キリン 免疫機能性表示「プラズマ乳酸菌」商品を発売

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2020年9月23日

 キリンホールディングスはこのほど、独自素材「乳酸菌L.ラクティス プラズマ(プラズマ乳酸菌)」を使用したキリングループの5商品が、機能性表示食品制度の「健康な人の免疫機能維持」に関する表示で、免疫機能として初めて消費者庁に届出受理・公表されたと発表した。

 「プラズマ乳酸菌」は主にチーズやヨーグルトの発酵に使われる乳酸菌「ラクトコッカス・ラクティス」の一種で、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し健康な人の免疫機能の維持に役立つことが、世界で初めて報告された。 同社と小岩井乳業、協和発酵バイオが共同で研究を進め、国内外の大学・研究機関の協力の下、多数の論文や学会発表がある。

 キリングループは長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」に基づき「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV(共有価値の創造)先進企業となる」ことを目指している。既存事業の「食領域(酒類・飲料事業)」「医領域(医薬事業)」に加え、長年培った「発酵・バイオ」技術をベースに人々の健康に貢献する「ヘルスサイエンス領域(ヘルスサイエンス事業)」を立ち上げ育成を進めている。その1つが「プラズマ乳酸菌」使用商品で、グループ横断で展開し健康維持に貢献してきた。

 今回の届出表示受理は「プラズマ乳酸菌」の信頼性獲得につながり、商品選択時の安心感の提供に期待する。今後も「プラズマ乳酸菌」を活用した事業を国内外で加速・拡大し、大きな社会課題の1つ「人々の健康維持」への貢献を目指す考えだ。

ユーグレナ バイオ燃料宣言、3市23社1団体が賛同

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2020年9月23日

 ユーグレナはこのほど、日本をバイオ燃料先進国にすることを目指す「GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)」宣言に、新たに2市15社が賛同したと発表した。

 次世代バイオディーゼル燃料の利用などを通して、気候変動対策の継続を目指す企業、自治体、団体数は27まで拡大。同社は2010年にバイオ燃料の研究開発を開始、国産の藻類由来のバイオ燃料製造を目標に、15年から横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、ANAホールディングスとともに「国産バイオ燃料計画」に取り組んでいる。

 18年のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントの完成を機に、ひろしま自動車産学官連携推進会議を加えた1市4社1団体をサポーターとして「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す「GREEN OIL JAPAN」宣言を発表した。

 その後「ユーグレナバイオディーゼル燃料」の導入・普及に協力する企業などが同宣言の賛同に加わり、同燃料を使用する14社1団体、使用済み食用油の回収や精製、バイオ燃料の原料提供などの9社、製造・利用技術の開発や支援の6社、取り組みを支援する3市1団体となった(延べ数)。

 今後も賛同企業・団体などとグリーンリカバリ―(緑の回復)に寄与し、気候変動への具体的対策を遅らせないよう、バイオ燃料を通したサステナブル社会の実現に、官民一体で取り組んでいく考えだ。

 バイオ燃料の原料となる使用済み食用油の回収への協力や、バイオ燃料製造実証プラントで製造する次世代バイオディーゼル燃料「ユーグレナバイオディーゼル燃料」の普及を進め、人々の生活を取り巻く「車」や「発電機」などへの利用拡大を目指す。

大王製紙 EVレース車の車体外装全体にCNFを実装

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2020年9月23日

 大王製紙はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)の事業化に向けた取り組みとしてモータースポーツチーム・SAMURAI SPEED(東京都港区)にCNFを使ったシート成形体「ELLEX‐M」を提供し、車体外装全体へ実装されたと発表した。

ELLEX-M
ELLEX-M

 「ELLEX-M」はCNFとパルプ繊維を複合化したCNF高配合のシート状成形体で、軽量で強度は汎用プラスチック材料を大きく上回り、熱特性にも優れる。

 SAMURAI SPEEDは、米国開催のレース「パイクスピークインターナショナルヒルクライム」(標高差1500m、全長約20㎞のタイムトライアルレース)に2018年から電気自動車(EV)で参戦。CNF部材の実用可能性を探るため、エアロパーツからリアドアやボンネットへと実装範囲を広げてきた。

