIB用包材、車載大型向け量産設備導入を決定

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2020年3月19日

 昭和電工は18日、子会社である昭和電工パッケージングがリチウムイオン電池(LIB)の包材であるアルミラミネートフィルム「SPALF」について、車載向けなど大型用途向けに特化した新製品を開発し、量産化設備を導入することを決定したと発表した。なお、新設備は2021年3月に稼働開始する予定。

 「SPALF」は樹脂とアルミ箔をラミネートしたフィルムで、パウチ型LIBの包材として使用される。高い絶縁性を持ち、成形性が優れることなどから、世界的に高いシェアを持っている。パウチ型LIBは形状の自由度が高く軽量であるため、スマートフォンやタブレットなどの小型用途で広く採用されている。

 近年では、品質の高さが認められ安全性の評価が進み、EV向けをはじめとする大型用途でも採用が拡大している。中国に続く欧州でのEV開発の進展や、パウチ型LIB包材の需要の高まりを背景に、大型用途向け新製品を開発し、その量産設備の導入を決定した。

 昭和電工グループは個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)の実現をありたい姿として掲げている。LIBの世界需要(容量ベース)は2025年まで年率30%の成長が予想される中、同社は「SPALF」をはじめ、正負極材添加剤「VGCF」、水系バインダー樹脂「ポリゾール」といった特徴のあるLIB部材を取り揃えている。これらの製品を拡販することで、LIB市場の成長や高機能化に貢献するとともに、先端電池材料分野での個性派事業の確立を目指す。

富士フイルム 米国で治療用iPS細胞新生産施設を稼働

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2020年3月18日

 富士フイルムの発表によると、米国子会社で、iPS細胞の開発・製造・販売のリーディングカンパニーであるフジフイルム・セルラー・ダイナミクス(FCDI社)は、cGMPに対応した治療用iPS細胞の新生産施設「i‐FACT」を、今月4日から稼働させた。

新生産施設の外観
新生産施設の外観

 今後、「i‐FACT」で生産したiPS細胞を用いて自社再生医療製品の開発を加速させるとともに、同施設を活用した、iPS細胞およびiPS細胞由来分化細胞の開発・製造受託も展開していく。

 再生医療は、アンメットメディカルニーズへの新たな解決策として注目されている。その中でも分化万能性と無限増殖性を持つiPS細胞を活用することで、多様な細胞を大量に作製できることから、iPS細胞による治療の実用化に対する期待が高まっている。

 現在、FCDI社は、加齢黄斑変性や網膜色素変性、パーキンソン病、心疾患の領域で自社再生医療製品の研究開発を推進。またがん領域では、米国有力ベンチャーキャピタルのVersant社と設立した新会社Century社にて、他家iPS細胞由来のCAR‐T細胞を用いた次世代がん免疫治療薬の開発を行っている。

 今回稼働させる「i‐FACT」は、開発ラボを兼ね備えた、治療用iPS細胞の生産施設だ。「i‐FACT」は、大量培養設備のみならず、少量多品種培養設備を導入。さらに、FCDI社がこれまで培ってきた世界トップレベルのiPS細胞の初期化・分化誘導技術や、富士フイルムが持つ高度なエンジニアリング技術・画像解析技術なども生産施設に投入することで、iPS細胞の高品質・高効率生産を実現する。

 「i‐FACT」は、他社との協業にも対応できる、複数の開発ラボ(四室)や製造クリーンルーム(3室)を設置。各開発品に適した、製造のスケールアップ・スケールアウトの技術開発を行い、製造ラインにスムーズに移管することで、効率的な多品種生産を実現する。また、製造ラインに備えた品質評価室ではiPS細胞の品質を高精度に評価し、高品質なiPS細胞を安定的に生産することができる。

 なお、「i‐FACT」は、富士フイルムグループの中で、治療に用いる再生医療製品の生産拠点としては、日本で初めて再生医療製品を開発・販売したジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J‐TEC)の本社工場に続き、2拠点目となる。FCDIは、自社再生医療製品の開発を進めるとともに、製薬企業やアカデミア向けの創薬支援用iPS細胞由来分化細胞の事業展開も加速させている。

 今後も、富士フイルムをはじめ、細胞培養に必要な培地の開発・製造・販売を担うFUJIFILM Irvine Scientificや富士フイルム和光純薬、J‐TECなど、富士フイルムのグループ各社の技術とノウハウを活用することで、再生医療の産業化に貢献していく。

