三菱ケミカル 共同研究部門を10月設置で統計数理研究所と合意

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2019年6月12日

 三菱ケミカル(MCC)と統計数理研究所(統数研)はこのほど、共同研究部門「ISM‐MCCフロンティア材料設計研究拠点」を、10月に設置することで合意したと発表した。新たなマテリアルズ・インフォマティクスの基盤技術を構築することが目的。

 統数研は統計科学とそれに関連する数理科学に関する日本で唯一の研究機関で、1944年の設立以降、統計科学の理論と応用で先駆的な役割を果たしてきた。

 MCCは多種多様の素材の扱う化学企業として、実験化学と計算化学の両面からの材料設計技術の蓄積がある。

 新たに研究部門では、データ科学による解析技術と計算化学による予測技術を融合して、新規物質探索を行うマテリアルズ・インフォマティクスの基盤技術を構築することを目指す。

 データ科学に基づく物質探索では、入力されたデータとの類似性から物性を予測するため、入力データに類似した範囲でのみ物質の探索が行われる。一方、計算化学では既存データの有無とは関係なく、未だ現実には作成されていない材料・素材の性質を予測することができる。

 両者の強みであるデータ科学技術と計算化学技術を融合することで、既存データの範囲には含まれない、革新的な特性を持つ材料を見出だすための物質探索アルゴリズムを構築するとともに、高分子や触媒、無機材料といった、具体的な材料設計課題に適用しながらアルゴリズムの高度化を図る。

 なお、同研究部門には両者の研究員に加え、MCCの親会社である三菱ケミカルホールディングスでデジタル・トランスフォーメーションを推進する、先端技術・事業開発室のデータサイエンティストも参加する予定。

 同研究部門で構築したアルゴリズムは学術成果として積極的に発信し、マテリアルズ・ インフォマティクス分野でのオープンイノベーション・オープンサイエンスの促進に貢献する。

JSR 慶大からPSC治療に関する研究成果の独占的実施権を取得

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2019年6月12日

 JSRは11日、肝移植以外に有効な治療法が少ない難治性自己免疫性疾患である原発性硬化性胆管炎(PSC)の治療、診断に関わる研究成果の独占的実施権を慶應義塾大学から取得したと発表した。

 また、バクテリオファージ(細菌に感染するウィルスの総称)を用いた細菌感染症治療薬の開発を進めている、イスラエルの創薬ベンチャーのバイオムX社に対し、同研究成果のうちファージセラピーへの応用に限定した独占的再実施許諾を行った。

 慶應義塾大学医学部消化器内科(金井隆典教授)の研究グループは、腸内細菌叢の乱れに乗じて、通常は口腔などに存在するクレブシエラ菌などが腸管内に定着し、腸管バリアを破壊して腸管の外にあるリンパ節に移行することで、肝臓内のTh17細胞と呼ばれる免疫細胞の過剰な活性化を引き起こし、PSCの発症に関与する可能性があることを明らかにした。

 その成果は、1月14日にネイチャー・マイクロバイオロジー誌に掲載され、腸内細菌を標的としたPSCに対する新たな治療薬や診断薬の開発につながることが期待される。

 一方、慶應義塾大学からの独占的実施権取得に基づくバイオムX社への独占的再実施権許諾は、慢性炎症性腸疾患の治療、診断に関わる研究成果(昨年1月30日)に続き、2件目となる。

 JSRは、JSR・慶應義塾大学医学化学イノベーションセンター (JKiC)での取り組みを通じて、腸内細菌叢の恒常性維持に関わる技術と診断薬の開発を進めていく。

 また、バイオムX社では、PSCの発症に関与していると考えられるクレブシエラ菌を標的とするファージセラピーの開発を進めていく。

 ファージセラピーは、標的とする細菌のみを殺傷できるという特徴がある。抗生物質のように腸内細菌叢の攪乱を起こさないため、抗生物質耐性菌による院内感染などが社会問題化する中、抗生物質に代わる細菌感染治療法として再び注目されてきている。

 JSRグループは、オープンイノベーションにより革新的な材料や製品の開発に取り組んでいく。

 

 

デンカ 電子・先端プロダクツ部門の売上高の車載比率を5割へ

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2019年6月12日

 デンカの電子・先端プロダクツ部門は、現在同社が進めている5カ年の経営計画「Denka Value‐Up」(2018‐2022年度)達成に向け、「車載比率アップ」「成長製品への注力」「新規製品の早期立ち上げ」に取り組んでいる。

