新日本理化 グリーンローンでR&Dセンター建設費調達

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2021年10月11日

 

グリーン写真1 「京都R&Dセンター」の外観
「京都R&Dセンター」の外観

 新日本理化はこのほど、今年5月に竣工した同社研究施設「京都R&Dセンター」(京都府精華町、けいはんな学研都市)の建設資金について、資金の使途を環境改善効果のある事業(グリーンプロジェクト)に限定した「グリーンローン」により調達することを決定した。

 同ローンは、りそな銀行、日本政策投資銀行(DBJ)および三菱UFJ銀行からなる協調融資(シンジケートローン)。新日本理化は、創業100周年記念事業の一環として京都R&Dセンターを整備。次なる100年に向けた研究開発力・技術力の強化と、オープンイノベーション推進による新たな価値創造の拠点と位置づける。

 同社は中期経営計画(2021~2025年度)で掲げる、「環境・社会・人(命)に関わる課題にチャレンジする」というコンセプトの下、同研究施設では効率的なエネルギー消費を実現しながら、バイオマスなどの天然素材・クリーンエネルギーを活用する事業の拡大、より生産効率の高い製造プロセスの開発など、事業を通じた環境負荷の低減に取り組んでいく考えだ。

資金調達のスキーム図
資金調達のスキーム図

 なお、同件借入時に、グリーンローン原則に準拠したフレームワークを作成し、第三者評価機関である格付投資情報センターから最上位評価となるGA1を取得。また、借入先の1つであるDBJから「DBJ環境格付」を取得した。

 同格付は、DBJの格付システムにより企業の環境経営度を評点化し、優れた企業を選定する世界初の融資メニュー。持続可能なパーム油の生産・利用に寄与するために、RSPOへの加盟やSCCS認証を取得し製造を行うほか、天然資源を使用した製品開発を進めるなど、顧客や社会的要請を踏まえ、製品を通じた環境・社会貢献を実現している点などが評価された。

ダイセル 酢酸セルロース、海洋生分解性の国際認証取得

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2021年10月11日

 ダイセルはこのほど、高生分解性酢酸セルロース「CAFBLO(キャフブロ)」が、海洋生分解性を証明する国際認証「OK biodegradable MARINE」を8月に取得したと発表した。

「キャフブロ」が海洋生分解性認証取得
「キャフブロ」が海洋生分解性認証取得

 今回の認証取得は、工業用コンポストで安全に生分解することを証明する国際認証「OK compost INDUSTRIAL」に加え、2つ目の生分解性認証取得となる。

 酢酸セルロースは、植物由来の「セルロース」と自然界に存在する「酢酸」を原料として製造される。天然由来かつ生分解性をもった環境にやさしい素材で、使用後には、最終的に水とCO2に生分解される。また、非可食性の素材を主原料としているため、将来懸念される食糧問題に対して影響を与えないことも特徴だ。

 同社は長年培ったセルロース化学技術を応用し、より生分解しやすい分子構造を見出だし、従来製品の品質を保ったまま、特に海洋での生分解速度をさらに高めた新製品「キャフブロ」を開発。

 近年、人間が出す大量のプラスチックゴミによる海洋汚染により、漁業や海洋生態系、人の健康などへの影響が大きな社会的課題となっている。同社は酢酸セルロースおよび「キャフブロ」の普及を通じてこの社会的課題の解決を目指す。

 酢酸セルロースは、メガネフレーム、繊維、液晶保護フィルム、化粧品など人々の生活の中で広く利用されている素材。可塑剤を加えることで、他のプラスチック同様に熱成型も可能となる。

 同社は今後も、パートナー企業や自治体と協力し、海洋への流出が懸念される様々な製品へ酢酸セルロースと『キャフブロ』が採用されるよう用途開発を進めていく。

旭化成ファーマ 創薬研究を公募、来年1月6日から開始

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2021年10月11日

 旭化成ファーマはこのほど、オープンイノベーションの取り組みの一環として、国内の大学や研究機関、企業との協業による医薬品の研究開発を促進するため、今年度も創薬に関する研究の公募を実施すると発表した。

