宇部興産 電動トグル式射出成形機、大型機の販売開始

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2021年1月20日

 宇部興産グループで機械事業の中核会社である宇部興産機械はこのほど、電動トグル式射出成形機「HH(ダブルH)」シリーズに、型締力1300tサイズの大型機を開発し販売を開始したと発表した。これまでは中型機のみだったが、1000t以上の大型機へ展開することで、同シリーズの優れた性能を幅広い顧客に提供することが可能となった。

 同シリーズは、宇部興産機械が昨年8月に吸収合併したU‐MHIプラテック(旧三菱重工プラスチックテクノロジー)と共同開発し、2018年に販売開始した融合機。型締力350tから850tまでの中型機六種類のラインアップだったが、その後さらに技術開発を重ね、宇部興産機械が最も得意とする大型機にも展開した。自動車、二輪、家電、産業資材、住宅設備など、国内外の幅広いニーズに応える商品群が揃ったことで、顧客の生産活動により一層貢献することが期待される。

 新製品の主な特長としては、①従来機より15%短縮した業界最速のドライサイクル、②業界最小となる12mの機長を実現、③可塑化性能を従来機より20%向上、などが挙げられる。また、オプションとして、④高付加価値・高機能化成形技術の「DIEPREST」、金型ガス抜き成形技術の「AIRPREST」を進化させより多くの製品に展開、⑤IoT対応のMAC‐IX制御装置を標準搭載し、独立二画面の抜群の操作性、カード・セキュリティ機能を向上、などの実現が挙げられる。

HHシリーズ 1,300t大型機
HHシリーズ 1,300t大型機

 

デンカ 「アビガン錠」原料供給プロジェクトムービーを公開

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2021年1月20日

 デンカはこのほど、新型コロナウイルス感染症治療薬として期待される抗ウイルス剤「アビガン錠」の原料であるマロン酸ジエチル供給プロジェクトのムービー「マロン酸ジエチル生産再開への軌跡」(約8分)を同社ウェブサイトに公開した。社員が一丸となり、政府の要請から約6週間で、3年間停止していた設備を再稼働し供給に至るまでのストーリーを、臨場感あふれる動画で伝えている。

 同社は「マロン酸ジエチル」の国内唯一のメーカーで、「アビガン錠」の備蓄量拡大に必要な原料を迅速に供給し、新型コロナウイルス感染症の流行に際し医療物資の増産に取り組み国民生活の安定に大きく貢献した企業として、昨年末に経済産業大臣より感謝状を授与された。

 同社は新型コロナウイルス対策を社会的責務と捉え、新型コロナウイルス抗原迅速診断キットも開発し、昨年8月の発売以降全国の医療機関に供給し、検査体制の拡充に貢献している。今後も様々な角度から研究開発を進め、医療現場のニーズに応えるために予防・検査体制の拡充を通じて人々のQOL向上に貢献し、「真に社会に必要とされる企業」を目指す考えだ。

 

三菱ガス化学 トリニダード・トバゴのメタノール設備稼働

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2021年1月20日

CGCL社のメタノールプラント

 三菱ガス化学、三菱商事、三菱重工エンジニアリングは19日、トリニダード・トバゴ共和国で、国営ガス会社NGCおよびMassy社と共同出資しているCGCL社でメタノール/ジメチルエーテルプラントの商業運転を昨年12月に開始したと発表した。CGCL社は2013年に設立。同国の天然ガスを主原料として、メタノール生産量が年産100万t、ジメチルエーテル同2万tの生産能力をもつプラントの建設を進めてきていた。なお、総投資額は約10億ドル(約1040億円)。

 メタノールは多くの川下製品をもつ基礎化学品の1つで、接着剤、農薬、塗料、合成樹脂、合成繊維の原料といった幅広い用途に使用されている。最近では重油に代わる船舶燃料など、環境に優しいエネルギーとしての用途への注目も高まっている。さらに、メタノールはCO2からも製造が可能。有望な水素キャリアでもあることから将来の低炭素社会、持続可能な社会発展に貢献することが期待されている。また、スプレー噴射剤など日用品用途に使用されるジメチルエーテルも、LPG代替、自動車および発電向けディーゼル燃料代替など次世代クリーンエネルギーとして注目されている。

