東京電力フュエル&パワー 全軸高効率化完了し燃料費削減と収益力向上へ

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2018年12月17日

 東京電力フュエル&パワーはこのほど、発電効率の向上と増出力を目的に、2015年7月から横浜火力発電所7号系列(燃料:LNG、定格出力:35万kW×4軸)と、8号系列(燃料:LNG、定格出力:35万kW×4軸)の改良型コンバインドサイクル発電設備の全8軸について、ガスタービンなどの取り替えを実施していたが、今回、8号系列第2軸の取替工事が完了したと発表した。

 ガスタービンなどの取り替えにより、発電効率は54.1%から55.8%へ向上し、定格出力も35万kWから37.7万kWへ増加した。今回の8号系列第2軸の取替工事をもって、7・8号系列全軸の高効率化が完了した。これにより、全8軸で燃料費を年間約80億円、CO2排出量を年間約24万t削減できる見込みだ。

 また、蒸気タービンの据付工法見直しなどにより、工事期間短縮に努めた結果、2015年7月の初軸更新時の計画から、25日前倒しで取り替えを実現した。同社は引き続き、燃料費の戦略的削減と収益力の向上により、低廉な電力を安定的に供給し、福島の復興に向けた原資の創出に全力を尽くしていく方針だ。

 

三菱日立パワーシステムズ 米国でピーク電源用のガスタービンを受注

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2018年12月17日

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)はこのほど、空気冷却方式のG形ガスタービンである出力27万5000kWのM501GAC(G‐series Air‐Cooled)1基を、ピーク電源用として米国中西部の電力会社向けに受注したと発表した。

 また、同社のデジタルソリューションサービスである「MHPS‐TOMONI」も導入することで、より柔軟なピーク電源ソリューションを提供することができるようになる。

 今回、同社が受注したガスタービンは、同社のG形シリーズで培った信頼性の高い実証済みのガスタービン技術を深化させ、出力が不安定な再生可能エネルギーとの共存に向けて起動時間の短縮などを実現させたもの。

 米国の西部や中西部では、風力や太陽光など再生可能エネルギーが爆発的に成長しており、これらの不安定な電力を補完するためのピーク電源の確保が課題となっている。その不安定さを補完するために、10分で急速起動、5万㎾/分の負荷変化率を実現し、NOx(窒素酸化物)排出量を濃度9ppm以下に抑制する。

 同社米国法人の、ポール・ブローニング社長兼CEOは「再生可能エネルギーは単独では不安定で、供給網に必要な持続性や信頼性に足る電力を供給できない。当社の大型ガスタービンは、500万時間以上の運転実績を有しており、こうした持続性や信頼性の高いガスタービンに柔軟性を組み合わせることで、顧客ニーズに応じた多様なエネルギーを供給することができる」と述べている。

 北米を中心に今後、ピーク電源用のガスタービンについても、より大出力の大型ガスタービンの採用が見込まれている。同社は、今回の501GAC形ガスタービンの受注を弾みとして、北米を含めた世界各地で再生可能エネルギー由来の発電と、大型ガスタービンを使った発電の組み合わせによる高効率発電の市場を創造し、その普及に力を注ぎ、電力の安定供給と地球環境負荷の低減に貢献していく。

 

丸紅 米国企業へ出資し新たなモビリティサービスを提供

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2018年12月17日

 丸紅はこのほど、今月3日に傘下の特定目的会社MAIHOⅢ社を通じて、米国で自動運転技術開発と自動運転配送サービスの事業化を推進する、スタートアップudelv社に出資したと発表した。

 udelv社は、2016年にカリフォルニア州で設立され、今年1月から公道でラストワンマイル(最終拠点から最終配達先までの配送区間)の自動運転配送サービス実証実験を開始し、これまでにサンフランシスコ・ベイエリアの公道で提携小売店の顧客向けに、1000回以上の自動運転配送サービスを実施している。

 今後、udelv社は自動運転車両の改良を重ね、カリフォルニア州のみならず、オクラホマ州やテキサス州へもサービスエリアを拡大していく予定。テキサス州では、丸紅がMAIHOⅢ社の子会社であるXL Parts社を通じて、展開するアフターマーケット向け自動車部品卸販売事業での実証実験も計画している。

 丸紅はudelv社への出資を通じて、物流分野でのラストワンマイルの効率化、将来の自動運転社会の到来を見据えた商用車フリートマネジメント(人や物の輸送サービスで利用する商用車両の調達・運用・処分といったライフサイクルを最適に管理する)事業など、新たなモビリティ・サービスの提供へ積極的に取り組んでいく方針だ。

 

田辺三菱製薬 創薬基盤技術でバイオ製薬企業と研究契約締結

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2018年12月17日

 田辺三菱製薬はこのほど、2012年に創業、中国成都市に本社を置き、米国にも支社を持つ、医薬品の標的タンパク質に対する低分子医薬品を創製するバイオ製薬企業である、HitGen(ヒットジェン)と創薬標的分子に対するシード化合物(ターゲットとなる創薬標的分子と結合する化合物)の探索に係る共同研究契約を締結したと発表した。

