ヘンケルの自動車戦略 一体成型CFRPホイールを加速

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2019年12月2日

 ドイツの化学・消費財メーカーのヘンケルはこのほど、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を活用した自動車用一体成型ホイールの世界的大手であるオーストラリアのメーカー、カーボンレボリューションへの母材(マトリックス樹脂)の供給で戦略的契約を締結した。両社は今後、共同で一体成型CFRPホイールの開発を加速させていく。

一体成形CFRPホイール
一体成形CFRPホイール

 世界の自動車産業が軽量化ソリューションを求める中、自動車の足回りであるバネ下重量の軽量化にも注目が集まっている。バネ下重量の多くを占めるホイールだが、一体成型CFRPホイールを使用することで、アルミホイールに比べ40~50%の軽量化を実現すると同時に、魅力的な表面仕上げも可能になる。

 カーボンレボリューションのCFRPホイールは現在、世界的に最も有名なスポーツカーのいくつかのモデルに使用されている。ホイール軽量化によるバネ下重量の大幅な削減は、慣性モーメントを低減させ、回転などの運動性を高めるため、操舵性、走行性、加速・ブレーキ性能が向上する。また、持続可能性の観点からも、燃料・電気のエネルギー効率改善や、CO2排出量の削減が図れる。

 両社は、数年にわたる緊密なコラボを通じ、複合材料技術の実績のある製品ポートフォリオを拡大し、世界の自動車メーカーの厳しい性能要求に対する独自のソリューションを提供してきた。ヘンケルは今後、様々なグローバル自動車メーカーへのCFRPホイールの最良のソリューション提供を目指し。欧州とオーストラリア(メルボルン近郊)にある2つの生産拠点からサポートを行っていく考えだ。

AGC 素材開発にAR技術、開発スピード向上を図る

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2019年12月2日

 AGCはこのほど、素材の組成開発を担う材料融合研究所と、素材の生産プロセス・設備開発を担う生産技術部で、スタートアップのKAKUCHO(東京都渋谷区)がもつ「webAR」の試験使用を決定したと発表した。今月から同技術を開発現場に導入し、開発のスピードアップ化を図る。

AR使用時の様子
AR使用時の様子

 KAKUCHOは「AR/MRを社会に浸透させ、誰もみたことのない新しい日常を創造する。」を企業理念に掲げ、ARを利用した高級インテリアEC「FURNI」と、FURNIに使われているAR技術を提供する「webAR」の2つの事業を提供している。

 AR(Augmented Reality)とは、一般的に拡張現実と訳されるもので、物体検知・空間認識・顔認識などの画像認識を通して、現実環境をコンピュータにより拡張する技術。建設現場や工場などの作業現場での活用や、自動運転への応用など、ビジネスのさまざまなシーンで活用が進んでいる。

 「webAR」は専用のアプリを開発することなく、ウェブブラウザ上でARを簡単に使用できる技術だ。事前にURLを共有しておけば、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを現場でかざすことで、開発設備をそのままの形状・サイズ感で現場風景に重ね合わせて表示できる。

 これまで図面や仕様を共有するだけでは正確に伝えることができなかった、現場のレイアウト・作業性・安全性などを設備導入前に明らかにすることが可能になる。同技術により開発者間のコミュニケーションを促進し設備開発のスピードを向上することで、素材開発全体のスピードアップに繋げていく考えだ。

 素材の開発には、組成開発、生産プロセス開発、設備開発などの開発フェーズから量産に至るまで数十年を要することもある。中でも設備開発は同じ図面や仕様を共有しているにもかかわらず、組成開発者と設備開発者が認識する現物イメージに乖離があり、開発に多大な時間を要するケースがある。この課題を解決する手段の1つとして、AGCはAR技術に着目した。

クラレ関連 人事(12月1日)

2019年12月2日

[クラレ関連・人事](12月1日)【クラレ】▽繊維カンパニー繊維資材事業部生産管理部長川上竜司【クラレ玉島】▽クラレ玉島社長兼同社エステル工場長兼同社同工場エステル生産技術部長川瀬修。

日本触媒 台風19号災害の被災地・被災者に義援金

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2019年12月2日

 日本触媒はこのほど、台風19号災害による被災者の救援や被災地の復興に役立ててもらうための義援金として、日本赤十字社を通じ500万円の支援を行うことを決定したと発表した。また、加えて、労働組合と連携して従業員から災害募金を集める。同社は「被災地の1日も早い復興をお祈り申し上げます」とコメントしている。