 2022年1月6日14時(日本標準時)~2月10日17時(同)を公募期間とし、「自己免疫疾患領域」、「救急領域」、「神経変性疾患領域」、「疼痛・ニューロパチー領域」、「骨領域」における創薬シーズや評価技術と「薬物動態関連技術」、「製剤技術」、「評価・解析技術」をはじめとする様々な創薬基盤技術を広く募集し、共同研究や研究育成の可能性について検討する。

 採択された創薬研究には、1案件につき年間2000万円を上限に研究費を決定。研究期間は1~3年間(各年でマイルストンを設定し、研究成果を踏まえて実施内容を随時見直す)を予定している。同社は国内外からの導入や提携のより一層の推進・強化を図るために、2016年にオープンイノベーション部を新設。前臨床段階までの新薬候補化合物や創薬に関する最先端技術の導入、提携、および共同研究などのオープンイノベーション活動を推進している。

 なお、詳細はウェブサイト(https://www.asahikasei-pharma.co.jp/a-compass/jp/)を参照。

出光興産など SSの「スマートよろずや」化、島田市で実証

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2021年10月11日

 

:「スマートよろずや」構想イメージ
「スマートよろずや」構想イメージ

 出光興産、西東石油、スマートスキャン、ゴーストレストラン研究所は8日、西東石油が運営する静岡県島田市内の出光興産系列サービスステーション(SS)において、地域の人々の健康維持や食の選択肢の提供に役立つ各種サービスの展開に関する実証実験を順次開始すると発表した。これは出光興産が掲げる「スマートよろずや」構想をSS敷地内で実証する全国初の試みとなる。

 実証サービスは、スマートスキャンが運営する「スマート脳ドック」(移動式脳ドックサービス)、ゴーストレストラン研究所が運営する「ゴーストキッチンズ」(テイクアウト/デリバリーのフードサービス)、西東石油が運営する「ご近所八百屋」(野菜の直売、デリバリー販売)などで、実証期間は10月8日~12月17日を予定している。

 出光興産は「DXの加速」を含むビジネスプラットフォームの進化を中期経営計画における基本方針の1つに掲げ、デジタル技術を使った業態変革・新規ビジネスモデルの創出を推進。同社系列の全国約6300カ所のSSネットワークの「スマートよろずや」化は、デジタル技術を使い、地域固有の課題に対して様々なサービスを必要な時、必要な場所に機動的に提供できるエコシステムを構築することで、SSネットワークを中心とした拠点を、暮らしと移動を支え、地域住民の生活を豊かにする新しい時代の「よろずや」に進化・変革することを目指している。

 今回の実証実験では島田市の協力の下、予防医療や食など複数のサービスを、SSを軸に地域の人々に提供し、各サービスのオペレーションや事業性に関する知見を獲得する。出光興産は、実証実験の全体統括の役割を担うとともに、「スマートよろずや」構想実現に向けたサービス改善の検証や、展開地域の適性を検討する。

デンカなど 次世代コンクリート技術、共同研究を開始

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2021年10月11日

 

次世代コンクリート開発 3社の技術を活用
次世代コンクリート開発 3社の技術を活用

 デンカ、鹿島建設、竹中工務店は8日、3社の技術を融合して、カーボンネガティブコンクリート(製造時の排出よりもCO2の吸収量が多いコンクリート)を実現する技術を共同研究することに合意したと発表した。

 2050年カーボンニュートラルの実現を目指す動きが世界的に加速するなか、国内でもCO2排出量削減が急務となっている。建設分野においてもCO2排出量削減は喫緊の課題であり、そのなかでも建設材料として広く使用されるコンクリートは、製造過程で大量のCO2を排出するため、その削減効果は極めて大きいと考えられている。

