信越化学工業の4-9月期 コロナ禍など市況悪化で減収減益

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2020年10月28日

 信越化学工業が27日に発表した、2021年3月期第2四半期(4-9月期)連結決算は、売上高が前年同期比10%減の7105億円、営業利益は同13%減の1843億円、経常利益は同12%減の1922億円、純利益は同15%減の1403億円となった。

 セグメント別では、塩ビ・化成品事業は売上高が同16%減の2138億円、営業利益は同28%減の374億円。米国シンテックでフル操業を継続し、塩化ビニル、カセイソーダともに高水準の出荷を維持したが、4~5月の経済活動制限による市況の影響を受けた。欧州や国内拠点でも販売数量の維持に努めたものの、市況の影響を受けた。

 シリコーン事業は売上高が同14%減の992億円、営業利益は同34%減の206億円。汎用製品の価格下落に加え、化粧品向けや車載向けの需要鈍化が響いた。

 機能性化学品事業は売上高が同9%減の531億円、営業利益は同22%減の108億円。セルロース誘導体は、医薬用製品や塗料用製品は底堅く推移したが、建材用製品が振るわなかった。フェロモン製品やポバール製品は出荷が低調だった。

 半導体シリコン事業は売上高が同4%減の1891億円、営業利益は同1%増の755億円。ウエハー市場動向にバラつきが見られたものの、出荷水準の維持に注力した。

 電子・機能材料事業は売上高が同2%減の1096億円、営業利益は同1%増の335億円。希土類磁石は、経済活動制限により一時海外工場の稼働が影響を受けたが、ハードディスクドライブ向けは好調に推移した。フォトレジスト製品は、ArFレジストやEUVレジストを中心に総じて好調に推移。マスクブランクスも先端品が伸長した。光ファイバー用プリフォームは市況悪化の影響を受け厳しい状況となったが、大型パネル用フォトマスク基板は堅調だった。

 加工・商事・技術サービス事業は売上高が同13%減の454億円、営業利益は同12%減の64億円。信越ポリマーの半導体ウエハー関連容器の出荷は堅調だったが、自動車用入力デバイスが自動車市況悪化の影響を受けた。

 また、同日にコロナ禍で見送っていた通期の連結業績予想を発表した。売上高は前期比7%減の1兆4300億円、営業利益は同7%減の3770億円、経常利益は同7%減の3900億円、純利益は同10%減の2830億円を見込む。

 

JSRの4-9月期 コロナの影響でエラストマーが低迷

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2020年10月28日

 JSRは27日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)の連結決算(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比19%減の1940億円、コア営業利益81%減の38億円、親会社所有者帰属損失7億円(前年同期比141億円減)となった。なお今年度より、経常的なビジネスより発生する利益をコア営業利益としている。

 セグメント別に見ると、デジタルソリューション事業部門は、売上収益0.1%増の738億円、コア営業利益1%減の169億円。半導体材料は顧客の稼働が好調となり販売数量を伸ばしたが、ディスプレイ材料とエッジコンピューティング材料の販売数量が減少した。

 ライフサイエンス事業部門は売上収益4%増の262億円、コア営業利益28%減の16億円。CRO事業(医薬品の開発支援事業)などの販売が拡大した。CDMO(バイオ医薬品の開発・製造受託事業)は定修が長引いた影響があった。コア営業利益は前年同期に発生した一時的収益がなくなった影響を受けた。

 エラストマー事業部門は売上収益36%減の586億円、コア営業損失127億円(前年同期から124億円悪化)。新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要低迷により、販売数量は前年同期を大幅に下回った。上期のS-SBRについては、合成ゴム全体では30%減となる中、25%減と健闘しており、下期の回復を見込んでいる。

 合成樹脂事業部門は売上収益33%減の326億円、コア営業利益82%減の7億円。エラストマーと同様に、販売数量は前年同期を大幅に下回った。

 なお、通期連結業績予想については下方修正を発表。売上収益4200億円(前回予想比30億円減)、コア営業利益195億円(同35億円減)、親会社所有者帰属当期利益95億円(同30億円減)を見込む。

 オンラインの決算会見の中で、宮崎秀樹取締役常務執行役員は、「コロナ禍の影響が想定以上に石油化学事業に及んでおり、

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出光興産 ENEOS知多製造所のPX設備の譲受を検討

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2020年10月28日

 出光興産は27日、ENEOSとの間で、ENEOS知多製造所の石油化学製品製造設備の譲受に向けた検討に関する基本覚書を締結したと発表した。

 出光興産は、国内石油製品の構造的な需要減退や今後のアジア市場の成長を見据え、最適な生産・供給体制の整備を行ってきた。一方で、揮発油留分の需要減退は進んでおり、同留分をこれまで以上に石油化学原料の生産・供給に活用することが、グループ製油所全体の競争力の向上と価値の最大化にとって重要な課題だった。

