中外製薬 「世界希少・難治性患者の日」協賛、QOLを向上

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2021年2月22日

 中外製薬はこのほど、「世界希少・難治性疾患の日」(RDD)が目指す、より良い診断や治療による希少・難治性疾患の患者のQOL向上という趣旨に賛同し、「RDD Japan 2021」に協賛した。

 RDDは、毎年2月最終日に世界同時で開催される疾患啓発イベント。希少疾患は治療法が確立していないものも多く、病態や患者の抱える悩みに対しても、社会の十分な理解や支援が得られにくい現状がある。RDDは2008年にスウェーデンで始まり、昨年には103カ国でイベントを開催。日本では2010年に活動が開始され、昨年も50を超える公認開催を予定していたが、コロナ禍により26地域の開催に留まった。

 今年は、「あなたのしりたいレア わたしももっとしりたい」をテーマに掲げ、日本全国で過去最大となる48カ所での各種啓発イベントを開催。「RDD Japan 2021」を通じて、希少・難治性疾患の認知度の向上が期待される。

 一方、同社は、希少疾患領域での患者中心・社会課題解決支援活動プロジェクト「SPOTLIGHT」を2019年から展開。患者中心・社会課題解決に向けた活動を社内外のステークホルダーと共有することで、患者の届かぬ声に光を当て、希少疾患を取り巻く社会課題の解決の一助となることを目指している。

 この活動の1つが、神経筋疾患に関する報道関係者向けセミナー。また昨年には、世界血友病デーにあわせた子ども向けダンス動画を公開したほか、従業員を対象に認定遺伝カウンセラーを招いた遺伝カウンセリングの勉強会などを開催している。

 

JFEエンジニアリング 使用済み紙おむつの燃料化実証設備が竣工

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2021年2月19日

 JFEエンジニアリングはこのほど、新潟県十日町市より使用済み紙おむつをリサイクルし燃料化する実証設備を受注し竣工したと発表した。

 使用済み紙おむつは一般廃棄物重量の約4%を占め、高齢化の進展とともに2030年には6%以上になると見込まれている。現状は主に焼却処理されているが、燃料化などのリサイクルで可燃ごみの排出量を削減し、焼却施設の規模最適化や処理費用の最小化、焼却灰の埋め立て量やCO2排出量の削減が期待される。

 今回の事業スキームは、十日町市内の高齢者施設から排出される使用済み紙おむつを、破砕・発酵・乾燥処理により燃料ペレットに加工し、排出元の高齢者施設の給湯ボイラー燃料として利用するもの。燃料化装置の熱源はすべて同市エコクリーンセンターのごみ焼却処理で発生する余熱を利用する。紙おむつの最大処理能力は600kg/日で、給湯ボイラーの熱量は7万キロカロリー/時だ。使用済み紙おむつは「廃棄物」からボイラーの「燃料」に生まれ変わり、同市のエネルギーの地産地消に貢献する。

 同社は、紙おむつ燃料化装置を企画・販売するスーパー・フェイズ(鳥取県西伯郡伯耆町)とチヨダマシナリー(埼玉県北葛飾郡杉戸町)と共に十日町市と研究を進め、エコクリーンセンター内に設置する燃料化装置と、高齢者施設内に設置する給湯ボイラーまでのシステム全体のエンジニアリングと工事を行った。昨年環境省が発表した「使用済紙おむつの再生利用等に関するガイドライン」の再生利用方式の1つに該当し、リサイクルに必要なエネルギーに清掃工場の余熱を利用するのは全国初だ。

 今後も3社でこの方式を拡販していく。JFEエンジニアリングは廃棄物発電やリサイクル分野のリーディングカンパニーとして、環境負荷の低減とSDGsの達成に貢献していく。

出光興産 神戸でローカルVPP実証、再生エネの導入を支援

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2021年2月19日

 出光興産はこのほど、神戸市水道局、横河ソリューションサービスと、神戸市内での地域協調型のバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業を開始した。

 先月18日から行っている同実証事業は、神戸市内の水道施設にあるポンプ(電力を消費する設備)と出光興産が同市に設置する蓄電池(蓄電設備)を、高度なエネルギーマネジメント技術とデジタル技術により遠隔・統合制御することで、あたかも1つの発電所のように機能させる仕組みの構築を目指したもの。

 3者の役割として、神戸市水道局は、水の安定供給を維持しながら、リソースアグリゲーターである横河ソリューションサービスから提示された電力供給量や抑制量などのガイダンス情報に基づいて各ポンプの起動・停止に関する制御を実施、地域の電力需給バランス調整に必要な調整力を創出する。

 出光興産は神戸市内に設置した大型蓄電池をエネルギーリソースとして提供し、水道局のポンプ群と連携した充放電制御の効果を検証する。

 横河ソリューションサービスは、同市水道局にガイダンス情報を提示することに加え、提示された情報に基づいたポンプ制御による電力値の変化から、目標に対する過不足分を予測演算し、蓄電池を充放電制御して微調整することで質の高い調整力を創出する。

