クラレファスニング 防虫機能付き結束バンドを共同開発

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2018年10月15日

 クラレファスニングはこのほど、簡単に着脱ができる「マジックテープ」に防虫機能を付与した結束バンドを、工業用プラスチック製品メーカーで防虫忌避部材も手がけるニックス(横浜市)と共同開発したと発表した。共同特許を出願済み。

 ニックスが「ARINIX」シリーズの商品として販売を開始している。この結束バンドは、マジックテープのラインアップの1つである、両面タイプの面ファスナー「マジックバンド」にアリやクモ類、ムカデ類など、様々な虫が嫌う忌避成分「エトフェンプロックス」を配合したもの。

 エトフェンプロックスの効果により、虫は防虫機能を付与した面ファスナーに触れるのを嫌がるため、通り道に巻くだけで虫の侵入を低減させる。

 防虫機能を付与した面ファスナーの凹凸形状が、忌避成分の効果に影響する表面積を増大させて、効果を高める。「徐放メカニズム(防虫効果をもつ薬剤の表面成分がなくなると、内部から表面に成分が染み出てくる技術)」により、効果の持続性を実現。加工や取り付け・取り外しが容易にできる両面タイプのマジックテープなので、虫の侵入を低減させたい部分にだけ簡単に施工することができる。

 主な使用分野は、配電盤、自動販売機、発電・導電設備などの電気関連、食品工場、保育・介護施設、病院などの衛生関連、その他、木造建築、アウトドア、生活雑貨など。マジックバンドの特長である、対象物に巻き付けて容易に固定する機能はそのままに、高い安全性と防虫忌避効果で、歩行する虫の侵入を防ぐ用途の需要獲得を目指し、初年度に1億円の販売を目指す。

積水化成品 EV視野に遮熱タイプの微粒子ポリマー開発

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2018年10月10日

 積水化成品工業は9日、「テクポリマーHM」シリーズの「遮熱タイプ」を開発したと発表した。

 「テクポリマー」は、同社独自の重合技術を用いた微粒子ポリマーで、液晶ディスプレイや照明カバーの光拡散材、塗料・インキの艶消し材など、様々な用途に採用されている。

 節電や省エネ意識が高まる中、遮熱や断熱効果が得られ温度制御に寄与する材料が幅広い分野で求められている。同社はこのような状況に対応するため、同シリーズの遮熱タイプを開発した。

 遮熱タイプを配合した塗膜の特長は①日射を遮るので高い遮熱性を示すこと②可視光から近赤外領域の光反射性に優れること。

 遮熱性能の評価では、透明塗料に同社従来品アクリル微粒子、もしくは新規開発品を加えた場合を比較するため、アクリル板の塗工面(初期温度20℃)を5センチ離した白熱電球で加熱し、光照射に伴う温度変化を測定。60分間の加熱でアクリル板の温度が、従来品は42℃まで上昇したのに対し、新規開発品では33℃の温度上昇に抑えられた。

 また光反射性能の評価では、黒色基材に塗工した塗膜の光反射率を分光光度計で測定。従来品では可視光~近赤外光の反射率が10%以下なのに対し、新規開発品では可視光領域が70%以上、近赤外光領域でも40超~70%前後の反射率を示し、可視光から近赤外光を効果的に反射した。

 同製品の販売目標は、2019年度が3000万円、22年度には5億円を計画。同社は新規開発の「遮熱タイプ」を、従来の塗料用途にとどまらず、車内の温度制御に関する取り組みを積極的に進めているEV(電気自動車)部材への展開を図っていく考えだ。

イソクラスト普及会 園芸・水稲殺虫剤の登録内容が拡大

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2018年10月9日

 イソクラスト普及会はこのほど、園芸用殺虫剤「トランスフォーム・フロアブル」と水稲用殺虫剤「エクシード・フロアブル」の登録内容が、9月26日付で拡大したと発表した。

 トランスフォーム・フロアブルに新たに作物登録が追加となるのは、白菜・非結球レタス・ピーマン・ナス・ブドウ・黄桃・スモモ・キク。エクシード・フロアブルは新たに無人航空機による水稲への散布が可能になる。