住友化学 価値創出に向け最重要課題にKPIを設定

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2019年12月2日

 住友化学はこのほど、経営として取り組む7つのマテリアリティ(最重要課題)に対する主要取り組み指標(KPI)を設定した。

 今年3月、同社グループの持続的成長と、事業を通じたサステナブルな社会の実現への貢献を共に達成するため、事業と直接関係する「社会価値創出に関するマテリアリティ」と、将来を見据えた取り組み課題である「将来の価値創造に向けたマテリアリティ」の2つの観点から7つのマテリアリティを特定。マテリアリティに対するKPIは、外部有識者の意見も踏まえた上で、サステナビリティ推進委員会での審議を経て設定した。

 「社会価値創出に関するマテリアリティ」については、SDGsの17の目標下にある169のターゲットに則したKPIを設定することで、それぞれの課題解決にどのように貢献するかを明示。一方、「将来の価値創造に向けたマテリアリティ」については、技術・研究開発の推進とデジタル革新への取り組みの進捗では、グループ全体の数値指標を設定。またダイバーシティ&インクルージョンの推進では、国や地域ごとに取り巻く環境が異なることから、グループ各社ごとにKPIを設定することとしている。

 今後、KPIを用いてマテリアリティに対する取り組みの進捗状況を確認するとともに、社内外のステークホルダーとの対話を推進していく。住友化学グループは、持続可能な社会の実現に向けて、引き続きグループ一丸となって創造力を最大限に発揮し、化学の力による新たな価値創造を通じた社会課題の解決を目指していく方針だ。

JXTGエネルギー 早大と包括連携活動に関する協定書締結

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2019年12月2日

 JXTGエネルギーは29日、早稲田大学と「持続可能な未来社会実現」に向けた、イノベーション推進のための包括連携活動に関する協定書を締結したと発表した。

 同社と早大は2010年から材料分野を中心に、共同研究創出を目的とした技術シーズの探索を継続してきた。同協定の締結はこれまでの連携を強化し、包括的で分野横断的なオープンイノベーションを実行して、低炭素化をはじめとした様々な社会課題に対応していくことが目的だ。

 具体的な取り組みとして、まず早大が建設中の121号館内に「ENEOSラボ」を設置し、主にCO2からの燃料・化学品製造技術の開発といった「CO2削減に向けた革新技術の研究」に取り組む。さらに、オープンイノベーション戦略研究機構などでの共同研究の加速、卓越大学院での人材育成活動などについて連携を深める。

 早大が持つ多様な分野での豊富な人材と組織体制、実用化を見据えた広範・最先端の研究実績などの強みと、エネルギーのリーディングカンパニーとして、エネルギー変換技術や社会実装に関する経験のある同社の強みを生かし、低炭素化に向けた技術開発などの研究を進める。

 JXTGグループは長期ビジョンで、2040年のありたい姿として「事業構造の変革による価値創造」を掲げており、オープンイノベーションの積極的な推進を通じ、革新的な技術・事業の創出を目指す。

日本触媒・三洋化成 経営統合に関する最終契約を締結

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2019年12月2日

 日本触媒と三洋化成は29日、それぞれの臨時取締役会で、共同株式移転の方式により両社の親会社となる統合持株会社「Synfomix」を設立し、経営統合を行うことを決議、両社間で対等の精神に基づいた最終契約を締結したと発表した。

 両社は今年5月、経営統合の検討に関する基本合意書の締結を発表し、経営統合に向けた詳細な検討と協議を進めていた。株式移転比率は、日本触媒1.225、三洋化成が1となっている。

 今回の経営統合は、国内外の競争当局の承認を前提とするものであり、両社の定時株主総会での、株式移転計画書の承認を受けた上で行われる予定。また、両社は同株式移転の効力発生日の2年後をめどに、統合持株会社および両社の合併を実行することを基本方針としている。

 ただ、具体的な方針については、効力発生日以降に設置する各種委員会などでの協議を踏まえ、事業上の合理性を考慮した上で、今後両社の協議にて決定する。なお同日、三洋化成は、高吸水性樹脂事業を営む連結子会社SDPグローバル(出資比率:三洋化成70%、豊田通商30%)の完全子会社化を発表。経営統合による統合効果の最大化を図るため、豊田通商のすべての株式を取得する。

SEMI 小柴役員「半導体産業は今後も堅調に成長」

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2019年11月29日

 SEMIジャパンは27日、都内でプレス懇談会を開催した。SEMIの小柴満信役員(JSR代表取締役会長)が挨拶を行い「半導体産業はこの先も堅調だと見ている。これまでモバイル関連が市場を引っ張ってきたが、今後はAIやIoT、データセンターなどデータ関連が中心となっていくだろう」と語った。

半導体産業の今後の見通しについて述べる小柴役員
半導体産業の今後の見通しについて説明する小柴役員

 半導体市場の成長率については「2019年は、米中貿易摩擦などの逆風が強く吹いた。中国景気の減速から在庫調整がなかなか進まず、成長率は平均値でマイナス11.8%が見込まれている。一方、2020年は

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