《化学企業トップ年頭所感》昭和電工 髙橋秀仁社長

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2022年1月6日

 2019年の買収発表以来、皆さんの努力により、昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)の統合に向けた作業は順調に進捗している。今年1月からは経営体制を一本化し、両社の実質的な統合を実現した。これは2020年12月に発表した「長期ビジョン」で示した統合予定時期からの1年前倒しであり、大きな成果だ。2023年1月には法人格の統合を控えているが、今年は、両社の統合に向けた様々な取り組みの仕上げを行う非常に重要な1年になる。

 統合新会社が世界で戦える一流の化学会社になるためには、経営チームと従業員の皆さんが団結してさらなる努力をすることが必要だ。そのために、長期ビジョンで示したパーパス、「化学の力で社会を変える」に加え、この度当社グループが大切にするべき4つのバリューとして、「プロフェッショナルとしての成果へのこだわり」「機敏さと柔軟性」「枠を超える、オープンマインド」「未来への先見性と高い倫理観」を定め、これらを合わせて経営理念とした。

 今後はこれらのバリューを社員全員が共有し、さらに自分ごと化できるよう、繰り返し浸透を図っていく。そして、自分自身を高め、働き方を変え、イノベーションを生み出していける人材の育成に注力する。

 世界で戦う会社にとって、サステナビリティは重要な要素だ。当社グループは、「持続可能なグローバル社会に貢献する会社」を目指す姿に掲げ、省エネや循環型社会に貢献する製品やサービスの提供、ダイバーシティ&インクルージョンの推進や人権の尊重、当社グループ自身の事業活動における環境負荷の低減など、様々な取り組みを行っている。

 さらに昨年、2050年のカーボンニュートラル実現を宣言した。実現のためには様々なイノベーションと多くの投資を要するが、そうした取り組みを着実に実行していくためにも、各事業が期待される役割を果たし、売上高1兆円規模、EBITDAマージン20%を継続的に達成する、高収益企業になることを目指す。

 バリューを共有する仲間とともに、世界で戦える一流の化学会社を目指そう。

《化学企業トップ年頭所感》東ソー 山本寿宣社長

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2022年1月6日

 一昨年からの新型コロナウイルス蔓延が続き、現在も新たな変異株の感染拡大の影響が懸念される。さらに地政学リスクや米中摩擦など、今後も注視が必要だ。国内外の出張自粛や在宅勤務でストレスが蓄積していると思うが、ウェブ会議やDXなどのメリットを見出だしながらより良い職場環境を作ることが大事だ。

 過去の様々な困難も諸先輩や皆さんの尽力で克服し、今の東ソーがある。企業理念や東ソースピリットは今後も実践する。ここ数年は経済環境に恵まれ、財務基盤は強化し内部留保も厚くなった。企業価値の向上や環境対策などに挑戦し、さらなる飛躍への道を創造していくことが肝要だ。企業の継続には企業価値を高めることが重要で、全ての利害関係者(ステークホルダー)が必要と感じる企業を目指す。

 今年度は中計の最終年度だが、計画はほぼ達成の見込みだ。来年度からの次期中計での課題は、成長と環境のバランスだ。政府発表の2030年までのGHG46%削減をベースに、目標値を策定する。2050年までのロードマップと具体策・スケジュールは、次期中計で発表する。信頼され収益力ある化学会社であり続けるための壁は高いが、ブレイクスルーできると期待している。

 無事故・無災害による安全操業と安定収益の継続は必須だ。過去からの学びを生かし、安全対策と現場力強化に向けたプロアクティブな行動を願う。事業部は製品が陳腐化しないように事業価値を高める施策、研究部門は市場で求められる高機能製品のタイムリーな開発による製品ポートフォリオの拡充が大事だ。産学官やオープンイノベーション、IoTやMIを駆使した効率的な開発に期待する。

