日本触媒 三洋化成工業との経営統合中止も基本戦略を単独で遂行

, ,

2020年10月23日

 日本触媒と三洋化成工業は、来年4月に予定していた経営統合について、コロナ禍や原油価格急落など事業環境が急変したことなどを理由に統合中止に合意した。

 こうした中、日本触媒は今後の方針について発表。「戦略見直しが必要だが、強固な財務基盤の下、基本戦略には変更はない」とした上で、「顧客課題に応えるソリューションズビジネスに、競争力のあるマテリアルズのバリューチェーンを生かし、当社グループ単独でも新たな価値を生み出していく戦略を遂行していく」考えを示した。

 マテリアルズ部門では、EO、AA/SAPなどの基盤事業について、現在進めているSAPサバイバルプロジェクトに代表される種々のコストダウンを徹底。高品質の素材を高い生産技術力でグローバルに提供することで、収益の拡大を図る。

 ソリューションズ部門では、同社の強みであるキーマテリアル開発力を生かし、他社にない独自の機能提供で世界中の顧客の課題解決を目指すことで事業拡大を図る。具体的な成長分野として、インダストリアル(モビリティ、ペイント&コーティングなど)、エナジー&エレクトロニクス(新エネルギー、電子・情報材料など)、ライフサイエンス(医薬品、ヘルスケア、化粧品など)に注力し育成を加速していく。

 同社は、企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」の下、新統合会社で目指した「未知の領域へ常に挑戦し、革新的でユニークな価値を生むことで、生活のあらゆる場面を豊かにし、未来のため持続可能な社会の創造へ貢献」を叶えるべく努力していく考えだ。

帝人 自動車軽量化技術のグローバルプロジェクトに参画

, , ,

2020年10月23日

 帝人グループは22日、ドイツ・アーヘン工科大学の関連組織であるAZLアーヘン主催による、自動車などの軽量化に寄与する技術開発のための産学共同のオープンイノベーションプログラム「AZLパートナーネットワーク」に参画すると発表した。

AZLパートナーネットワーク
AZLパートナーネットワーク

 同ネットワークには、現在、各国から約90機関が加盟。熱硬化性・熱可塑性複合成形材料などの高機能材料のエキスパートが集結している。その中で帝人グループは、同ネットワークが今月開始した、EV用のバッテリーボックスの開発・製造に向けた8カ月間のプロジェクトなどに参画する。近未来のモビリティ像として「CASE」が示され、環境負荷低減を目的とした自動車の電動化が進む中、軽量化や多機能化など、自動車を取り巻く環境には大きな変化が予測される。

 帝人は、こうした変化に対応するため、2017年に米国のCSP社を買収して以降、グローバル「ティア1」サプライヤーとして自動車向け複合成形材料事業を展開。また、CSP社のフランス現地法人であるCSPヨーロッパでのSMC(シートモールディングコンパウンド)工場新設、ポルトガルのイナパル社やチェコのベネット社の買収など、複合成形材料事業の拡大を推進しており、昨年には、衝突規制に適合しながら、従来のスチールドアに比べて全体の重量を削減したマルチマテリアルドアモジュールを開発した。

 さらに今年2月には、ドイツに次世代自動車開発に向けた市場開拓と技術調査を担うテイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパ(TACE)を設立。長年にわたり培ってきた炭素繊維やアラミドなどの高機能素材に関する技術や知見に基づき、新たなアイデアを活用したマルチマテリアルでの提案力強化を図っている。こうした中、同ネットワークの目的が、目指す方向性に合致していることから、プロジェクトに参画することを決定した。

 帝人グループはマルチマテリアルでの部品供給メーカーとして、その地位を一層強固なものにしていく考えだ。

ダイセル 人事(11月1日)

