BASF 「フリーフレックス」繊維を消費財用途で拡販

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2019年3月13日

 ドイツの大手化学メーカーのBASFは、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)「エラストラン」を素材とする、「フリーフレックス」繊維の消費財用途での拡販を図っている。その一環として、このほど開催された2019年秋冬ニューヨークファッションウィークで、米国のファッションブランド「セブン・クラッシュ」が「フリーフレックス」繊維を使った「クァンタス」コレクションを発表した。

 「フリーフレックス」繊維は、同社と台湾のテキスタイルメーカー三芳化学工業が共同で開発し、生地まで製造している。コットンTシャツのような見た目と手触り、手入れが簡単でソフトな吸湿性を特徴としており、高い伸縮性によって体にフィットする。さらに、複雑なテキスタイルデザインでも、色や見た目を変化させることができるため、「クァンタス」コレクションでは未来的なイメージを与えつつ、発汗性の高いウェアを実現した。

 「セブン・クラッシュ」のジェイソン・ヤオCEOとエンチ・シェン・クリエイティブディレクターは「セブン・クラッシュ」を「最先端の素材を使って異なるファッション様式と文化を模索しながら、フューチャリスティックなワークウェアとファンションストリートの常識を覆すことを目指す、革新的なブランド」と定義している。このコンセプトに基づき発表した「クァンタス」コレクションの制作に当たっては、「フリーフレックス」繊維と、やはりBASFの合成皮革用ポリウレタン素材「ハプテックス」が不可欠だったという。

 なお、「フリーフレックス」繊維については、低温設定の製造により乾きやすい生地を実現し、製造過程と製品の日常的な使用でのエネルギー節約を可能にした。また、「ハプテックス」では製造過程で有機溶剤を使用せず、揮発性有機化合物(VOC)の厳しい基準に適合するなど、環境を意識した製造技術を採用している。「エラストラン」は、これまでも産業用途だけでなく、ゴルフボールやスポーツシューズの靴底、時計バンド、肘当てなど。消費財としても使われてきた。

 同社では「エラストラン」から紡いだ「フリーフレックス」繊維を数多くの消費財に使用してもらいたいと考えており、今回採用されたファッション用途もその1つ。今後は「日本のマーケットも視野に入れ、提案していく」(BASFジャパン)方針だ。

 

 

 

クレハ 弁当をテーマに映画とタイアップキャンペーン

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2019年3月12日

 クレハは映画「今日も嫌がらせ弁当」の鑑賞チケットや試写会などが当たるタイアップキャンペーンを行っている。「今日も嫌がらせ弁当」は、不器用な母娘の実話に基づく感動の物語。篠原涼子さんや芳根京子さんらが出演し、6月から全国で公開される。

 同社では、新生活シーズンで弁当作りの需要が高まる春に、弁当をテーマにした心温まる映画とタイアップすることで、消費者に弁当を作る楽しさを、流通業界には店頭の活性化を提供する。

 キャンペーンの応募方法には①ツイッター・インスタグラムで応募する「今日も嫌がらせ弁当・手作りお弁当画像投稿キャンペーン」②NEWクレラップ・キチントさんシリーズを買って応募する「親子試写会キャンペーン」の2つがある。

 「今日も嫌がらせ弁当・手作りお弁当画像投稿キャンペーン」では、Aコースの「今日も嫌がらせ弁当」ムビチケ(映画観賞券)を30組60人に、Bコースはクレハオリジナル家庭用品ギフトセットを5人にプレゼントする。応募方法は、ツイッターまたはインスタグラムで「@krewrap_kureha」の公式アカウントをフォローして、手作り弁当の写真を投稿する。Aコースは「#NEWクレラップで今日も嫌がらせ弁当#A」、Bコースには「#NEWクレラップで今日も嫌がらせ弁当#B」のハッシュタグをそれぞれ付ける。

 「親子試写会キャンペーン」については、親子試写会(東京会場)に、親子ペア65組130人を招待する。クレハ商品についている「キチントさんマーク」2枚をはがきに貼付して応募する。

 キャンペーン期間は、ツイッター・インスタグラムからの応募は4月30日午後5時まで、キチントさんマークによる応募は同日の消印有効となっている。

ダウ 埋め立てゴミ転用し自社施設の道路を整備

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2019年3月12日

 ダウ・ケミカルはこのほど、米国テキサス州フリーポートの自社施設内に、消費者使用後の再生プラスチック(PCR)で改良を加えた、新たなポリマー改質アスファルト(PMA)道路を2本建設したと発表した。

