生命科学インスティテュート 脳梗塞に有効な再生医療

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2021年5月20日

 三菱ケミカルホールディングスグループの生命科学インスティテュート(東京都千代田区)はこのほど、脳梗塞患者対象のMuse細胞製品「CL2020」の臨床試験結果の概要について記者会見を行った。

 急性期治療後も身体機能障害が残る脳梗塞発症後14~28日以内の患者を対象に、「CL2020」を静脈内に点滴単回投与した際の安全性と有効性に関するプラセボ対照二重盲検比較試験を、2018年から東北大学脳神経外科で実施した。

 機能障害に対しては、

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ENEOS バッテリー循環社会の実現に向け協業開始

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2021年5月20日

 ENEOSホールディングスは19日、MIRAI-LABO(東京都八王子市)と連携し、バッテリー循環社会実現に向けた協業を開始すると発表した。両社は、バッテリーのユース(リースやシェアなど)、リユース、リサイクルが循環する仕組み「BaaS(Battery as a Service)プラットフォーム」を構築し、これまで一次利用にとどまっていたバッテリーの3段階での利用を検討していく。

両社が目指す「BaaSプラットフォーム」構想のイメージ
両社が目指す「BaaSプラットフォーム」構想のイメージ

 一次利用では、シェアサイクル・小型EVシェアをはじめとした電動モビリティサービスに利用する。二次利用では、使用後の中古バッテリーを集積し劣化評価を実施後、残存性能に応じた組み合わせにより定置型バッテリーシステムとして再利用し、ENEOSのサービスステーション(SS)や電動モビリティステーション、商業施設や住宅などの様々な場所への設置と利用を検討する。

 三次利用では、二次利用によりさらに容量が低下したバッテリーを自律型街路灯など低容量でも活用可能な用途で再利用していく。さらに、三次利用を経て、寿命を迎えた中古バッテリーは、リサイクルにより資源化し新品バッテリーの材料として再利用。将来的には、この一連の循環サイクルをクラウドシステムにより適正に一元管理することで、バッテリー利用の最適化と最大化を図る。

「BaaSプラットフォーム」構想により提供されるサービスイメージ
「BaaSプラットフォーム」構想により提供されるサービスイメージ

 また、定置型バッテリーシステム(二次利用)をVPP(仮想発電所)に活用することも今後検討していく。同プラットフォーム実現に向け、現在実証を行っているモビリティサービスに加え、電動バイクの活用も含めたバッテリーサービスの実証を、2022年度をめどに段階的に展開する予定だ。

 ENEOSグループは、分散型電源の活用を中心とした次世代エネルギー供給・地域サービスのネットワーク構築を目指している。その一環として、オープンイノベーションによる革新的事業の創出に向けて、シェアサイクル・小型EVシェアをはじめとした電動モビリティサービスの展開を見据えた実証を行っている。

 一方、MIRAI-LABOは同社がもつMBMS(複合バッテリー制御システム技術)を駆使し、環境に配慮したサスティナブルな自律型MaaS社会の構築を促進してきた。今回の協業では両社のノウハウや知見を生かし、使用済みバッテリーを評価・再活用することで、循環型社会の実現に貢献する新しい効率的なエネルギー供給の仕組みを構築していく。

 

JFEエンジニアリング ボイラ発電向けDX関連サービス提供開始

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2021年5月19日

 JFEエンジニアリングはこのほど、バイオマス発電所などのボイラ発電プラント用に開発したビッグデータ活用技術パッケージ「RODAS」の提供を開始したと発表した。AIやクラウドを駆使した総合的なDX(デジタルトランスフォーメーション)関連サービスの提供は、プラント業界において世界的な先駆けとなる。

 「RODAS」は、社内向けに開発した、ビッグデータ収集・可視化・分析・機械学習を一気通貫で行うプラットフォーム「Pla’cello」の機能を活用し、プラント運転に関する膨大な時系列データを扱う事業者向けにカスタマイズしパッケージ化したもの。

