AGC、セントラル硝子との国内建築用ガラス統合を中止

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2021年1月18日

 AGCはこのほど、セントラル硝子との間で進めてきた国内建築用ガラス事業の統合協議を中止すると発表した。

 AGCは、厳しい事業環境が続く同事業について、経営および資本の効率化と収益性の向上、企業基盤の充実を目的として、2019年12月にセントラル硝子と事業統合に向けて基本合意書を締結。昨年12月末の事業統合完了を目指し、両社の間で詳細な検討と協議を進めていた。

 その後、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより交渉作業に時間を要したことから、昨年10月に事業統合の完了目標時期を今年第4四半期(10-12月期)に延期することを公表。しかし、事業統合に関する条件について両社の間で見解が異なり、合意が困難との認識に至ったことから、今回、協議を中止することを決定した。

 AGCは今後、高付加価値商品の市場拡大や新市場の開拓、需要に見合った生産体制の構築などに引き続き取り組み、同事業の収益性向上と事業基盤強化に努めていく考えだ。

三菱ケミカルホールディングス CMの新シリーズをYouTubeで放映

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2021年1月18日

 三菱ケミカルホールディングスは15日、企業ブランディング活動の一環として、中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30(KV30)」で目指す未来像をテーマにした新たな企業CMをYouTube広告で放映すると発表した。

新CM
新CM

 新CMの広告キャラクターには、若手女優の池間夏海さんを起用。目の前の地球をノックすると扉が開き、KV30で描く未来にタイムスリップするという設定で、「未来について想いをはせる人」を演じている。

 第1弾CM「炭素循環」編では、地球温暖化の解決に向け、資源としてCO2を活用する未来を、第2弾CM「医療進化」編では、健康でいきいきとした暮らしに貢献するヘルスケアソリューションの進化をテーマにしており、社会課題の解決に貢献する同社グループのソリューションやテクノロジーを紹介する。

 また、キャッチコピー「KAITEKIに、変えてこ」には、グループの企業ビジョンである「KAITEKI実現」に向けて、変革に挑み続け、人々とともに新たな未来をつくっていこうという強い意志を込めた。リズム感が良い響きで、心に残るフレーズになることも期待している。

 同社は、「未来を描く。明日が変わる。」というブランドコンセプトの下、企業ブランディングを展開。同CMシリーズをはじめ、昨年12月に開設したブランドサイト「KAITEKI Future Lab」や各種メディアを通じて、今後もステークホルダーに同社の想いや取り組みを発信していく考えだ。

新CM 「KAITEKIに、変えてこ」
新CM 「KAITEKIに、変えてこ」

プラ循環協 2019年版フロー図、有効利用85.3%

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2021年1月18日

サーマルリサイクルが60%、発電焼却率が増加

 プラスチック循環利用協会は、「2019年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」のフロー図を公表した。

2019年マテリアルフロー図
2019年マテリアルフロー図

 廃プラの有効利用率は、マテリアルリサイクル(MR)が減少した分を、ケミカルリサイクル(CR)とサーマルリサイクル(TR)の増加でカバーし、前年比1.7ポイント増の85.3%に改善している。なお、今年も精度向上のため各種係数を見直しており、2015年まで過去4年間の値も再計算し経年比較を行った。

 2019年の「樹脂生産量」は、前年比17万t減少の1050万tとなった。「国内樹脂製品消費量」は同8万t増の939万tとなったが、中国が廃プラの輸入を規制したことで、国内の再生樹脂投入量が増加したことが背景にある。「廃プラ総排出量」は、同11万t減の850万t。内訳では、包装・容器用途の増加により「一般系廃棄物」が同7万t増の412万tとなった反面、家電・自動車由来の廃プラ量の減少により「産業系廃棄物」は18万t減の438万tだった。

 処理処分方法別では、MRは海外向けのPETボトル再資源化量が減少し、同2万t減の186万t。またMRの利用先を見ると、輸出79万t、国内利用(循環)100万tだった。2017年までは輸出が国内利用を大きく上回っていたが、中国がプラくずの輸入規制を強化した2018年に輸出と国内利用が均衡し、2019年は逆転した。CRは同1万t増の27万t。産廃系でコークス炉化学原料化が増加した。TRは同6万t増の513万t。一般系で発電償却費量が増加したことが寄与している。