 世界で消費されるプラスチックを削減し、イノベーションを通じた循環型経済の実現を目的とした取り組みの一環として行われたもの。2本の道路は、それぞれ「プラスチックロード」「ガルフストリームロード」と名付けられ利用されている。

 今回のプロジェクトには、デュポン社のアスファルト改質剤「エルバロイ」が用いられた。また、使用した再生直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)は760キロ以上で、レジ袋約12万枚分の重量に相当し、2本あわせて総延長800メートルに及ぶPMA舗装道路を建設した。

 グローバル建築分野サステナビリティリーダー兼パッケージング&スペシャルティ・プラスチック事業部インフラ・建設分野マーケティングマネジャーを務めるジェニファー・リー氏は、「現在、多くの人にとって循環経済という概念は非現実的なものかもしれない。しかし、性能向上やコスト節減によって、持続可能な社会への取り組みをいかに実現していけるかが知れ渡れば、循環型経済の実現可能性は一段と高まっていく」との見解を語った。

 同社がPMAプロジェクトとして、これまでに整備してきたPMA舗装道路の距離を合計すると42キロメートル以上になるという。その結果、ゴミとして埋め立てられる100トンにのぼる廃棄物が、道路建設に転用されたことになる。

 ダウの研究者は、今回のプロジェクトでのPMA道路の寿命や性能をモニタリングし、さまざまな気象や条件の下でも使用に耐え得るよう、さらなる改良を行っていく考え。また現在、米国ミシガン州ミッドランドにある本社施設の駐車場でも、次世代型の再生プラスチック混合物を使用したアスファルト改修工事を計画している。

NTTドコモ 合成繊維製造でIoT活用、タイで実証実験開始

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2019年3月12日

 NTTドコモとシンガポール現地法人のNTTドコモアジアはこのほど、合成繊維製造工程でIoTを活用する実証試験をタイで開始した。

 法人顧客のIoT製品のグローバル展開のため、ドコモがグローバル回線・オペレーション・コンサルティングをワンストップで提供する、マネージメントサービス「グロビオ」の取り組みの一環として実施する。帝人フロンティアのグループ会社で、タイで繊維事業を展開するテイジン・ポリエステル(タイランド)と協力して現場での検証を行う。

 これまで、ドコモアジアはセンサーから取得したデータをクラウド上で見える化する「IoTソリューションプラットフォーム」を、自動車の部品をはじめとするプラスチック成形業界を中心に提供してきた。今回の実証実験を通じて、高機能で安定供給が求められる繊維業界での活用を検証する。

 実験では同プラットフォームを使い、繊維工場の稼働状況を見える化する。工場の機器に設置された各種センサーから、約30点の操業情報をモバイルネットワークを通じてリアルタイムに収集。クラウド上に蓄積することで、工場管理者がパソコンやスマートフォンで、工場の様子を遠隔監視できるようになる。これにより、工場内のデジタル化を促進し、現場の情報を速やかに共有することで、効率的な生産体制の構築が可能になる。

 さらに、今後は同プラットフォームを活用し、一時的なトラブルによる設備停止時間の削減や、設備の劣化状態の把握など、製造現場のさらなる業務改善を目指す。

ブルーイノベーション 無線通信拡張ユニットなど発売

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2019年3月12日

 ドローンによるソリューションプロバイダーのブルーイノベーション(東京都文京区)は11日、記者会見を行い、設備点検ドローン「エリオス」による点検作業をより広範囲で行うための、無線通信拡張ユニット「レンジ・エクステンダー」の発売と、ドローンの販売・サービス・開発に関するBIパートナー制度の開始を発表した。

 同社はスイスのフライアビリティ社との業務提携により、屋内狭小空間での飛行に最適な性能を持つ「エリオス」を活用した、屋内点検分野で新たなソリューション・サービスを展開している。すでにボイラーやタンク、工場などで採用されているが、地下の閉塞空間で遠隔操作を行う場合、複雑な地下トンネルなどでは、電波の送受信可能な範囲に制約があり、点検作業ができないといった課題があった。

