ポリプラスチックス PBTの新グレード開発、耐加水分解性を向上

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2019年9月27日

 ポリプラスチックスは26日、PBTの新しい低そり・難燃・耐加水分解グレード「ジュラネックス 750AM」を開発したと発表した。

 今回開発したグレードの特長は、低そり性、難燃性に加えて、耐加水分解性の向上にある。同社には従来から、UL‐94(燃焼性試験規格)V‐0の低そりグレードがあったが、今回初めて、耐加水分解性を向上させたことで、より厳しい環境下での使用が可能となった。

 新グレードは、これまでの電子部品に加えて、通信機器やEV・HEVの高電圧部品などの自動車電装部品について、V‐0が必要な場合に好適な材料となる。なお今回の開発に合わせて、そり対策のメカニズムと、低そり・難燃・耐加水分解PBTの解説記事をウェブサイト(https://www.polyplastics-global.com)に公開した。

 同社の「ジュラネックス」PBTには数多くのグレードがあり、採用分野も電子部品、電子機器から自動車電装部品まで、多岐にわたる。しかし、樹脂の収縮特性と製品形状のアンバランスから変形が発生する場合があり、製品の開発・設計時の課題となっている。

 同社のPBT低そりグレードは、変形要因の影響を減少させることで市場を獲得してきたが、解説記事では、変形要因と樹脂材料の開発方法について詳細に説明している。

三井化学アグロ 新規水稲除草剤有効成分含む農薬の登録を取得

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2019年9月26日

 三井化学アグロはこのほど、全国農業協同組合連合会(JA全農)と共同で開発を進めてきた新規水稲除草剤有効成分「サイラ」(一般名:シクロピリモレート)を含有する農薬の農薬登録を9月20日に取得したと発表した。

 「サイラ」は三井化学アグロが発明した新規原体で、水田に発生する広範囲な広葉雑草・カヤツリグサ科雑草に有効な除草剤成分。新規な作用機構を持つことから、現在日本国内の水田で発生が認められるALS(アセト乳酸合成酵素)阻害剤抵抗性の雑草の対策にも役立つ。

 同日に農薬登録を取得した「サンアップC 一キロ粒剤」と「サンアップ 一キロ粒剤」を皮切りに、有効成分として「サイラ」を含有する混合剤は、順次、農薬登録の取得が見込まれている。

 今後は、上市準備を進め、2020年末以降の製品販売を目指す。三井化学アグロは、これからも独自性の高い新規原体の創製と農薬製品の開発を継続することで、食糧生産の向上に貢献していく考えだ。

太陽石油 次世代ガソリンオイル「SN 0W‐16」発売

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2019年9月25日

 太陽石油は、0W‐16推奨のエコカーが主流になってきたことを踏まえ、SOLATO ECO PREMIUMシリーズの新たなラインアップ商品として、「SN 0W‐16」のSS店頭での販売を20日から開始した。

新商品の加わったSOLATO ECO PREMIUMシリーズ
新商品の加わったSOLATO ECO PREMIUMシリーズ

 同商品は高性能ベースオイル(VHVI)を配合した、次世代高性能省燃費ガソリンエンジンオイル。ハイブリッド車をはじめとする最新エコカーが推奨する、0W‐16という低粘度・低燃費を実現した。

 低温時の始動性に優れ、エンジン摩擦を防ぎ、スムーズな潤滑性能と効果的な清浄性能を備えている。また、CO2排出量の削減にも貢献する、環境に優しいオイルだ。同社はこの商品の発売に当たり、系列SSで様々なオイル販売促進ツール類を展開し、販売力のさらなる向上をサポートしていく。

帝人ファーマ 開発医薬品が米国で主要評価項目を達成

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2019年9月25日

 帝人ファーマはこのほど、開発医薬品(開発コード:「TMX‐049」)が、米国で実施している第Ⅱ相臨床試験(TMX‐049DN‐201試験)の有効性に関して、主要評価項目を達成したと発表した。

 この医薬品は2型糖尿病の糖尿病性腎臓病を対象疾患として開発を進めている。糖尿病性腎臓病は糖尿病を合併して発症する進行性の慢性腎臓病。症状が進行して末期腎不全になると、透析や腎移植などの治療が必要となり、透析導入の原因疾患として最も多いことが報告されている。

