東洋スチレン バイオマスプラを上市、CO2排出量を削減

2019年6月24日

 東洋スチレンは環境負荷低減型プラスチックとして「トーヨーエネライツ」を上市した。

 同製品はポリスチレンとポリ乳酸のアロイ樹脂で、ポリ乳酸を約30%含有し、カーボンニュートラルに貢献できるバイオマスプラスチック。耐油性・耐薬品性に優れ、電子レンジにも使用できる。非可食植物由来のポリ乳酸を使用し、CO2排出量を削減する。

 すでにバイオマスプラスチックの登録を取得しており、ポリオレフィン等衛生協議会のポジティブリストにも登録済みだ。射出用・シート用をそろえ、食品包装分野をはじめさまざまな用途分野に展開が可能。

 同社はこの樹脂の用途拡大により、環境問題対策に貢献していく。

 

三菱ガス化学 子会社2社を統合しMGCターミナルを設立

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2019年6月24日

 三菱ガス化学は21日、連結子会社で化学品ターミナル業を営む木江ターミナルと海洋運輸を7月1日付けで統合合併し、社名をMGCターミナルに変更すると発表した。

 これまで、木江ターミナルは関連海外拠点で生産されたメタノールの国内顧客に対する一次基地の役割を、海洋運輸は新潟工場での主要原料であるメタノールやアンモニアなどの受け入れとMMAなどの製品の出荷基地の役割を担ってきた。

 基礎化学品では、製造コストのみならず、輸送や貯槽に要する物流コストも製品競争力を左右する重要なファクターとなる。両社が培ってきた設備などの管理手法を共有し、オペレーションの効率化を行うとともに、共通機能の統合による業務効率化を図ることを目的に、両社を統合合併することにした。

 今後、メタノール・アンモニア系製品の国内トッププレイヤーである同社は、ケミカルターミナル事業者として、顧客へのさらなるサービス向上に注力する。

 なお、出資比率は三菱ガス化学86%、菱陽商事14%となっている。

丸紅 ベトナムでインスタントコーヒー製造販売事業を開始

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2019年6月21日

 丸紅はこのほど、ベトナムで100%出資のインスタントコーヒー製造販売事業を開始すると発表した。

 バリアブンタウ省にインスタントコーヒー製造販売会社イグアスベトナムを設立し、需要の拡大が見込めるASEAN・中国を中心に、2022年からの供給開始を目指す。なお、当初の生産能力は年産1万6千t。

 同社は、46年余にわたるブラジル国内でのイグアスブラジルの経営・操業経験によりインスタントコーヒー製造販売事業の知見を蓄積してきた。

 イグアスブラジルが有する生産技術とノウハウ、販売ネットワークを活用し、丸紅主導の事業運営によって、伸長するASEAN・中国のインスタントコーヒー市場での事業拡大を目指す。

 イグアスベトナム稼働後は、2020年に生産能力を拡張予定のイグアスブラジルと合わせ、年産4万tの生産能力となり、丸紅は、BtoBのインスタントコーヒー市場で世界最大の製造販売者となる見通しだ。

 世界のインスタントコーヒー需要は、経済規模の拡大に伴い、今後も堅調に推移すると考えられている。その中でもASEAN・中国は、合計20億人を超える人口を擁し、同地域のインスタントコーヒー需要は世界平均の年率2%を上回る5%以上の成長を遂げている。今後も所得の堅調な伸張に伴い、需要は大きく増大する可能性が高い。

 またベトナムは、ブラジルに次ぐコーヒー生豆生産国で、特にインスタントコーヒーの主原料として用いられるロブスタ種では世界最大の生産国。伸長するASEAN・中国市場への供給拠点として、ベトナムは最適地だ。

 丸紅は、長年培ったインスタントコーヒー製造販売事業の知見を生かし、コーヒーの最大生産地であるブラジル・ベトナムの2拠点から、世界に向けてインスタントコーヒーを安定的に供給していく。

 

日産化学など 海洋油田の生産性向上へ新規添加剤開発を推進

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2019年6月21日

 日産化学と住友商事はこのほど、海洋石油・天然ガスに係る日本財団‐DeepStar連携技術開発助成プログラムに、海洋油田の生産性を向上させるための新規添加剤の開発プロジェクトを共同で提案し採択されたと発表した。両社は、DeepStarを構成する大手石油会社と同プロジェクトに関する共同開発を行う。