 両製品は有効成分である「イソクラスト」(一般名:スルホキサフロル)を活用した、新規系統のスルホキシイミン系殺虫剤。野菜・果樹や水稲で問題になる害虫に対し、安定した防除効果が期待されており、ダウ・アグロサイエンス日本が2月から販売している。

 トランスフォーム・フロアブルは各作物群のアブラムシ類・コナジラミ類・カイガラムシ類の防除に使用できる。

 エクシード・フロアブルは水稲のカメムシ類・ウンカ類に対し安定した効果を示す。また、水稲の本田の防除の多くが無人航空機で行われている中で、無人航空機による散布が認可されたことは、今後の飛躍的普及が期待できる。

 なお、イソクラスト普及会は、ダウ・アグロサイエンス日本と日産化学、北興化学工業で構成されている。

帝人F ファミマと共同開発のストレッチシャツを発売

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2018年10月3日

 帝人フロンティアは、ファミリーマートとの共同開発商品の第3弾「ストレッチドレスシャツ」を、全国のファミリーマート・サークルK・サンクスの約1万6700店で、2日から順次販売を開始した。

 本体価格は2760円、税込み2980円。ソフトな風合い、形態安定性、軽快なストレッチ性を兼ね備えた、帝人フロンティアの高機能ストレッチ素材「ソロテックス」を使用した。

 伸縮性が高く、快適で動きやすい着心地を実現しただけでなく、襟周りにボタンホールが2つあり、首周りのサイズを調整できるようになっている。

 帝人フロンティアとファミリーマートは、帝人グループの高機能素材を使用した、ヘルスケア商品の共同開発などを柱とした業務提携契約を締結し、これまでにマスクや、フェイシャル&ボディケアシートなどを発売している。

三菱ケミ アルミ樹脂複合板に内装材向け新グレード追加

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2018年10月3日

 三菱ケミカルは2日、建築物の内装・外装に幅広く用いられているアルミ樹脂複合板「ALPOLIC(アルポリック)/fr」シリーズに、難燃性を高めた内装材向けの新グレードを追加すると発表した。

 新たに加わるのは「ALPOLIC/fr INNER LIGHT」で、今月から発売を開始する。同製品には、新たに開発した難燃性の芯材を採用。単位重量当たりの潜在燃焼発熱量を従来品の10分の1に低減することに成功し、内装材としてすでに日本国内の不燃材料認定を取得したほか、日本より厳しい基準を採用する国でも、不燃材料の認定手続きを進めていく考え。

 また、新たな芯材により製品全体の軽量化・薄肉化も可能となり、従来と同じ3mm厚品に加えて、重量を30%低減した2mm厚品もラインアップした。

 各種塗装や柄などのカラーバリエーションは100色以上。新築だけでなくリフォーム用途にも適する。同社は今後、商業施設、オフィスビルから一般住宅まで幅広い分野での採用を国内外で働きかけていく。

 アルポリックは表面にアルミニウム、芯材に樹脂を使用した三層構造からなるアルミ樹脂複合板。同社は、1970年代に生産・販売を開始し、現在に至るまで国内のトップメーカーであり、海外でも世界130カ国以上への販売実績を誇る。

 防火性芯材(fr芯材)を使用して国内外の防火認定グレードを取得したALPOLIC/fr、表面を鏡面仕上げにした「ALPOLIC/RF」、面材にステンレスを使用した「ALPOLIC/fr SCM」など、さまざまな意匠・加工性・対候性を持つシリーズを取りそろえ、幅広い用途に用いられている。

アプライドサイエンス 超高速3分間充電LIB量産化へ

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2018年10月1日

 水の研究開発を礎に電池の設計・製造・販売を行うアプライドサイエンス(千葉県市川市)は28日、同社が開発した3分間という超高速で充・放電が可能なリチウムイオンモバイルバッテリーの量産化を決定したと発表した。

 同社は生産を担うマレーシアのクンプラン・パワーネット社(クアラルンプール)と業務提携することで、第1弾としてスマートフォン用のモバイルバッテリーを来年春に販売開始し、同年度内にはEV(電気自動車)用バッテリーなどの量産化も目指す。