 透析が導入されると、患者のQOLが著しく低下するだけでなく、医療費の社会的負担が大きくなる。このため、糖尿病性腎臓病をはじめとする慢性腎臓病を改善し、末期腎不全への移行を抑制する治療に対するニーズが高まっている。

 「TMX‐049」は帝人ファーマが創製した、新規非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬で、生体内でキサンチンオキシダーゼという酵素に対して選択的に阻害活性を示すことにより、尿酸生成を強力に抑制するのが特徴。今回の第Ⅱ相臨床試験は、アルブミン尿を有する2型糖尿病患者を対象とした、プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験である。

 「TMX‐049」を1日1回、12週間反復経口投与した時の安全性と有効性を評価している。主要評価項目は腎障害の指標である尿アルブミン/クレアチニン比の変化量(対数変換値)とした。

 その結果、同剤にプラセボと比較して、統計学的に有意な改善が認められ、主要評価項目を達成した。また、同剤の安全性について新たな懸念は認められなかった。帝人ファーマでは、「TMX‐049」が新規の糖尿病性腎臓病治療薬として、慢性腎臓病の患者の治療とQOL向上に貢献することを目指し、早期上市に向けて今後も開発を進めていく。

凸版 PP・PEで高機能包材のモノマテリアル化を実現

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2019年9月25日

 凸版印刷はこのほど、世界初となるボイル殺菌・ホット充填が可能なポリプロピレン(PP)基材の透明バリアフィルム「GL‐X‐BP」と、ポリエチレン(PE)基材の透明バリアフィルム「GL‐X‐LE」を開発したと発表した。

「GL-X-BP」「GL-X-LE」の製品例
「GL-X-BP」「GL-X-LE」の製品例

 両製品は、同社が世界トップシェアを誇る透明蒸着バリアフィルムブランド「GL BARRIER」シリーズの新ラインアップ。ポリエチレンテレフタレート(PET)基材に加え、PP・PE基材である透明バリアフィルムの提供が可能となり、3素材すべてでのモノマテリアル高機能包材を実現させた。

 「GL‐X‐BP」は、耐熱・耐水性に優れる。PP素材としてはこれまで実現が難しかったボイル殺菌・ホット充填に対応しており、ベビーフードやフルーツコンポートといった液体内容物を含む食品など、より広い用途の高機能包材への利用が可能になる。

 「GL‐X‐LE」は、透明蒸着では世界初となるPE基材のバリアフィルムで、ペットフードやビーフジャーキーなど乾物類への採用が見込まれる。本来は蒸着加工が困難なPE素材に対し、同社の高度な加工技術によりバリア性を付与することで実現した。

 「GL‐X‐BP」については、ラミネーションフィルムとして来年前半ごろから、「GL‐X‐LE」は単層フィルムとして来月から、それぞれ海外を中心にサンプル出荷・販売を開始する予定。国内外の食品、トイレタリー業界に向けて拡販し、2025年にモノマテリアル包材関連受注全体で約200億円の売上を目指す。

 同社は今後も、リサイクル適性を高めた多種多様な内容物に対応するモノマテリアル包材の開発を推進し、プラスチック資源循環に向けた様々な環境配慮型パッケージの展開をさらに強化していく。

旭化成ファーマ 骨粗鬆症治療剤が製造販売承認を取得

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2019年9月24日

 旭化成ファーマは20日、骨粗鬆症治療剤「テリボン皮下注28.2㎍ オートインジェクター」(一般名:テリパラチド酢酸塩)が同日、骨折の危険性の高い骨粗鬆症を効能・効果として、日本での製造販売承認を取得したと発表した。

テリボン皮下注28.2μgオートインジェクター
テリボン皮下注28.2μgオートインジェクター

 同剤は2011年11月から製造販売している「テリボン皮下注用56.5㎍」と同じテリパラチド酢酸塩を含有する製剤。1回使い切りのオートインジェクターであり、簡便に投与することが可能なもの。

