旭化成は9日、都内で記者懇談会を開催し、あいさつを行った小堀秀毅社長は、世界の経済情勢を梅雨時の天候に例え「なかなか先々が見通せない、すっきりしない状況が続いている」と述べつつ「そんな中で、これからの3カ年の新しい中期経営計画をスタートした。元気・明るさを持ってしっかりやっていくということで、従業員一同がんばっていきたい」との抱負を述べた。

また、本社を昨年夏、10年振りに神保町から日比谷に戻したことに伴い、タブレット端末で
2019年7月11日
2019年7月11日
旭硝子財団は10日、ブループラネット賞(地球環境国際賞)の2019年の受賞者に、エリック・ランバン教授とジャレド・ダイアモンド教授を決定したと発表した。
同賞は地球環境の修復を願い、地球サミットが開催された1992年に設立され、今年で28回目となる。地球環境問題の解決に関して、社会科学、自然科学/技術、応用の面で著しい貢献をした、個人または組織の業績を称える国際的な賞。今回は国内500人、海外788人のノミネーターから150件の受賞候補者が推薦され、その中から2人が選ばれた。
受賞者のうち、エリック・ランバン教授はベルギー出身で、スタンフォード大学教授・学部長。世界的規模での土地利用の変化、その生態系への影響や土地利用政策の有効性を、衛星リモートセンシング技術と独自の時系列解析手法を用いて、土地利用の変化が地球の自然システムへ悪影響を及ぼしていることを早くから指摘した。さらに、 社会経済データと結び付けて経済活動との関係も明らかにした。
ジャレド・ダイアモンド教授は米国出身で、カリフォルニア大学ロサンゼルス校地理学部教授、歴史家、作家。代表的な著作である、「銃・病原菌・鉄」「文明崩壊」「昨日までの世界」の3部作を通じて提示された論考は、並外れた知的探求の結果生み出された文明論、組織論、社会論を包含し、非常に広範な視野から今日の環境問題の根源を深く洞察し、人類文明史における環境問題の意義を独自の視点から解き明かした。
表彰式は12月11日に東京都千代田区のパレスホテル東京で行われ、賞状とトロフィー、副賞5000万円が贈られる。その後、12日に東京大学、14日に京都大学で受賞者による記念講演会が開催される。
2019年7月11日
積水化学工業は10日、今年1月に賛同を表明した、TCFDの提言に沿った形での情報開示を初めて行ったと発表した。今後、サステナブルな地球を実現するために解決が必要な、気候変動課題に対する同社の対応について、TCFDの提言に基づいて情報開示を継続的に行っていく。
TCFDは2015年に、金融システムの安定化を図る国際的組織の金融安定理事会(FSB)により設立された、気候変動関連財務情報開示タスクフォースのこと。気候変動が企業の財務に与える影響の分析を行い、対応に関する戦略についての情報開示を推奨している。
今回はTCFDから開示を推奨されている「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目で、同社グループの気候変動課題への対応について記載した。内容は、同社「CSRレポート」のウェブサイトから確認することができる。
主な特徴は、「戦略」の項目で将来的に予測される気候変動と、それに伴って予測される変化に基づいた「脱化石スマート」「循環持続」「大量消費」「地産地消」の4通りの「シナリオ社会」を想定したこと。それらの社会における同社グループの機会・リスク、事業を通じてどのように課題解決に貢献できるかの検討・整理を行った。
同社グループは「積水化学グループのCSR」で、企業価値向上やステークホルダーとの信頼関係構築のために建設的な対話を図る「ステークホルダーエンゲージメント」を推進するとともに、財務的・環境的・社会的側面から見て重要な、企業情報を積極的に開示する方針を定めている。
また、同社グループの中期経営計画「SHIFT2019‐Fusion‐」での基本戦略として、ESG視点での持続可能な経営基盤構築を掲げて推進している。特にE(環境)に関しては、環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerate」(2017~19年度)で、気候変動をはじめとする環境課題に意欲的に取り組んでいる。