2020年10月22日

[ダイセル・人事](11月1日)▽事業創出本部新事業開発部製剤ソリューション事業ユニット主席部員兼チェーンプロダクションカンパニー品質保証部品質保証グループ主席部員井手貴人▽同本部医療関連事業戦略部未来医療研究センター主任研究員坂口奈央樹▽リサーチセンタービジネスモデルグループリーダー、同センター長補佐堀信介▽同センターリサーチグループリーダー、同センター副センター長宮田明宏▽同センター同グループ首席技師久保田邦親▽同センター同グループ上席技師、マテリアルSBUアセチルBUセルロースマーケティング部上席技師北山健司▽リサーチセンターリサーチグループ上席技師上島稔▽同センター同グループ主幹部員中野達也▽同センター同グループ主席部員須貝幸廉▽同松村裕之▽同センター同グループ主任部員、事業創出本部先進研究センター主任研究員木本訓弘▽同センター同グループ主任部員橋爪知弘▽同芳我基治▽同坂本健志▽同センター社会デザイングループリーダー、同センター長補佐永松信二▽ダイセル網干産業社長三輪勇人(1月1日)▽デジタル戦略室システムオペレーショングループ主席部員伊藤信博。

日化協 日本動物実験代替法学会、LRI賞受賞者を決定

, ,

2020年10月22日

 日本化学工業協会はこのほど、研究者奨励および育成の一環として、〝化学物質が人の健康や環境に与える影響〟に関する優れた業績をあげた研究者を表彰するため、日本動物実験代替法学会(JSAAE)内に設立した日化協LRI賞の第5回目の受賞者を決定した。

LRI賞を受賞した富士フイルムの山本裕介氏
LRI賞を受賞した富士フイルムの山本裕介氏

 受賞者は富士フイルムのESG推進部環境・品質マネジメント部安全性評価センターの山本裕介氏で、テーマは「皮膚感作性試験代替法ADRAにおける適用範囲の拡大:重量濃度で調製した被験物質溶液を用いた試験条件の開発と疑似混合液を用いた皮膚感作性評価能力の検証」。

 同氏は、皮膚感作性試験代替法(ADRA)に関する研究を精力的に実施し、その成果により昨年6月にOECDの試験法ガイドラインに同法が採択。また、企業に属しながら5報の論文の筆頭著者であるとともに直近2年間に10報もの論文発表に関与するなど、優れた学術的業績を残した。

 同協会は「動物実験代替法の開発・実用化への貢献は大きく、今後もますますの活躍が期待される」とコメントしている。なお、今年度は授賞式を行わず、11月12~13日にウェブで開催されるJSAAE第33回大会にて受賞者の紹介が行われる予定。

 

帝人 オンライン展示会を開催、モビリティ関連を紹介

,

2020年10月22日

 帝人は、10月1日より特設オンラインサイト(https://teijin-mobility.com/)を通じ、同社グループのモビリティに関するソリューションや新技術を幅広く紹介する展示会「TEIJIN MOBILITY ONLINE」を開催している。 

 この展示会は、人々のクリエイティビティを刺激してイノベーションを加速させる、「ニューノーマル」下の提案の場として開催。仮想ブースを設置し、180度ビューや360度ビューで閲覧することができる。

 主な出展内容として、①CASEを見据えたコンセプトカー「PU_PA(ピューパ)Ⅲ」、②欧州のスタートアップ企業AEV社のゼロエミッション「LSEV」(低速EV)コンセプトカー、③帝人グループの新技術を紹介する「NEW TECH ZONE」など。なお、アクセスは無料で、開催期限は設けていない。

TEIJIN MOBILITY ONLINE 2
TEIJIN MOBILITY ONLINE

ENEOS 首都直下地震を想定しBCP訓練を実施

,

2020年10月22日

 ENEOSはこのほど、「首都直下地震を想定したBCP訓練」を実施した。

災害対策本部会議の様子。写真中央が大田社長
災害対策本部会議の様子。写真中央が大田社長

 10月5日に行われた訓練には、大田勝幸社長以下、本社災害対策本部の役員およびチーム員、全国の現業所の担当者のほか一部の特約店や物流協力会社を含む計243人(うち、リモート参加者194人)が参加。

