ランクセス 独レバクーゼンのイオン交換樹脂設備を強化

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2018年12月6日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスはこのほど、ドイツ・レバクーゼン拠点のイオン交換樹脂製造設備に数100万ユーロを投資し、プロセス技術と稼働効率の最適化を図ると発表した。同プロジェクトは、2019年上半期に完了する予定。

 イオン交換樹脂の需要は、特に電気自動車の普及によりバッテリー業界で増加、電池の製造に不可欠な金属(リチウム、ニッケル、コバルト)の抽出に用いられている。

 ランクセスの経営委員会メンバー、レニェー・ファン・ラッセル氏は、「イオン交換樹脂ビジネスでは、多くの未来型産業に大きな可能性を感じている。当社の技術を最適化することで、この可能性をより有効に活用していく。今回の投資により、ドイツの製造活動の中心としてレバクーゼン拠点の位置付けを一層強化する」との展望を示した。

 イオン交換樹脂は、液体中の様々な物質を吸収するポリマービーズ。取り除く物質によって異なる機能を備えたビーズが使用される。家電向けでは、食器洗浄機の硬水軟化装置や家庭用水ろ過装置のカートリッジなどがある。水道水から不要なカルシウム、マグネシウム塩、鉛イオン、銅イオンなどを除去し、生活用水や飲料水の品質を向上させる。

 発電所では、プロセス水や蒸気の高純度化に使用されている。設備内のスケール付着や腐食を防止し、施設の効率性を高めるほか、安全な稼働、総合的には施設の耐用年数を向上させる。また、地下水や工業廃水の有機汚染物質、水銀やカドミウムなど無機重金属の除去にも用いられている。

 ランクセスの液体高純化テクノロジーズ(LPT)ビジネスユニットは、水処理ソリューションでの世界有数のプロバイダー。イオン交換樹脂に加えて、逆浸透と限外ろ過向けの膜ろ過エレメントも提供している。イオン交換樹脂製造プラントは、レバクーゼンをはじめ、ビターフェルド(ドイツ)、ジャガディア(インド)の3拠点にある。

AGC スペイン原薬製造会社を買収しCDMO事業拡大

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2018年12月6日

 AGCはこのほど、ベイリンガーインゲルハイム(ドイツ)との間で、合成医薬品原薬製造会社であるMalgrat Pharma Chemicals社(スペイン:MPC社)の買収について合意し株式譲渡契約を締結したと発表した。

 MPC社買収により、これまで日本を拠点にしていたAGCの合成医薬品CDMO(製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社)事業に、FDAなど各国当局に登録された欧州拠点が新たに加わる。なお同買収は、関係規制当局の承認を前提としている。

 MPC社は、cGMP(医薬品・医薬部外品の製造管理・品質管理の基準)に対応した合成医薬品原薬の製造において長い歴史と豊富な実績をもち、開発医薬品から商用医薬品まで幅広いスケールの生産に対応できるだけでなく、将来の拡張用地も備えている。

 独自のフッ素技術と、自社創薬を含む豊富な経験をもつAGCにMPC社を加えることで、欧州で合成医薬品中間体から原薬まで一貫して生産できる体制を構築し、今後も大きな需要の伸びが見込まれる欧州市場でのプレゼンスを高めるとともに、世界中の顧客に向けた合成医薬品CDMO事業をより一層拡大していく。

三井化学 「東京都スポーツ推進企業」に4年連続認定 

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2018年12月6日

 三井化学はこのほど、今年度の「東京都スポーツ推進企業」に4年連続で認定されたと発表した。社内で実施している「ヘルシーマイレージ合戦!」が評価された。

 「ヘルシーマイレージ合戦!」は、運動量や健康的な生活で得られるマイルを、ゲーム感覚で楽しみながら貯める3カ月間のプログラム。国内九事業所と海外赴任者を含む出向者を参加対象とし、3~6人で構成する任意のチームか個人でエントリーする。マイルはパソコンやスマホアプリから手軽に入手できる。年に2回の実施により、3年間で延べ1万8000人を超える社員が参加した。

 また、本社を含めた計九事業所の健康管理室に配置している専属産業医や保健師、衛生管理者が運用・推進し、小規模事業者や関係会社の主要工場の嘱託産業医・看護師からの協力も得ながら、グループ社員の健康増進をサポートしている。