日本農薬 ブラジル・農薬製販会社の特別損失を計上

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2020年3月18日

 ADEKAの連結子会社である日本農薬は17日、2020年3月期決算で「のれんの減損損失」を特損として計上すると発表した。

 日本農薬は、世界一の農薬市場であるブラジルでの直販体制確立を目的として2014年に同国の農薬製造販売会社シプカムアグロ(現シプカムニチノーブラジル)の発行済み株式の50%を取得し、2016年より連結子会社化。しかし、同国の競争激化により販売が伸び悩んでおり、期初計画に対して業績見通しが乖離している。これに伴い、今年度にのれんの減損損失として、のれん残高全額17億7900万円を特損に計上する。

 なお、シプカムニチノーブラジルは、日本農薬グループの主力剤である園芸用殺虫剤「フェニックス」の販売を開始するほか、その他の自社開発品目の拡販などにより収益性の向上を図っており、買収時の収益計画から遅れているものの、今後、業績は順次進捗する見込みだ。

東亞合成 健康経営優良法人に2年連続認定、健康は財産

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2020年3月17日

 東亞合成はこのほど、昨年に続き2年連続で「健康経営優良法人2020~ホワイト500~」に認定された、と発表した。同制度は、経済産業省が経済界・医療関係団体・自治体のリーダーから構成される日本健康会議と共同で実施し、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰するもの。本年度は認定基準が厳しくなり、健康経営度調査結果の上位500社のみが「ホワイト500」として認定を受けた。東亞合成グループは今後も、従業員一人ひとりの心身の健康を大切な財産と考え、健康経営の強化を進めていく考えだ。

積水化学 健康経営優良法人(ホワイト500)に認定

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2020年3月17日

 積水化学工業はこのほど、経済産業省と、健康経営優良法人制度を運営する日本健康会議により、4年連続で健康経営優良法人「大規模法人部門(ホワイト500)」に認定された。今回は、新認定制度での認定であり、健康経営に積極的に取り組んでいる同社のグループ会社28社(前年度比八社増)を含めた認定となる。

 同社は、「従業員は社会からお預かりした貴重な財産」という考え方をベースに、多様な人材が活躍できる、健康で働きがいのある職場づくりを推進。また、同社グループのCSRでは、「社会への約束」の1つとして「働く環境」を明記し、サステナブル経営にとって最も大切な「人」を健康の面から支援する体制整備を進めている。

 こうした中、①健康保険組合とのコラボヘルス充実による全グループ会社で統一した健康管理の実施②5つのセグメント(体、心、組織、グループ一体の取り組み、働きがい・やりがい・生産性向上)に中長期のKPIを定めて施策を策定・推進③データ分析による根拠に基づいた施策の策定④ストレスチェックの有効活用⑤契約社員や家族も利用できるがん健診などの制度の充実、などに具体的に取り組んでいる。こうした健康増進施策の推進が同社の取り組みの特徴であり、今回の認定につながった。

 積水化学は、今後もすべての従業員が心身ともにそして社会的にも良好な状態である「Well‐Being」を目指して健康経営を推進していき、事業を通じて地域・社会へ貢献していく考えだ。

東ソー 健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定

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2020年3月17日

 東ソーは、昨年に引き続き、「健康経営優良法人2020(大規模法人部門)」に認定された。「健康経営優良法人認定制度」とは経済産業省が優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」し、社会的に評価ができる環境を整備することを目的とした顕彰制度。

 同社では、健康づくり委員会を中心として、従業員の心身の健康づくりをサポートするため、「体力づくり」「生活習慣の改善」「メンタルヘルス」を3本柱に、ウォーキング活動や食育・禁煙・適正飲酒をテーマとしたイベント、産業医や外部講師によるメンタルヘルス講習会など、様々な健康づくり活動を展開しており、「働きやすい職場づくり」をCSR重要課題として位置づけている。

 同社は、従業員の健康と職場環境の維持・向上は企業としての責務であり、健全な企業経営のためには必要不可欠なものという理念の下、今後も従業員の自発的な健康づくりのために環境を整備し、その活動を積極的にサポートしていく方針だ。

太陽石油 マネジメントスキルの強化・育成を目的にTIM研修を開催

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2020年3月17日

 太陽石油はこのほど、系列特約店と販売店の人財育成サポートの年間プログラムである「第12期TIM(Taiyo Intelligent Manager)研修」(全4回)の最終回を2月19~20日に大阪市内で実施した。