 なお、同事業は経済産業省の令和2年度「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業費補助金」を受けて、関西電力がアグリゲーションコーディネーターとして実施される「関西VPPプロジェクト」の一環で行う。

神戸市VPP実証事業 イメージ図
神戸市VPP実証事業 イメージ図

日本ゼオン 結晶性COPを上市、新たな領域への展開図る

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2021年2月19日

 日本ゼオンは17日、結晶性(立体規則性)を付与した新たなタイプのシクロオレフィンポリマー(COP)「ZEONEX C2420」を上市し生産を開始したと発表した。これまでのCOPにない優れた機能を有するため、新しいアイテムへの応用展開が期待される。

結晶性COP「ZEONEX C2420」 ミリ波レーダーアンテナ基板への応用例
結晶性COP「ZEONEX C2420」 ミリ波レーダーアンテナ基板への応用例

 COPは一般的に非晶性の構造を持ち、主にカメラレンズやディスプレイ用フィルムなどの光学用途、シリンジやマイクロ流路チップなどの医療バイオ用途の材料として使用されている。今回上市した新製品は、結晶性を付与したことにより、従来のCOPが持つ低吸水性、低誘電率・低誘電正接を維持しながら、これまでにない耐熱性、耐薬品性、耐屈曲性を持つ。

 具体的にみると、耐熱性では、従来品はガラス転移温度163℃程度が上限だったが、新製品は結晶性を付与したことで融点が265℃と大幅に向上。また耐薬品性では、従来品では劣っていた炭化水素系溶剤への耐性を有している。さらに耐屈曲性についても、従来品は屈曲試験2万5000回で割れが生じるのに対し、新製品は20万回以上にも耐えるなど非常に優れている。

 新製品の持つこうした新たな特性は、フィルム回路基板やフィルムコンデンサなどエレクトロニクス用途を中心とする新たな領域への展開を可能にする。ゼオングループはこれからも革新的な独自技術により、COPの可能性をさらに追求していく考えだ。

三井化学 バイオマス化で接着樹脂の環境対応製品を開発

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2021年2月19日

 三井化学は18日、同社が世界に先駆けて開発し、多層構造のボトルやチューブ、フィルム・シートなどに使用される接着性ポリオレフィン樹脂「アドマー」に、環境対応ラインアップ「アドマーEF」シリーズを追加したと発表した。同日にオンラインによる説明会を開催。

「アドマーEF」 (バイオマスアドマー)を使用した多層ボトル
「アドマーEF」 (バイオマスアドマー)を使用した多層ボトル

 モビリティ事業本部・機能性コンパウンド事業部アドマーグループの伊左治康博グループリーダー(GL)は、「昨今の社会や顧客からの高い環境ニーズに対応するため、

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中外製薬 生産機能のDXを展開、デジタルプラントを実現

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2021年2月18日

 中外製薬はこのほど、日本IBMと協働で、生産機能のデジタルトランスフォーメーション(DX)を展開すると発表した。

 中外製薬は、「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」の基本戦略の1つにすべてのバリューチェーンの効率化を掲げ、その一環としてデジタルプラントの実現を目指している。今回、日本IBMと協働し、人に着目した生産機能のDXを展開することで、自社創薬の加速と環境変化への対応を果たし、生産性向上、信頼性向上、働き方変革を実現する。

 中外製薬の目指すデジタルプラントでは、「デジタルで生産業務を変革し、生産性を高めて人財を高付加価値化する」をコンセプトに、①計画、②直接業務、③間接業務のいずれにおいても、人とオペレーションのデータ連携・最適化を図る。第一段階として、浮間工場のDXをモデルケースとして先行実施。2022年半ばまでを目途に新しいオペレーションを支えるデジタル基盤を構築し、各施策と他拠点への展開にむけた検証を行う。

 昨年から構想・要件定義について着手しており、今年から各施策を展開する予定。DXの実績が豊富な日本IBMとの連携により、各作業段階に応じ、使いやすいシステム群で人と業務の改革を目指す。

 全体のイメージとして、製造系、品質系、要員系などの各種データソースからの情報を共通のデータ基盤に集約。現場に適した情報端末からアクセスできる業務システムと連携させることで、効率的な生産・要員計画および進捗管理、GMP文書検索、現場のリモート支援など、一連の生産業務を通じた業務改革に活用する。

帝人 「GF-SMC」成形設備、チェコ拠点に新設

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2021年2月18日

 帝人は17日、同社グループで複合材料製品の生産・販売・技術開発を手がけるチェコのベネット・オートモーティブ社が、ミロヴィツェ工場に、生産性、外観性、寸法・品質安定性に優れる「GF-SMC(ガラス繊維シート・モールディング・コンパウンド)」の成形設備を新設すると発表した。投資金額は約1000万ユーロ(約10億円)で、2022年秋の稼働を予定している。

 帝人は米国CSP社を買収したのをはじめ、ポルトガルのイナパル社、ベネット・オートモーティブ社を買収。自動車向け複合成形材料事業の拠点を構築し、グローバルティア1サプライヤーとして、自動車メーカーからの要求特性に対応すべく、環境負荷低減に向けた取り組みを進めてきた。