 「東京都スポーツ推進企業」は2015年度から始まった制度で、従業員のスポーツ活動を推進する優れた取り組みや、スポーツ分野での社会貢献活動を実施している企業などを認定するもの。同社では今後も「ヘルシーマイレージ合戦!」を継続的に実施し、全社員の健康増進を図るとともに、運動を通じたコミュニケーションの活性化に努めていくとしている。

 

帝人グループ 蘭社の株式取得でウェアラブルデバイスを強化

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2018年12月6日

 帝人グループは5日、ウェアラブルデバイスの研究開発・デザインを手掛けるオランダのスタートアップ企業、エリタック社(ユトレヒト市)が新たに発行した株式25000株を取得したと発表した。オランダでアラミド繊維事業を展開する、同社グループのテイジン・アラミド(アーネム市)が、11月29日付で取得したもの。

 これにより、エリタックの発行済み株式の20%を持つことになり、同社グループから1名がエリタックの取締役に就任した。今後は、エリタックがこれまで開発してきたウェアラブル技術を駆使するとともに、素材サプライヤーとしての知見を生かし、ファーストレスポンダーへの対応力を一層強化することで、トータル・セーフティ・ソリューション・プロバイダーとしての地位を確立していく。

 帝人グループは、重点領域の1つとして「安心・安全・防災ソリューション」を掲げ、災害対策・社会インフラ整備などの用途に向けた事業展開を通じて、安全性向上を実現するトータル・セーフティ・ソリューション・プロバイダーを目指している。

 一方、エリタックは、消防士・警察官・救急隊員など緊急を要する状況での活動が求められ、強いストレスにさらされるファーストレスポンダー向けに、視覚が遮られても、触覚から脳に伝わる情報を活用できる革新的なウェアラブルナビゲーションシステムを開発している。

 こうした中、テイジン・アラミドは、トータル・セーフティ・ソリューション・プロバイダーを目指す一環として、2017年にエリタックと折半出資による合弁会社、センタス社(ユトレヒト市)を設立。すでにセンタスは、緊急車両向けに、シート座面に搭載された振動モーターから発せられる振動により、ドライバーに進行方向を誘導できる画期的なナビゲーションシステムを実用化。オランダ国内の一部の消防隊で採用が進んでいる。

 帝人グループは、こうした取り組みを通じてエリタックの豊富な発想力や技術開発力、ユーザーの声を反映した製品化能力などを高く評価し、このたび株式を取得することとなった。

帝人フロンティア 子会社がインテリア分野でライセンス契約締結

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2018年12月5日

 帝人は4日、帝人フロンティア子会社のテクセットが、チェコのラブミー社と「LAVMI(ラブミー)」ブランドの日本国内での包括的なライセンス契約を締結したと発表した。テクセットはリビング・インテリア商品の企画・販売を行っている。ラブミー社は壁紙・インテリア雑貨の企画・販売メーカー。

「LAVMI」のデザイン例
「LAVMI」のデザイン例

 テクセットはライセンス契約を受け、「ラブミー」を同社のインテリアブランドである「IN‐FA‐LA(インファラ)」のサブブランドと位置付け、カーテン、寝装品、ラグマット、クッションカバーなどに使用し、インテリア分野でトータルコーディネート提案を強化する。

 ラブミー社はシンプルでパワフルなグラフィックデザインと、洗練された色彩が特徴。チェコの首都プラハでの店舗展開を中心に、欧州をはじめとする世界20カ国以上でビジネスを行っている。

 また、デザイナーであるバベーダ・オンドローバ氏の独創的なデザインと、洗練された色彩の組み合わせは、チェコの代表的なデザインを集めた 「チェコデザインアイコン百選」として紹介されている。1997年にはスロバキア文化大臣グラフィックデザイン賞を受賞した。

デザイナーのバベーダ・オンドローバ氏
デザイナーのバベーダ・オンドローバ氏

 「ラブミー」ブランドの商品は、6日から国内の大手ライフスタイルショップで販売を開始し、その後、ECサイト(https://www.rakuten.co.jp/texet/)でも販売する。「ラブミー」ブランドの販売目標は初年度に5000万円、3年後に1億円の売上を目指す。

 

日本化学会 国際周期表年を記念しエッセイなどを募集

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2018年12月5日

 日本化学会の「国際周期表年2019実行委員会」(委員長:玉尾皓平豊田理化学研究所所長)は、国際周期表年2019(IYPT2019)を記念して、中学・高校・大学生を対象としたエッセイコンテストと、産学からのメッセージを募集する。4日に開催した記者会見で、IYPT2019の事業計画の1つとして紹介した。