 これを解決するために開発したのが「レンジ・エクステンダー」である。①電波を発信するアンテナ・モジュール②信号を中継増幅するパワー・モジュール③2mケーブル④20mケーブルで構成。2mケーブルはコントローラーとパワー・モジュール、20mケーブルはパワー・モジュールとアンテナ・モジュールをそれぞれ接続する。この20mケーブルを地下トンネルに伸ばすことで、より広範囲に点検作業を行うことができる。アンテナ・モジュールは防滴・防塵仕様で、内蔵アンテナを備えている。適正使用温度は0~40℃。100万円前後(税別)で来月発売する予定だ。

 熊田貴之社長は「すでに世界ではさまざまな実績があるが、ようやく日本でも申請が通り、販売を拡大していくことになった」と述べた。

 一方、BIパートナー制度は、パートナー参加企業に対し、販売・サービス・開発面をトータルでサポートすることで、パートナー企業のビジネス拡大を後押しするもの。BIパートナーになると、販売面ではブルーイノベーションの全ての製品・サービスを販売することができる。

 また、ドローン運用サービス面では、顧客の紹介、機材のレンタル、操縦ノウハウ、厳選したパイロットなどの提供が受けられる。第1弾として「エリオス」の販売・サービス運用からスタートする。

INPEX 米テキサス州でシェール生産に初参入

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2019年3月11日

 国際石油開発帝石(INPEX)はこのほど、子会社のINPEXアメリカズを通じて、ガルフテックス・エナジーが米国テキサス州イーグルフォードシェールに保有し操業する複数のシェールオイル生産・開発権益を取得することで合意したと発表した。INPEXは、初めてとなる米国でのシェールオイル生産・開発事業に参入する。

 同社は今回の合意により、米国シェールオイル生産開発事業でのオペレーターとしての知見やノウハウを習得するとともに、すでに保有しているタイトレザバー開発技術を同権益の操業に活用することで、同権益の価値拡大につなげていく考え。

 取得した権益の大部分は、シェールオイル・シェールガス開発の実績が豊富なイーグルフォードシェールの中でも生産性の良いカーンズ郡に位置している。ネット生産量は、日量約7600バレル(2019年1月時点)。取得リース権は、約1万3000ネットエーカー(約53平方キロメートル)で、一部の権益を除き、INPEXがオペレーターとして操業を行う。

 同社は、昨年5月に公表した「ビジョン2040」に、「石油・天然ガス上流事業の持続的成長」を事業目標の一つとして掲げる。今回の権益取得は、資産ポートフォリオのさらなる拡充につながるものと考えている。

昭和シェル 医療品など視野にクラゲ事業へ出資

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2019年3月11日

 昭和シェル石油はこのほど、海月研究所(神奈川県川崎市)と丸和油脂(東京都品川区)の3社で、クラゲビジネスの共同事業化を行うことで合意し、海月研究所に対して出資(出資比率:51.72%)を完了したと発表した。

 合意に至ったのは、クラゲの採取と、クラゲコラーゲンやムチンなどの化粧品・医療品・食料品の原料成分の生産・販売に関する事業化。同事業は、昭和シェルが昨年9月に発表した海月研究所とのクラゲコラーゲン・ムチン供給の事業化検討を踏まえたもの。

 今後は、昭和シェル石油グループの発電所を原料となるクラゲの供給元として活用し、丸和油脂の工場内の製造設備を使い、海月研究所の所有する技術をもとに化粧品・医療品・食料品などの原料となるクラゲコラーゲンとムチンの生産を行う。

 海月研究所は、理化学研究所発のベンチャー企業として2009年に設立。エチゼンクラゲやミズクラゲなどの生物からコラーゲンやムチンといった生物に必要な有効成分を抽出する技術とその特許を所有し、クラゲコラーゲンを添加した美容液なども販売している。

 一方、海月研究所の株主でもある丸和油脂は、マーガリンメーカーとしてスタートし、永年培った技術をベースに、種々の開発やアイデアに加え、独創的な製品を作りだす企業として発展。現在、マーガリン類・マヨネーズ類・ドレッシング類の製造・販売を手掛けている。 

 クラゲから得られるコラーゲンは他生物からのコラーゲンにはない特性をもち、化粧品や人工皮膚の材料として、世界中の化粧品原料メーカーや食品関連企業から注目を集めている。また、クラゲ由来のムチンはムチンと呼ばれるものの中で唯一構造の同定がされたものであり、変形性関節症治療薬やドライアイ治療薬など医療品としての活用が期待されている。

