富士フイルムと日本マイクロソフト(MS)はこのほど、革新的な医療現場支援の実現に向けた協業を開始すると発表した。
今回の協業の一環として、富士フイルムは、今年中にスタートするAI・IoTを活用した内視鏡予知保全サービスのクラウド基盤に、MSのパブリッククラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を採用。
富士フイルムのIoTおよびデータ分析AI技術と、同プラットフォームのリアルタイムでの大容量情報処理能力を組み合わせ、医療機関で稼働している内視鏡の予知保全サービスを実現し、メンテナンス作業の効率を大幅に向上させ、革新的な医療現場支援を推進する。
昨今、欧州をはじめとし、グローバルで厳格化する個人情報保護規制などへの対応が重要となっている。こうした中、富士フイルムは、世界54リージョンで提供されている同プラットフォームが、各国での法規制に対応しており、高いセキュリティを備えていること、またグローバルなビジネス展開を進める上で、事業展開を支援する体制を備えていることを評価した。
富士フイルムは、医療用内視鏡システムを世界中の医療機関に提供。ここ数年、その需要は拡大しており、医療現場で内視鏡システムを常時適切に稼働させるため、保守サービスの拡充にも注力している。
内視鏡システムから得られたスコープなどの稼働情報をクラウド基盤に集約し、それらをAI技術で解析。内視鏡の使用状況や故障の可能性などを遠隔からモニターできる革新的な内視鏡予知保全サービスを今年中にグローバルで展開していく予定だ。今回、この新たな内視鏡予知保全サービスのクラウド基盤として、同プラットフォームを採用。なお、富士フイルムは今後、内視鏡以外の医療機器にもこの予知保全サービスを展開する予定。
富士フイルムは、医療画像診断支援、医療現場のワークフロー支援、そして医療機器の保守サービスに活用できるAI技術の自社開発を進め、これらの領域で活用できるAI技術を、「REiLI(レイリ)」というブランド名称で展開。
これらの領域の中でワークフロー支援については、より迅速に医療現場のニーズに適したソリューションを提供していくために、自社のAI技術に加えて今後、言語・検索に関するMSのAI技術を活用することを視野に入れ、日本MSと連携を進める。
両社は、医療現場のさまざまなニーズやワークフローに適したソリューションを提供し、医療現場を支援するとともに、患者の満足度向上と健康維持に貢献する。