BASF NPGの生産能力を計21万5000tに拡大 

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2019年10月8日

 BASFはこのほど、ドイツ・ルートヴィッヒスハーフェンのフェアブント(統合生産拠点)にあるネオペンチルグリコール(NPG)工場の生産能力を年間1万t拡大すると発表した。

 これにより、米国(フリーポート)、中国(南京、吉林)の施設と合わせ、合計21万5000tのNPGの生産能力を保有することになる。同社は現在南京でもNPGの生産能力の拡大を進めており、2020年以降、全世界での生産能力はさらに4万t増加する予定だ。

 同社は、欧州、アジア、北米に生産拠点を有する世界有数のNPG製造会社。NPGはその高い安定性および熱安定性から、多くの用途、特に様々な塗料やプラスチック用ポリエステルやアルキド樹脂の製造において評価されている。粉体塗料は、特に建設産業や、家電製品の塗料において成功を収めている。

 

東洋紡 フィルム製造2社の子会社化を完了、商号も変更へ

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2019年10月8日

 東洋紡は帝人との株式譲渡契約に基づき、帝人が保有する帝人フィルムソリューション(TFS社)とインドネシア帝人フィルムソリューション(インドネシア:ITFS社)両社の株式を、10月1日付で取得し子会社化した。

 両社は共に、ポリエステルフィルム事業を展開してきた。工業用途では、車両の電装化の進展により需要が拡大するセラミックコンデンサ用離型フィルムなどの各種離型フィルム、包装用途では食缶用ラミネーションフィルムと、高品位のフィルム製品を供給。

 PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムでは、主に自動車向けの絶縁フィルム、フレキシブルプリント基板(FPC)用途といった、高機能で特徴のある製品を提供している。

 東洋紡はTFS社のもつ高い開発・生産技術と幅広い製品ラインアップを加えることで、高機能フィルム製品の開発・生産能力を強化し、フィルム事業基盤をさらに強固なものにしていく。また、ITFS社を傘下に置くことで海外生産体制を強化し、フィルム事業のさらなるグローバル化を図っていく。

 同日開催のTFS社とITFS社それぞれの臨時株主総会では、商号変更を決議した。TFS社は同日付で「東洋紡フィルムソリューション」に変更し、ITFS社は今月中旬に「インドネシア東洋紡フィルムソリューション」へと変更される予定。グループ企業であることを対外的に明確化するとともに、グループとしての一体感を醸成していく。

 東洋紡は今年5月22日付で、帝人との「株式の取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結」を開示していた。

 

住友商事 ベトナムでスマートシティ開発目的の合弁会社を設立

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2019年10月8日

 住友商事は7日、ベトナムの大手企業グループであるBRG Group Joint Stock Company(BRG)と、ベトナムハノイ市北部ドン・アイン区の272㏊のエリアにおけるスマートシティ開発を目的とした不動産開発会社を設立したと発表した。

 同開発エリアは、ノイバイ国際空港とハノイ市中心部のほぼ中間地点となるニャッタン橋の北側に位置しており、第1期から第5期までの開発フェーズに分かれている。

 住友商事はBRGと共に、ハノイ市へのマスタープランの一部修正に関する申請・承認手続きを経て、土地収用完了後、住宅を中心とした開発を行う。また、将来ハノイ市都市鉄道2号線がハノイ市街地から開発エリアを通り、ノイバイ国際空港まで敷設される計画があり、同開発エリア内の新駅を中心としたTOD(Transit Oriented Development)型開発も視野に入れていく。

 同開発エリアでは、病院、学校、防災設備、セキュリティシステム、商業施設などに加え、緑・水路・桜並木を整備し、安全かつ安心できる住み心地の良い環境・コミュニティの実現を目指す。また、5G、顔認証、ブロックチェーン技術を導入することによりスマートシティとしてのサービス高度化を図り、ハノイ市の持続的な発展に貢献する。

