三菱ケミカルホールディングスは11日、数理最適化技術の積極的な活用・普及を目的として、先端技術・事業開発室のデジタルトランスフォーメーション(DX)グループ内に、数理最適化CoE(Center of Excellence)を発足したと発表した。
CoEとは、特定の分野に集中して高度な研究・開発活動を展開し、人材育成やビジネス創出の核となる集団・拠点を指したもの。数理最適化CoEでは、数理最適化技術やビジネス・アナリティクスの考え方を活用し、生産や物流など事業活動の最適化に取り組み、エネルギーマネジメントやグローバルサプライチェーンマネジメントの最適化をはじめとする、従来からのDXの取り組みの強化と加速を図る。
具体的には数理最適化CoE発足により、「業務変革による利益の最大化」と「共通技術基盤と推進体制の確立」を見込んでいる。「業務変革による利益の最大化」では、最新の技術を取り入れて、事業・地域を横断した視点で業務変革を推進し、運用の定着化による持続的な利益の最大化を図る。
一方、「共通技術基盤と推進体制の確立」では、同社グループ内に分散する要員を集約して組織間連携を強化するとともに、適用技術や方法論を共通化する。また、外部の知見を有効活用して検討を加速していく。
同社グループでの最適化実現の必要性は、事業のグローバル化や組織横断的な事業の拡大に伴い、年々増加している。加えて、近年のIT環境(ハードウェア、ソフトウェア)や数理最適化アルゴリズムの急速な進化により、データ利活用の環境が整備されつつあることから数理最適化技術の適用可能性が高まっており、その積極的な活用・普及が重要になっている。
同社は2017年にDXグループを設置し、事業活動の様々な場面でAIやIoTを活用して事業の革新や効率化に取り組んでいる。その一環として今回、数理最適化CoEを発足する。今後も、社内外の資源を活用してDXに取り組み、さらなる事業強化を目指していく考えだ。