新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は7日、スマートセルによる実用ターゲット物質生産のための新規5テーマを採択したと発表した。
同事業は、植物や微生物の細胞から工業材料を生産する「スマートセルインダストリー」の実現を目指すプロジェクトの中で、これまで開発してきたスマートセル創出のための共通基盤技術などを用いて、実用ターゲット物質の生産性の向上を目的とするもの。ポリマー原料、産業用酵素、食品・化粧品・医薬品などへの展開が期待される化合物に関して、バイオ生産プロセスの確立を目指し技術開発を開始する。
採択テーマと助成予定先は、①ポリアミド原料の発酵生産技術開発(東レ)②組み換えBurkholderia stabilis由来コレステロールエステラーゼ開発(旭化成ファーマ)③希少アミノ酸エルゴチオネイン高生産スマートセルの開発(長瀬産業)④スマートセル技術を応用した天然ヒト型長鎖セラミド高含有醤油麹菌の開発(福岡県醤油醸造協同組合)⑤生体触媒の反応機構推定に基づく高付加価値化成品の製造法開発(天野エンザイム)。
事業期間はいずれも2019年度から2020年度まで。将来的な事業化に向けて先行事例となるテーマの課題解決を図り、スマートセルインダストリー実現に向けて開発した共通基盤技術の、さらなる向上を進めていく。