ソルベイ PARA樹脂が頸椎前方固定術用器具に採用

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2018年10月4日

 特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイはこのほど、同社の「Ixefポリアリールアミド(PARA)樹脂」により、頸椎前方固定術用の新しい単回使用器具キットが開発されたと発表した。

 脊椎手術機器に特化した医療機器メーカーのインテリジェント・インプラント・システムズ社が開発した「MEDIANTアンテリア・サービカル・プランティング・システム」に採用された。

 IxefPARAは、高い剛性と強度を持ち、耐ガンマ線滅菌、生体適合性が特長。同製品を採用したMEDIANTシステムは、手術室の機能性を高め、現場での滅菌処理を不要にし、感染リスクを低減させる。

 インテリジェント・インプラント・システムズ社のマーク・リチェルソフ社長兼CEOは「『Ixef GS-1022PARA』の優れた剛性と成形性が、器具の製造には不可欠だった」と述べている。

 Ixef GS-1022PARAでは、オウルとピンスクリュードライバーハンドル、測定キャリパー、ロッキングプライヤーハンドルが、インテリジェント・インプラント・システムズ社のキットに組み込まれている。

 この樹脂は耐衝撃性に優れているため、初期のオウルでの設計で使われる予定だった、金属受座も不要になった。これによりコストが削減され、器具の製造と組み立てが簡素化されることで、単回使用器具の経済性がさらに向上した。

帝人F ファミマと共同開発のストレッチシャツを発売

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2018年10月3日

 帝人フロンティアは、ファミリーマートとの共同開発商品の第3弾「ストレッチドレスシャツ」を、全国のファミリーマート・サークルK・サンクスの約1万6700店で、2日から順次販売を開始した。

 本体価格は2760円、税込み2980円。ソフトな風合い、形態安定性、軽快なストレッチ性を兼ね備えた、帝人フロンティアの高機能ストレッチ素材「ソロテックス」を使用した。

 伸縮性が高く、快適で動きやすい着心地を実現しただけでなく、襟周りにボタンホールが2つあり、首周りのサイズを調整できるようになっている。

 帝人フロンティアとファミリーマートは、帝人グループの高機能素材を使用した、ヘルスケア商品の共同開発などを柱とした業務提携契約を締結し、これまでにマスクや、フェイシャル&ボディケアシートなどを発売している。

三菱ケミ アルミ樹脂複合板に内装材向け新グレード追加

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2018年10月3日

 三菱ケミカルは2日、建築物の内装・外装に幅広く用いられているアルミ樹脂複合板「ALPOLIC(アルポリック)/fr」シリーズに、難燃性を高めた内装材向けの新グレードを追加すると発表した。

 新たに加わるのは「ALPOLIC/fr INNER LIGHT」で、今月から発売を開始する。同製品には、新たに開発した難燃性の芯材を採用。単位重量当たりの潜在燃焼発熱量を従来品の10分の1に低減することに成功し、内装材としてすでに日本国内の不燃材料認定を取得したほか、日本より厳しい基準を採用する国でも、不燃材料の認定手続きを進めていく考え。

 また、新たな芯材により製品全体の軽量化・薄肉化も可能となり、従来と同じ3mm厚品に加えて、重量を30%低減した2mm厚品もラインアップした。

 各種塗装や柄などのカラーバリエーションは100色以上。新築だけでなくリフォーム用途にも適する。同社は今後、商業施設、オフィスビルから一般住宅まで幅広い分野での採用を国内外で働きかけていく。

 アルポリックは表面にアルミニウム、芯材に樹脂を使用した三層構造からなるアルミ樹脂複合板。同社は、1970年代に生産・販売を開始し、現在に至るまで国内のトップメーカーであり、海外でも世界130カ国以上への販売実績を誇る。