 現在のメタノール世界需要は年間約8100万tだが、今後もGDPの伸びに沿って需要は堅調に成長していくことが見込まれる。3社は同事業を通じて、世界的に伸長するメタノール需要を満たすとともに、同国ならびに周辺カリブ海諸国の経済成長に貢献することを目指していく。

太陽石油 独立リーグ愛媛球団の地域貢献活動に協賛

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2021年1月19日

 太陽石油は、四国アイランドリーグ所属の愛媛マンダリンパイレーツによる地域貢献活動に協賛した。

 先月11日に、球団選手による小学校訪問活動「小学校投稿見守りたい」が実施された。これは、選手たちが年間50校を目標に愛媛県内の小学校を訪問し、「交通安全指導」や「声かけ挨拶運動」などの登校時の安全見守りを行うもので、一昨年から数年をかけて県内約280校のすべての小学校を訪問しようという活動。

 また、日ごろの登下校時の安全指導に役立ててもらうため、訪問したすべての小学校に対し、同社ブランドキャラクター「ソラトくん」と球団キャラクターの「マッピー」が描かれた横断旗と横断幕を進呈している。

 さらにこの日は、四国事業所の地元今治市内の保育所で、河原監督と2人の選手による「モアベースボールプロジェクト」活動を実施。この取り組みは、監督と選手が愛媛県内の幼稚園や保育園の園児たちに、ボールの投げ方やボールと触れ合うことの楽しさを教える活動で、ティーバッティングやキャッチボールのほか、的当て(ストラックアウト)が行われた。

 園児たちは、応援に駆けつけた「ソラトくん」とともに、青空の下、ボールやバットを使った楽しいひと時を過ごし、また、園児全員にオリジナルのカラーボールがプレゼントされた。

 同社は今後も、四国事業所が所在する地元愛媛県での社会貢献活動の一環として、次世代を担う子どもたちの豊かな心の育成のためにこうした活動をサポートしていく。

地元球団と地域貢献活動
地元球団と地域貢献活動

 

デンカ がん治療用ウイルスの製造販売承認を申請

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2021年1月19日

 デンカはこのほど、商用製剤生産技術の開発を進めてきたがん治療用ウイルス「G47Δ(デルタ)」が第13共により再生医療等製品製造販売承認申請されたと発表した。厚生労働省に製造販売が承認された後は、デンカが製造を行う予定だ。

 G47Δは、東京大学医科学研究所の藤堂具紀教授が開発した単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を遺伝子改変したがん治療用ウイルスで、全く新しいがん治療薬として期待される。膠芽腫(悪性脳腫瘍の一種)を対象とした第Ⅱ相臨床試験(医師主導治験)は、有効中止(臨床試験の途中で有効性が証明)という良好な成績で終了した。G47Δはウイルスそのものを製剤化するため、商用生産には大規模なウイルス製造方法や試験方法の確立が必要で、特別な技術と経験が必要だ。旧デンカ生研時代を含め、長年にわたりワクチンとウイルス検査試薬の開発・製造を行ってきた同社が、藤堂教授の委託を受けて製造技術開発を進めてきたもの。2016年には医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品として先駆け審査指定制度の指定を受け、申請後早期に再生医療等製品として承認されることが期待される。

 同社は、経営計画「Denka Value-Up」でヘルスケア領域を重点分野と位置づけ、インフルエンザワクチンや各種ウイルス抗原迅速診断キットなどの感染症領域に加え、がん領域でも様々な新規事業に取り組んでいる。G47Δをはじめ400以上のがん遺伝子に着目し、遺伝子変異を解析するパネル検査「CANCERPLEX」の国内事業化に向けた準備を進めている。今後も予防・診断・治療の各領域での製品の開発と製造を通じて、世界の人々のQOL向上に貢献していく考えだ。