 住友商事は、昨年スタートした「中期経営計画2020」において「社会インフラ」を成長分野の1つとしており、今後さらに都市開発、スマートシティプロジェクト、インフラ整備事業に注力する。

 今回の開発を通じて、経済成長や人口増加により高まるベトナムの都市需要に応えることで、経済や産業の発展へ貢献するとともに、快適で心躍る暮らしの基盤づくりに取り組んでいく考えだ。

帝人 リンケージに出資、健康支援事業の提携範囲を拡大

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2019年10月8日

 帝人は7日、オンライン健康支援事業などを行うリンケージ(東京都中央区)に出資し、資本・業務提携を行うことで合意したと発表した。これまでの睡眠分野を中心とした業務提携の範囲を、禁煙やフレイルの重症化予防などにも広げることが目的。

 リンケージは2011年の創業以来、健康保険組合や企業、自治体に対して先鋭的な健康増進施策を提供してきた。2013年からはICTを活用した、日本企業の海外駐在員向け健康支援サービスの提供を始めたことを皮切りに、2015年にオンライン特定保健指導サービスを立ち上げた。

 また、2017年には業界に先駆けてオンライン禁煙プログラムの提供を開始するなど、医師・看護師・保健師・薬剤師・管理栄養士などの社内外の医療従事者や、大学・官公庁の協力者とリンケージ(連動)しながら、オンライン健康支援事業のパイオニアとして事業を創造してきた。その結果、現在は80を超える健康保険組合(加入者数合計約370万人)が、オンライン健康支援サービスを利用している。

 一方、帝人グループはデジタルヘルス技術を活用したヘルスケアサービスにより、誰もが住み慣れた地域で、人生の最後まで自分らしい生活を全うする地域包括ケアシステムの普及に貢献することを目指し、すでに帝人ファーマでは、多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」を展開している。

 日本では今後も少子高齢化が急速に進み、医療資源の不足と地域格差がさらに拡大し、地理的制約を受けないオンライン診療やオンライン健康支援サービスが、より多くの人々に必要となることが予測される。

 こうした中で、両社の保有するサービス、技術、ノウハウを融合させることにより、社会的ニーズに応えるソリューションの提供が可能になると考え、資本・業務提携に合意した。

 今回の提携により、帝人はオンライン診療とオンライン健康支援事業でノウハウを持つリンケージと、共同で新たなサービスの開発に注力する。また、リンケージとの連携を図りながら、将来的に地域包括ケア領域での新規事業の立ち上げを目指していく。

三菱ケミカル バイオエンプラが中国スマホの筐体に採用

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2019年10月8日

 三菱ケミカルは7日、バイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO(デュラビオ)」が、中国・聯想集団(Lenovo)のスマートフォンの筐体(3D形状背面板)に採用されたと発表した。

 Lenovoは、先進的な技術やデザインを取り込んだスマートフォンを積極的に販売しており、今回「デュラビオ」が環境配慮型素材であることに加え、筐体に求められる物性を兼ね備えていることを評価し、採用を決めたもの。

 従来スマートフォンの筐体には金属材料が使われていたが、今後導入される5G通信の電波を遮へいする懸念があり、非金属の材料への移管が求められている。しかし、ガラスは衝撃に弱く割れやすい点、従来型樹脂は透明性、耐傷性、耐衝撃性、光学的な歪みなど個々の物性において、それぞれ課題を抱えている。

 「デュラビオ」は、再生可能な植物由来原料であるイソソルバイドを用いたバイオエンプラ。透明性、耐傷性、耐衝撃性、光学特性の物性バランスに優れているといった特徴があり、スマホの筐体においてより自由度が求められるデザインにも適応が可能だ。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、今後も「デュラビオ」をはじめとする植物由来プラスチックの研究開発・用途展開を加速させ、環境にやさしく付加価値の高い製品の供給を通じ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。