 防火性芯材(fr芯材)を使用して国内外の防火認定グレードを取得したALPOLIC/fr、表面を鏡面仕上げにした「ALPOLIC/RF」、面材にステンレスを使用した「ALPOLIC/fr SCM」など、さまざまな意匠・加工性・対候性を持つシリーズを取りそろえ、幅広い用途に用いられている。

アプライドサイエンス 超高速3分間充電LIB量産化へ

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2018年10月1日

 水の研究開発を礎に電池の設計・製造・販売を行うアプライドサイエンス(千葉県市川市)は28日、同社が開発した3分間という超高速で充・放電が可能なリチウムイオンモバイルバッテリーの量産化を決定したと発表した。

 同社は生産を担うマレーシアのクンプラン・パワーネット社(クアラルンプール)と業務提携することで、第1弾としてスマートフォン用のモバイルバッテリーを来年春に販売開始し、同年度内にはEV(電気自動車)用バッテリーなどの量産化も目指す。

新規開発LIBを手にする鵜澤社長(左)とリャン社長
新規開発LIBを手にする鵜澤社長(左)とリャン社長

 クンプラン・パワーネット社は、精密機械加工や繊維加工を主業務とする企業。さまざまな用途で市場を拡大するリチウムイオン電池(LIB)だが、従来のLIBは充電時間が長い、電池寿命が短いといった問題や、製造コストや品質の安定性の面でも多くの課題を抱えていた。

 同日都内で行われた記者会見で、アプライドサイエンスの鵜澤正和社長(理学博士)は「電池は

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DNP バイオマテックインキを開発

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2018年10月1日

 大日本印刷(DNP)はこのほど、植物由来の原料を一部に使用することで環境への負荷を軽減する「バイオマテックインキ」を開発したと発表した。

 同製品は、石油由来のインキと同等の物性があるため、洗剤やシャンプーなどの詰め替えパウチや、ボイルやレトルト、電子レンジなどに対応可能な高い機能を必要とする包装材の印刷インキとしても使用できる。

 加えて、植物由来原料を使用した包材「DNP植物由来包材バイオマテック」シリーズの「バイオマテックPET、酸素や水蒸気のバリア性の高い「バイオマテックIB-PET」「バイオマテックVM-PET」などとバイオマテックインキを組み合わせることで、包装材全体として温室効果ガスの排出量削減が期待される。同社ではさらに、モノマテリアル(単一素材)パッケージへの適用も視野に入れている。

 DNPは持続可能な世界を実現するために、2030年までに達成すべき17の国際目標であるSDGsの実現を目指した取り組みを進めている。その一環として、温室効果ガスを製品のライフサイクル全体で削減できる、植物由来原料を使用した包装用フィルム「DNP植物由来包材バイオマテック」を2006年に開発。今月上旬には、使用済みプラスチックのリサイクルの観点から、食品や日用品用途向けに、よりリサイクルしやすいモノマテリアルで構成したフィルムパッケージを発表した。

 今回は、さらなる環境負荷の低減や温室効果ガスの削減を目指し、新たに植物由来の原料を使用した「バイオマテックインキ」を開発。食品や日用品などの軟包装材での基本物性の評価と、供給体制の構築を完了させた。

 今後は、食品・日用品メーカーとともに、「バイオマテックインキ」への切り替えを進めていく。なお、10月2~5日に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK2018(2018東京国際包装展)」では、新規開発品「バイオマテックインキ」や「モノマテリアルパッケージ」の出展を予定している。

三菱ケミカル 生分解性プラスチック使用の紙コップを発売

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2018年9月28日

 三菱ケミカルは27日、同社の生分解性プラスチック「BioPBS」を用いた紙コップが、日本紙パルプ商事(東京都中央区)から10月に販売開始されると発表した。

 BioPBSは三菱ケミカルが開発し、基本特許を持ち、同社とタイのPTTグローバルケミカルが折半出資するPTT MCCバイオケムが製造する植物由来の生分解性プラスチック。土中の微生物によって水とCO2に分解されるため、自然環境への負担が少ないという特徴がある。