 同社横浜本社内のグローバルリモートセンターに接続している顧客のプラント運転データを、目的に応じてデータ選定・最適なグラフ描画など、編集までの一連の操作を直感的に行うことができ、ITや統計学の専門知識をもたなくても容易に使用できる。また、プラント技術者によるデータ解析作業時間が、最大90%削減できた。

 「RODAS」は、ビッグデータをAIで活用する異常予兆検知機能や最適制御技術にも対応。プラントのトラブル防止と効率運用により、ベテラン技術者が不足する中でも安定操業を維持し、収益向上にも役立つ。今後も「Pla’cello」をベースに、より高度なプラント操業技術を追求し、プラント業界のDX促進と再生可能エネルギー利用の拡大に貢献していく考えだ。

タカラバイオ 迅速・簡便な新型コロナ株変異検出用試薬を販売

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2021年5月19日

 タカラバイオはこのほど、新型コロナウイルス変異株の変異検出用リアルタイムPCR試薬(研究用試薬)の販売を開始した。検体からウイルスRNAを精製する工程が不要で、迅速・簡便に1時間以内で検出が可能だ。

 新型コロナウイルスの変異株による感染が増加しているが、スパイクタンパク質のN501YとE484Kの2カ所の変異を検出する迅速・簡便なリアルタイムPCR試薬。コアキット(PCR酵素ミックスと前処理試薬のセット)と、N501YとE484Kの変異をそれぞれ特異的に検出できるプライマー/プローブから成り、これらを組み合わせて変異検出に使用できる。

 コアキットには現在販売中の研究用試薬「SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit」と同じダイレクトPCR技術が使われており、一般的な検査キットのようにRNAを精製する必要がない。唾液などの検体に前処理試薬を添加して加熱するだけでPCRを開始でき、検査時間は1時間以内で、大幅に時間短縮できる。また、同社のqPCR装置や市販のqPCR装置への適合性も確認している。なお、製品化は群馬パース大学大学院木村博一教授の監修によるもの。

 同社はすでに、新型コロナウイルス変異株解析のための次世代シーケンサーによるゲノム配列解析サービスを行っているが、特定の変異株の検出を簡便に行う方法を提供することで、PCR技術、遺伝子工学技術を通して新型コロナウイルス感染症対策に貢献していく考えだ。

 

日本触媒 有機ELの省電力化などに貢献、電子注入材を開発

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2021年5月19日

 日本触媒はこのほど、NHKと共同で有機ELの低消費電力化・長寿命化・低コスト化に寄与できる新しい電子注入材料を開発したと発表した。これまで有機ELでは、電極金属から有機材料への電子の供給をスムーズに行うことを目的にアルカリ金属化合物を用いてきたが、これらは有機材料との反応性が高いため有機EL素子の劣化の要因とされてきた。

 これらの課題に対し両社は、電極金属と有機材料との間に大きな分極を生じさせることで、有機ELの劣化要因となるアルカリ金属化合物を用いることなく効率的に電子を注入できる技術開発を推進。今回、この分極型電子注入技術の開発で得られた知見を活用して、より効率的に電子注入を行える電子注入材料を開発した。

 この新しい材料は、フッ化リチウムやリチウム―キノリノール錯体のようなアルカリ金属からなる一般的な電子注入材料に対して同等以上の特性を示し、有機ELの低消費電力化とそれによる長寿命化への寄与が期待される。さらに同開発品を用いることで、これまで困難とされていた陰極から発光層への直接電子注入を容易にできることも見出だした。

 一般に有機ELでは、陰極から供給された電子を発光層に届けるために電子輸送材料が必要とされてきたが、これが不要になることで有機EL構造の簡素化が可能となり、有機ELを構成する材料の削減や成膜プロセス短縮による低コスト化が期待できる。

通常の有機ELの構成
開発品を用いた有機EL構成例

NEDOなど 経皮ガス計測評価が可能な清浄環境を構築

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2021年5月18日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東京医科歯科大学、NMEMS技術研究機構はこのほど、「極低濃度ガス発生装置」と「クリーンブース」を組み合わせることで経皮ガス計測デバイスを評価できる清浄環境を同大学に構築したと発表した。