CNF複合樹脂
CNF複合樹脂

 3年目の今年は、コンペティション能力向上のために新規にプロトタイプEVを製作。車両軽量化のために「ELLEX‐M」を外装全体(ボンネット、ドア、リア、サイド)と内装(インストルメントパネル)に、さらに「減プラスチック」効果が期待できるCNF複合樹脂をドアミラーに使用した。

 今回は新型ウイルスの状況を鑑みて参戦は見送ったが、今年度中に開催される他レースへの参戦を検討している。レースでのCNF部材の軽量化効果と耐久性を検証し、一般車両への応用展開を進めていく考えだ。

 

ブルーイノベーション 出光製油所をドローンで点検

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2020年9月23日

 ブルーイノベーションはこのほど、出光興産および日本工業検査と共に、出光興産北海道製油所のダクト内と煙突内で球体ドローン「ELIOS2」による点検作業を行い、時間短縮・コスト削減を実現したと発表した。

出光プラント点検、煙突上部を撮影
出光プラント点検、煙突上部を撮影

 成果として、ダクト内点検では1日がかりの作業範囲を30分で完了し、煙突内点検でもゴンドラを使い2~3日がかりで作業する範囲を半日で完了することができた。また、撮影後すぐに、専用ソフト上で不具合箇所の大きさや赤外線での熱検知の映像などを確認し、発熱の状況を知ることができた。

 なお、「ELIOS2」で撮影した映像は、AIが不具合箇所を自動検知した上で、点検箇所の様子が分かるように3Dモデリングを作成することも可能であり、一元化して不具合箇所を把握することができる。

 ブルーイノベーションは、プラントを中心に狭小空間でのドローンによる点検ソリューションを展開する、ドローンの先駆的サービス・プロバイダー。2018年からの約2年で、プラント、発電所、大型の工事などを中心に約100現場以上の屋内施設で導入を進めている。

 同社は今後も、出光興産のプラント施設内で、特に足場や高所用作業車が組めない現場、有毒ガスや酸素欠乏の恐れがあるような箇所を中心に、点検員に変わる新たな手法として提案する。そして、より効率的で安全な、ドローンによる点検ソリューションを展開していく考えだ。

BASF ジャガー・ランドローバー補修塗装で協定締結

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2020年9月18日

 BASFはこのほど、コーティングス事業本部の自動車補修用塗料のプレミアムブランド「R-M」とジャガー・ランドローバー(英国:JLR)が、アジア太平洋市場でのJLRグローバルボディ&ペイントプログラムの開発・実施のためのパートナーシップ協定を締結したと発表した。設備計画、ツール、技術的コンプライアンスなどボディショップのビジネスインフラストラクチャを最優先に考慮し、バランスのとれたアプローチにより、車体修理と補修塗装が業界基準を超えるよう、今後3年間支援する。

 「R-M」は水性塗料やハイソリッド溶剤塗料など環境に配慮した自動車補修用塗料を市場展開し、溶剤削減の法的要件にも対応し、仕上がりや耐久性も溶剤塗料と同等。顧客サポートのための最新補修技術のノウハウ、調色の豊富な専門知識・膨大なデータベースにより多くの自動車企業で採用されている。また、高品質で効率的な補修プロセスのための「RODIM」塗装用副資材も提供している。

 これら保証された方法と専門知識を提供するグローバルな包括的サポートネットワークにより、JLRの厳しい補修要件とプロセス基準を満たすトータルブランドペイントソリューションを実現する。

 BASFの包括的アドバンストビジネスソリューションの革新的サービス、ツール、トレーニング、パフォーマンス管理モジュールにより、JLR認定ボディショップのプロセスと総合パフォーマンスを改善し、同ネットワークと指定小売業者の収益性・効率性の向上を支援。これにより、世界中の同ネットワーク全体で一貫した高い国際標準を保証し、最も効率的なプロセスで最高の修理品質を保証し、最高水準の顧客サービスを提供していく考えだ。

 