 日本紙パルプ商事は、そうした生分解性に加え、BioPBSの耐熱性・柔軟性・シール強度に注目し、BioPBSを従来のポリエチレンに代え、紙コップの内面ラミネートに用いることにした。

 三菱ケミカルはBioPBSについて、従来のコンポストバッグや農業用マルチフィルム向け以外に、コーヒーカプセルや紙コップ、ストローといった食品関連など、多方面への用途開発を進めており、すでに複数の海外大手ファストフードチェーンなどとの協議を行っている。

 同社は三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、今後もBioPBSをはじめとする生分解性プラスチックや、植物由来プラスチックの研究開発・用途展開を加速させ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。

 なお、KAITEKIは三菱ケミカルホールディングスグループのオリジナルコンセプトで、「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」を表している。

三井化学 チタン製「TouchFocus」の販売を10月から開始

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2018年9月28日

 三井化学は27日、 次世代アイウエア「TouchFocus(タッチフォーカス)」に、これまで利用者から要望の高かった「チタン製フレーム」を新しくラインアップに加え、10月から販売を開始すると発表した。

カラーバリエーション(ブルー)
カラーバリエーション(ブルー)

 タッチフォーカスは、フレームのタッチセンサーに触れると、メガネレンズ内の液晶が駆動し、瞬時に遠近の視界の切り替えができる次世代アイウエア。近くを見る時だけワンタッチで近方の視界へと切り替えられるため、目線を下げたり、メガネをかけ外したりずらしたりすることなく、自然な仕草で、広くクリアな視界が得られる。

 また、フレームには電子回路が内蔵されており、充電式の軽量小型バッテリーが装着されているものの、重さは一般のメガネと同程度の軽量さだ。

 今回発売する「チタン製フレーム」の主な特長は①5種類のフレームフロントのカラーバリエーション(ブルー、グリーン、ブラウン、ブラック、ガンメタル)②世界的デザイン会社であるIDEO社が、テクノロジーの象徴である「流れるような一本のライン」の美しさをデザイン③レンズやフレームは、日常生活を想定した撥水ナノコーティング仕様(全ての商品に対応)など。

 チタン製フレームは軽さや強度、耐食性などに優れ、ファッションの面でも人気が高い。細いフレームで高いデザイン性を実現するため、開発に際し、日本屈指の金属フレームメーカーと協業。チタン製フレーム専用のフラットケーブルを採用し、特殊な成型による超薄肉の絶縁ピースを開発、全部材を細いフレームの中に収める構造設計など、高度なテクノロジーを駆使した。

 なお、新製品は10月29日から受注を開始。メーカー希望小売価格は、27万円(税別)。タッチフォーカスは、今年2月に限定店舗で販売を始め、現在18のメガネ専門店で取り扱っている。10月からは、北海道・東北・四国・九州も含め、日本全国へ販売地域・店舗を拡大していく。同社は、来年には100店舗を目標とし、アジア・欧米への展開も進め、2022年頃には年間5万本の販売を目指している。

積水化成品 FRP成形品がスポーツカーの外装部品に採用

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2018年9月28日

 積水化成品工業は27日、同社のFRP(繊維強化プラスチック)成形品が、ホンダアクセスが手掛ける「S660 Neo Classic KIT」の外装部品(14部品)に採用されたと発表した。同製品は、21日に販売を開始している。

 S660 Neo Classic KITは、外装部品や灯体などで構成されている。2シーター・オープンスポーツモデルのS660をベースに、このキットを使って外装部品や灯体などを組み替え架装することで、クラシカルなスタイリングにカスタマイズできる。

 S660 Neo Classic KITの開発で、外装部品をほぼ全て新しく設計するにあたり、積水化成品は、部品設計の迅速化や効率化を図ることを目的に、外装部品を単独1社で受け持った。今回の採用について同社は、これまで培ってきた豊富なFRP成形技術や生産実績が認められたものと考えている。