2019年7月11日
2019年7月11日
日本化学工業協会(日化協)、石油化学工業協会(石化協)、中国石油・化学工業連合会(CPCIF)の日中化学3団による「日中化学産業会議」が、7月9日、10日の2日間にわたり東京都内で開催された。
同会議は、日中化学産業の関係を強化し、双方の発展につなげることを目的に、2015年以降、毎年日中交互に行われている。日本開催となる今年は、中国側からはCPCIFの李寿生会長、戴和根副会長をはじめ、中国化学産業の要人52名、日本側からは化学企業のトップや中国現地法人の幹部、経済産業省の関係者など70名超が出席し、活発な議論が行われた。
9日の全体会議終了後の記者会見で、日化協の淡輪敏会長(三井化学社長)は、「今日の主な議題として、両国の化学産業の現状と未来、ホットなテーマである海洋プラスチックごみ問題における両国の現状や方針について議論が行われた」と語った。
そして、「海洋プラ問題では中国側から
2019年7月10日
コベストロジャパンは17~19日に名古屋市港区のポートメッセなごやで開催される「人とくるまのテクノロジー展2019名古屋」に出展し、樹脂材料のソリューションを展示する。
自動車の動力源だけでなく、所有のあり方や使い方、制御方法が変わっていこうとする中、自動車の材料もその変化に対応するものが求められるようになってきた。
一方、サステナブルな世界の未来を見据え、持続可能な開発目標(SDGs)という世界共通の目標が掲げられている。コベストロはその2つの課題に対して、樹脂材料で解決できるソリューションを提案する。
その1つが内装用の電子部品をタッチパネル化したコンソールのプロトタイプ。自動車のデザインや車室内のあり方が大きく変わるのに対応するため、多くのビジネスパートナーと連携して、ダイレクトコーティング・テクノロジーやフィルムインサートモールディング・テクノロジーを使用して作成した。低VOCを実現し、ロジスティックのプロセスが簡潔化された結果、製造効率が向上している。
また、同社のポリカーボネートとフィルムを使用し、1.05mの長さの革新的なインフォテインメント用機能性ディスプレイを会場で展示する。
さらに、今回の展示会では、ポリウレタンフォームの特長を生かした制遮音対策技術や断熱材、新規開発品の植物由来のポリウレタン原料を使用した即時自己修復型ポリウレタン塗料、放熱性に優れた高機能複合材料なども紹介する。
2019年7月10日
クラレグループのクラレクラフレックスは、10日まで東京ビッグサイトで開催中の「フーマ・ジャパン2019国際食品工業展」に、オザックスと共同で出展している。
主な展示品は、業務用衛生布巾としてHACCP製品認証を取得している「クラフレックス」カウンタークロスをはじめ、食品製造やフードサービスの現場に適した日本製の各種不織布衛生布巾。
「クラフレックス」カウンタークロスは、汚れ落ちの良さと速乾性により、雑菌が繁殖しにくいことが特長のレーヨン製不織布衛生布巾である。食品業界における品質管理方法の1つとして、広く認知されているHACCPの製品認証を、日本国内で生産する不織布衛生布巾として初めて取得した。
これ以外に「クラフレックス」カウンタークロス・ハンディタイプや、カウンタークロスに綿布巾のような手持ち感を付与した厚手タイプの「モノデュア」も紹介している。
2019年7月10日
クラレの「プランティック」を使用した生鮮食品包材が、12日まで東京ビッグサイトで開催中の「フーマ・ジャパン2019国際食品工業展」の東京食品機械のブースに展示されている。
環境対応型包装材料の「プランティック」は、バイオマス由来の生分解性ガスバリア素材。優れたガスバリア性による食品の品質保持や賞味期限の延長、カーボンニュートラルによりCO2削減に貢献する。他のバイオマス・生分解性素材との組み合わせによる環境性能の高い包装材の設計も可能。
成形性に優れるため、主に生鮮食品のMAP包装や生パスタなどのチルド流通食品の包装材として、2003年の商業化以降、豪州・欧米の大手スーパーチェーンなどで採用されている。
2019年7月10日