王子ホールディングス パルプモールド製品の供試を開始

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2020年9月18日

 王子ホールディングスはこのほど、パルプモールド製品「PaPiPress」のサンプル提供を開始したと発表した。海洋プラスチックごみ問題をはじめ環境問題に対する消費者の意識が高まり、プラスチック代替品として紙製品のニーズが高まっている。王子グループは、紙の立体成形技術を用いたパルプモールド製品の開発を進めてきた。

 「PaPiPress」はパルプ100%で、土壌や海中で分解される環境に優しい製品。製造はすき上げ~プレス成型・乾燥まで一貫工程で行い、水分を保った状態でプレスするため、表面は従来のパルプモールドよりも滑らかで美しく、厚みも薄くて均一なため、オリジナリティある立体成型が可能。鉛筆やペンでの書き込みもできる。プラスチックのように自由な立体成型が可能なため、顧客ニーズに沿ったオーダーメイドパッケージも提供する。

 今後も「廃棄プラスチックの削減」に貢献するため、新たな機能性を付与した「地球環境に優しい紙素材」を提案していく。

PaPiPress製品展開例
PaPiPress製品展開例

富士フイルムホールディングス グローバルブランディングキャンペーンを展開

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2020年9月18日

 富士フイルムホールディングスはこのほど、ヘルスケア領域での幅広い事業・取り組みをアピールするグローバルブランディングキャンペーン「NEVER STOP ヘルスケア2020」を展開すると発表した。

 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、トータルヘルスケアカンパニーとして「予防」「診断」「治療」の各領域で新型コロナウイルスと闘い、世界の人々の健康を守るために挑戦し続けていることを伝える。日米ではTVCMを8月27日から放映、順次欧州、中国、インド、オーストラリアにも展開していく。

 同社は、多岐にわたる事業領域や社会課題解決のために挑戦し続ける企業姿勢を伝えるために、グローバルブランディングキャンペーン「NEVER STOP」を2018年から展開。写真フィルム中心から業態転換に成功し、幅広い分野で新たな価値を提供し「解決すべき課題がこの世界からなくなるまで我々は決して止まらない」という強い意志をグローバルに発信している。幅広い製品・サービスで新型コロナウイルス感染症の脅威に立ち向かう。

 「予防」「治療」領域では、自社生産する治療薬候補の治験、パートナー企業の治療薬候補やワクチン候補の受託製造の準備、ワクチンや治療薬の開発・生産に不可欠な培地の供給をしている。

 「診断」領域では、簡便・迅速なPCR検査のための全自動遺伝子解析装置、肺炎診断などに使う小型・軽量の移動型X線撮影装置や超音波診断装置などの医療機器を供給し、医療現場の負担軽減と感染拡大防止体制をサポート。新型コロナウイルス感染症の終息に貢献している。

 富士フイルムグループは、製品・サービス・技術開発などを通じてイノベーションを起こし、新たな価値を創出し社会課題の解決に貢献していく考えだ。

 

大王製紙 高セルロース濃度CNF複合樹脂の供試を開始

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2020年9月18日

 大王製紙はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)の事業化に向け軽く強い特性を生かした樹脂複合化に取り組む中、セルロース濃度55%のCNF複合樹脂「ELLEX‐R55」の開発に成功し9月から供試を始めたと発表した。

 植物由来のCNFの特性を生かした、部分的にCNF化したセルロースの複合樹脂ペレット(濃度10%)のサンプル提供を2018年に開始。用途展開の可能性評価を行う中、最終製品の適性に応じたセルロース濃度や樹脂材料などの設計自由度を高めるために、セルロースの高濃度化を進めた。

 「ELLEX‐R55」はセルロース濃度が55%と高く、樹脂成形加工のニーズに合わせ、性能に応じたCNF濃度に希釈して使用できる。セルロース濃度10%程度でも樹脂単体に対し弾性率は1.7倍、強度は1.3倍に向上。材料の厚さの低減、軽量化、減プラスチックなど、環境省のプラスチック循環戦略に掲げる「2030年ワンウェイプラスチック25%減」への貢献も期待できる。