 ヒットジェンは、化合物に目印となるDNAのタグを付けるという独自の技術を用いて、3000億種類以上の化合物から構成される次世代化合物ライブラリー(DNAタグ付きライブラリーのことで、DNAエンコーデッドライブラリー=DELとも呼ばれる構造多様性をもつ化合物ライブラリー)を構築している。

 DNAタグ付きライブラリーを用いると、広範な化学品の分析とスクリーニングが可能になり、田辺三菱製薬が狙う新薬の種となるシード化合物のヒット率を向上させ、探索期間を短縮することが期待できる。これにより、田辺三菱製薬は研究パイプラインの早期拡充を目指す。

 今回の契約締結により、ヒットジェンは上記の技術を用いて、田辺三菱製薬が提供する複数の創薬標的タンパク質に対するシード化合物の探索を行う。田辺三菱製薬はその対価として、研究コストの一部とマイルストンの支払いをする。

 なお、経済条件の詳細については開示しない。両社は今後、アンメット・メディカル・ニーズに応える、革新的な医薬品創製にチャレンジしていく方針だ。

JSR 半導体材料と3D技術を「SEMICON」に出展 

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2018年12月14日

 JSRは12~14日に東京ビッグサイトで開催した「SEMICON Japan 2018」に、2つのブースを出展した。

JSRの半導体ブース
JSRの半導体ブース

 部品・材料ゾーンのブースでは、リソグラフィーや先端実装、CMPなど半導体製造の先端材料を紹介。リソグラフィー材料ではKrF、ArF、液浸露光用の高解像度フォトレジスト、高感度から超高解像度まで幅広い用途のg線、i線フォトレジストなどのパネル展示をした。

 近年、IoT化が進んだことで最先端のプロセス技術を必要としない半導体の需要が増加傾向にある。同社は微細化のドライバーとなるフロントエンドで高いシェアを保持しているが、リソグラフィー材料の豊富なラインアップを強みとして幅広いニーズに対応していく。

 洗浄剤など周辺材料についても、顧客ニーズへのきめ細かい対応が評価され採用が拡大。また、微細化の次世代技術として注目を集めるEUVリソグラフィーでは、EUVレジストにも注力。同社は量産体制を整備しており、2020年頃までの本格的な立ち上がりが期待されている。来場者はこれらの製品・技術について、担当者からの説明を熱心に聞き入っていた。

 SMART APPLICATIONS ZONEのブースでは、3D技術に関連する同社の材料や取り組みを紹介。グループ会社ディーメックが光造形3Dプリンタや材料(光

JSRの3Dブース
JSRの3Dブース

硬化性樹脂)などを手掛けてきたが、近年では高速3Dプリンタ技術を持つ米「カーボン社」への出資、医療3Dソフトウエア会社「レキシー」買収、バイオプリンティング技術を持つ加「アスペクト・バイオシステムズ」との提携をはじめ、3Dに関連する技術・材料が拡大している。

 分野としてはメディカルやナーシングに加え、パラアスリートのパフォーマンス向上などスポーツでの研究も推進。ブースではこれらの取り組みについて、パネルや3Dプリンタの制作物などを展示。来場者に情報を提供することで、外部との連携強化を図る。

 

 

東洋紡グループ 独エアバッグ基布会社を買収し生産供給を強化

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2018年12月14日

 東洋紡は13日、グループ会社のPHP Fibers社がドイツの大手グローバル基布メーカー、UTT Technische Textilien社を買収することで合意したと発表した。UTT社は、ドイツとメキシコに工場を持ち、エアバッグ用基布、自動車内装、パラシュートなどに用いる繊維の製造・販売を行っている。

 東洋紡は2014年に、タイのPET世界最大手のインドラマ・ベンチャーズ社(本社:バンコク)と共同で、エアバッグ用原糸メーカーとして世界第2位(当時)のシェアを誇るPHP社を買収した。PHP社は来年に、東洋紡の基布製造技術を導入した基布工場をドイツに建設する予定。これにより、東洋紡グループは、日本・タイ・中国・米国・欧州の世界五拠点で、原糸から基布まで一貫して供給できる唯一のメーカーとなる。

 今回、エアジェット織機などの高い基布製造技術をもつUTT社を、PHP社傘下に収めることで、同社グループは、顧客の様々なニーズに応えられる原糸・基布メーカーとして、グローバルな生産・供給体制を拡充していく考えだ。

大陽日酸 米子会社がHyCO事業と関連資産を買収

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2018年12月14日

 大陽日酸は13日、100%子会社のMatheson Tri‐Gas(Matheson、米国テキサス州)を通じて、ドイツのLinde Aktiengesellschaft(Linde AG)の子会社であるLinde Gas North America(Linde America)が米国で行っている、HyCO事業の一部と関連資産を買収する契約を同日締結したと発表した。