 これらの結果、「有効利用廃プラ」量は同5万t増の726万t、廃プラの有効利用率は前年比べ1.7ポイント増の85.3%(MR21.8%、CR3.1%、TR60.4%)となり、「未利用廃プラ」(単純焼却、埋め立て処分)量は同16万t減の125万tとなった。

 なお、修正した処理処分比率の経年変化(2015~2019年)を見ると、2019年の有効利用は、2015年比で5.6ポイント増加した。MR利用量、TR利用量(固形燃料、セメント原燃料、発電焼却量)が増加したことが、有効利用率の向上につながる結果となった。

 一方、廃プラの有効利用による2019年のエネルギー削減効果(削減貢献量)は、前年並みの185PJ(ペタジュール)となった。これは家庭消費総エネルギー量では304万世帯分に相当する。内訳としては、一般系廃棄物が80PJ(全体の43%)、産業系廃棄物が105PJ(同57%)だった。

 また、CO2削減効果は前年比10万t増の1559万tとなった。これは家庭からのCO2排出量では362万世帯分に相当する。内訳は一般系廃棄物が576万万t(全体の37%)、産業系廃棄物が983万t(同63%)だった。

 

クラレ 組織改正(1日)

2021年1月15日

[クラレ/組織改正](1日)【研究開発本部】▽研究開発テーマの早期事業化に向けた施策の実施、および事業化段階テーマの再構築の迅速化を目的に「市場開発部」を「新事業管理部」に改組する▽ベクスター事業拡大のため、「ベクスター生産開発部」に「ベクスターFCCL生産課」を新設し、FCCL(銅張積層板)の生産体制構築を推進する【ビニルアセテート樹脂カンパニー、ビニルアセテートフィルムカンパニー】(国際事業部)▽カンパニー内グループ各社のグローバルな観点による物流最適化と業務品質向上を目的として、「グローバル物流グループ」を新設する【機能材料カンパニー】(生産技術統括本部)▽カンパニー内における事業運営サポート体制強化のため、「生産技術統括部」を機能拡大し「生産技術統括本部」に改組する。本部内には、安全、投資並びに設備技術を始めとする生産技術に関する統括業務を行う「生産技術統括部」と、研究開発と品質管理に関する統括業務を行う「研究開発・品質統括部」を新設する。(環境ソリューション事業部)▽「炭素材料事業部」と「カルゴンカーボン事業部」を統合し、「環境ソリューション事業部」に改組する▽「国内営業部」「海外営業部」「電池材料営業・マーケティング部」を統合再編し、「環境素材部」に改組する▽グローバルなプロダクトマネジメント業務の推進のため、「商品統括部」を新設し、「調達管理部」のプロダクトマネジメント機能と営業部内のカスタマーサービス機能を移管する▽「調達管理部」は原料購買業務に特化することとし、「原料購買部」に改組する【繊維カンパニー】(繊維資材事業部)▽組織運営の効率化、活性化のため、販売部を「原料資材第一部」「原料資材第二部」「原料資材第三部」「機能素材部」「機能テキスタイル部」の5部体制から、「原料資材第一部」「原料資材第二部」「機能素材部」「東京原料資材部」の4部体制へ再編する▽加工品の品質管理を強化するため、「生産管理部」を「生産・加工管理部」と改組し、品質管理グループの業務を拡充する(クラレファスニング)▽「マジックテープ販売部」と「新事業推進部」を統合し、「販売部」に改組する。

 

 

 

《化学企業トップ年頭所感》塩ビ工業・環境協会 斉藤恭彦会長

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2021年1月15日

 2020年の塩ビ業界は、内需はやや頭打ちとなる一方、中国・インドなどの旺盛な世界需要にけん引されて、生産全体としては引き続き堅調に進展した。暦年の生産量は約160万tと、塩ビ樹脂各社ともおおむねフル稼働を維持し、本年もこの状況を維持できると予想している。また、ウィズコロナ時代の新たな生活様式の一環として、塩ビ製の板やフィルムが飛沫感染防止用の間仕切りに利用され、さらにフェイスガードや使い捨て手袋にも塩ビ製品が活用されるなど、新たな用途も含めて需要増につながりつつあることは喜ばしい。

 こうした背景の下、当協会では、広報活動として、2019年度に実施した「PVC AWARD 2019」の受賞作品や前述のウィズコロナ製品、さらに豪雨被害の軽減に役立つ塩ビ製品などを、広報誌や協会ウェブサイトなどでPRした。