新規開発LIBを手にする鵜澤社長(左)とリャン社長
新規開発LIBを手にする鵜澤社長(左)とリャン社長

 クンプラン・パワーネット社は、精密機械加工や繊維加工を主業務とする企業。さまざまな用途で市場を拡大するリチウムイオン電池(LIB)だが、従来のLIBは充電時間が長い、電池寿命が短いといった問題や、製造コストや品質の安定性の面でも多くの課題を抱えていた。

 同日都内で行われた記者会見で、アプライドサイエンスの鵜澤正和社長(理学博士)は「電池は

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三井化学 チタン製「TouchFocus」の販売を10月から開始

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2018年9月28日

 三井化学は27日、 次世代アイウエア「TouchFocus(タッチフォーカス)」に、これまで利用者から要望の高かった「チタン製フレーム」を新しくラインアップに加え、10月から販売を開始すると発表した。

カラーバリエーション(ブルー)
カラーバリエーション(ブルー)

 タッチフォーカスは、フレームのタッチセンサーに触れると、メガネレンズ内の液晶が駆動し、瞬時に遠近の視界の切り替えができる次世代アイウエア。近くを見る時だけワンタッチで近方の視界へと切り替えられるため、目線を下げたり、メガネをかけ外したりずらしたりすることなく、自然な仕草で、広くクリアな視界が得られる。

 また、フレームには電子回路が内蔵されており、充電式の軽量小型バッテリーが装着されているものの、重さは一般のメガネと同程度の軽量さだ。

 今回発売する「チタン製フレーム」の主な特長は①5種類のフレームフロントのカラーバリエーション(ブルー、グリーン、ブラウン、ブラック、ガンメタル)②世界的デザイン会社であるIDEO社が、テクノロジーの象徴である「流れるような一本のライン」の美しさをデザイン③レンズやフレームは、日常生活を想定した撥水ナノコーティング仕様(全ての商品に対応)など。

 チタン製フレームは軽さや強度、耐食性などに優れ、ファッションの面でも人気が高い。細いフレームで高いデザイン性を実現するため、開発に際し、日本屈指の金属フレームメーカーと協業。チタン製フレーム専用のフラットケーブルを採用し、特殊な成型による超薄肉の絶縁ピースを開発、全部材を細いフレームの中に収める構造設計など、高度なテクノロジーを駆使した。

 なお、新製品は10月29日から受注を開始。メーカー希望小売価格は、27万円(税別)。タッチフォーカスは、今年2月に限定店舗で販売を始め、現在18のメガネ専門店で取り扱っている。10月からは、北海道・東北・四国・九州も含め、日本全国へ販売地域・店舗を拡大していく。同社は、来年には100店舗を目標とし、アジア・欧米への展開も進め、2022年頃には年間5万本の販売を目指している。

ハネウェル 低GWP冷媒を欧州・中東アフリカで上市

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2018年9月28日

 ハネウェルはこのほど、空調機器用途でR‐410A冷媒を代替する新しい低GWP(地球温暖化係数)冷媒「ソルスティスL41y(R‐452B)」を、欧州・中東アフリカ地域で上市したと発表した。

 同冷媒は、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)をベースとする次世代ソリューション。既存のR‐410A冷媒に比べGWPが67%低く、R‐32冷媒に比べてエネルギー効率性が5%向上し、吐出温度/圧力が低いことが特徴で、空調機器の安全性担保に要する導入費用の低減にも寄与する。なお、国内では現在、有償サンプル提供のみで、上市時期は未定。

 欧州・中東アフリカ地域での上市に伴い、ソルスティスL41yに対応するチラー(ターボ冷凍機)と、ヒートポンプ向けコンプレッサ機器の認証が進んでいる。これにより、機器メーカーでは、既存のR‐410A仕様の機器から、ソルスティスL41y仕様への機器仕様変更に要するコストや時間を大幅に削減することができる。