 今回の共同研究では、CO2排出量を大幅に削減するコンクリートをベースに、CO2を吸収するコンクリートやCO2を吸収したコンクリート素材を活用することで、より高いレベルで汎用性のあるカーボンネガティブコンクリートを実現し本格的な普及を目指す。

 CO2排出量を大幅に削減するコンクリートとしては、竹中、鹿島らが開発したCO2排出量を6割削減できる「ECM(エネルギーCO2ミニマム)」、CO2を吸収するコンクリートとしては、鹿島、デンカらが開発した世界で唯一実用化されているCO2吸収型コンクリート「CO2-SUICOM」、CO2を吸収したコンクリート素材としては、竹中が開発中の「CCU材料」の技術を活用する。

 なお、「CO2-SUICOM」のキーマテリアルとしては、デンカが開発した炭酸化混和材「LEAF」を活用する。これら3つの技術を複合化し、発展させることで、各々の技術だけでは実現できないレベルのカーボンネガティブを実現し、革新的な技術へと進化させていく。

 今回の共同研究により、脱炭素から「活炭素」にステージを移し、建設分野の基盤材料として欠かせないコンクリートの新しい形、使用するほどCO2を削減できるようなコンクリートを未来に向けて創っていく。

東ソー ウレタン原料TDI、生産と販売を23年に停止

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2021年10月11日

 東ソーは8日、ウレタン原料であるトリレンジイソシアネート(TDI)の生産と販売の停止を決定したと発表した。2023年4月にTDI製造設備(年産2万5000t)を停止し、TDIモノマーおよびTDI誘導品(トリマー、接着剤、熱硬化樹脂など)の販売を停止する予定。

 同社は、1962年に旧日本ポリウレタン工業の南陽工場でTDIの製造を開始し、半世紀以上にわたり事業展開を行ってきた。これまで継続的に収益改善策を実施してきたが、近年は事業を取り巻く環境がより一層厳しさを増している。同社は、今後も事業環境が好転する可能性がないと判断し、TDI事業の継続を断念した。

ノーベル化学賞 「三井化学触媒科学賞」受賞者ら2氏に

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2021年10月8日

 スウェーデン王立科学アカデミーは6日、今年のノーベル化学賞を、「不斉(ふせい)有機触媒の開発」の功績により、独マックス・プランク石炭研究所所長のベンジャミン・リスト氏と米プリンストン大学教授のデイヴィッド・W.C.マクミラン氏に授与すると発表した。

 触媒は化学者には基本的なアイテムだが、研究者たちは長い間、原理的に触媒には金属と酵素の2種類しかないと考えていた。両氏は2000年に互いに第3の触媒を開発。不斉有機触媒と呼ばれ、小さな有機分子をベースにしている。

 ノーベル化学賞委員会のヨハン・オフィスト委員長は「この触媒のコンセプトは、独創的であると同時にシンプルであり、多くの人がなぜもっと早く思いつかなかったのかと不思議に思っているのも事実だ」と語る。

 2000年以降、有機触媒分野の技術は両氏をリーダーに驚異的なスピードで発展。新しい医薬品から太陽電池の光を捉える分子まで、あらゆるものの効率的な生産を可能にし、人々に多くの利益をもたらしている。

 なおマクミラン氏は、有機触媒の新しい展開の業績に対し、2011年「三井化学触媒科学賞」を受賞している。

 

MCCスポーツ 全日本大学サッカー連盟のスポンサーに

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2021年10月8日

 

スポンサー契約調印式 左:JUFAの吉見章理事長 右:佐藤文彦社長
スポンサー契約調印式 左:JUFAの吉見章理事長 右:佐藤文彦社長

 三菱ケミカルの子会社であるMCCスポーツは7日、全日本大学サッカー連盟(JUFA)との間で「全日本大学サッカー選手権大会」の特別協賛契約を締結したと発表した。

 同社は、人工芝製品などをはじめとする数々のスポーツ製品を展開。長年、製品の提供などを通じて大学サッカーの支援を続けてきた。今回、同連盟と特別協賛契約を締結することで関係を強化し、JUFAの活動や大学サッカーの発展にこれまで以上に貢献していく考え。