 生体から放出されるガス(生体ガス)中の揮発性成分には代謝・疾病との関係が明らかな成分も多く、特に皮膚ガスには血液由来のガス成分(経皮ガス成分)が極微量含まれている。それを高感度に計測することで血中成分濃度を、体を傷つけずに評価でき、疾病や代謝を簡便に評価できる。しかし、生体ガス中の揮発性成分を超高感度で連続センシングできる装置はない。

 そこで3者は、薄膜構造体で蛍光信号を増幅し、酵素を認識素子とする成分選択性に優れたバイオセンサーを用いた「薄膜ナノ増強蛍光による経皮ガス成分の超高感度バイオ計測端末」の開発に取り組んできた。

 今回、「経皮ガス計測デバイス評価用の清浄環境」と「極低濃度ガス発生装置」を開発した。極めて清浄な気相環境中で、高精度標準ガス(アセトン体積濃度60ppt、精度±5%)を使って計測デバイスの感度、応答性、選択性などを評価。さらにキャリアガスには高純度高圧ボンベガスを、配管にはガス成分の吸着を抑えた電解研磨品を使用し、化学物質の混入や大気中の成分による汚染を大幅に低減する設計だ。これらにより、経皮ガス中の微量化学成分を高精度・高効率で計測し、代謝・疾病に関わる体内の揮発性成分を、体を傷つけずに情報化することができる。

 今後、近未来の健康長寿を支えるバイオIoT社会の実現に向け、「気相バイオセンシング」「薄膜ナノ増強蛍光」「MEMS集積化」技術を融合した通信機能をもつ「超高感度ガス計測デバイス」を搭載した「小型ウエアラブル計測端末」を開発し、実証実験で有効性を確認するとともに、ウエアラブル・バイオセンシングの具現化を進めていく考えだ。

 

三井化学 銅合金フィルムがSIAA抗ウイルス材料認定

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2021年5月18日

 三井化学はこのほど、銅合金蒸着技術を活用した抗ウイルスフィルム「カッパーストッパー」(開発品)が、SIAA(抗菌製品技術協議会)認定試験機関の評価試験で、多様なウイルスに効果を発現することを確認し、併せて、SIAAの抗ウイルス材料認定を取得したと発表した。

「カッパーストッパー」フィルムの外観
「カッパーストッパー」フィルムの外観

 「カッパーストッパー」は、ポリプロピレンフィルムの片面に同社が独自開発した銅合金蒸着技術を施したコーティング材料。銅がもつ抗菌・抗ウイルス性を維持したまま、錆びやすく変色しやすい欠点を合金化することで解決したほか、フィルム化により、幅広い工業製品への応用を可能にした。

SIAAの抗ウイルス材料認定を取得
SIAAの抗ウイルス材料認定を取得

 三井化学は今回の評価試験の結果を受け、コロナ禍で拡大する抗ウイルスマーケットへの本格的な市場開発を開始。「カッパーストッパー」フィルムの用途拡大を推進することで、人々の生活の質(QOL)の向上に貢献していく考えだ。安定的に抗ウイルス性を必要とし、繰り返し使用する用途に適していることから、医療・介護・福祉・住宅・オフィス・学校・飲食店・工場などでの使用を想定している。

トクヤマ 次世代のカセイソーダ専用船、人手不足を解消

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2021年5月18日

 トクヤマはこのほど、液体カセイソーダ専用船として次世代スマートアシストシップ199型内航小型ケミカルタンカー「りゅうと」を6月に就航し、運航者の邑本興産、船主の冨士汽船、造船会社の本瓦造船と共同で、内航海運の中でも特に小型船が抱える船員不足や高齢化問題などの改善に取り組むと発表した。

次世代スマートアシストシップ「りゅうと」
次世代スマートアシストシップ「りゅうと」

 トクヤマは、2019年に「ホワイト物流」推進運動・自主行動宣言を提出。輸送の生産性の向上・物流の効率化や、働きやすい労働環境の実現に取り組み、物流事業者との連携を通じて、持続可能な物流の実現を目指している。今回の次世代スマートアシストシップの建造については、トクヤマの方針と合致する取り組みであり、計画段階より関係者と協議を重ね、内航海運業界における課題を共有するとともに、内航小型ケミカルタンカーとしては国内初の取り組みについて理解を深めてきた。

