三菱ケミカル 廃棄物リサイクル先進企業と資本業務提携

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2020年8月24日

 三菱ケミカルはこのほど、サーキュラ―エコノミー(循環型経済)推進に向けた取り組みの一環として、産業廃棄物を回収処理し再資源化する事業を行うリファインバース(東京都中央区)と資本業務提携すると発表した。リファインバースが行う第3者割当増資に応じるとともに、業務委託契約を締結している。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」の下、サーキュラーエコノミーの推進をKAITEKI実現のキーエレメントと位置づけ、使用済み製品などのリサイクルはその重要な取り組みの1つと考えている。

 リファインバースグループは、建築系廃棄物処理の収集運搬業を主とした事業を起点に、廃棄物処理から樹脂製造までの一貫した体制を築き、様々な再生資源を提供している。

 こうした中、資本業務提携することにより、リファインバースがもつ産業廃棄物全般のノウハウと、三菱ケミカルの技術および知見を融合させ、廃棄物の適切なリサイクルや有効利用を促進する。また、これまで分断されがちだった素材産業とリサイクル産業が連携することで、製品の最終処分方法に対する理解を深め、環境により優しい素材設計に生かす。

 三菱ケミカルは、サーキュラーエコノミーに関するソリューションの提案と事業化を推進するため、4月に「サーキュラーエコノミー推進部」を設置。今後も同部署を中心として、地域や事業部門の枠を超え、取引先、アカデミアやスタートアップなどとの連携を積極的に進めながら、持続可能な社会の実現に貢献していく。

アルケマ Fixatti買収で高機能熱接着剤事業を強化

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2020年8月21日

 アルケマはこのほど、高機能粉末熱溶融接着剤の専門企業Fixattiの買収案を発表した。関連国の独占禁止法規制当局の承認が買収の成立条件で、今年第4四半期に買収の完了を予定する。

 Fixattiは欧州に2カ所、中国に1カ所の施設をもち、従業員数180人、売上高は約5500万ユーロ。粉砕・重合・配合技術により、環境に優しい多種多様な高機能粉末熱溶融接着剤を開発・販売し、各種市場の接合関連の問題に対しソリューションを提供している。

 これにより、グループ子会社のボスティックが世界中で提供する建設・技術コーティング、電池、自動車、テキスタイルプリンティング市場の特定産業用途向けの熱溶融接着剤ソリューションを強化し、またコポリエステルとコポリアミドの重合能力も強力なシナジーとなる。

 今回の買収は、昨年の接着フィルム分野のProchimirの買収に続き、地理的・技術的に相互補完するもの。2024年までに接着剤ソリューションと先進材料、コーティングソリューションを中心とする特殊材料分野に特化した企業になるという同社グループのロードマップに基づく、高付加価値技術に関する成長戦略の一環。

 ボスティックは革新的な高付加価値熱接着ソリューション分野の世界的リーダーを目指し、アルケマグループが2024年までに目指す同セグメントのEBITDA利益率16%の目標達成に寄与する考えだ。

住友化学 7月豪雨災害に支援、寄付金および備蓄食料を提供

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2020年8月21日

 住友化学はこのほど、「令和2年7月豪雨」による災害に対し、被災者の救済や被災地の支援に役立てるよう、大分県へ300万円を寄付するとともに、大分県の一部地域へ同社の備蓄食料を提供した。

 同社は、「被災地の1日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます」とコメントしている。

デンカ AMED補助事業、機器・試薬の供給契約を締結

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2020年8月21日

 デンカは、AMED補助事業「COVID‐19を含む感染症マルチプレックス診断機器の開発と実証研究」を開始するに伴い、同社が株式の33.4%を保有し業務提携をしている台湾のPlexBio社と、同事業に関する機器・試薬の供給契約を今月12日に締結した。なお、デンカはAMED(日本医療研究開発機構)から補助金交付決定通知書を受領している。

 今回の事業では、COVID‐19を含む複数の呼吸器感染症関連ウイルスの有無を同時に測定する遺伝子検出システム(機器・試薬)の評価と実証を行い、測定時間の短縮や省力化を含めた利便性の高い新たな検出システムを開発することを目的としている。

 PlexBio社のもつπコード技術は、遺伝子を高精度かつ同時多項目で検出するものであり、同事業に最適であることから選定に至った。

 デンカは新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、抗原検査キットをはじめ様々な角度から研究開発を進め、医療現場のニーズに応えるため検査体制の拡充に貢献していく。