日本ゼオンは9日、国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」において6月27日に署名し、UNGCに署名している日本企業などで構成される「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」に加入したと発表した。
UNGCには世界約160カ国で1万3000を超える団体が署名し、「人権」・「労働」・「環境」・「腐敗防止」の4分野において「国連グローバル・コンパクト十原則」を軸に活動を展開。GCNJには約320の企業・団体が加入している。
同社は、CSR推進計画での「2020年ありたい姿」の実現を目指し、継続した取り組みを行っている。その基本的な考え方である「社会の期待に応える」を実践していくためにも、「国連グローバル・コンパクト十原則」を支持しSDGs17の目標達成へ貢献していくなど、持続可能な発展を実現するための取り組みを推進していく。
なお、国連グローバル・コンパクト十原則は、人権:①人権擁護の支持と尊重、②人権侵害への非加担。労働:③結社の自由と団体交渉権の承認、④強制労働の排除、⑤児童労働の実効的な廃止、⑥雇用と職業の差別撤廃。環境:⑦環境問題の予防的アプローチ、⑧環境に対する責任のイニシアティブ、⑨環境にやさしい技術の開発と普及。腐敗防止:⑩強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止の取り組み、となっている。
2019年7月10日
帝人グループは10月13~20日にオーストラリアで開催される、世界最大級のソーラーカー大会「ワールド・ソーラー・チャレンジ」に参加する工学院大学に、車体の主要部材向けとして自社素材を提供する。加えて、それらを使用したCFRP製の車体の設計から製作までの支援も行う。
同社グループは、2013年大会で工学院大学のソーラーカープロジェクトに参加して以来、今回まで4大会連続で同チームを支援している。前回大会まではサポート企業の1つとして、車体向けの軽量・高強度素材、チームメンバーの快適性向上につながる素材・製品を幅広く提供してきた。
しかし、今大会はそれに加えて、工学院大学を次世代の革新的モビリティ開発を目指すパートナーと位置づけ、ソーラーパネルなどソーラーカーに搭載される部品関連の技術を得ることも目的に、開発支援を行うことにした。
今回提供した素材・製品は、炭素繊維「テナックス」製超軽量織物プリプレグ、ポリカーボネート樹脂「パンライト」製樹脂窓、パラ系アラミド繊維「テクノーラ」製プリプレグ、タテ型不織布「V‐Lap」製衝撃吸収シートクッション、超極細ポリエステル繊維「ナノフロント」製グローブ、メタ系アラミド繊維「コーネックス」製ドライビングスーツ、「デルタピーク」製チームウェア。
このうち、「テナックス」を使用したプリプレグは、帝人がサカイオーベックスと共同開発した成形厚0.06mm、重量60g/㎡という極薄の超軽量織物。これを使用することで、従来にはないCFRPの薄肉化を実現し、超軽量車体の製作を可能にした。
樹脂窓は帝人が開発したガラスの約200倍という耐衝撃性と、2分の1という軽量性を持つ「パンライト」を使用することで、車体の軽量化と搭乗者の安全性向上に貢献する。
また、帝人フロンティアが製造・販売する「V‐Lap」製衝撃吸収シートクッションは、反発性や通気性に優れ、車体の軽量化やドライバーの快適性向上に寄与する。
ソーラーカーのボディの設計、成形加工を支援するのは、帝人子会社のジーエイチクラフト。超軽量の乗物構造技術に基づく独自のデザインや成形加工から、構造物評価に至るまでの全工程を自社内で一貫して手掛けている。
自動車や航空機などのモビリティ分野の世界的なファーストランナーとして、さまざまなCFRPコンポジット構造体を設計・製作しており、同社は今回も担当者がレース全行程に同行し、チーム一丸で念願の初優勝を目指す。
帝人グループは今回の革新的ソーラーカーの共同制作を通じて得られた軽量車体の設計・成形加工のノウハウや、ソーラー発電に関する技術を有効活用することにより、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指し、モビリティ分野におけるソリューション開発に注力していく。