 なお、同プログラムは、日本財団が大手石油会社の主導する技術プラットフォーム「DeepStar」と締結した共同技術開発プログラム設立に関するMOUに基づき、2030年に向けて海洋石油・天然ガス分野の技術開発を促進するための助成プログラム。

 海洋石油・天然ガス分野の世界ニーズとして、海洋生産施設の操業・維持・管理コストの低減や新技術の活用による生産性向上などが大きな課題となっており、同分野で日本が以前より競争力を持つ技術を取り入れていくことが期待されている。

 両社は、すでに開発・展開をしている日産化学海外グループ会社、米ニッサン ケミカル アメリカ コーポレーションの「nanoActive」製品の技術を活用し、同プロジェクトを通じて、石油・天然ガスの生産性向上を目指す海洋油田向けの新規添加剤の創出・開発に注力していく。

帝人 CFRTP採用の軽量エアバス機が羽田に初飛来

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2019年6月21日

 帝人が開発した、炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板「テナックスTPCL」を使用したエアバス社の最新鋭中型機「A350XWB」が、11日にエアバス社トゥールーズ工場で日本航空(JAL)に納入され、14日に羽田空港に初飛来した。帝人は、エアバス社製の航空機材に向けて30年以上にわたり炭素繊維「テナックス」を供給しているトップサプライヤーだ。

帝人『テナックス TPCL』を一次構造材に使用したエアバスA350XWB TOP
『テナックス TPCL』を一次構造材に使用したエアバスA350XWB

 「A350XWB」向けには2014年5月に、「テナックスTPCL」が熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)として世界で初めて、エアバス社製航空機の一次構造材に採用された。

 「テナックスTPCL」は、耐衝撃性や耐摩耗性に優れるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を使用したCFRTPで、同社の欧州拠点である独・帝人カーボンヨーロッパで製造されている。

 帝人は、未来の最新鋭航空機に向けたソリューションとして、炭素繊維原糸から織物基材、熱可塑性・熱硬化性樹脂を使用した中間材料などの用途開発やラインアップ拡充、また、これらを活用した市場展開を強力に推進している。

 今後もマーケットリーダーとして、川上から川下までのソリューション提案力を一層強化し、環境規制の強化に伴う低燃費化の要請に応える「軽くて、強い」高機能素材の拡大展開を図る考えだ。

 今回納入されたJAL機は、日本の伝統美をテーマにしたインテリデザインで統一した、座席数369席の中型機。9月1日の東京(羽田)―福岡線からの運航開始を予定している。

SEMI 来年の半導体ファブ製造装置への投資額は20%成長を予測

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2019年6月21日

 マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会であるSEMIはこのほど、半導体産業の前工程ファブ装置への投資額が、今年は前年比19%減の484億ドルになった後、来年は20%増の584億ドルへ反発するとの予測を発表した。同予測は、SEMIが発行した今年第2四半期版の最新のレポートに基づいている。

 来年の投資増は、今年第1四半期版のレポートに基づく27%増が下方修正されたもので、今年の投資額19%減は、同様に14%減が下方修正された。来年はおう盛な成長を示すが、前工程ファブ装置への投資額は、昨年の過去最高記録に20億ドル届かない見込み。

 メモリー分野の投資額は、今年は45%減少するが、来年は45%増と力強い回復をして280億ドルに達する見通し。来年のメモリー分野の投資は前年から80億ドル以上増額し、ファブ全体の投資額回復をけん引する。しかし、一昨年、昨年の投資水準と比べると、来年のメモリー投資額は、低水準となることが現時点では予測される。

 今年のメモリーの投資額減少と対照的な動きをする分野が2つある。1つはファウンドリ―分野で29%の増加、もう1つはマイクロで、10nmのMPU生産に向けて40%以上の増加が見込まれている。マイクロの投資額全体は、ファウンドリ―やメモリーの投資と比べ、小さくなっていることに注意が必要だ。

 最新レポートは、昨年から来年にかけて440以上のファブやラインで投資が行われることを示している。半年ごとのデータでは、メモリーの投資が今年前半に48%減少することが見込まれるが、その内訳は、3D NANDが60%減、DRAMが40%減となる。