 今年の課題は①2021年度業績予想の達成、②安全文化の醸成、③成長による事業価値の向上、④コンプライアンスの遵守、⑤現場力の強化、⑥SDGsへの対応だ。何事にも慢心せず、与えられた使命を着実にこなし、より信頼してもらえる会社を目指していこう。

《化学企業トップ年頭所感》旭化成 小堀秀毅社長

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2022年1月6日

 新型コロナウイルスによる変化により、今後、人類が目指す社会が明確になった。それは、カーボンニュートラル(CN)な循環型社会、人びとがいきいきと暮らす健康で快適な社会だ。これらの社会を2030年、2050年に向けて実現していくことが世界共通の大きな目標となった。これは、旭化成グループが目指すサステナビリティ、つまり持続可能な社会への貢献と旭化成グループの持続的な企業価値向上を好循環させることと一致している。

 昨年は、経営基盤の強化のため「GDP」をテーマに掲げ、G(グリーン)では「サステナビリティ」の実現に向けた取り組み、D(デジタル)ではDXのさらなる進化・加速、P(ピープル)では「働きがい改革」の実行に注力してきた。2022年は、旭化成が創業100周年を迎え、4月からは新しい中期経営計画がスタートする。

 サステナビリティの実現に向けて世界中の企業がダイナミックに変化している今、私たちはこれまで諸先輩が培ってきた自由闊達な企業風土をしっかり受け継ぎながら、大きく変革していく重要な局面にいる。新たな社会の実現に向け、守るべきものは守り、社会の変化に適応していくことが求められる。その実現のために経営基盤強化の3点(GDP)を皆さんと共に取り組んでいきたい。なお、当社の価値提供注力分野において成長を加速させる変革が必要との考えから、4月よりマテリアル領域の組織再編も実行する。

 次の100年も私たちが存続するためには社会からの信頼が不可欠。引き続きコンプライアンスの徹底に努めてほしい。そして、新たな社会の実現にはイノベーションも不可欠。組織内外の多様なメンバーと力を合わせてイノベーションを創出するためには、一人ひとりが周囲とのコミュニケーションを密接に行うことが大切だ。3C「コンプライアンス、コミュニケーション、チャレンジ」を今年も実行してほしい。そして、もう1つのキーワードは「コネクト」。社内外のコネクトにより、新たなイノベーションや新たな変化に向けたチャレンジが加速され効果が生まれる。

 2022年は、旭化成グループの次なる100年に向けて新たな挑戦のスタートとなる年だ。コロナに打ち勝ち、全員で力を合わせて前進していこう。

《化学企業トップ年頭所感》住友化学 岩田圭一社長

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2022年1月6日

 2021年度を最終とする3カ年の中期経営計画では、コロナ禍という嵐を乗り越え、各部門の取り組みにおいて、成長のために必要な一手を着実に打つことができた。その結果、業績は過去最高水準が期待できる見通しだが、今までに行ってきた投資や業績改善への努力に対する「真の成果の実現はこれからである」ことを強調したい。

 事業環境は、気候変動をはじめとするサステナブルな社会に向かう流れ、デジタル化の加速、地政学リスクの高まりといった大きな地殻変動の加速が見込まれる。4月から始まる新中計においては、これらを脅威ではなく、自らの変革と社会への貢献のチャンスと捉えて、事業ポートフォリオの高度化、すなわちトランスフォーメーションを進めていくことが全体の方向性である。そのため、グループを挙げて、カーボンニュートラル(CN)の実現、イノベーションエコシステムの強化、デジタル革新などの重要施策を実行していく。

 皆さんには、次の3点に注力してほしい。①サステナビリティの意識を行動に落とし込むこと。50年のCN社会の実現に向けて、あらゆる事業や行動をサステナビリティの観点から見直し、社会への貢献につなげてほしい。②新常態(ニューノーマル)にふさわしい働き方改革。DX進展や環境を重視する社会の中で、オフィスワーカーのみならず、生産や研究開発などの現場の視点で、新しい価値を生み出す職場づくりに取り組んでほしい。③安全文化の一層の強化。