事業計画を説明する玉尾委員長(中央)
事業計画を説明する玉尾委員長(中央)

 エッセイコンテストでは、3人以上の学生グループが118個の元素の中から1つを選び、その元素についてエッセイを書いて応募する。それぞれの元素で最も優秀なエッセイを、中学・高校・大学の各部で表彰。コンテスト終了後は、同日開設したウェブサイトの周期表をクリックすると、エッセイを読むことができるようにする。

 応募の開始は来年1月から。第1回目の締め切りは3月末、第2回目は9月10日になる予定。産学からのメッセージは、大学の学科・専攻・研究プロジェクト、企業や研究所などが最もゆかりや関心のある元素(複数可)を選び、それぞれの特徴や成果などを広告という形で広報するもの。

 大学は1元素当たり10万円、産業界は同30万円の広告費を支払う、ウェブサイトの周期表の元素をクリックすると、各グループの名称とロゴがメッセージとともに掲載され、そこから各グループのホームページに飛ぶようにリンクを貼る。これにより、広報や宣伝に役立てることができる。

 2019年はメンデレーエフが元素の周期律を発見して150周年に当たる。また、理化学研究所のグループが合成・発見した113番元素ニホニウムを含む、118番までの4つの新元素名が2016年11月28日に確定し、周期表第7周期までが完成。これを記念して、昨年末に国連とユネスコがIYPT2019を制定した。

 日本化学会では国内のIYPT2019記念事業を実施する母体として、同会内に実行委員会を設置した。国際イベントとしては、1月29日にパリのユネスコ本部で開会式、2月8日のメンデレーエフの誕生日にロシアでも開会式を行い、12月5日に東京で閉会式を行う。

 国内では2月23日に日本学術会議で、国内の実質的な開会式となる記念式典を実施。関連行事として3月17日に日本物理学会年会(九州大学)・日本化学会春季年会(甲南大学)連携シンポジウムなどを計画している。

出光興産 需要拡大に備え中国で有機EL材料の工場建設

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2018年12月5日

 出光興産はこのほど、中国での有機EL材料のさらなる需要拡大に備え、中国・成都市内に、有機EL材料製造工場を建設するとともに、顧客への技術支援を強化すると発表した。

 近年、スマートフォンや大型テレビなど、多くの製品に有機ELディスプレイの採用が進んでいる。中国では、政府が推進するディスプレイ産業の振興政策を背景として、大手ディスプレイメーカー各社による有機ELディスプレイ製造設備への投資が加速しており、今後同国は、有機ELディスプレイ生産国として著しく成長する見込み。

 同社は、2007年に静岡県御前崎市、2012年に韓国・京幾道パジュ市で有機EL材料工場の稼働を開始し、これまで主に韓国の顧客向けに材料を提供してきた。今回、中国顧客への材料安定供給の責任を果たすべく、第3の製造拠点として中国内に有機EL材料の製造工場を建設する。なお、装置能力は年産12t。来年11月に竣工し、商業生産開始は、2019年度第4四半期を予定している。

 

大陽日酸 米社の欧州ガス関連事業を取得し子会社化

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2018年12月5日

 大陽日酸はこのほど、米国Praxair社がもつ欧州事業の一部を運営する法人の、株式を取得する手続きを完了したと発表した。

 大陽日酸は、今年7月にPraxair社との間で、Praxair社の欧州事業の一部(ドイツ・スペイン・ポルトガル・イタリア・ノルウェー・デンマーク・スウェーデン・オランダ・ベルギーの産業ガス事業、英国・アイルランド・オランダ・フランスの炭酸ガス事業と、ヘリウムに関連する事業)を運営する法人の、株式を取得する株式売買契約を締結した。

 同契約に基づき、同社が欧州に設立した子会社、TNSC Euro‐Holding(スペイン)、TNSC Germany(ドイツ)などを通じて、今月3日に対象事業を取得した。取得価格は49億1300万ユーロ(約6347億円)。

 大陽日酸は、業界再編が進む中でグローバル競争力を高め、確固たる地位を確立するために、長期経営ビジョンとして売上収益1兆円、営業利益率10%、ROCE10%以上、海外売上収益50%以上の実現を掲げている。