 「ELLEX‐R55」は同社紙パルプの製造基幹でCNFの製造拠点でもある三島工場(愛媛県四国中央市)で製造することで、製造・物流コストを低減する。さらなるコスト低減を目指し、CNFの前処理プロセスや複合樹脂の生産性の飛躍的改善のために新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」プロジェクトに参画し、芝浦機械(静岡県沼津市)と共同で開発を進める。

 今後、「ELLEX‐R55」のサンプル提供を通じてニーズに適応した品質改善を進めつつ、CNFの早期事業化を加速させ、経営理念「地球環境への貢献」の取り組みを強化していく。

大王製紙 セルロース

花王とライオン フィルム容器のリサイクルで協働開始

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2020年9月18日

 花王とライオンはこのほど、プラスチック包装容器資源循環型社会の実現に向け、フィルム容器のリサイクル「リサイクリエーション」活動に協働して取り組むことを決定した。資源に戻す「リサイクル」と価値の創造「クリエーション」からなる造語で、同じモノではなく、より楽しい・よりよいモノを創り出すアップサイクル。「使ったら捨てる。このあたりまえを変えたい」というコンセプトだ。

 日本の日用品メーカーは1990年代から包装容器のプラスチック使用量の削減を進め、濃縮化による製品容器のコンパクト化とつめかえ・つけかえ用製品の開発・普及により大幅な削減を実施。2018年にはつめかえ・つけかえ用製品の割合は80%に達したが、使用する複合フィルム素材は多成分・不均質プラスチックのため、リサイクルの困難さがある。

 花王は「リサイクリエーション」を通じて、回収したフィルム容器を「おかえりブロック」というブロックに再生加工したり、ライオンも「ハブラシ・リサイクルプログラム」を通じて、使用済みハブラシを植木鉢などにリサイクルしてきた。

 しかし規模の拡大と継続には、特に複合素材のフィルム容器は単一成分への分離が困難、メーカーごとに異なる素材や設計が製品容器への再生を制約、などの課題が多い。容器の分別など、消費者を含めたステークホルダーとともに社会の意識を変えていくことも必要になる。

 そこで両社は企業の枠を超え、次の4つの活動を通じて回収・リサイクル全体の経済性の改善に取り組む。①消費者・行政・流通が連携したフィルム容器の分別回収のしくみの検討。②幅広い製品への利用、消費者の分別回収のしやすさ、企業間や業界間での共通利用を考慮したリサイクル材料・容器の品質設計。③回収・再生したリサイクル材料の活用方法の検討。④リサイクルへの消費者の理解・協力を深めるための普及促進・啓発活動。

 両社は「リサイクリエーション」活動を継続し、フィルム容器からフィルム容器への水平リサイクルを目指し、フィルム容器リサイクルの社会実装を進める考えだ。

ポリプラスチックス ドイツで環状オレフィン・コポリマーを増設

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2020年9月18日

 ポリプラスチックスは17日、ドイツの連結子会社TOPAS Advanced Polymersが展開する、COC(環状オレフィン・コポリマー)「TOPAS」の新設備による増強を決定したと発表した。ロイナ工業団地(ザクセンアンハルト州)内に、年産2万tのCOC重合プラントを新設する計画で、2023年中頃の稼働を予定している。これは、世界的にCOCの需要が増加していることに対応するもので、BCP観点から新たな拠点での設備増強となった。

 「TOPAS」は、ガラスのように透明かつ非常にピュアな非晶性樹脂。水蒸気バリア性に優れることから、包装材分野や医療分野を中心に採用が進んでおり、特に欧州では環境問題から包装材用途が好調となっている。

 COCは主にポリオレフィン(PO)の添加剤として使用され、POフィルムにバリア性を付与し、薄肉化も可能にする。また、COC自体がポリオレフィンであることからモノマテリアル化も実現。そのため、COCで作られたシュリンクラベルは、PETボトルのリサイクル性向上に貢献することができる。

 一方、医療分野では、欧米や日本などでシリンジ(注射器)や医薬包装PTPシートの採用が拡大。直近では、新型コロナ感染の検査器具用途やバイアル(注射剤を入れる容器)といった新ワクチン開発、治療用アプリケーションの開発が進んでいる。