 小中学生に将来のキャリアを考えるためのヒントを与える教材「おしごと年鑑」では、各種塩ビ製品やリサイクル性能を紹介し、若年層への広報にも注力した。エコプロなどの各種展示会のウェブ開催にも対応し、塩ビ製品やその特徴などを紹介する動画コンテンツを積極的に制作し出展したほか、協会ウェブサイトのリニューアルを行った。今後もコンテンツの充実を図るとともに、塩ビ製品の優れた特徴などを積極的にアピールしていく。

 建材関連では、樹脂窓の普及や窓周辺での新たな塩ビ製品の開発に注力し、樹脂製建具の促進耐候性試験のJIS化や樹脂窓の防火認定合理化に向けた活動により、ビルへの樹脂窓普及を促進した。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、その優れた省エネルギー性能の訴求を通じ樹脂窓の普及をさらに推進していく。

 一方で、昨今益々その重要性が高まるリサイクルに関しては、引き続き「樹脂窓リサイクル検討委員会」を中心に活動を進めている。2020年度は、早くから樹脂窓の普及が進んできた北海道の行政関係者やリサイクル業者との情報交換や海外の実態調査を、ウェブ会議も活用しつつ行い中長期のロードマップ策定作業を進めている。また、プラスチック混合廃棄物からの塩ビ樹脂の分別や塩素の分離に関する基礎的な研究も支援できるよう、リサイクル支援制度の対象を拡大した。

 本年も、塩ビ樹脂が様々な場面で優れた性能を発揮し、健康で快適な暮らしの実現や環境問題の解決など、社会に大きく貢献し得る素材であることを広く知っていただき、より一層の普及を促進する活動を積極的に進めていく。

《化学企業トップ年頭所感》JX石油開発 細井裕嗣社長

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2021年1月15日

 昨年は地球温暖化への対応が世界的に喫緊の課題となり、脱炭素化の動きが加速した年でもあった。事業環境の変化に対応するため、長期ビジョンや中期経営計画では環境対応事業の推進を盛り込んでいたが、今年からは、基盤事業としての従来型の石油開発事業と、成長事業としての環境対応型事業を2つの軸とした「二軸」の事業形態への移行を本格化する。

 第1の軸は石油開発事業であり、2050年を見据えても、グローバルには石油・天然ガスは人々の生活を支える重要なエネルギーであることから、これまでどおり重大な使命感をもって石油開発事業に取り組んでいく。

 第2の軸となる環境対応型事業については、米国で取り組んできたCCUSプロジェクトのノウハウを生かしつつ、早期の事業化を目指して事業機会の発掘に着手する。石油開発事業と新たな環境対応型事業の「二軸」を、互いに高め合いながら推進していくことが、当社が持続的に成長を遂げるために不可欠だと考えている。

 今年も業務遂行の大前提として、健康と安全の確保、コンプライアンスの徹底に努めなくてはならないのは言うまでもないが、引き続き「挑戦」と「備え」、なにより変わらぬ熱意をもって、目まぐるしく変化を続ける事業環境に果敢に挑んでほしい。そして、一人ひとりが当事者意識をもち、生産性を高め、全員で将来に向かって進んでいきたい。

日化協 次世代人材育成に向けた大学院への支援を決定

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2021年1月15日

 日本化学工業協会はこのほど、「化学人材育成プログラム」の第 11回支援対象選定審査を実施し、2021年度から支援を行う6専攻を決定したと発表した。なお、支援期間は6年となっている。

 国際競争が激化する中、わが国全体として基礎研究力の維持・向上、企業での高度理系人材の必要性、そして博士学位取得の重要性がさらに増している。日化協は、大学院の化学系博士後期課程で、深い専門性と幅広い基礎的学力に加え、課題設定・解決ができる研究マネジメント力なども視野に入れた教育が行われるよう、大学院専攻の人材育成を支援することを目的に、2010年に同プログラムを創設。

 現在、この運営を行っている化学人材育成プログラム協議会には、日化協の会員企業33社が参加し、特に化学系の大学院博士後期課程の中で先進的な取り組みを行う優秀な専攻に対して、企業との交流、産業教育や就職活動の支援、奨学金の給付などを行っている。