大陽日酸 新型PSA式窒素ガス発生装置の販売を開始

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2021年1月19日

 大陽日酸はこのほど、新機能を搭載した新型のPSA(圧力変動吸着)式窒素ガス発生装置「RZシリーズ」の発売を開始した。

新型PSA式窒素ガス発生装置
新型PSA式窒素ガス発生装置

同シリーズは、0・7M㎩以下の原料空気でも効率よく窒素ガスを製造できる吸着剤MSC(モレキュラ・シービング・カーボン)を新たに採用。これにより圧力が低く利用が困難だった顧客の工場余剰エアを原料空気として使用することができ、省エネやコスト削減が可能となる。 

 また、新機能「ヒートドライブモード」を採用。湿度による酸素濃度異常での送ガス停止を避けるため、製品ガス中の酸素濃度の上昇を検知した際に、自動的に負荷を抑えて窒素ガスの供給を継続する機能で、窒素PSAの設置可能温度を従来の40℃から50℃に引き上げることが可能となり、高温となる設置場所や屋外での使用でも安定した稼働を実現した。加えて、従来機ではオプションとしていた、FE省エネシステムを標準搭載し、環境に配慮した商品となっている。2021年度の同シリーズの販売は10台を見込んでいる。

 同社は「The Gas Professionals」として、顧客に最適なガス供給設備を提案するとともに、遠隔サポートサービスなどガステクノロジーを通じて、様々な課題を解決し、未来豊かな社会の実現に貢献する。

出光興産 周南市の木質バイオマス材利活用推進協議会に参画

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2021年1月19日

 出光興産はこのほど、今月15日に山口県周南市が発足した「木質バイオマス材利活用推進協議会」に協議会委員として参画すると発表した。同市は豊富な森林資源とバイオマス発電設備を併せもつ。協議会ではその特性を生かし、エネルギーの地産地消と林業振興を目的に、実証実験を通じて国産の木質バイオマス材利活用を推進する。

 市有林の一部で、早生樹を活用した木質バイオマス材生産の実証などを通じ、参加する関係企業・機関などが協力し国産材の利用拡大を検討。早生樹による短期間・低コストのバイオマス生産に加え、森林と消費地の近接立地を生かした運搬費低減が期待でき、また、早生樹への転換により森林の循環利用と林業の振興にも寄与する。さらに、実証実験を踏まえ、早生樹による木質バイオマス材生産を市内他地域へ拡大することを目指すほか、国産の木質バイオマス利活用の方法についても協議していく。

 同社は、より低炭素なエネルギー供給を目指し、徳山事業所(同市)では旧製油所跡地を利用したバイオマス発電所の建設を進めている。周南コンビナートについても今後バイオマス発電所が新設されるほか、既存の発電設備や石炭ボイラーなど、県内にとどまらず国内のバイオマス材の需要も今後もますます高まる見通し。同社および徳山事業所は、今後も周南市とともに、再生可能エネルギーの活用とエネルギーの地産地消モデル確立を推進していく。

木質バイオマス生産 対象市有林の位置
木質バイオマス生産 対象市有林の位置
早生樹による木質バイオマス生産
早生樹による木質バイオマス生産

クレハ PPS増強設備、いわき事業所で竣工式を開催

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2021年1月19日

 クレハは18日、いわき事業所(福島県)でポリフェニレンサルファイド(PPS)増強設備の竣工式を開催したと発表した。来月から商業生産を開始する予定で、今回の増設分(年産5000t)と併せ合計1万5700tの能力をもつことになる。

いわき事業所 PPS設備増強
いわき事業所 PPS設備増強

 同社は、同事業所にPPS樹脂製造設備をもつが、フル稼働の状況が継続。顧客からのさらなる供給拡大の要請に対応するため、101億円を投資して能力増強を行い、昨年10月に完工していた。

 PPS樹脂は、軽量化や電装化のニーズが高まっている自動車部品用途を中心に、その優れた耐熱性や加工性が必要とされる産業分野で、今後も需要の拡大が見込まれている。

 同社は、今回の設備増強により、差別化された高品質のPPS樹脂を安定的かつ効率的に供給する体制を整え、PPS樹脂市場での地位を確固たるものとしていく考えだ。

東京大学 大面積有機半導体単結晶で高感度歪みセンサー

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2021年1月18日

 東京大学と産業技術総合研究所(産総研)、パイクリスタル社(ダイセル子会社)の共同研究グループはこのほど、印刷法で製造した大面積・高性能有機半導体単結晶ウエハー表面に非破壊で高選択的に二次元電子系を形成するドーピング手法を開発し、従来の金属製歪みセンサーの10倍程度の感度をもつ歪みセンサー開発に成功したと発表した。