 TIM研修は、系列特約店および販売店の経営幹部や幹部候補生を対象としてマネジメントスキルの強化・育成を目的に、2005年度から定期的に実施している伝統の教育プログラム。前年度までに延べ171人が受講している。

 同社は、系列SS支援の大きな4本柱の1つとして「人財ニーズに応える」を掲げている。今後もマネジメントスキル向上を目的とした人財育成研修プログラムを継続していく考えだ。

 

NEDOなど 福島で世界最大級の水素製造施設が完成

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2020年3月16日

 NEDOと東芝エネルギーシステムズ、東北電力、岩谷産業はこのほど、2018年から福島県浪江町で建設を進めてきた、再生可能エネルギー(再エネ)を利用した世界最大級となる10メガワットの水素製造装置を備えた水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R))」が2月末に完成し稼働を開始したと発表した。

 同施設は、再エネなどから毎時1200ノルマル立方メートル(定格運転時)の水素を製造する能力を持つ。電力系統に対する需給調整を行うことで、出力変動の大きい再エネの電力を最大限利用するとともに、クリーンで低コストな水素製造技術の確立を目指す。

 なお、製造された水素は、定置型燃料電池向けの発電用途、燃料電池車や燃料電池バス向けのモビリティ用途などに使用。主に圧縮水素トレーラーやカードルを使って輸送し、福島県や東京都などの需要先へ供給する予定だ。

 水素は、電力を大量に長期で貯蔵できることに加え、長距離輸送が可能。また、燃料電池によるコジェネレーション(熱電併給)や、燃料電池車など、さまざまな用途に利用できる。将来的には、再エネ由来の水素を活用し、製造から利用に至るまで一貫したCO2フリーの水素供給システムの確立が望まれている。

 政府が2017年に公表した「水素基本戦略」では、再エネの導入拡大や出力制御量の増加に伴い、大規模で長期間の貯蔵を可能とする水素を用いたエネルギー貯蔵・利用(Power‐to‐Gas)が必要とされている。

 この水素を用いたエネルギー貯蔵・利用には、出力変動の大きい再エネを最大限活用するための電力系統需給バランス調整機能(ディマンドリスポンス)だけでなく、水素需給予測に基づいたシステムの最適運用機能の確立が必要となる。こうした中、NEDOなど4者は、再エネの導入拡大を見据え、ディマンドリスポンスとしての水素活用事業モデルと水素販売事業モデルの確立を目指した技術開発事業に注力。

 水素の製造・貯蔵と電力系統の需給バランス調整の最適な組み合わせを、蓄電池を用いることなく水素エネルギー運用システムにより実現することが今回の実証運用の最大の課題だ。

 FH2Rでは今後、それぞれの運転周期の異なる装置で、電力系統のディマンドリスポンス対応と水素需給対応を組み合わせた最適な運転制御技術を検証する。

 

三井化学 「準なでしこ銘柄」に選定、女性取締役などで

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2020年3月16日

 三井化学はこのほど、女性活躍推進に優れた企業として経済産業省および東京証券取引所により、令和元年度「準なでしこ銘柄」に選定された。昨年度の「なでしこ銘柄」に続き、2年連続の銘柄選定となる。

 同社は、持続可能な成長のために多様性が必須であるとの考えから、ダイバーシティをコアバリューの1つに位置付けている。多様な人材による多様な発想は、持続的成長の基盤となるイノベーションの源泉であり、ダイバーシティの推進は重要な経営戦略の1つと捉えている。

 同社は、かねてより製造現場の交代勤務職場への女性社員配属や、総合職の積極的な採用などにより、その力を事業に活かすべく取り組みと同時に、女性社員が活躍できる風土情勢や働きやすい職場環境づくりを進めてきた。

 また、昨年6月より、社外取締役3名のうち2名に女性取締役が選任されているが、監査役を含む社外役員は、多様なバッググランドを持つ人材で構成されている。経営方針を決定する取締役では、社外役員の多様な視点から、極めて活発な議論が交わされている。

 同社は今後も、ダイバーシティの推進を通じて、社員一人ひとりが自らの強みを最大限発揮し、イノベーションを起こしていくような魅力ある会社を目指し取組んでいく方針だ。