 こうした中、今回、ENEOSによる知多製造所の製造機能停止の決定を受け、出光興産が知多製造所の石油化学製品製造設備を譲り受けることが新設設備の建設よりも効率的であると判断し、ENEOSとの間で検討を進めることを合意した。対象となる設備は、パラキシレン(PX)製造装置(年産40万t)、不均化装置など周辺設備。出光興産は国内の同47万9000tのPX製造装置を保有している。

 出光興産は、新型コロナの影響による厳しい事業環境の継続が想定される中、中期経営計画の基本方針に掲げる「レジリエントな事業ポートフォリオの実現」のため、収益基盤事業の構造改革に一層注力し、「最適な生産・供給体制の構築」を進めていく考えだ。

 

ENEOS 知多製造所、パラキシレン設備を停止

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2020年10月28日

生産・供給体制を再構築、出光と設備譲渡を協議

 ENEOSは27日、パラキシレン(PX)をはじめとする石油化学製品などの生産を行っている知多製造所(愛知県知多市)について、来年10月をめどに、製造機能を停止することを決定したと発表した。同社のPXの生産能力は合計で362万tとアジアで最大級を誇るが、その中で知多製造所は40万tを占める。

ENEOS:岩瀬淳一副社長執行役員
岩瀬淳一副社長執行役員

 同日開催された記者会見の中で岩瀬淳一副社長執行役員は、「知多製造所は石油精製の設備がないため、購入ナフサでPXを製造していたことからコスト競争力が低下している。また固定費部分をPXがすべて背負っているといった面もある。PXは

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コベストロ 蘭DSMからコーティング樹脂事業を買収

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2020年10月27日

 コベストロはこのほど、オランダのDSMからレジンズ&ファンクショナルマテリアルズ事業(RFM)を買収する契約を締結したと発表した。買収額は、16億1000万ユーロ(約2000億円)。

 コベストロの塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業(CAS)の売上は約34億ユーロ(約4200億円)に拡大し、コーティング樹脂の分野で世界最大手のサプライヤーとなる。広範囲かつイノベーティブな製品ポートフォリオによって、顧客に対して説得力のある、付加価値の高い提案をすることが可能となる。

 一方、技術力も向上する。現在でも同社は水系ポリウレタンディスパーション分野の大手だが、RFMを統合することで水系ポリアクリル樹脂全般、水系ハイブリッド技術、パウダーコーティング樹脂、放射線硬化樹脂などが加わる。また、サステナビリティの観点から強力なブランド力をもつ「Niaga」や、アディティブマニュファクチュアリング(積層造形、3Dプリンティング)に加え、先進的な太陽光発電向けコーティング事業も含まれる。

 今回の買収で高成長市場でのポジションも大幅に強化され、「光ファイバーコーティング分野」や「3Dプリンティング材料」といった高成長セグメントについて最大手のサプライヤーとなる。さらに、グローバルの拠点も最適化される。全主要市場の顧客により近い場所での事業運営が可能となり、グローバルの生産ネットワークも20拠点以上増加する。また、RFMとCASの研究ネットワークを組み合わせることで、コーティング樹脂の分野で、同社はさらにイノベーティブな存在となり、顧客にとって魅力的な研究開発のパートナーとなる。

日本触媒 「TechnoAmenity Report」を発行

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2020年10月27日

 日本触媒はこのほど、「TechnoAmenity Report 2020」と「RC Report 2020」を発行した。

 「TechnoAmenity Report」では、経営計画や業績などの財務情報、およびESG(環境・社会・ガバナンス)活動などの非財務情報の両面を紹介し、同社グループの企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」の実現に向けた取り組みを、幅広いステークホルダーに理解してもらうことを目指している。

 今年度は、同社の強みである研究開発と生産技術を統括する役員の対談、主力事業や新規事業の責任者のメッセージ、また社外取締役のメッセージなども掲載している。

 一方、「RC Report」では、レスポンシブル・ケア(RC)活動に関する同社およびグループの取り組みと2019年度の実績を報告している。

JNC 人事(12月1日)

2020年10月26日

[JNC・人事](12月1日)▽JNC人事部付主席企画員橋田隆▽JNC Nonwovens(Thailand)Co.,Ltd.社長野本詞之。

 

旭化成グループ 人事(1日)

2020年10月26日

[旭化成関連・人事](1日)【旭化成ファーマ】▽監査役有岡崇▽退任(同)東知宏(11月1日)▽経営統括総部人事部長北山達哉【旭化成メディカル】▽監査役平松祐介▽退任(同)東知宏。