 用法・用量は、「通常、成人には、オートインジェクター1本(テリパラチドとして28.2㎍を含む)を1日1回、週に2回皮下注射する。なお、同剤の投与は24カ月間までとすること」となっている。

 同剤は、現行製剤「テリボン皮下注用56.5㎍」を対照とした国内第3相試験(MN‐10‐T‐306試験)では、主要評価項目とされたベースラインから最終評価時の腰椎骨密度変化率で、現行製剤に対する非劣性が検証され、悪心や嘔吐などの副作用の発現割合が低い傾向が見られた。

 同社は今後も、骨粗鬆症患者に対して新たな治療の選択肢を提供し、骨粗鬆症の治療に貢献していく。

JSR ペプチドリーム社と特殊ペプチド共同研究を開始

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2019年9月24日

 JSRは20日、ペプチドリーム(神奈川県川崎市)と、抗体医薬品などのバイオ医薬品の精製過程で行われるアフィニティクロマトグラフィーに適用可能な特殊ペプチドの共同研究を開始することで合意したと発表した。

 アフィニティクロマトグラフィーとは、クロマトグラフィー担体に固定された特異的なリガンドと、目的のタンパク質との可逆的な吸着反応を利用して分離・精製する技術で、特異的なリガンドとして現在は組み換えプロテインA、G、Lなどが使われている。

 今後、ペプチドリームがもつ創薬開発プラットフォームシステム「PDPS」を用いて、種々の目的タンパク質に可逆的・特異的に吸着しアフィニティクロマトグラフィーに適用可能な特殊ペプチドの探索を行い、JSRがもつアフィニティクロマトグラフィーに関する様々な知見や豊富な実験データを組み合わせ、両社で新たなアフィニティクロマトグラフィー担体の開発を目指す。

 医療現場で広く使われている抗体医薬品などのバイオ医薬品製造は主に、CHO細胞などを培養し目的とするタンパク質を作る工程と、その産生細胞を除去し、多くの不純物が含まれる中から目的タンパク質を精製する工程に分類される。

 この精製に用いられるクロマトグラフィーは、プロテインAなどのタンパク質リガンドを使うアフィニティクロマトグラフィーを始めとして、イオン交換クロマトグラフィー、その他種々のクロマトグラフィーが目的に応じて使用されている。

 特殊ペプチドと新たなクロマトグラフィー担体の開発・商品化により、①化学合成特殊ペプチドは従来のタンパク質リガンドと比べ、均一な品質のリガンドをより安定的に大量製造できるなどの特徴を生かして、バイオ医薬品精製プロセスの簡便化・低コスト化に貢献する②物理的に小さい特殊ペプチドをリガンドとすることで、精製効率そのものを向上させる③これまでアフィニティクロマトグラフィーでは精製が難しかったバイオ医薬品の精製が実現できるなど、バイオ医薬品精製プロセスの簡便化・低コスト化を目指す。

DIC 天然青色色素が化粧品の欧州統一基準認証を取得

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2019年9月20日

 DICはこのほど、同社が販売する藍藻類スピルリナから抽出した天然青色色素「リナブルーG1」が、天然素材を使用した化粧品に関する欧州の統一基準である「COSMOS」認証を8月21日付で取得したと発表した。

リナブルーG1
リナブルーG1

 COSMOS基準(COSMetic Organic Standard)は、世界でも厳しい審査水準をもつとされるフランスのエコサート社をはじめ、欧州4カ国(フランス、ドイツ、イタリア、英国)の5団体が2010年にNPOを設立し、世界統一基準を目指して策定したもの。

 「リナブルーG1」は、主に健康食品として使われる藍藻類のスピルリナから抽出した天然青色色素。同社は長く食品用途で展開しており、中東・アジア地域を主としたイスラム圏で求められるハラル認証も取得している。

 近年は化粧品原料についても天然志向が高まっていることから、今年5月に開催された化粧品産業技術展「CITE Japan 2019」では、化粧品用途として紹介し、好評を得た。

 同製品は、鮮やかな青色の水溶性色素で、抗酸化・抗炎症作用が期待されるほか、メイクアップからスキンケアまで幅広い用途可能性を秘めた素材として、今後のオーガニック化粧品への展開が見込まれている。