 

出光興産 BASF出光の合弁契約を解消、BDO事業から撤退

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2020年8月20日

 出光興産は19日、石油化学製品1,4‐ブタンジオール(BDO)の製造・販売事業を行うBASF出光(BIC:BASF67%、出光33%)について、BASFとの合弁契約を解消し、BDO事業から撤退することを決定したと発表した。

 BDOは、伸縮性繊維やエンジニアリングプラスチックの原料として使われる有機化合物。近年、国内需要の減少、アジアでの設備新増設による供給過剰などで事業環境が悪化しており、今後の方針について検討した結果、事業継続は困難と判断した。千葉事業所内にあるBICの製造設備(年産2万5000t)は今年12月に停止し、その後合弁契約を解消する。

 なお、BICのBDO事業はBASFグループが承継し、既存の顧客への供給を継続する。

東洋紡 SOMPOのESG構成銘柄に12年連続で選定

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2020年8月19日

 東洋紡はこのほど、SOMPOアセットマネジメントが設定する「SOMPOサステナビリティ・インデックス」の構成銘柄に選定されたと発表した。同インデックスは、ESG(環境・社会・ガバナンス)に優れた約300社によって銘柄が構成され、年金基金や機関投資家向けに運用する「SOMPOサステナブル運用」に採用されている。

 SOMPOサステナビリティ・インデックス選定銘柄は、SOMPOリスクマネジメントが実施する「ぶなの森 環境アンケート」や、インテグレックスが実施する「インテグレックス調査」の結果に基づいて毎年見直しが行われており、東洋紡はESGに関する取り組みが評価され、今回、12年連続の選定となった。

 同社グループは、創業者・渋沢栄一の座右の銘の1つである「順理則裕」(じゅんりそくゆう:なすべきことをなし、ゆたかにする)を企業理念として堅持し、CSV(共有価値の創造)に絶えず取り組んできた。近年ますます高まる時代の要請に応え、経済的価値と社会的価値双方の向上を目指した経営をこれまで以上に加速させていく考えだ。

 今年5月には「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを提供し続ける」ことをビジョンに掲げ、重要課題(マテリアリティ)を特定。このマテリアリティへの取り組みを通して「SDGs(持続可能な開発目標)」が目指す持続可能な社会の実現に貢献していく。

 

 

出光興産 「こども参観」をオンラインで開催、4カ国をつなぐ

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2020年8月19日

 出光興産はこのほど、4カ国(日本、シンガポール、韓国、ベトナム)7拠点をつなぎ、小中学生を対象としたオンライン「こども参観」を実施した。

参加者は自宅で視聴
参加者は自宅で視聴

 「こども参観」は、仕事と家庭を両立する社員が男女ともに増えている中、親子のコミュニケーション促進と、子育て世代への職場の理解を深める機会の創出を目的に2019年より実施。今年はコロナ禍の状況下ではあるものの、今できる範囲の中で工夫し継続することが必要と考え、次世代育成支援として、こどもが親の働く企業や社会を知る機会の創出を目的に、オンラインでの開催を決定した。

安全に配慮した場所からSSの現地中継(ベトナム)
安全に配慮した場所からSSの現地中継(ベトナム)

 国内4拠点、海外3拠点から社員のこどもたち19人が参加。製油所・石油化学工場をもつ千葉事業所からエネルギーの安定供給や安全管理の重要性を紹介するとともに、ハノイ事務所(ベトナム)からは燃料販売での日本と海外のサービスステーション(SS)の違いなどを紹介した。質疑応答ではこどもたちから、海外のSSに関する疑問や、24時間操業している製造現場への率直な質問が飛び交った。

デンカ 米当局のクロロプレンモノマー評価が査読に移行

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2020年8月19日

 デンカはこのほど、米・環境保護庁(EPA)が、米国子会社デンカ・パフォーマンス・エラストマー社(DPE)がEPAに提出したクロロプレンモノマーの健康への影響を研究する最先端の生理学的薬物動態(PBPK)モデルに基づく評価手法に関し、査読プロセスに進む旨を公表したと発表した。同モデルが採用されれば、2010年の統合リスク情報システムで策定された毒性評価に抜本的な変更が加えられる可能性がある。