 その間、CSP社のフランスの研究開発拠点にGF-SMC基材工場、イナパル社にはCF‐RTM(炭素繊維レジン・トランスファー・モールディング)の成形設備を新設するなど機能の充実を推進。また、ドイツにはテイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパを設立し、次世代自動車に向けたマルチマテリアルでのソリューション提案力の強化を図っている。

 こうした中、ベネット・オートモーティブ社は、ドイツなどの有力自動車メーカーが生産拠点を構える中東欧の中心部に位置するチェコに主要拠点を構え、炭素繊維複合材料(CFRP)の成形技術や自動車部品の塗装や組み立ての設備などにより、ティア1として自動車メーカーに部品を供給。今回のGF-SMC成形設備の新設は、欧州における自動車向け複合成形材料事業の拡大を図り、軽量性や強度をはじめ、デザイン、生産性、コスト効率向上といった顧客ニーズへの対応力強化を目指すもので、すでに欧米の自動車メーカーから新たな受注を獲得している。

 帝人グループは、マルチマテリアルでのティア1サプライヤーとして、使用材料の拡充から部品設計にまで踏み込んだソリューション提案力の強化や、グローバルでの安定供給体制の確立を進めていく。そして、2030年近傍には、自動車向け複合材料製品事業の売上を20億ドル規模へと拡大していく考えだ。

 

エレファンテック 名古屋でFPC大規模量産拠点が稼働

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2021年2月18日

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックは17日、片面フレキシブル基板(FPC)「P-Flex」の大規模量産実証拠点「AMC名古屋」が稼働を開始したと発表した。

AMC名古屋の外観
AMC名古屋の外観

 一昨年の10月に総額18億円の資金調達を実施し、昨年7月より賃借している三井化学名古屋工場内に同拠点を立ち上げていたが、先月から試作品の製造・出荷を開始、順次設備の調整を進めて4月から量産製品の製造・出荷を始める。生産能力は月産5000㎡、その後設備を増設し2024年には月産2万㎡へと拡張する計画だ。

清水信哉社長。オンライン記者会見で
清水信哉社長。オンライン記者会見で

 同日にオンラインによる記者会見を開催し、清水信哉社長は「AMC名古屋」の大きな役割として、①世界の標準となるマザー工場②インクジェットイノベーションの拠点③スタートアップと大企業の新しい形での共創実証拠点、の3つを挙げた。その背景には、30億円規模の製造能力をもつ「AMC名古屋」をマザー工場として、量産・製造技術を実証していき、そこで積み上げた実績を土台に同社の装置を世界に向けて販売・ライセンスしていくというチャレンジがある。清水社長は、「2030年までに

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BASFとDMMアグリ 農作物鳥獣被害対策で販売協力

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2021年2月17日

 BASFジャパンとDMM Agri Innovationはこのほど、農作物を鳥や動物の被害から守るためにDMMアグリの「電気柵」とBASFの非選択型除草剤「バスタ液剤」の販売協力を開始した。

 電気柵周りの雑草の成長を防ぐことで電気柵の効果が最大化し、作物を鳥獣被害から効果的に保護することができる。また、電気柵のメンテナンスが容易になり、耐久年数も延ばせ、結果的に管理コストの削減につながる。中山間地での鳥獣被害は深刻で、作物被害額は年間約158億円に上り、耕作放棄地の増加や生産者の農業意欲の低下を引き起こしている。

 両社は、JA全農の協力の下で電気柵周辺の雑草防除に取り組んでおり、千葉県や茨城県で導入実績を増やし鳥獣被害から作物を保護している。今後、より多くの生産者に最適な鳥獣被害対策を提供するとともに、生産者が抱える課題を解決し農業に貢献していく考えだ。

 

積水化成品工業 生分解性やバイオマス樹脂、ラインアップ拡充

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2021年2月17日

 積水化成品工業は、現中期経営計画において、「持続可能な社会への貢献」を経営の重点課題に掲げ、SDGsに象徴される世界規模での環境課題にアプローチするため、「バイオセルラー」ブランドのラインアップ拡充を進めている。

 同社の「バイオセルラー」は、生分解性またはバイオマス由来のプラスチックスを活用した環境貢献製品群の総称で、既に複数の製品を上市。中でも熱可塑性エラストマービーズ発泡体「エラスティル」ではランニングシューズのミッドソールとして「エラスティル BIO」が、高耐熱軽量発泡体「ST-Eleveat」では自動車部材に「ST-Eleveat BIO」が採用されている。

 さらに「バイオセルラー」の拡充に向けた取り組みの一環として、昨年12月には海洋生分解性バイオプラスチック(MBBP)の開発・普及に産学官連携で取り組む「MBBP開発プラットフォーム」にも参画している。

 同社は今後も、さまざまな企業・組織と共にモノづくりを進めることで、新たな価値創造を目指し、既存製品の進化や新素材の実用化につなげて、事業活動を通じた持続可能な社会の実現を目指していく。