 車載比率については、 現在の同部門の売上高に占める車載用途の割合を「現在の2割程度から、2022年度に半分ぐらいにまで増やす」(石田郁雄部門長)考えだ。

 成長製品は窒化ケイ素粉、窒化ケイ素基板、アセチレンブラック、球状アルミナの4製品。これらは車載比率の向上にも不可欠な製品で、例えば、

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大王製紙 愛媛県と共同でCNF使用の塗料開発に着手

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2019年6月11日

 大王製紙はこのほど、愛媛県と共同でセルロースナノファイバー(CNF)を用いた陶磁器などの塗料の実用化に向けた研究開発の取り組みに着手したと発表した。

 同社は、2016~2018年度の3年間、愛媛県が複合材料・食品・繊維・紙産業の各分野で産学官の関係機関が連携して試作品開発を実施しCNF利用の可能性を検討した「愛媛CNF関連産業振興事業」の中で、アドバイザーを務めた。

 同事業での愛媛県の研究成果として、砥部焼に多層絵付けができる技術があるが、今回、愛媛県と同社はこの技術を基盤にした陶磁器やガラスなどの塗料の実用化に向け、共同研究契約を締結。

 陶磁器やガラスなどの塗料へのCNF配合により、立体感のある重ね描き、曲面への塗布など、従来技術では実現が難しかった塗料の高機能化が期待できる。

 両者は、本格的に共同開発を進めることにより、陶磁器やガラスなどの高機能塗料の実用化を進めていく予定だ。

 

丸紅 シノペックの船舶燃料供給会社と協業の覚書を締結

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2019年6月11日

 丸紅はこのほど、中国国有石油化学企業である中国石油化工集団(シノペック)の船舶燃料供給会社であるSINOPEC FUEL OIL社との間で、6月5日に中国・舟山にて、船舶燃料事業分野での協業に関する覚書を締結したと発表した。

 国際海事機関(IMO)が策定したSOx(硫黄酸化物)規制により、2020年1月以降、船舶燃料に含まれる硫黄分の上限が現行の3.5%から0.5%に引き下げられる。

 今後、船舶燃料の主流となる、SOx規制に対応した適合油(低硫黄燃料)の需給が国際的にひっ迫することが予想される中、世界最大級の精製能力を持つシノペックは 2020年1月から年間約1000万tの適合油を自社製油所にて生産し、同国と第3国での安定供給に寄与していく計画を発表した。

 同覚書の締結により、丸紅は戦略的パートナーとして、環境に配慮した適合油の確保が課題となる邦船各社などの重要取引先に対し、中国主要港でSINOPEC FUEL OIL社の船舶燃料を安定的に供給、販売する。

 また、中国国内のみならずグローバルに適合油の安定供給網を構築することを目指すと同時に、多岐にわたる事業について協業の可能性を検討していく。

 丸紅は、エネルギー分野での環境負荷の低い燃料の開発や取り扱いを積極的に推進、拡大し、将来にわたる持続可能な社会の実現を目指す考えだ。

旭化成建材 断熱材で「GSC賞 環境大臣賞」を受賞

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2019年6月11日

 旭化成建材はこのたび、フェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム」をはじめとする断熱材製品の業績が認められ、新化学技術推進協会グリーン・サステイナブル ケミストリー ネットワーク会議の「第18回GSC賞 環境大臣賞」を受賞した。

 GSC(グリーン・サステイナブル ケミストリー)とは、人と環境にやさしく、持続可能な社会の発展を支える化学のこと。同会議では、GSCの推進に貢献する優れた業績を挙げた個人や団体にGSC賞を授与している。なかでも環境大臣賞は「総合的な環境負荷低減に貢献した業績」に対し授与されるもの。

 「ネオマフォーム」は、旭化成建材が2000年に発売したフェノールフォーム断熱材で、トップクラスの断熱性能〈熱伝導率λ=0.020W/(m・K)〉と、その性能が長期にわたって低下しにくいという、極めて優れた特長をもつ。

 今回の受賞は、こうした「ネオマフォーム」の製品化技術の開発と、当該技術により製造する同社の断熱材製品「ネオマフォーム」「ネオマジュピー」「ネオマゼウス」の普及による省資源・省エネルギー化および 2排出量削減への貢献が、GSCの推進に資するとして評価された。

 同社のフェノールフォーム断熱材は、断熱性能に優れるだけでなく、フェノール樹脂の熱硬化性や難燃性に由来して、耐熱性能と耐燃焼性能にも際立った特長がある。そのため「ネオマフォーム」は、住宅分野や一般建築分野で大きく販売量を伸ばしており、旭化成ホームズの戸建て住宅「ヘーベルハウス」などでも標準採用されている。

 非建築分野では、断熱性や耐熱・耐燃焼性を生かして、鉄道や船舶、あるいは保温保冷目的の輸送バック、タンク、配管などの断熱部材として、多方面へ展開を拡げている。

 旭化成建材は今回の受賞を機に、事業スローガン「日本の家から〝寒い〟をなくす」の実現に向け、より一層の事業強化を図っていく。また、旭化成グループの新中期経営計画「CS+ for Tomorrow 2021」で定めた「Care for Earth(地球の未来を想う)に則り、断熱事業のさらなる進展を通じて社会に貢献していく考えだ。