 今回は、北海道大学大学院総合化学院総合化学専攻、東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻、横浜国立大学理工学府化学・生命系理工学専攻、京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻、大阪市立大学大学院理学研究科物質分子系専攻、奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科物質創成科学領域、の6つが選定された。

 日化協は今後も、化学業界と大学とのさらなるコミュニケーションの強化に努め、産学連携の一層の深化により、化学産業の将来を担う次世代人材の育成を推進していく。

三井化学 消防庁の自衛防災技能で最優秀賞など受賞

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2021年1月15日

 三井化学はこのほど、総務省消防庁が主催する「令和2年度石油コンビナート等における自衛防災組織の技能コンテスト」で、大阪工場が総務大臣賞最優秀賞、岩国大竹工場が総務大臣賞優秀賞を受賞したと発表した。総務大臣賞の受賞は大阪工場では2年ぶり2度目、岩国大竹工場は2年ぶり4度目。また、市原工場が共同参加した千種地区共同防災協議会ENEOS隊が消防庁長官賞奨励賞を受賞した。

大阪工場での表彰式
大阪工場での表彰式

 同コンテストは、石油コンビナートでの自衛防災組織の技能や士気を向上させ、防災体制の充実強化を目的に、平成26(2014)年度から行われており、危険物施設などの火災に対する高所からの泡放水を想定し、活動・操作の安全性、確実性、迅速性を評価している。今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大状況を踏まえ、予選の廃止やスケジュールの変更などを行い実施された。

 三井化学は、企業理念と行動指針に基づき、法令遵守はもとより、「安全は全てに優先する」ことを社員が心に刻み、無事故・無災害の実現を徹底して追求している。引き続き、安全・安定操業に努めるとともに、各事業所の自衛防災組織の強化を継続し、万が一の災害時の備えを充実させていく考えだ。

岩国大竹工場でのコンテストの様子
岩国大竹工場でのコンテストの様子

帝人 インターナルカーボンプライシング制度を導入

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2021年1月15日

 帝人は14日、同社グループの設備投資を対象として、インターナルカーボンプライシング(ICP)制度を導入したと発表した。今後、CO2の排出増減を伴う設備投資計画については、今回設定した社内炭素価格(同社グループ内グローバル共通価格)、50ユーロ(6000円)/t-CO2を適用し、仮想的な費用に換算して投資の判断基準の1つとして運用していく。

 同社は中期経営計画の中で、環境負荷低減の長期目標として、CO2排出量を2030年度までに2018年度比20%削減、2050年度までに実質ゼロの達成を掲げている。また、サプライチェーン全体でCO2の排出削減を促進し、2030年度までに、削減貢献量をグループ全体およびサプライチェーンの川上での総排出量以上とすることを目標としている。

 同社は今回、ICP制度を導入することにより、CO2排出削減に資する設備投資計画を後押しし、CO2排出削減に関する長期目標の達成を目指すとともに、将来予想されるグローバルでの炭素価格の上昇に備えた対策とする考えだ。

 

JNC 内大臣川発電所、改修工事完成で営業運転を開始

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2021年1月15日

 JNCは14日、同社が所有する水力発電所の1つである内大臣川発電所(熊本県上益城郡山都町)の改修工事が完成し、営業運転を開始したと発表した。投資金額は約48億円。

 同社グループは、環境・エネルギー分野を重要な事業ドメインと位置づけている。国内に水力発電所を13カ所(最大出力合計9万7600kW)、太陽光発電所を4カ所(同1万6000kW)もち、再生可能エネルギーによる発電事業に取り組んでいる。

 同社は、2013年より水力発電所の大規模改修工事を順次進めており、今回の内大臣川発電所の営業運転開始は9カ所目となった。2018年に発生した豪雨被害の影響などにより工期が延長したが、水車・発電機を高効率の機器へ更新することで、認可取水量を変えずに出力を改修前から700kW(約10%)増強している。

 同社の水力発電所は全て、河川水からごみを取り除いた後に、水路を通して水槽へ導き、水圧鉄管を落下させることで水車を回して発電する「流れ込み式」を採用。大規模なダムを必要としないため環境負荷が低く、CO2排出量が少ない、貴重な純国産のエネルギーと言える。JNCは、これまで培ってきた発電技術を生かし、周辺環境に配慮しながら、将来にわたり安定したエネルギーの供給で持続可能な社会に貢献していく。