三井化学 チタン製「TouchFocus」の販売を10月から開始

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2018年9月28日

 三井化学は27日、 次世代アイウエア「TouchFocus(タッチフォーカス)」に、これまで利用者から要望の高かった「チタン製フレーム」を新しくラインアップに加え、10月から販売を開始すると発表した。

カラーバリエーション(ブルー)
カラーバリエーション(ブルー)

 タッチフォーカスは、フレームのタッチセンサーに触れると、メガネレンズ内の液晶が駆動し、瞬時に遠近の視界の切り替えができる次世代アイウエア。近くを見る時だけワンタッチで近方の視界へと切り替えられるため、目線を下げたり、メガネをかけ外したりずらしたりすることなく、自然な仕草で、広くクリアな視界が得られる。

 また、フレームには電子回路が内蔵されており、充電式の軽量小型バッテリーが装着されているものの、重さは一般のメガネと同程度の軽量さだ。

 今回発売する「チタン製フレーム」の主な特長は①5種類のフレームフロントのカラーバリエーション(ブルー、グリーン、ブラウン、ブラック、ガンメタル)②世界的デザイン会社であるIDEO社が、テクノロジーの象徴である「流れるような一本のライン」の美しさをデザイン③レンズやフレームは、日常生活を想定した撥水ナノコーティング仕様(全ての商品に対応)など。

 チタン製フレームは軽さや強度、耐食性などに優れ、ファッションの面でも人気が高い。細いフレームで高いデザイン性を実現するため、開発に際し、日本屈指の金属フレームメーカーと協業。チタン製フレーム専用のフラットケーブルを採用し、特殊な成型による超薄肉の絶縁ピースを開発、全部材を細いフレームの中に収める構造設計など、高度なテクノロジーを駆使した。

 なお、新製品は10月29日から受注を開始。メーカー希望小売価格は、27万円(税別)。タッチフォーカスは、今年2月に限定店舗で販売を始め、現在18のメガネ専門店で取り扱っている。10月からは、北海道・東北・四国・九州も含め、日本全国へ販売地域・店舗を拡大していく。同社は、来年には100店舗を目標とし、アジア・欧米への展開も進め、2022年頃には年間5万本の販売を目指している。

積水化成品 FRP成形品がスポーツカーの外装部品に採用

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2018年9月28日

 積水化成品工業は27日、同社のFRP(繊維強化プラスチック)成形品が、ホンダアクセスが手掛ける「S660 Neo Classic KIT」の外装部品(14部品)に採用されたと発表した。同製品は、21日に販売を開始している。

 S660 Neo Classic KITは、外装部品や灯体などで構成されている。2シーター・オープンスポーツモデルのS660をベースに、このキットを使って外装部品や灯体などを組み替え架装することで、クラシカルなスタイリングにカスタマイズできる。

 S660 Neo Classic KITの開発で、外装部品をほぼ全て新しく設計するにあたり、積水化成品は、部品設計の迅速化や効率化を図ることを目的に、外装部品を単独1社で受け持った。今回の採用について同社は、これまで培ってきた豊富なFRP成形技術や生産実績が認められたものと考えている。

 同社では、これからも自動車部材のカスタマイズ分野で多様化していくニーズに応えるため、軽量で強度や耐久性に優れたFRPの特長を生かした提案を行っていく。

 また、自動車を含む輸送機器事業で、部材の樹脂化やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)、 GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)の活用に向けた付加価値提案を加速していくとともに、発泡素材との組み合わせによる複合材料の開発により、ソリューションを提供していく。

ハネウェル 低GWP冷媒を欧州・中東アフリカで上市

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2018年9月28日

 ハネウェルはこのほど、空調機器用途でR‐410A冷媒を代替する新しい低GWP(地球温暖化係数)冷媒「ソルスティスL41y(R‐452B)」を、欧州・中東アフリカ地域で上市したと発表した。

 同冷媒は、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)をベースとする次世代ソリューション。既存のR‐410A冷媒に比べGWPが67%低く、R‐32冷媒に比べてエネルギー効率性が5%向上し、吐出温度/圧力が低いことが特徴で、空調機器の安全性担保に要する導入費用の低減にも寄与する。なお、国内では現在、有償サンプル提供のみで、上市時期は未定。

 欧州・中東アフリカ地域での上市に伴い、ソルスティスL41yに対応するチラー(ターボ冷凍機)と、ヒートポンプ向けコンプレッサ機器の認証が進んでいる。これにより、機器メーカーでは、既存のR‐410A仕様の機器から、ソルスティスL41y仕様への機器仕様変更に要するコストや時間を大幅に削減することができる。