 

出光・宇部など CO2固定化と利用へ研究会を発足 

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2019年6月11日

 出光興産・宇部興産・日揮の3社は10日、CO2の固定化と利用に関する新技術開発を目的とする研究会を設立したと発表した。研究会の名称は「CCSU(Carbon dioxide Capture and Storage with Utilization)研究会」で、3月に設立した。

 複数の大学の参画を得て、産学の協働により、カルシウムなどを多く含む産業廃棄物を活用し、火力発電所や工場から排出されるCO2を資源へ転換する。

 産業廃棄物をCO2と反応させて炭酸塩化・高付加価値化し、さらに、この炭酸塩や金属イオン抽出後の残渣を、建築・土木材料、各種工業材料などの資源として活用することを目指す。

 3社のCO2削減へ向けた長年の知見や技術開発力と、今回参画する各大学が有するトップクラスの研究力を集結させ、気候変動対策と資源の確保に向け、新技術の開発を迅速に進める。

日本ゼオン ソーラーカード式ランプを製品化

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2019年6月11日

 日本ゼオンは10日、オープンイノベーションプロジェクトとして展開する「project LNES」が、ソーラーカード式ランプ(開発品名:「LNES SL‐01」)を製品化したと発表した。

 「LNES SL‐01」は、独自開発したソーラーカードによる蓄電で発光するランプで、「軽さ」と「デザイン」を徹底的に追求した。日中は景観になじむ近未来的フォルム、夜間はゆらぐ灯りが心の安らぎを提供する。快晴時2~3時間の充電で、約8時間の点灯が可能。販売は超想工房(東京・六本木)が行う。

 プラスチックソーラーの可能性を追求する「project LNES」は、ナノカーボン技術を応用したソーラーカードをコアテクノロジーとして、さまざまな商品開発を進めている。

 その第1弾としての「LNES SL‐01」は、日中の太陽光で充電し、ソーラーカードに接続されたランプが夜間に灯る、テクノロジーと人間らしい心地よさが融合した照明デバイス。

 クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING by T‐SITE」で、支援希望者を募集している。

 

帝人 半導体製品の所在管理システムを開発

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2019年6月11日

 帝人は10日、RFID管理システム「レコピック」の技術をベースに、2種類のICタグ情報を紐づけることで管理対象物の所在を管理するシステムを開発し、アナログ半導体専業メーカーのエイブリック(千葉市美浜区)の高塚事業所(千葉県松戸市)で、同システムの運用を開始したと発表した。

 RFIDとは、電波の送受信により、ICチップ中のデータを、アンテナシートを介し読み書きし、非接触で個体識別を行うもの。

 帝人は、対象物にICタグを貼付することで、入出庫やロケーション情報を正確に読み取り、効率的に管理できるRFID管理システム「レコピック」を2012年から販売。これまで図書館や医療機関などで、特定の棚上の対象物の有無や個数を正確に把握することで、業務効率化やサービスの向上、経費削減などに貢献してきた。

 こうした中、エイブリックが「レコピック」の正確なICタグの読み取り技術や、既存の棚に簡便に後付けできる点などを高く評価したことから、両社で検討を開始。約1年の試行錯誤を経て今回、新システム開発とエイブリック製造拠点である高塚事業所への導入となった。

 新システムの特長は、搬送用ボックスと、その上に載せるウェハを入れるキャリアの双方2カ所にICタグを貼付した点にある。

 ボックスとキャリアのICタグ情報を紐づけすることで、対象物の有無や個数だけでなく、ピンポイントで棚中の正確な所在を把握できるようになった。2種類のICタグ情報を紐づけし、1枚のアンテナシート内で対象物の所在を把握できるシステムは、帝人としては初の試み。

 同社は今後も、人手不足や労務コスト上昇など、サプライチェーンに内在する様々な社会課題の解決と貢献を目指し、IoTソリューションの拡充を図っていく考えだ。

ダイセル ブチレングリコール製造設備を網干工場に新設

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2019年6月11日

 ダイセルは10日、1,3‐ブチレングリコール(1,3‐BG)の製造設備を、網干工場(兵庫県姫路市)に新設すると発表した。

 2020年9月に完成し、同年10月からの製品出荷を予定している。1,3‐BGは、主に化粧品原料として幅広く採用されており、現在、大竹工場(広島県大竹市)で製造している。

 最近のアジアを中心とする世界的な化粧品需要の増加により、今後1,3‐BGの需要もさらに伸張すると同社では予想しており、生産設備の新設によって化粧品グレードの供給能力を倍増させるとともに、製造拠点を複数化することで、顧客に安心して使用してもらう体制を整える。