 同事業は、天然ガスなどから水蒸気改質装置(SMR)などで分離される水素(H2)・一酸化炭素(CO)を、石油精製・石油化学産業などにパイプラインを通じて大規模供給するもの。

 取得対象資産はSMR式HyCOプラント5カ所とパイプライン、遠隔監視システム。取得価額は約468億円。取得完了日に取得価額を現金で支払う。支払い時点では短期のブリッジローンで調達し、取得完了後、速やかに長期借入に借り換える。米国連邦取引委員会の承認が得られれば取得完了となる。

 大陽日酸は中期経営計画「Ortus Stage 2」での戦略として、M&Aを活用したガステクノロジーの領域拡大を目指しており、製品ラインアップ拡充による提案力強化の観点から、HyCO事業への本格的参入を検討していた。

 今回の買収によりこれが実現し、同社グループとして、①H2・COのオンサイト供給による中長期での安定的な収益の獲得②HyCO事業の効率的な運営を可能とするリソース(人・技術)の獲得③米国での新規オンサイト需要(石油精製や石油化学など)での提案力強化が期待できる。

 今回の買収は、昨年6月1日付で、Linde Americaの親会社であるLinde AGが、Praxairと合併することで合意したことに始まる。今年10月22日に、米国連邦取引委員会が、Linde AGが同社の米国事業の一部(HyCO事業の一部を含む)を第三者に譲渡することを条件に、合併を承認した。これを受けてMathesonは、今回の買収契約をLinde Americaと締結した。

宇部興産 山本社長「米中貿易戦争で、来年は先行き不透明」

2018年12月14日

 宇部興産は12日、都内で記者懇談会を開催した。

 あいさつに立った山本謙社長は、「今年、当社は品質検査に関わる不適切行為の問題で、関係者の皆様に多大なるご心配とご迷惑をお掛けした」とお詫びの言葉を述べた。

 そして「調査は一段落し、現在、再発防止に取り組んでいる。ただ、

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SEMI 今年の半導体製造装置販売は過去最高の見通し

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2018年12月13日

 マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会であるSEMI(米カリフォルニア州)はこのほど、「SEMICON JAPAN 2018」の記者会見で、今年末の半導体製造装置の市場予測を発表した。

 今年の半導体製造装置(新品)の販売額は前年比9.7%増の621億ドルで、昨年に記録した過去最高額の566億ドルを更新する見通しとなった。来年は4.0%縮小する見込み。

 説明を行ったSEMI市場調査統計部門のクラーク・ツェン・ディレクターは「成長をけん引してきたメモリーの伸びが調整局面に入り減速することと、米中貿易摩擦の影響もあり、来年に計画されていた中国の投資が再来年以降になると予想されること」を、その理由して挙げた。

 再来年はメモリーの回復と貿易摩擦の緩和により、20.7%増の719億ドルと、過去最高を再び更新するとの予想となった。ウェーハプロセス処理装置市場は、今年は10.2%増の502億ドルの見込み。純水装置や搬送装置などの設備装置、ウェーハ製造装置、マスク/レチクル製造装置を含む「その他前工程装置」は0.9%増の25億ドル。組み立てとパッケージング装置市場は1.9%増の40億ドル、テスト装置市場は15.6%増の54億ドルとの予測となった。

 今年の市場予測については、韓国が引き続き1位で、中国が初めて2位、台湾は3位に後退。台湾・北米・韓国以外の全地域が成長を見込む。成長率では中国が55.7%で最も大きく、日本の32.5%増、東南アジアを主とするその他地域が23.7%、欧州の14.2%が続く。

 来年については韓国・中国・台湾がトップ3市場となることは不変。韓国の装置販売額は132億ドルに達し、中国は125億ドル、台湾は118億ドルを予測。プラス成長となるのは日本・台湾・北米だけとなる見込み。成長の見通しは再来年には明るくなり、全地域でプラス成長が予測される。中でも韓国が最も大きな成長率を示し、中国とその他地域が続く見通しだ。

積水化学工業 人事(2019年1月1日)

2018年12月13日

[積水化学工業・人事](2019年1月1日)▽代表取締役経営戦略部長、専務執行役員加藤敬太▽取締役積水メディカル社長、同久保肇▽社長特命事項、取締役同関口俊一▽環境・ライフラインカンパニープレジデント、取締役常務執行役員平居義幸▽住宅カンパニープレジデント兼まちづくり事業推進部長、同役員同カンパニー 住宅営業統括部長神𠮷利幸▽常務執行役員高機能プラスチックスカンパニープレジデント、同カンパニーエレクトロニクス分野担当清水郁輔▽環境・ライフラインカンパニー中部支店長、執行役員環境・ライフラインカンパニー東日本支店長藤井清▽同カンパニーシート事業部長、同役員岸谷岳夫▽徳山積水工業副社長、同野力優▽環境・ライフラインカンパニー建材事業部長吹田登志雄▽高機能プラスチックスカンパニーフォーム事業部長青島嘉男▽R&DセンターR&D戦略室長森川岳生▽同センター知的財産グループ長海野雅幸。