 DICグループは、中期経営計画「DIC111」の中で、サステナビリティや市場への貢献を追求する「社会的価値」と、企業の成長と収益性に寄与する「経済的価値」を両立し、〝ユニークで社会から信頼されるグローバル企業〟を目指すべき企業像としている。再生可能原料や天然由来原料を用いた製品を社会に提供することで、サステナブルな社会の実現に貢献していく考えだ。

東洋紡 RNA解析キット販売、理研の技術を製品化

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2019年9月20日

 東洋紡はこのほど、理化学研究所(理研)の生命機能科学研究センター・バイオインフォマティクス研究開発チームが開発した「一細胞完全長トータルRNAシーケンス法「RamDA‐seq」を簡便に活用できる「RNA解析キット」を製品化したと発表した。

RNA解析キット
RNA解析キット

 理研の技術指導のもとに製品化した「RNA解析キット」は、様々な試薬や取り扱いマニュアルなど、「RamDA‐seq」を用いたRNA解析に必要なコンポーネントをキット化したもの。

 理研が発表した論文や実験手順書で指定される試薬が予めキットとして調整されているため、マニュアル通りの手順を踏むことで解析用のサンプル調製をスムーズかつ安定して行うことが可能になる。

 今月30日から、がんなどの治療薬を開発する製薬会社や研究機関向けに販売を開始。2022年度に年間10億円の売上を目指す。

 日本国内では今年6月からゲノム医療の保険適用が開始され、個々の患者の遺伝子を解析することで、適切な治療法や薬剤を選択する個別化医療が進展している。

 近年、遺伝子配列に変異が起きるような、がんなどの疾患については、個々の細胞で性質が異なるため、1つ1つの細胞に含まれるすべての遺伝子を解析することの有効性が示されてきた。しかし、従来の方法では、1つの細胞に含まれる微量なRNAから、疾患の原因となる変異をもれなく計測することが困難だった。

 理研は昨年2月、対象となるRNAを偏りなく増幅し、RNAの発現量と完全長を一細胞で計測できる「RamDA‐seq」を開発。1つの細胞の中に存在するRNAの種類と量を網羅的に計測する方法を実現した。

 これにより、これまで検出が難しいため機能がよく分かっていなかった、非ポリA型RNAをはじめとする多様なRNAをもれなく計測することができ、疾患の原因となる遺伝子情報の異常について、解析の精度を飛躍的に高めることに成功した。

 東洋紡が販売する「RNA解析キット」により、一細胞レベルの多種・多量なRNAの変異の解析を容易にする「RamDA‐seq」の普及が拡大し、基礎研究から再生医療・ゲノム医療まで多くの分野の発展に貢献することが期待されている。

三菱ガス化学 カメラレンズ用特殊PCで世界最高の屈折率

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2019年9月19日

 三菱ガス化学は18日、小型カメラレンズ用樹脂としてスマートフォン(スマホ)のカメラレンズなどに使用されている特殊ポリカーボネート(PC)「ユピゼータ EP」シリーズの最新グレードとして、世界最高の屈折率1.68を誇る「ユピゼータ EP-10000」の販売を開始したと発表した。

「ユピゼータEP」を用いたスマートフォン
「ユピゼータEP」を用いたスマートフォン

 スマホやタブレットなどのカメラレンズ素材には、高屈折率(レンズの薄型化に寄与)と低複屈折性(画像の鮮明化に寄与)を兼ね備えた特性が求められる。同社の特殊PC「ユピゼータ EP」はこれらを高い次元で両立し、さらに成形性も兼ね備えた光学材料である。

 スマホのカメラ性能の高度化がますます求められる中、マーケットニーズに応えるカメラレンズに欠かせない材料となっている。今回、販売を開始する「ユピゼータ EP-10000」は世界最高の屈折率1.68を有し、「ユピゼータ EP-9000」の屈折率1.67を凌ぐ材料で、薄さを維持しながらカメラ性能のさらなる高機能化を可能としている。

 同社は、「ユピゼータ EP-10000」の拡販を通じ、〝情報・通信〟領域のさらなる事業展開を進めていく考えだ。