東レ 国際NPOの水資源保護に関する調査で最高評価を獲得

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2020年2月10日

 東レはこのほど、国際的な非営利組織CDPが実施した水資源保護に関する調査で、「水セキュリティAリスト企業」に初選定されたと発表した。

 同社は「今回の結果は、東レグループがこれまで水資源保護に資する活動に取り組んできたことや、水資源保護にかかる具体的な目標を設定し、その達成に向けて着実に取り組みを進めていることが評価されたものと考えている」とコメントしている。

 近年、世界的な気候変動により、降水量の偏在化や国土乾燥化など、地球規模の水不足が深刻化しつつあり、また、世界的な人口増加の中、水不足に苦しむ人々は5億人に達すると言われている。さらに、新興国での食糧需要は今後増加する見込みであり、水不足は農作物不作による飢饉頻発のリスクとされていることから、安全な水の確保は、持続可能な開発目標(SDGs)の1つとされている。

 東レグループは、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の企業理念の下、長年にわたり、さまざまな地球環境問題の解決に貢献する革新技術・先端材料の創出に積極的に取り組んできた。そして、海水淡水化などの水処理技術の開発・提供により、世界各地域の水不足の解決にも大きく貢献してきた。

 「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」では、「2050年に向け東レグループが目指す世界」の1つとして、「誰もが安全な水・空気を利用し、自然環境が回復した世界」を掲げ、これに関連する2030年度に向けた数値目標として、「水処理膜により新たに創出される年間水処理量を3倍に拡大」と「生産活動による用水使用量の売上高原単位を、東レグループ全体で 30%削減」の目標を設定。

 これらの実現に向け、グループ全体で、より一層、水資源の確保に資する水処理技術の開発・提供に尽力するとともに、自らの事業活動の中でも、循環再利用による用水の有効活用や、その適切な管理に努めている。

 今後も東レグループは、水不足や気候変動を含む社会的課題の解決に向けた取り組みを積極的に推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。

昭和電工 AIを用いた設備投資審査知見活用システムを導入

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2020年2月10日

 昭和電工はこのほど、FRONTEOが開発した人工知能(AI)「KIBIT」を用い、生産設備など投資の社内審査で効率的に知見を活用する検索システムを導入し、今年1月末から運用を開始した。

 生産設備などの新設、維持・更新投資を判断する際には、過去に行った投資判断の財務的投資効果や安全・安定稼働など多くの視点で審査を行う。

 生産技術とエンジニアリング上の妥当性の審査には、過去約20年間の累計2000件を超える審査で得られたノウハウを活用しているが、これまでは複数の文書データベース・文書ファイルからキーワード検索していたため絞り込みが容易ではなく、また、類似性の判断では審査員の経験に依存するところも大きく、蓄積されたデータを十分に活用できていなかった。

 そこで、過去の審査で蓄積された設備の安全・安定稼働に関わる視点をより有効に活用するため、AIを用いたデータベース検索システムの導入に至った。

 FRONTEOが開発した「KIBIT」は、専門家や業務熟練者が備える〝暗黙知〟を再現した人工知能。添付ファイルを含む文書情報から、キーワードだけでなく文脈も捉え文章の特徴量を抽出し、類似性を判断することができる。この特長を活用し、審査員の経験に依存することなく過去の類似案件を抽出できるシステムとして導入した。

 導入テストでは、類似案件の検索から類似性判断までの時間は従来の10分の1近くまで短縮できる効率性の高さを確認している。また、複数の類似案件を同時に抽出できることにより、設備安全対策に関わる知見を最大限活用することが可能となる。同システムは今後、設備投資時審査で本格運用するとともに、生産現場の事故・異常情報にも応用展開する検討を進める。

 昭和電工グループは、中期経営計画「The TOP 2021」の中で、「AI/IoTの強化」を進めている。今後も、生産現場でのAI/IoT活用を推進することで安全・安定操業、事業競争力強化を図っていく。

東洋紡の4-12月期 注力分野が拡大し純利益黒字化

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2020年2月10日

 東洋紡が7日に発表した2019年度第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比1%減の2480億円、営業利益は4%増の160億円、経常利益は6%増の134億円、純利益は黒字化し59億円だった。

 今期は、成長分野と位置づける「フィルム&コーティング」で、液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」は、生産性を向上し順調に販売を拡大し、セラミックコンデンサ用離型フィルム「コスモピール」は、新加工設備を稼働し増産体制を整えた。さらに、フィルム事業基盤をより強固にするため、昨年10月に帝人の子会社2社を買収し、一体運営を開始した。

 また、2018年9月の火災事故により焼失した、エアバッグ用原糸・機能性クッション材「ブレスエアー」の製造設備を昨年9月に再建し、順調に生産・販売を再開した。一方で、エアバッグ用基布については、原糸の代替品調達による販売を継続している。こうした中、同社のフィフム事業は好調に推移し、増益に大きく貢献した。