出光興産 「ふるさとプロジェクト」を大津市立長等小で開催

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2019年10月7日

 出光興産は、9月27日に滋賀県大津市立長等(ながら)小学校で和楽器奏者による演奏・体験学習と植樹式を行う、第8回「ふるさとプロジェクト」を開催した。

 同プロジェクトは「次代を担う若者の挑戦・成長・能力発揮」の支援と地域貢献を目的として、昨年10月から取り組みを開始。今回、滋賀県大津市で開催し、市立長等小学校の全校児童約630人が日本の伝統文化に触れた。

 子どもたちは、和楽器奏者「AUN J(あうんじぇい) クラシック・オーケストラ」のオリジナル曲に加え、「となりのトトロ」や校歌などの身近で楽しい和楽器の演奏に顔を輝かせ、体育館には大きな手拍子と歌声が響いた。

 また、植樹式では代表児童約10人がヤマザクラ2本を植えた。同社は、今後も同活動を通じて小・中学生に日本の伝統文化を体験する機会を提供し、次世代育成と文化振興、地域に貢献していく。

JXTGエネルギー BCP訓練を実施、南海トラフ地震想定し

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2019年10月7日

 JXTGエネルギーはこのほど、「巨大地震を想定したBCP(事業継続計画)訓練」を9月30日に実施したと発表した。

 ライフラインの一翼を担う同社には、巨大地震などの危機発生時にあっても最重要責務であるエネルギーの安定供給を果たすため、事業継続に向けた高い耐久力や回復力のある体制が求められる。

 こうした中、同社は、首都直下地震および南海トラフ巨大地震発生に備え、石油製品の供給能力を強化し、危機発生時の事業継続を担保するために、同社系列全体のBCPの策定とBCP訓練の実施を通じた見直しを行っている。

 今回の訓練は、昨年度に続き南海トラフ巨大地震を想定し、同社全体の初動対応の実効性確認などを目的に、①「災害時の行動」「情報共有の流れ」「タイムライン」の確認②本社・国内各現業所(支店・製油所など)間の連携確認③災害対策本部への迅速かつ適切な被災状況の報告と情報共有、を実施した。

 また、「石油の備蓄の確保等に関する法律」に定める「災害時石油供給連携計画」の初動対応も確認している。今回の訓練には、社長以下、本社災害対策本部の役員、チーム員、さらには全国の現業所の担当者のほか一部の特約店や物流協力会社を含む計243人が参加し、サプライチェーン全体での初動対応の実効性と課題を共有することができた。

 同社は、同訓練で得られた課題を速やかに解決するとともに、今後も継続的にBCP訓練を行い、より実効性のあるBCPとすることで緊急時の石油製品などの安定供給に努めていく考えだ。

積水化学 グッドデザイン賞を受賞、大型高排水システムで

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2019年10月7日

 積水化学工業の環境・ライフラインカンパニーは、「大型高排水システム」で2019年度グッドデザイン賞(主催:日本デザイン振興会)を受賞した。

 2018年1月に発売した「大型高排水システム」は、工場や倉庫・店舗などに使われる大型建物用軒とい(「超芯(Vシリーズ・Pシリーズ)」「特殊耐酸被覆鋼板(エスロコイル)」)と「カラーパイプ(竪とい)」、サイフォン現象を連続発生させる専用部材(「高排水ドレン」「高排水エルボ」「高排水伸縮ソケット」)の組み合わせにより、集中豪雨などに対応する高い排水能力を実現した雨水排水システム。

 従来の排水では、配管内に雨水が流れる際に空気も巻き込んで排水され、エルボなどの継手の屈曲部では流れが途切れ、雨水が連続的に引き込まれないことが排水の妨げになっていた。「大型高排水システム」は空気の巻き込みを防ぐ専用のドレンと、滑らかな排水を行うエルボを用いて、配管内を満管の状態にして排水することにより高い排水能力を実現した。