 同船に導入した最新技術「集中荷役遠隔システム」・「遠隔監視システム」・「離着桟支援システム」は、乗組員の作業を軽減することを目的に、特に高度な技術・熟練の技が求められる機関室の監視や離着桟作業へ支援を行うことで省力化を実現。深刻な人手不足の解消に繋がることを最大の効果として期待している。

 「りゅうと」の就航後は、実際の航海や離着桟や荷役作業での安全性や有効性の検証を継続して行い、最新技術の有効性を実証していく。

 同船の導入は、当社の事業運営に不可欠な海上輸送、特に内航小型船での安定的・継続的な輸送の実現につながる取り組みと位置づけられる。トクヤマは、これからも運航者、船主をはじめとする関係者との協力体制を築き、顧客の満足度向上に向けて努力していく。

東ソーなど 低濃度CO2からの尿素誘導体合成法を開発

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2021年5月18日

 東ソーと産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、火力発電所排気ガス相当の低濃度CO2から、樹脂や溶媒、医薬品の原料として有用な化学品である尿素誘導体を合成する触媒反応を開発したと発表した。

 両者は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト「NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ2050/排気ガス由来低濃度CO2の有用化製品への直接変換」にて、低濃度CO2をポリウレタン原料などの有用化学品に直接変換する合成プロセスを研究開発しており、今回の技術の開発に至った。

 この技術は、日本で主流の石炭火力発電所排気ガスに相当する低濃度CO2(体積比率15%)とアミンから簡便に得られるカルバミン酸アンモニウム塩にチタン触媒を作用させて、有用化学品であるエチレンウレアなどのさまざまな尿素誘導体を効率的に合成できる。また、これまで直接利用が難しかった火力発電所排気ガス中の低濃度CO2を、濃縮・圧縮・精製といったコストやエネルギーが必要な工程を経ずに有用化学品に効率よく変換できるため、地球温暖化の原因とされるCO2の排出量削減への貢献が期待される。

 両社は今後、今回開発した反応について実際の火力発電所排気ガスを用いた検証を行った後、工業スケールでの尿素誘導体合成反応の実用化を目指す。なお、今回の成果の詳細は、英学術誌「Communications Chemistry」に掲載された。

今回開発した低濃度CO2からの尿素誘導体合成技術の概要
今回開発した低濃度CO2からの尿素誘導体合成技術の概要

信越化学工業 パーソナルケア用揮発性シリコーンオイルを開発

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2021年5月18日

 信越化学工業は17日、新しいタイプの揮発性シリコーンオイル「KF-4422」を開発したと発表した。

新規揮発性シリコーンオイル「KF-4422」
新規揮発性シリコーンオイル「KF-4422」

 揮発性シリコーンオイルは、スキンケアやメイクアップ、日焼け止めなどの各種パーソナルケア用品に使用されている。同製品は、各種パーソナルケア用品の使用感を改善するとともに、シリコーン系皮膜形成剤との併用によって高い耐水性を付与することも可能。

 新製品「KF-4422」は、ジメチルシリコーンオイル(化粧品表示名称:ジメチコン)の分子構造のメチル基の一部をエチル基に置換した高純度の揮発性シリコーンオイル。揮発性があるため、シリコーン特有の軽くさらっとした使用感が得られ、揮発速度は、従来品の「KF-995」と「KF-96L-2CS」の間に位置する。また、従来品と比較して、炭化水素油や紫外線吸収剤などとの相溶性に優れているのが特長。パーソナルケア用品の開発には、使用感を改善する際に微妙な感触の違いが求められており、同製品は顧客の要望に応えることが期待される。

 シリコーンは、オイルやエマルジョン、ゲル、パウダーなどの各種製品があり、しかも多機能で安全性が高いことから、各種パーソナルケア用品の高機能化、高品質化に不可欠な化粧品原料になっている。

 同社は、優れた品質と技術力、そしてきめ細かな対応で、今後も多様化する市場のニーズに応えていく。