三菱ガス化学はこのほど、国内最大規模となる完全人工光型植物工場が竣工し、今月22日に竣工式を行ったと発表した。同社事業所である「QOLイノベーションセンター白河」内に建設していた。
完全人工光型植物工場は、従来の畑地栽培やハウス栽培とは異なり、施設内で植物の生長に必要な光や温湿度、CO2濃度、水分、栄養分などの環境条件を制御しながら、常に最適な生育環境で植物を栽培する施設。そのため、季節や天候に左右されることなく、1年を通して、安定した品質の野菜を、安定に提供することが可能となる。
今回竣工した工場は、完全人工光型植物工場としては国内最大規模を誇り、1日2.6t以上、1株80グラムのリーフレタス換算で約3万2000株の葉菜類の生産能力を持つ。また、工場設計の工夫や最新の技術ノウハウなどの導入により同時に多品種を栽培でき、一般消費者向け個包装商品から業務用商品まで、顧客ニーズに沿った計画的生産と供給が可能となった。
今後は、同社とファームシップが共同で設立した「MGCファーミックス」がこの工場を運営するが、GLOBAL G.A.P.認証(食品安全に関する国際規格の1つ)の早期取得に向けた活動を開始するなど、安全・安心にこだわって生産・販売を行っていく。三菱ガス化学は、工場の竣工により、同社グループとしての「医・食」分野でのさらなる成長を目指すとともに、福島の発展・活性化にも貢献していく考えだ。