 排水能力が従来の同社品と比べ約4倍に向上したことで、従来の半分の口径で配管が可能になる。配管のサイズダウンにより、建物の外観をスッキリさせるとともに、材料の重量と保管スペースが約3分の一となり、建築現場での施工性の向上による省力化や工期短縮、省スペース化、使用材料削減による省資源化、トータルコストダウンに貢献する。

 受賞に当たっては、従来の配管設計の考え方を見直したこと、専用部材を用いることで連続的にサイフォン現象を発生させ、配管径を拡大せずに排水効率を向上したことで多くの建築がその恩恵を得られる点などが高く評価された。

東洋紡 「ホワイト物流」推進運動の自主行動宣言を提出

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2019年10月7日

 東洋紡は4日、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、先月30日に自主行動宣言を提出したと発表した。

 同推進運動は深刻化が続くトラック運転者の不足に対応し、トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化や、女性などが働きやすい労働環境の実現を目指すもの。4月から国交省・経産省・農水省が上場企業などに参加を呼びかけている。

 東洋紡は今回、「物流の改善提案と協力」「パレット等の活用」「船舶や鉄道へのモーダルシフト」「契約の相手方を選定する際の法令遵守状況の考慮」「荷役作業時の安全対策」の5項目について自主行動を宣言した。

 各項目の中で、パレットを活用した荷下ろし時間の削減や、CO2排出量の少ない船舶輸送・鉄道輸送の積極的な利用といった取り組みをさらに推進し、持続可能な物流の実現を目指す。

 同社は昨年度には、犬山工場(愛知県)宛の海外からの荷材について、従来の神戸港ではなく、最寄りの名古屋港より配送するように変更し、輸送距離の短縮による温室効果ガス排出量の削減を図るなど、これまでにも、継続的な環境負荷低減や働き方改革の取り組みを進めてきている。

BASF 自動車用電池で革新的再生プロセスを開発へ

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2019年10月4日

 BASFとフランスのエラメット、スエズが立ち上げた、電気自動車用リチウムイオン電池のリサイクルプロジェクト「ReLieVe」に、470万ユーロが提供されることになった。出資するのはEUが設立・出資したコンソーシアムEITロウマテリアルズとプロジェクトメンバーの3社。

 このプロジェクトは電気自動車からリチウムイオン電池をリサイクルする、革新的なクローズド・ループ・プロセスを開発し、欧州で新しいリチウムイオン電池を生産することを目的としている。

 来年1月から2年間にわたり、使用済み電池の回収・解体から、新しい電極材料の製造に至るまでの革新的なプロセスの大規模開発、統合産業セクターの構築に向けた一連の活動を実施する。

 このようなバリューチェーンに沿ったコラボレーションにより、効率的かつ統合的なアプローチが可能になる。プロジェクトメンバーは各産業のリーディングカンパニーであるため、バリューチェーンでプロジェクトの推進にふさわしい立場にある。

 スエズは使用済み電池の回収と解体、エラメットはリサイクルプロセスの開発、BASFは正極材の製造を行う。パリ高等化学学校やノルウェー科学技術大学の研究者、諮問委員会の一員となる自動車業界からの支援も受ける。欧州で新たなリチウムイオン電池のリサイクル能力を開発することにより、今後数年で予測される同市場の急成長に対応する。

 また、エネルギー移行に向けて必要とされる、欧州での原料供給を確保することが可能になる。さらに、有益なリサイクルプロセスにより原料を節約し、持続可能なパフォーマンスという本質的な課題にも対応する。

 EITロウマテリアルズは世界の原材料セクターで最大のコンソーシアム。EUの機関であるEIT(欧州イノベーション技術機構)によって設立・出資され、イノベーション、教育、起業家精神を推進することで、バリューチェーンに沿って欧州の鉱物、金属、材料セクターの持続可能な競争力を確保することを目的としている。