 このような単一分野の圧倒的な減少があるものの、今年前半の投資額全体は、大手ファウンドリ―各社による40%もの投資増で、ある程度相殺されると見られる。マイクロ分野の投資は、MPUをキードライバーに今年前半に16%、後半は9%の成長が予想されている。

 

ランクセス 小澤国際室内楽アカデミーの支援を継続

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2019年6月20日

 ドイツの特殊化学品メーカー・ランクセスの日本法人ランクセスは、今年度も「小澤国際室内楽アカデミー奥志賀(OICMA)への支援を継続する。

 OICMAは世界的な指揮者である小澤征爾氏が立ち上げたNPOで、アジア圏の才能ある若手音楽家に弦楽四重奏を学ぶ機会を提供することを目的に、2011年に設立された。ランクセスとOICMAは、今年1月から12月までの1年間を期間とする支援契約を締結し、1月から支援を開始している。

 OICMAは今年の主な活動として、アジアから25人の若手弦楽器奏者をオーディションで選抜し、7月20日から26日まで長野県奥志賀で講習会を行う。また、演奏会を3公演予定しており、千秋楽のコンサートは、31日に東京・千代田区の紀尾井ホールで開催する。

 ランクセスは社会的責任(CSR)活動の一環として、同アカデミーを設立時から8年間継続して支援し、活動をサポートしてきた。OICMAは過去8年間に、日本や中国、韓国など、アジアの若手音楽家延べ194人の育成に取り組んでいる。

 今回の支援継続により、OICMAはより安定した運営基盤の下に活動を行うことが可能となる。支援継続について、アカデミーの理事長である小澤氏は「このような教育プログラムを支援してくれるところは少なく、弦楽四重奏となるとなおさらだ。ランクセスの支援はとてもありがたい」と述べている。

 講習会は奥志賀高原・スポーツハイム奥志賀で行われ、小澤征爾、原田禎夫(チェロ)、川本嘉子(ヴィオラ)、ジュリアン・ズルマン(ヴァイオリン)の各氏が指導する。

 演奏会は講習会で課題曲として出された弦楽室内楽曲と弦楽合奏曲を、オーディションで選ばれたアカデミー受講生24人が演奏する。会場は7月27日が奥志賀高原・森の音楽堂、29日は志賀高原総合会館98(長野県山ノ内中学校との交流演奏会)、31日は紀尾井ホール。東京公演の一般チケットは、6月15日10時から販売する。

 

ソルベイ 「Ixef PARA」の丸棒を世界規模で供給

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2019年6月20日

 ベルギーの先端材料・特殊化学会社ソルベイの「Ixefポリアリールアミド(PARA)」の丸棒が、世界規模で供給されるようになった。チャネルパートナーである米国のドレイク・メディカル・プラスティックス(DMP)が提供する。

 高い剛性と強度、生体適合性、軽量を特徴とする医療用グレードの「Ixef PARA」から作られた丸棒は、正確な切削加工が可能で、単回使用の整形外科向け手術用器具の外観プロトタイプを作成できる。

 ソルベイによると、単回使用の医療機器のプロトタイピングには、これまで多大なコストがかかっていたが、「Ixef PARA」を使うことで時間とコストが大幅に削減し、デバイスメーカーは機能特性の検討に集中することができるという。

 射出成形の「Ixef PARA」は、単回使用の整形外科向け手術用器具に、従来のステンレス鋼に匹敵する性能をもたらす。この50%ガラス繊維強化樹脂は、機械的なひずみや応力に耐える優れた剛性・耐クリープ性・強度を備えている。

 同時に、金属に比べて最大450%軽量であるため、医療機器メーカーは、手術用器具キットに含める器具数を増やすことができる。また、滑らかで樹脂分の多い表面となり、ガラス繊維が原因で手術用手袋が破れるリスクがなく、吸水率も低く抑えられる。

 デザインの観点では、グリップが向上する質感など、人間工学的な要素を二次加工の必要なく採り入れることが可能だ。

 ソルベイはDMPとの関係について「医療機器分野のニーズに特化した長期的なパートナーシップを、今後も発展させていく」としている。