 セグメント別に見ると、フィルム・機能樹脂事業は減収増益となり、売上高は4%減の1143億円、営業利益は18%増の120億円。フィルム事業では、包装用フィルムは世の中の環境意識の高まりを受け、環境に配慮した製品の販売が好調で、工業用フィルムは、「コスモピール」が電子関連部品の生産調整の影響を受けたものの、「コスモシャインSRF」が大手偏光板メーカー向けの販売を順調に拡大した。

 機能樹脂事業では、ポリオレフィン用接着性付与剤「ハードレン」が海外向けに販売を伸ばした一方で、エンジニアリングプラスチックは、世界的な自動車減産の影響を受け、加えて中国向けの非自動車用途の樹脂販売が伸びず苦戦した。

 産業マテリアル事業は、火災の影響と需要減により減収減益となり、売上高は前年同期並みの497億円、営業利益は70%減の8億円。ヘルスケア事業は、機能膜・環境事業が好調に推移し増収増益となり、売上高18%増の286億円、営業利益は30%増の40億円だった。

 繊維・商事事業は、アクリル繊維の産業資材用途へのシフトを進める中、原料価格変動の影響を受け需要が低迷し減収減益。売上高は2%減の453億円、営業損失は1億円(前年同期は営業損失0億円)。なお、通期業績予想については、前回予想を(昨年11月7日発表)を据え置いた。

デンカの4-12月期 販売価格差・減販が響き減収減益

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2020年2月10日

 デンカが7日に発表した2019年度第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比7%減の2887億円、営業利益は3%減の240億円、経常利益は6%減の227億円、純利益は9%減の167億円だった。

 球状アルミナ、アセチレンブラックなど車両電動化関連製品の販売好調が継続し、デンカ生研の検査試薬やインフルエンザワクチンの販売も前年を上回った。その一方で、原材料価格下落に応じたスチレン系製品の販売価格の改定に加え、クロロプレンゴムや半導体関連製品(高機能フィルム・球状溶融シリカフィラーなど)の販売数量が減少したことなどから、減収減益となった。

 セグメント別に見ると、エラストマー・機能樹脂部門の売上高は16%減の1121億円、営業利益は82億円。スチレンモノマープラントの非定修年であったことに加え、デンカシンガポール社のスチレン系樹脂のスプレッドは改善したが、クロロプレンゴムの販売数量が減少し、21億円の減益となった。

 インフラ・ソーシャルソリューション部門の売上高は前年同期並みの413億円、営業利益は4億円。製品価格改定による収支改善が進んだことなどにより黒字化した。

 電子・先端プロダクツ部門の売上高は2%増の499億円、営業利益は85億円。生産体制強化に伴う固定費増加や、高機能フィルムの販売減などのマイナス要因はあったものの、車両電動化関連製品の販売が伸長し増益に貢献した。

 生活・環境プロダクツ部門の売上高は6%減の281億円、営業利益は前年同期比8億円の減益。プラスチック雨どいと工業用テープの販売はおおむね前年同期並みだったが、合繊かつら用原糸「トヨカロン」や、食品包材用シートとその加工品などの販売減が響いた。

 ライフイノベーション部門の売上高は7%増の287億円、営業利益は63億円。デンカ生研の検査試薬やインフルエンザワクチンの販売が好調に推移し、19億円の増益となった。なお、通期業績予想は前回予想を据え置いた。

旭化成の4-12月期 中国成長鈍化などの影響で減益

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2020年2月10日

 旭化成が7日に発表した2019年度第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比微増の1兆5885億円、営業利益は同11%減の1402億円、経常利益は同12%減の1457億円、純利益は同10%減の1038億円。

 売上高は、住宅セグメント・ヘルスケアセグメントは買収したエリクソンとカーディアック・サイエンスの新規連結に加え、既存事業の拡大で増収となったが、マテリアルセグメントが減収となり、全体として微増に留まった。

 営業利益も住宅セグメント・ヘルスケアセグメントは順調に推移し増益だったが、マテリアルセグメントが中国成長鈍化などの影響を受けて減益となったことで、全体でも2桁減だった。

 マテリアルセグメントは売上高が同6%減の8359億円、営業利益は同26%減の791億円。基盤マテリアル事業はナフサクラッカーの臨時修理と誘導品の定期修理による販売数量減、ナフサ価格下落に伴う在庫総平均差などにより減益となった。

 パフォーマンスプロダクツ事業はセージの連結があったものの、タイヤ向け合成ゴムの不振やエンジニアリング樹脂の販売数量減などで減益。スペシャルティソリューション事業も韓国ESS火災の影響によるLIB用セパレータの販売数量減などで減益となっている。

 住宅セグメントは売上高が同10%増の4897億円、営業利益は同19%増の462億円。建築請負部門の引き渡し棟数の増加、物件の大型化による平均単価上昇により増益となった。

 ヘルスケアセグメントは売上高が同6%増の2511億円、営業利益は同5%増の358億円。医薬事業での固定費減少と、医療機関向け除細動器やAEDなどのリサシテイション事業の販売数量増で増益となった。

 通期の連結業績予想については、マテリアル領域の事業で市場環境の特段の改善が見込まれないことや、1月に発生したナフサクラッカーの一時停止の影響などを織り込み下方修正した。