 同社は今後も、製品提供や関係団体との連携を通じて、「快適健康創造企業」として広く社会に貢献していく。佐藤文彦社長は「当社が全日本大学サッカー選手権の冠スポンサーとして協賛することで、大学サッカーのさらなるレベルアップを期待する。世間からより注目されるようサポートさせていただき、日本サッカー界の発展と世界トップレベルへの躍進に貢献していきたい」とコメントしている。

エレファンテック 「新木場R&Dセンター」を開設

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2021年10月8日

 

新木場写真 新たなR&Dセンターを拠点に、インク材料からインクジェット装置まで一貫して研究開発を行う
新木場写真 新たなR&Dセンターを拠点に、インク材料からインクジェット装置まで一貫して研究開発を行う

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックは7日、東京・江東区に「新木場R&Dセンター」を新規に開設すると発表した。

 同センターでは、インク材料からインクジェット(IJ)装置まで垣根なく一貫して研究開発を行うことで、効率的なプロセスを開発する環境を整備するとともに、IJによる環境に優しいものづくりの研究開発と社会への普及を加速していく考えだ。

 2階建て、延床面積578㎡。1階にはクリーンルームを設置し、IJを中心とした装置開発を進めていく。2階では主にインクや表面処理の材料評価や開発を行う。稼働開始は来年1月を予定する。

 同社は、IJによる金属印刷技術と無電解銅めっきを使ったフレキシブル基板の量産化に成功。従来に比べ桁違いに環境負荷が低く、低コストである利点が評価され、市場への浸透が進んでいる。ただ一方で、微細化や多層化などの性能面では既存技術に優位性があり、同社技術が市場の大半を置き換えるには至っていない。

 こうした背景の下、同社は、「新木場R&Dセンター」を新たな拠点として研究開発を推進し、性能面の向上を図ることで市場拡大を狙っていく。また、同センターを研究者や開発者がフルに活躍できる場と位置づけ、化学系、機械系、電気系、ソフトウエアなど幅広い分野からの新規採用を進めていく。

日本化学工業協会 日本動物実験代替法学会のLRI賞、受賞者決定

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2021年10月7日

 日本化学工業協会はこのほど、日本動物実験代替法学会(JSAAE)内に設立した日化協LRI(長期自主研究活動)賞の第6回目の受賞者を正式に決定した。

LRI賞を受賞した花王 安全性科学研究所の安保孝幸氏
LRI賞を受賞した花王 安全性科学研究所の安保孝幸氏

 LRI賞は、研究者奨励および育成の一環として、〝化学物質が人の健康や環境に与える影響〟に関する優れた業績をあげた研究者を表彰しており、今回、花王 安全性科学研究所の安保孝幸氏[テーマ(邦題):in vitro眼刺激性試験Short Time Exposure法における高揮発性物質の適用範囲拡大と予測性検証]が受賞した。

 安保氏はin vitro眼剌激性試験であるSTE法に関する研究を精力的に進め、STE法のOECDテストガイドライン採択に貢献した。その後も研究を継続し、高揮発性物質への適用範囲拡大を達成。

 さらには、医薬部外品・化粧品の安全性評価におけるSTE法のガイダンス策定にも関与し、現在はCosmetics Europeと共にSTE法と他のin vitro試験法を組み合わせた評価体系のOECDテストガイドライン化に向けて国際的に活躍している。試験法開発だけでなく、その実用化への貢献も大きく、安保氏の今後の一層の活躍が期待される。

 なお、授賞式は、11月11~13日にハイブリッド形式で開催される「JSAAE第34回大会」にて行われる予定。