 今回の買収は同ビジョンの実現に向けて大きく前進する手段で、戦略的な意義を併せもつ投資となった。欧州の産業ガス市場は北米に次いで大きく、競争環境も安定しているという。

 同社は、未参入であった当該地域で一定シェアの事業を獲得することで、グローバル化を大きく進めることになる。また、収益性の高い事業を一定の規模・ネットワーク(製造拠点など)とともに取得したことに加え、現在のトップマネジメント層を含む有為な人材や事業プラットフォームも併せて獲得した。

 大陽日酸は、こうした事業基盤を背景に、同社がもつ環境規制対応などの製品を展開していくとともに、グローバル企業向けのマーケティング機能拡張など、グループの横串機能を強化していく方針だ。

三菱ケミカルホールディングス 中計最終年度のコア営利目標を上方修正

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2018年12月5日

 三菱ケミカルホールディングスは、中期経営計画「APTSIS20」(2016~2020年度対象)で掲げる成長戦略を一段と加速させ、2020年度にはコア営業利益(IFRS)4100億円の達成を視野に入れていく方針だ。

中計の説明を行う越智社長
中計の説明を行う越智社長

 2018年度までの計画進捗を踏まえ、最終年度の目標数値の見直しを発表。ケミカルズの市況下振れやヘルスケアの事業環境悪化を、機能商品の成長戦略や産業ガスM&Aの効果などでカバーし、当初目標から収益の上積みを図っていく。

 4日に開催した事業説明会で、越智仁社長は「世界において保護主義の広がり、米中貿易摩擦、原油の乱高下など事業環境が大きく変化しており、中計の見直しを行った。従来はコア営業利益目標3800億円、目線を4300億円に置いていたが、コミットメントとして4100億円を設定した」と語った。

 またヘルスケアについては「当初目標を下回っているが、2023年度にはコア営業利益1000億円達成を目指す」考えだ。今年度については、「前中計で構造改革が一段落し、今中計では収益力が高まっている。世界経済が上向いていることに加え、中国の環境規制強化や過剰設備対策などにより事業環境が改善した。コア営業利益3500億円を1つの目安としているが、それを超える力がついてきた」とし、薬価改定や定修規模差などにより減益となるが、海外事業が伸びていることで当期利益を押し上げるとの見通しを示した。

 続いて中計の主要施策では、各事業領域の施策に加え、三菱ケミカルの統合効果と協奏による新しい技術領域・市場領域を使った成長、グローバル市場でのアクセス・マーケティング力強化、2015年を睨んだ次世代テーマの早期事業化、地球環境問題の深刻化に対応したKAITEKI経営の深化などを説明。ポートフォリオマネジメントでは6つの市場(モビリティ・エレクトロニクス・メディカル・ヘルスケア・環境エネルギー・パッケージ)にフォーカスし、2025年に向けて成長加速を図っていく。

 ポートフォリオ改革では3000億円の事業の再構築、グループ会社25%削減などに取り組んでいるが、今年度までに1000億円規模の事業撤退・売却を実施し、111社の関係会社を削減した。続いてフォーカス市場と基礎素材の成長戦略を説明。

 越智社長は「三菱ケミカル統合により、

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クラレ 人事(2019年1月1日)

2018年12月5日

【クラレ】▽解兼機能材料カンパニー炭素材料事業部長、同カンパニー長取締役・常務執行役員佐野義正▽アクア事業推進本部長、研究開発本部担当、同事業推進本部担当兼同本部長常務執行役員柏村次史▽機能材料カンパニー副カンパニー長兼同カンパニー炭素材料事業部長執行役員髙井信彦▽CSR本部長井出章子▽管理部門総務・人事本部長藤波智▽研究開発本部長補佐中川直▽同本部つくば研究センター長福田始弘▽同本部くらしき研究センター長佐々木繁▽アクア事業推進本部担当付梶田栄▽イソプレンカンパニー生産技術統括本部長、同カンパニー生産技術統括部長資延信雄▽同カンパニージェネスタ事業部長池森洋二▽機能材料カンパニーメタアクリル事業部長中村吉伸▽入間カントリー倶楽部社長補佐(2019年3月同社社長就任予定)松井茂【入間カントリー倶楽部】▽社長補佐松井茂(2019年3月株主総会開催日予定)▽社長松井茂▽取締役会長河内辰雄【クラレトラベル・サービス】(2019年3月株主総会開催日予定)▽社長松原敏▽退任(社長)尾古雅章。