 クラゲの大量発生は、海水を利用する工場を所有する事業者や漁業事業者の間でも課題となっている。3社は今回の事業を通じ、迷惑なものとして扱われていたクラゲを有効利用することで、社会問題の解決に寄与するとともに新たな価値を創造していく考え。

日本ゼオン 健康経営の評価で「ホワイト500」に認定

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2019年3月11日

 日本ゼオンはこのほど、経済産業省が主催する「健康経営アワード2019」で、「健康経営優良法人2019(大規模法人部門)~ホワイト500~」に認定された。

 同制度は健康経営に取り組む企業を顕彰するもの。その取り組みが特に優良な法人を「見える化」し、従業員や求職者、各機関などから「健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として、社会的評価が受けられる環境づくりを目標としている。経産省が普及促進に向けた制度設計を担い、日本健康会議が認定を行っている。

 同社は今回、「ゼオングループ全員の成長と力の発揮は、一人ひとりの健康がベース」というトップ方針の下、全社で取り組む健康経営の施策が高く評価された。今後も継続的な認定取得を目指し、よりいっそう健康経営の質向上を図っていく姿勢を明らかにした。

 

積水化学 「地球環境大賞」の国土交通大臣賞を受賞

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2019年3月8日

 積水化学工業は、『「エネルギー自給自足型住宅」の開発・普及』の取り組みが評価され、第28回「地球環境大賞」で「国土交通大臣賞」を受賞した。同社は「スマートハイム」シリーズなどの展開を通じ、大容量の太陽光発電システム(PV)で発電した電気を蓄電池や電気自動車などの蓄電システムに蓄えて効率よく使う、再生可能エネルギーだけで暮らす住まいづくりを目指している。

 昨年9月末現在の、同社PV搭載住宅は約19万9000棟、電気の蓄電と使用を賢く管理するシステム「HEMS」出荷台数は約5万3000台、蓄電池は約1万7300台を出荷している。

 「地球環境大賞」は1992年、「産業の発展と地球環境との共生」を目指し、産業界を対象とする顕彰制度として、世界自然保護基金(WWF)ジャパンの特別協力を得て創設。地球温暖化防止や循環型社会の実現に寄与する新技術・新製品の開発、環境保全活動・事業の促進や、21世紀の社会システムの探求、地球環境に対する保全意識の一段の向上を目的としている。

 同社はパリ協定での日本のCO2削減目標を踏まえて、日本企業としてその責任を果たすため、国家目標と同等以上の削減目標を掲げて意欲的に取り組んでいる。中でも特に家庭部門の削減目標は高いため、同社でも住宅事業については積極的にCO2削減に寄与する商品の開発・普及に注力している。

 なお、授賞式は4月22日に東京・明治記念館で行われる予定。

クラレノリタケ 欧州企業と歯科材料でライセンス契約

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2019年3月8日

 クラレノリタケデンタルは7日、同社が保有する積層セラミックスの製造方法(欧州特許第2024300号)について、先月、欧州企業とライセンス契約を締結したと発表した。契約を行ったのは、リヒテンシュタインに本社を置くイボクラール・ビバデント社。1923年に人工歯製造会社として設立され、現在では歯科医療の包括的・革新的な製品を提供する、世界的な歯科材料総合メーカーへと発展している。

 クラレノリタケデンタルは、2012年に積層セラミックス製造方法を用い、各層にギャップのないグラデーションを持つマルチレイヤードジルコニアディスクを製品化した。独自の着色技術と顔料添加量の最適化、各層の収縮を制御することで高い適合精度を達成。加工機で切削加工するだけで、歯頸部から切端部にかけて色調のグラデーションを持つフルジルコニア修復物の製作を可能にした。

 2015年には新シリーズとしてエナメル質に近似した高透光性をもつシリーズを発売し、前歯部での審美性修復を追求。さらに昨年には、新たなジルコニアソリューションの提案を目指し、短時間焼成でありながら優れた機械的特性と審美性を両立したジルコニアブロック(ブロック形状)を上市した。

 同社は、今後もさらなる技術革新により、歯科業界の発展に寄与する材料開発を続けていく考えだ。