 売上高は前期比1%増の2兆1900億円(前回予想比310億円減)、営業利益は同15%減の1785億円(同145億円減)、経常利益は同17%減の1835億円(同160億円減)、純利益は同14%減の1275億円(同155億円減)の見通しとなった。

三井化学 6年ぶりに社長交代、4月に新体制が発足

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2020年2月10日

橋本修次期社長「さらなる企業価値向上目指す」

淡輪社長(左)と次期社長に就任する橋本専務
淡輪社長(左)と次期社長に就任する橋本専務

 三井化学は6年ぶりとなる社長交代人事を発表し、4月1日付で橋本修取締役専務執行役員が就任する。

 5日、淡輪敏社長とともに記者会見に臨んだ橋本専務は、「このたびは大変な重責を拝命することになり、非常に身の引き締まる思いだ」と胸のうちを明かし、「淡輪社長が旗を振ってきた

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住友化学 「日経アニュアルリポートアウォード」優秀賞に

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2020年2月7日

住友化学レポート2019
住友化学レポート2019

 住友化学はこのほど、「日経アニュアルリポートアウォード2019」で、優秀賞を受賞したと発表した。2016年、17年に続き3度目の優秀賞受賞となる。

 同アウォードは、日本企業が発行するアニュアルリポートのさらなる充実や普及を目的として、日本経済新聞社が1998年より毎年実施しているコンテストで、機関投資家らの審査による得点上位企業が表彰される。第22回目となる2019年度は、133社の応募に対してグランプリ1社、準グランプリ3社、特別賞2社、優秀賞14社が選ばれた。

 統合報告書「住友化学レポート」は、ステークホルダーに同社の価値創造ストーリーをわかりやすく伝えことを目指し、事業の強みや戦略、業績報告に加え、コーポレート・ガバナンス体制や環境・社会への取り組みなど、財務情報と非財務情報を統合的にまとめている。

 今回の受賞は、「気候変動関連の記載が充実している」「経営陣が、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを意識していることが伝わる」「投資家が中長期的な企業価値向上を評価するための十分な情報が開示されている」などが評価された。

 同社は、今後も「住友化学レポート」の改善・充実に励むとともに、適時・適切な情報開示や、株主・投資家をはじめとした幅広いステークホルダーとの対話を通じて、企業価値の向上に努めていく考えだ。

三井化学 アニュアルリポートが4度目のアウォード受賞

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2020年2月7日

三井化学レポート2019
三井化学レポート2019

 三井化学はこのほど、日本経済新聞社が主催する「日経アニュアルリポートアウォード2019」で、優秀賞を受賞したと発表した。2016年度の優秀賞、2017年度の特別賞、2018年度の準グランプリに続く4度目の受賞。

 今回の受賞は①中長期の企業価値向上への記述が説得力のあるものであり、よくバランスのとれたリポートである②トップメッセージ、CFOメッセージがわかりやすく、会社が目指している方向性や考え方がよくわかる内容になっている③環境(E)、社会(S)についての開示が大変充実している―ことが高く評価された。

 同アウォードは、日本企業が発行するアニュアルリポートのさらなる充実と普及を目的として、1998年から毎年開催されており、現役のファンドマネージャーやアナリストらが、多岐にわたる審査基準により厳正に審査を行い、特に優れたレポートを表彰するもの。第22回となる2019年度は、133社が参加し、その中から、グランプリ一社、準グランプリ3社、特別賞2社、優秀賞14社が選出された。

 三井化学のリポートは、株主・投資家をはじめとするステークホルダーに、同社グループの事業活動を通じた社会課題解決に対する取り組みを、経済・環境・社会の三軸の面から指標を交えて紹介している。中長期的な価値創造への理解を深めてもらうとともに、〝質の高い対話〟のプラットホームとなる報告を目指している。

 今後もより一層、株主や投資家の理解と信頼を得られるよう、積極的な情報開示と対話を重視し、IR活動の取り組みを強化していく考えだ。

コンバーティングテクノロジー総合展 機能性材料が集結

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2020年2月7日

三菱ケミカルのブース
三菱ケミカルのブース

 フィルムやシート、紙などの技術と材料、装置が一堂に会する総合展示会「コンバーティングテクノロジー総合展2020」が、先月29~31日に東京ビッグサイトで開催された。その中の構成展「新機能性材料展」と「JFlex」から、化学メーカー4社の展示を紹介する。

 三菱ケミカルはエポキシ樹脂の新しい応用として、開発品の高分子エポキシフィルムと伸縮性エポキシフィルムを中心に出展した。いずれも高熱性・高絶縁性などエポキシ樹脂固有の特徴を備えつつ、表面処理不要で様々なインクを塗布・印刷でき、無色透明で低位相差といった優れた光学特性も持っている。さらに、それぞれ高い可撓性と伸縮性があることから、ウエアラブルデバイスやセンサーなどとして活用が見込まれており、そうした製品例を展示していた。

 三井化学は機能紙研究会のブースで、ポリオレフィンを噴射生成した多分岐構造の繊維「SWP」を紹介。他素材と組み合わせることで、新たな機能を発現させることができる。最も分かりやすい例は

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