 同社では、これからも自動車部材のカスタマイズ分野で多様化していくニーズに応えるため、軽量で強度や耐久性に優れたFRPの特長を生かした提案を行っていく。

 また、自動車を含む輸送機器事業で、部材の樹脂化やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)、 GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)の活用に向けた付加価値提案を加速していくとともに、発泡素材との組み合わせによる複合材料の開発により、ソリューションを提供していく。

ハネウェル 低GWP冷媒を欧州・中東アフリカで上市

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2018年9月28日

 ハネウェルはこのほど、空調機器用途でR‐410A冷媒を代替する新しい低GWP(地球温暖化係数)冷媒「ソルスティスL41y(R‐452B)」を、欧州・中東アフリカ地域で上市したと発表した。

 同冷媒は、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)をベースとする次世代ソリューション。既存のR‐410A冷媒に比べGWPが67%低く、R‐32冷媒に比べてエネルギー効率性が5%向上し、吐出温度/圧力が低いことが特徴で、空調機器の安全性担保に要する導入費用の低減にも寄与する。なお、国内では現在、有償サンプル提供のみで、上市時期は未定。

 欧州・中東アフリカ地域での上市に伴い、ソルスティスL41yに対応するチラー(ターボ冷凍機)と、ヒートポンプ向けコンプレッサ機器の認証が進んでいる。これにより、機器メーカーでは、既存のR‐410A仕様の機器から、ソルスティスL41y仕様への機器仕様変更に要するコストや時間を大幅に削減することができる。

 同社フッ素化学品事業部のジュリアン・スレ欧州・中東アフリカ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーは「ソルスティスL41yは、当社の最新世代の冷媒製品で、長期的な法規制への対応を視野に入れたソルスティスL40X(R‐455A)、ソルスティスze(R‐1234ze)やソルスティスzd(R‐1233zd)への移行が現時点で難しいユーザーのために開発された、即時に導入可能なソリューション」と述べている。

 同社は「ソルスティス」「ゼネトロン」ブランドで、世界中で冷凍冷蔵やビル冷暖房、カーエアコン向けなどの幅広い冷媒を開発・製造・供給している。同社とサプライヤーパートナーは、HFO技術に基づく次世代製品の研究開発と製造供給体制の整備に向け、9億ドルの投資プログラムを実施した。

大陽日酸 国際基準に対応した高純度ガスなど販売開始

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2018年9月27日

 大陽日酸はこのほど、100%子会社で特殊ガスの製造を行うジャパン・ファイン・プロダクツ(JFP)が、乗用車の排出ガスや燃費試験法に導入される国際基準に適合した高純度ガス・標準ガスを開発し、大陽日酸で販売を開始したと発表した。

 「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」(WLTP)で規定される排出ガス測定に使用する高純度ガス・標準ガスのうち、高純度窒素・高純度空気・高純度水素(ヘリウムベース)については、厳しい不純物保証が求められている。JFPはWLTP規格に適合した製品「GW」を開発した。

 今回販売を開始する新製品は①純窒素(GW)②純空気(GW)③He+H2 40%(GW)④純窒素(GW)または純空気(GW)をベースガスに使用した標準ガス(スパンガス)の4製品。なおGWは、WLTPのみならず重量車排出ガス試験の国際基準であるWHDCにも適合している。

 安全で環境性能の高い自動車を普及させるために、自動車の安全・環境基準を国際的に調和することや、各国での認証の相互承認を推進することを目的とする国連自動車基準調和世界フォーラム(WP28)では、2014年3月に開催された第162回会合で、WLTPを世界統一技術規則とすることを決定した。

 これを受け、日本国内では「乗用車の排出ガスおよび燃費試験法」にWLTPが導入される。今年10月以降に販売される新車から、WLTPに規定される測定方法の採用が開始され、2020年に全面的に移行することが決まっている。