 2015年の国家大気有害物質評価(NATA)の中でEPAは、この毒性評価に基づき、歴史的に見てDPEの工場(ルイジアナ州ラプラス)から排出されるクロロプレンモノマーが近隣住民の健康リスクを生じさせていると指摘。同工場は、1969年以来デュポン社が操業してきたもので、2015年にDPEが取得した。

 DPEは同モデルを2019年にEPAに提出し評価されてきたが、現在EPAは査読プロセスの第1段階にあたるパブリックコメントを募集している。2010年の毒性評価の見直しをDPEが働きかけてから、今回の査読プロセスへの移行に至るまで5年近くを要した。

 同モデルの評価結果は、有識者による疫学的研究あるいは州政府によりまとめられた近隣の健康データにも裏付けられており、同工場で勤務してきた1200人以上の従業員を含む、複数のクロロプレンモノマー製造工場の勤務者を対象とした外部専門家による疫学的研究や、ルイジアナ腫瘍統計局により実施された健康統計調査とも整合。これらは全て、約50年間操業している同工場の勤務者や近隣住民の健康リスクには影響がないことを示唆している。

 これに加え、DPEは自発的に3500万ドル(約40億円)以上を投資し排出量削減設備を導入したことにより、クロロプレンモノマーの排出量を85%削減した。引き続き、DPEは州および連邦規制当局と協力して、化学物質に関する最善の科学を追究するとともに、さらなる環境負荷低減に努めていく考えだ。

 

AGC 伊モルメド社を連結子会社化、CDMOの事業を拡大

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2020年8月18日

 AGCはこのほど、遺伝子・細胞治療のCDMOサービスを手掛けるイタリアのモレキュラー・メディシン(モルメド社)の株式公開買い付けが終了したと発表した。応募株式は全体の93.23%相当で、支払い完了後にAGCグループの連結子会社となる。またその後、追加買い付け期間を経て上場廃止となる予定。

 遺伝子・細胞治療は、遺伝子、または遺伝子を導入したヒト細胞などを人体に投与する治療法で、現在注目されている最先端医療の1つ。この分野の発展はめざましく、現在世界中で進行中の治験数はすでに約1000件を超え、CDMO市場も高い成長が見込まれている。

 モルメド社は、自社の創薬を起点に、細胞加工・ベクター製造などのプラットフォーム技術を確立しており、大手製薬やバイオテック企業に対して、GMP対応の遺伝子・細胞治療薬CDMOサービスを提供している。

 今回の株式公開買い付けを行ったAGCの100%子会社・AGCバイオロジクスは、日本・米国・欧州の世界3極で、動物細胞と微生物を用いたCDMOサービスを提供。すでにハイデルベルグ工場(ドイツ)では、遺伝子・細胞治療薬の原料であるプラスミドの製造受託を事業化しており、モルメド社と大きなシナジーを発揮することが見込まれる。

 さらに、モルメド社の高品質な遺伝子・細胞治療薬CDMOサービスをAGCバイオロジクスのグローバルネットワークに組み入れることで、より大きな事業成長を見込む。

 AGCグループは、バイオ医薬品CDMO事業を含むライフサイエンス事業を戦略事業の1つと位置づけており、2025年に1000億円以上の売上規模を目指している。これまで合成医薬品CDMO、動物細胞と微生物を用いたバイオ医薬品CDMOで積極的な買収・設備投資を行い、その事業を拡大させてきた。今回の買収により、成長著しい遺伝子・細胞治療領域にまでCDMO事業の幅を広げグローバルに展開することで、製薬会社、患者、そして社会に貢献していく考えだ。

日本触媒と三洋化成 統合会社の大阪と東京のオフィスを選定

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2020年8月17日

 日本触媒および三洋化成はこのほど、2021年4月に設立予定の統合持株会社「Synfomix」の大阪本社および東京本社の新オフィスを選定したと発表した。

 新会社設立当初は、日本触媒の大阪・東京の本社に本社機能を持たせるほか、両社の既存オフィスを継続使用するが、「働く場」の融合による統合シナジーの最大化と統合新社のさらなる発展を企図して、大阪・東京本社の機能を2021~2022年に新オフィスへ移転する予定。

 新オフィスは、大阪本社が大阪梅田ツインタワーズ・サウス(建設中)27・28階で、2022年冬に移転を予定。一方、東京本社は、新橋田村町地区市街地再開発事業(仮称:建設中)24・25階で、移転時期は2021年10月~2022年3月を予定している。