 有機半導体は軽量性、柔軟性、印刷適合性などに優れ、シリコン半導体に代わる安価で大量生産可能な次世代電子材料として期待される。半導体の電子状態の制御には不純物ドーピングが不可欠だが、ユニークな形やサイズの有機半導体分子とドーパント分子が複合化すると単結晶性が乱れ、その高い電子性能は維持できない。

 今回、有機半導体単結晶薄膜をドーパント分子溶液に浸漬するだけで表面がドーパント分子と反応し、有機半導体の単結晶性を維持したまま表面に高密度の二次元電子系を形成させることに成功。有機半導体単結晶デバイスの抵抗を精密に制御でき、抵抗値を7桁以上下げられる。結晶性が保持されているため、単結晶性に特有の巨大歪み応答効果も現れ、外部応力に応じて抵抗値が変わるフレキシブル歪みセンサーが実証された。

 この技術により有機半導体を厚さ7㎛のフレキシブル基板上に印刷し、曲面に貼り付け可能な歪みセンサーを開発した。感度は0.005%程度と従来の金属製歪みセンサーの約10倍。繰り返し使用に耐えることも確認した。さらに、より高性能な有機半導体材料やドーパント材料の開発により、安価で大量生産可能な歪みセンサーデバイス、特にIoT社会に必要なRFIDタグやトリリオンセンサーユニバースへの貢献が期待される。

 パイクリスタル社は高い安定性と性能をもつ有機半導体単結晶の成膜技術を独自開発し、フィルム状でフレキシブルな有機半導体デバイスを開発してきた。今回の歪みセンサーと有機半導体デバイスの事業化に向けた量産体制の確立を進めており、有機半導体デバイスの開発・マーケティング活動を加速し、新たなソリューションを提案していく考えだ。

ランクセス 高転がり性・高耐荷重性エラストマーを開発

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2021年1月18日

 ランクセスはこのほど、動的特性と耐疲労性に優れたp-フェニレンジイソシアネート(pPDI)ベースの特殊熱硬化性エラストマープレポリマー「アディプレン(Adiprene)PP1095H」を開発したと発表した。ホイールトレッド(車輪の接地部分)やローラー用途向けの、極めて高い耐荷重性をもつエラストマーへの世界的な需要拡大に応えるもので、フォークリフトのホイール、高層ビルや産業用エレベーターのガイドローラー、農業機械や高性能ジェットコースターのローラーに使用される。

 「アディプレンPP1095H」はpPDI末端基をもつポリエスルベースのプレポリマーで、硬化剤「バイブラキュア(Vibracure)A250」を使用してショアA硬度95のエラストマーとなる。幅広い温度条件で優れた動的特性を維持し、変形による発熱はわずかで、連続使用による過熱は起こらず、他の素材と比べて高い性能を実現できる。転がり抵抗は低く、フォークリフト運転時のエネルギー節約などにもつながる。これらの特長により、ホイールやローラーは従来以上の高速運転と高い積載能力を実現し、車両、輸送システム、エレベーターのさらなる高速・効率的運転が可能となる。

 また、同社独自の数理モデルを使い、エラストマーの特長を顧客の設計仕様に沿って最大限に生かし、さらにホイールトレッドやローラーの性能の厳密な予測も可能だとしている。動的機械分析で材料の減衰特性(Tan δ)などのパラメーターを測定し、ホイール形状やデューティサイクル、動作温度などの顧客の仕様を考慮し、ヒステリシス破損する荷重と運転速度を計算し、疲労破壊や接着破壊など他の負荷による破損を予測する。このモデルは多くの異なる業種で、高い予測精度を示し、ホイールトレッドやローラーの最適化を行ってきた。また、他のキャストウレタン製品へも適用可能だ。「アディプレンPP1095H」は、機械的な負荷が大きく高速で動作する高性能ホイールとローラー用途向けに提供を開始する。