鹿島建設はこのほど、「KTドーム」技術を活用し、躯体部分に低炭素型コンクリートとカーボンネガティブコンクリートを使ったコンクリートドームの試験施工を行い、従来の吹付けコンクリートと比較してCO2排出量を70%削減することに成功したと発表した。
同社は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトの一環で、デンカ、竹中工務店とともにコンソーシアム「CUCO(クーコ)」を設立。コンクリートの
2024年4月15日
2024年2月9日
2023年10月23日
2023年10月11日
2022年10月24日
2022年6月29日
2022年4月15日
2022年2月17日
2022年2月7日
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、鹿島建設とゼネラルヒートポンプ工業が共同で豊田自動織機大府工場(愛知県大府市)に天空熱源ヒートポンプ「SSHP」システムを設置し実証試験を開始したと発表した。
現在、再生可能エネルギーの利用は太陽光発電や風力発電などの電気利用が主で、賦存量の大きい地中熱や太陽熱などの熱利用は設備導入コストが大きく、普及を妨げている。
今回、「再生可能エネルギー熱利用にかかるコスト低減技術開発」の一環で、上流(設計)から下流(運用)に関連するコンソーシアム体制を構築し、システムの最適化によるコスト削減とCO2削減を目指す。目標は、2030年度までにトータルコスト20%減・投資回収年数14年以下、2030年までにそれぞれ30%減・8年以下だ。
「SSHP」は、多様な再エネ熱を熱源水ループで連結する水熱源ヒートポンプ。再エネ熱を最大限活用し、日射量や外気条件によってはコンプレッサーを運転せずに太陽熱・空気熱で直接熱源水を加熱するなど、最も高効率・経済的な運転を自動で行う。実証施設は同工場・厚生棟の食堂で、冷暖房や給湯といった多目的な熱需要に対応する。既存のガスヒートポンプエアコンを撤去し、新たに開発した「SSHP」と地中熱利用給湯用ヒートポンプチラー、汎用の地中熱・水熱源ヒートポンプなどで構成され、実証試験では空調負荷の約30%をまかなう見込みだ。
両社は、日建設計総合研究所と名古屋大学と共同で運転データの収集解析に取り組む。実証運転を通じて「SSHP」と給湯用ヒートポンプチラーの効率とシステム全体の性能評価を進め、機器容量の最適化によるイニシャルコストの低減や運転制御の高効率化でランニングコストを低減し、実用化に向けた技術の確立を目指す。
2021年10月11日
デンカ、鹿島建設、竹中工務店は8日、3社の技術を融合して、カーボンネガティブコンクリート(製造時の排出よりもCO2の吸収量が多いコンクリート)を実現する技術を共同研究することに合意したと発表した。
2050年カーボンニュートラルの実現を目指す動きが世界的に加速するなか、国内でもCO2排出量削減が急務となっている。建設分野においてもCO2排出量削減は喫緊の課題であり、そのなかでも建設材料として広く使用されるコンクリートは、製造過程で大量のCO2を排出するため、その削減効果は極めて大きいと考えられている。
今回の共同研究では、CO2排出量を大幅に削減するコンクリートをベースに、CO2を吸収するコンクリートやCO2を吸収したコンクリート素材を活用することで、より高いレベルで汎用性のあるカーボンネガティブコンクリートを実現し本格的な普及を目指す。
CO2排出量を大幅に削減するコンクリートとしては、竹中、鹿島らが開発したCO2排出量を6割削減できる「ECM(エネルギーCO2ミニマム)」、CO2を吸収するコンクリートとしては、鹿島、デンカらが開発した世界で唯一実用化されているCO2吸収型コンクリート「CO2-SUICOM」、CO2を吸収したコンクリート素材としては、竹中が開発中の「CCU材料」の技術を活用する。
なお、「CO2-SUICOM」のキーマテリアルとしては、デンカが開発した炭酸化混和材「LEAF」を活用する。これら3つの技術を複合化し、発展させることで、各々の技術だけでは実現できないレベルのカーボンネガティブを実現し、革新的な技術へと進化させていく。
今回の共同研究により、脱炭素から「活炭素」にステージを移し、建設分野の基盤材料として欠かせないコンクリートの新しい形、使用するほどCO2を削減できるようなコンクリートを未来に向けて創っていく。