 ①「災害時の行動」「情報共有の流れ」「タイムライン」の確認②本社・国内各現業所(支店・製油所など)間の連携確認③災害対策本部への迅速かつ適切な被災状況の報告と情報共有を実施し、初動対応手順の確認や検証などを行った。併せて、「石油の備蓄の確保等に関する法律」に定める「災害時石油供給連携計画」の初動対応も確認し、サプライチェーン全体での初動対応の実効性と課題を共有した。

情報収集を行う災害対策 本部 チーム員
情報収集を行う災害対策 本部 チーム員

 ライフラインの一翼を担う同社は、巨大地震などの危機発生時にあってもエネルギーの安定供給を最重要責務と捉える。事業継続に向けた高い耐久力や回復力のある体制を構築するため、首都直下地震や南海トラフ巨大地震発生に備え、石油製品の供給能力を強化や、同社系列全体のBCPの策定、BCP訓練の実施を通じた見直しを行っている。

 なお、訓練の実施にあたっては、新型コロナウイルス感染防止の観点から、相当数のチーム員をリモート参加とすることに加え、会議室では全員がマスクを着用し、ソーシャルディスタンスの確保などを徹底した。

 同社では、訓練で得られた課題を速やかに解決するとともに、今後も継続的にBCP訓練を行い、より実効性のあるBCPとすることで緊急時の石油製品などの安定供給に努めていくとしている。

日本触媒と三洋化成工業 経営統合を中止、コロナ禍で環境が急変

, , , ,

2020年10月22日

 日本触媒と三洋化成工業は21日、共同株式移転の方式により来年4月1日付で両社の親会社「Synfomix」を設立し、経営統合を行うことで合意していたが、それぞれの臨時取締役会により経営統合を中止することを決議し、両社の合意により経営統合に係る最終契約を解約したと発表した。

 両社は、昨年5月に経営統合に向けた検討を進めることについて基本合意書を締結。詳細な検討と協議を進め、同年11月に経営統合に係る最終契約を締結し、今年10月に経営統合を行うことを公表した。その後、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大したことに加え、原油や石油製品相場が急落。こうした中、経営統合の合意の基礎となった両社の業績、金融、経済、市場などの事業環境の見通しが不透明となったことを理由に、4月には、株式移転比率の見直しと経営統合を来年4月に延期することに合意した。

 しかしながら、昨年11月の最終契約の締結以降、原材料価格や製品価格の著しい変動が見られ、また製品需要の先行き不透明感が増すなど、両社を取り巻く事業環境が急速にかつ大きく変化したことで、経営統合を実施することが困難になったとの認識に至った。そして、現在の事業環境に鑑み、それぞれの会社がもつ優位性を独自に発揮していくことが、両社の企業価値向上につながると判断、経営統合を中止し、経営統合に係る最終契約を解約することに合意した。

 なお、経営統合は中止となるものの、両社は引き続き様々な面で良好な関係を維持していく。

DIC 蓄熱シートがエコプロアワード奨励賞を受賞

, , , ,

2020年10月21日

 DICはこのほど、サステナブル経営推進機構(エコプロ運営事務局)が実施する「第3回エコプロアワード」で、エネルギーを使わずちょうどいい温度を保つ蓄熱シート「THAMONA(サモーナ)」が奨励賞を受賞したと発表した。

エコプロアワード 奨励賞受賞
エコプロアワード 奨励賞受賞

エコプロアワードは、経済のグローバル化やパリ協定の発効、SDGsの制定など社会経済を取り巻く状況の変化を視野に入れ、環境配慮に優れた製品やサービス、技術、ソリューション、ビジネスモデルといった案件を表彰する制度。第3回エコプロアワードには合計47件の応募があった。

 今回の同社の受賞は、蓄熱材の加工性を高め建材利用しやすくした点が評価された。「サモーナ」は潜熱蓄熱材料を樹脂に分散してシート化することに成功したもので、これまでは液化するために組み込みが難しかった潜熱蓄熱の効果を、様々な用途で容易に組み込めるようにした画期的な製品。蓄熱材料の漏れを解決したことから、切る・留める・曲げるなど自由な加工が可能になった。