 「安全をすべてに優先させる」基本方針の下、これまで気づかなかったリスクが潜んでいないかという意識を常にもち、製造現場はもとより、研究・営業・事業支援の全ての部門が一丸となって安全な職場を作り上げていくという決意をもって新年をスタートさせよう。化学は進化していく産業だ。

 今、社会が直面しているCNや生物多様性など環境保全の問題に対しても、われわれ化学産業が解決に貢献し、時代の要請に応えていくことができると確信している。総合化学企業の総力を結集して、グローバルな課題に挑み、経済価値と社会価値の一体的な創出に取り組んでいこう。

《化学企業トップ年頭所感》三菱ケミカルホールディングス ジョンマーク・ギルソン社長

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2022年1月6日

 皆さんの旧年中の貢献に深く感謝申し上げる。また、世界中の顧客のため、年末年始も安全・安定生産に取り組んでいただいている仲間たちに、特に御礼申し上げる。

 2022年の年頭に際し、日本の「お正月」の伝統に従って、心新たに私の新年の抱負をお話ししたい。

 2022年は私たちにとって「有言実行」の年だ。2021年12月1日、当社は新しい経営方針「Forging the future 未来を拓く」を発表した。本年、私たちはその実行段階に移行し、ひときわ成功を収めるスペシャリティケミカル企業に向けた、変革の第一歩を踏み出す。

 新しい経営方針を実行するに当たってのキーワードは、①簡素化:スリムな組織構造と全社共通の業務プロセス、②集中:ターゲット市場の絞り込みと力の集中、③成長:存続に不可欠な成長(全てのエネルギーを当社の成長に!)の3つだ。

 当社の将来の成功へ向けた原動力は言うまでもなく従業員であり、皆さん一人ひとりがこの会社の心臓であり魂になる。当社はこの挑戦に一丸となって取り組んでいくが、私には未来への希望と確信がある。皆さんと共に挑むこれからの数年間が楽しみでならない。

 1月初旬には新たな経営陣が発表されるが、効果的なコミュニケーションが鍵になる。皆さんとアイディアや思いを共有することを楽しみにしている。新たな年は、私たちにとっての新たな始まりにほかならない。2022年を、より強く、より成功する「One Company」を築きあげるための1年にしよう。

《化学企業トップ年頭所感》信越化学工業 金川千尋会長

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2022年1月6日

 信越化学は、2026年に創立100周年を迎えます。皆さん一人ひとりが5年後の目指す姿を思い描き、その実現のために具体的な目標を定め、毎日の仕事に取り組んでください。

 世界経済は着実に回復に向かっていますが、資源価格が高騰しており原材料に影響が及んでいます。引き続き原材料の安定調達と製品の適正価格での販売に取り組んでまいりましょう。

 また、お客様への安定供給は当社への信頼の基盤です。引き続き「安全」を最優先とする操業に取り組んでください。同時に、お客様と約束した品質を必ず守ることも継続してまいりましょう。

 シンテック社では、昨年末に塩ビの原料からの一貫生産工場の増設が完了し、稼働を開始しました。さらに次の増設にも取り組んでいます。当社の各事業でもさらなる成長に向け、需要の伸びをとらえる投資を実施してまいりましょう。

 一方、地球温暖化への対策は難しい課題です。難しいからこそ私たちが取り組む価値があります。当社は地球温暖化の防止に貢献できる製品を数多く世の中に送り出しています。会社さらには世界の持続的な成長に貢献してまいりましょう。

 信越化学グループに働く皆さんが仕事を通じて成長を重ね、幸せな人生を歩んでいただくことが、私の願いです。健康管理に十分留意し、信越化学グループをさらに進化させてまいりましょう。