 同社フッ素化学品事業部のジュリアン・スレ欧州・中東アフリカ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーは「ソルスティスL41yは、当社の最新世代の冷媒製品で、長期的な法規制への対応を視野に入れたソルスティスL40X(R‐455A)、ソルスティスze(R‐1234ze)やソルスティスzd(R‐1233zd)への移行が現時点で難しいユーザーのために開発された、即時に導入可能なソリューション」と述べている。

 同社は「ソルスティス」「ゼネトロン」ブランドで、世界中で冷凍冷蔵やビル冷暖房、カーエアコン向けなどの幅広い冷媒を開発・製造・供給している。同社とサプライヤーパートナーは、HFO技術に基づく次世代製品の研究開発と製造供給体制の整備に向け、9億ドルの投資プログラムを実施した。

大陽日酸 国際基準に対応した高純度ガスなど販売開始

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2018年9月27日

 大陽日酸はこのほど、100%子会社で特殊ガスの製造を行うジャパン・ファイン・プロダクツ(JFP)が、乗用車の排出ガスや燃費試験法に導入される国際基準に適合した高純度ガス・標準ガスを開発し、大陽日酸で販売を開始したと発表した。

 「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」(WLTP)で規定される排出ガス測定に使用する高純度ガス・標準ガスのうち、高純度窒素・高純度空気・高純度水素(ヘリウムベース)については、厳しい不純物保証が求められている。JFPはWLTP規格に適合した製品「GW」を開発した。

 今回販売を開始する新製品は①純窒素(GW)②純空気(GW)③He+H2 40%(GW)④純窒素(GW)または純空気(GW)をベースガスに使用した標準ガス(スパンガス)の4製品。なおGWは、WLTPのみならず重量車排出ガス試験の国際基準であるWHDCにも適合している。

 安全で環境性能の高い自動車を普及させるために、自動車の安全・環境基準を国際的に調和することや、各国での認証の相互承認を推進することを目的とする国連自動車基準調和世界フォーラム(WP28)では、2014年3月に開催された第162回会合で、WLTPを世界統一技術規則とすることを決定した。

 これを受け、日本国内では「乗用車の排出ガスおよび燃費試験法」にWLTPが導入される。今年10月以降に販売される新車から、WLTPに規定される測定方法の採用が開始され、2020年に全面的に移行することが決まっている。

帝人 新規メタ系アラミド繊維をアウトドア製品に

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2018年9月25日

 帝人はこのほど、高い難燃性と優れた染色性を持つ新規メタ系アラミド繊維「テイジンコーネックス・ネオ」を活用したアウトドアウェア用の独自素材をスノーピークと共同開発し、スノーピークが展開するアウトドアアパレル「TAKIBIシリーズ」の新たなラインアップに採用されたと発表した。

 今回同シリーズに新たに加わったのは「TAKIBI ダウンジャケット」で、今月21日から全国のスノーピーク直営店、オンラインショップなどにて販売を開始している。

 両社は2016年から連携を開始し、難燃性が高い帝人のメタ系アラミド繊維「テイジンコーネックス」を活用した同シリーズを展開。今回、アウトドアシーンに対応できる高い機能性と、街にフィットする質感や着心地を追求し、着想から二年の歳月をかけて同素材を活用した独自素材を生み出し、新たな同シリーズへの採用に至った。

 「テイジンコーネックス・ネオ」は、優れた染色性と、従来と同等レベルの高い難燃性を持ち、キャンプでの焚火をはじめとする火を扱う場面でも、安全かつ快適に着用することができる。

 スノーピークは「人と自然、人と人をつなぎ、人間性を回復する」ことを社会的使命とし、幅広い事業を展開。主力事業であるキャンプ用品の製造・販売に加え、2014年からは、都市生活でも自然の中でも心地よく過ごすことができるアパレル製品の展開にも力を入れている。

 一方、帝人は独自の高機能素材を活用したソリューションを様々な分野に向けて開発・提供しており、今回の同シリーズをはじめとする新たな用途に広く展開し、色や風合いなど多様な要望に応えるべく技術革新を進めている。

 両社は、今後も日々の生活を豊かにする製品を世の中に発信していく。