プラスチック循環利用協会 20年版フロー図、有効利用86・3%

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2022年1月6日

コロナ禍でプラ消費量減、MRのうち8割が輸出

プラスチック再資源化フロー図

 プラスチック循環利用協会はこのほど、「2020年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」のフロー図を公表した。2020年は、コロナ禍によりプラスチックの生産・消費が大きく落ち込んだ1年となったが、廃プラの有効利用率は前年比1.0ポイント増の86.3%に改善した。

 データを見ると、

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石化協 APIC2022インド大会、来年も開催を延期

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2021年12月24日

 石油化学工業協会は23日、来年に延期が予定されているアジア石油化学工業会議(APIC2022・インド大会)について、来年の開催を見送り、2023年の開催についても来年3月に再度協議すると発表した。

 11月にAPIC加盟7協会のウェブ会議を開催した結果、①APIC加盟各国におけるコロナ禍の現状、各国でのワクチン接種の進展状況およびオミクロン株の出現・拡大状況などに鑑みると、2022年にAPIC開催を計画することは困難と判断、②2023年に開催を計画することの可否も含め来年3月に再度協議する、という結論に至った。

 長引くコロナ禍のためAPIC開催見送りが続いているが、事務局会議ではリアル方式での開催に意義があるとの認識で一致している。

VEC PVCアワード受賞作品決定、応募数は95点

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2021年12月23日

 塩ビ工業・環境協会(VEC)は、PVC(塩ビ樹脂)製品のコンテスト「PVCアワード2021」の受賞作品を決定した。同コンテストは、PVC素材の優れた加工性・印刷性・耐久性・耐摩耗性・リサイクル性などを生かすとともに、様々な機能を付与して生活の利便性向上や環境配慮、防災、安全などに貢献する魅力ある製品の発掘を目指している。

 募集対象は販売開始後5年以内の製品と、商品化を予定する製品。〝生活を豊かにするPVC製品〟をテーマに2回目の開催となった今回は、全国から95点の作品が寄せられた。11月22日に審査会が行われ、準大賞(賞金50万円)2点、優秀賞(同10万円)3点、特別賞(同5万円)4点、入賞(同2万円)5点、計14作品を決定した(大賞は該当作品なし)。

準大賞を受賞した三ツ星の「水中機器用フロートケーブル」

 準大賞に選ばれたのは、「水中機器用フロートケーブル」(受賞者:三ツ星)と「リハビリ補助用具『Curaria(キュラリア)』」(同:ハイビックス)。三ツ星は、発泡PVCを被覆して水に浮くケーブルを開発し、水中機器用ケーブルの破損防止のために浮きを取り付ける手間を省いた。軟質PVC発泡体の弾力性や耐久性といった特長を生かしながら、ケーブル保護機能という新たな用途展開が高く評価された。

準大賞を受賞したハイビックスのリハビリ補助用具「キュラリア」

 一方、ハイビックスの「キュラリア」は、理学療法士のアイデアを基に生まれたPVC製のリハビリエアー用具。こわばった筋肉を空気圧で持続的にストレッチすることで、筋緊張を和らげるだけでなく理学療法士の負担軽減にも役立つ。空気入れビニル製品の特性を生かした品質設計と、リハビリ補助用具としての機能が高評価を得た。

 表彰式は来年1月11日にVECのある六甲ビル(東京・中央区)で行われる。同月21~30日には受賞作品のほか応募作品の展示も予定されており、会場は「GOOD DESIGN Marunouchi」(東京・千代田区)。

日化協 定例会見開催、景気動向や活動などを報告

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2021年12月22日

森川会長「今年は、世界がCNに動きだした1年」

 日本化学工業協会はこのほど、定例となる森川宏平会長(昭和電工社長)の会見を開催した。

森川宏平会長

 7―9月期の全般的な景気動向について森川会長は「コロナ禍による厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの、引き続き持ち直しの動きに弱さが見られる。経済活動が正常化に向かい景気の回復が期待される一方、

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