 同社フッ素化学品事業部のジュリアン・スレ欧州・中東アフリカ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーは「ソルスティスL41yは、当社の最新世代の冷媒製品で、長期的な法規制への対応を視野に入れたソルスティスL40X(R‐455A)、ソルスティスze(R‐1234ze)やソルスティスzd(R‐1233zd)への移行が現時点で難しいユーザーのために開発された、即時に導入可能なソリューション」と述べている。

 同社は「ソルスティス」「ゼネトロン」ブランドで、世界中で冷凍冷蔵やビル冷暖房、カーエアコン向けなどの幅広い冷媒を開発・製造・供給している。同社とサプライヤーパートナーは、HFO技術に基づく次世代製品の研究開発と製造供給体制の整備に向け、9億ドルの投資プログラムを実施した。

大陽日酸 国際基準に対応した高純度ガスなど販売開始

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2018年9月27日

 大陽日酸はこのほど、100%子会社で特殊ガスの製造を行うジャパン・ファイン・プロダクツ(JFP)が、乗用車の排出ガスや燃費試験法に導入される国際基準に適合した高純度ガス・標準ガスを開発し、大陽日酸で販売を開始したと発表した。

 「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」(WLTP)で規定される排出ガス測定に使用する高純度ガス・標準ガスのうち、高純度窒素・高純度空気・高純度水素(ヘリウムベース)については、厳しい不純物保証が求められている。JFPはWLTP規格に適合した製品「GW」を開発した。

 今回販売を開始する新製品は①純窒素(GW)②純空気(GW)③He+H2 40%(GW)④純窒素(GW)または純空気(GW)をベースガスに使用した標準ガス(スパンガス)の4製品。なおGWは、WLTPのみならず重量車排出ガス試験の国際基準であるWHDCにも適合している。

 安全で環境性能の高い自動車を普及させるために、自動車の安全・環境基準を国際的に調和することや、各国での認証の相互承認を推進することを目的とする国連自動車基準調和世界フォーラム(WP28)では、2014年3月に開催された第162回会合で、WLTPを世界統一技術規則とすることを決定した。

 これを受け、日本国内では「乗用車の排出ガスおよび燃費試験法」にWLTPが導入される。今年10月以降に販売される新車から、WLTPに規定される測定方法の採用が開始され、2020年に全面的に移行することが決まっている。

京大・三菱ケミ 水耕で機能性ホウレンソウの開発に成功

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2018年9月27日

 京都大学はこのほど、三菱ケミカルとの共同研究により、年間に十数回収穫できる水耕栽培系で、代謝工学とマルチオミックス解析を活用して新しい機能性野菜の開発に成功した。

 マルチオミックスとは、細胞内の遺伝子やタンパク質、代謝物などから得られる情報を、網羅的・包括的に分析していくバイオテクノロジーの手法。研究を行ったのは、同大学大学院農学研究科応用生命科学専攻の植田充美教授らのグループ。最先端技術を利用することで、遺伝子組み換え技術を用いず市場流通が可能な、液肥で調製できる栄養価の高い機能性野菜の開発に成功した。

 胎児の脳の発達を促進する「葉酸」リッチな機能性ホウレンソウと、これまでにない強い抗酸化機能が推定されている「ベタシアニン」リッチな赤茎ホウレンソウを開発した。機能性野菜を含む機能性食品は、科学的根拠をもとに、健康の維持や増進などに役立つ成分を効率よく摂取できるように開発された食品のこと。

 これまでにも、作物への栄養成分強化を目的とした研究が数多く報告されているが、これらの手法は主に遺伝子組み換え技術を用いており、厳しい規制のある日本では、一般流通までには至っていない現状がある。

 また、ヒトは葉酸を合成できないため、食物からの摂取が必要だが、食物に含まれる葉酸量は非常に少ない。一方、植物が合成する色素成分は、抗酸化力を高め、ガン細胞の増殖抑制などにも有用な機能を示す2次代謝産物として注目を浴びている。

 こうした背景から、同研究ではすでに確立されている三菱グループの水耕栽培系を用い、液肥の成分調整によって、ホウレンソウの葉酸量を高め、赤色色素成分の強化を図った。

 今回の研究では、野菜工場の大量安価な栽培システムの活用により、液肥にフェニルアラニンを添加するだけで、最大で約2倍のホウレンソウの葉酸リッチ化を達成。また、スクロースを添加するだけで、最大で約5倍のベタニンリッチ化を達成した。

 これらは、同研究グループが培った、代謝工学の蓄積データの活用と、マルチオミックス解析手法の融合による成果であり、同手法は今後の食用野菜の育種に大いに活用できるとともに、一般市場への新しい高付加価値食品の展開に貢献することが期待されている。

クラレファスニング 面ファスナー耐熱タイプでカラー展開

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2018年9月26日

 クラレグループのクラレファスニング(大阪市)は25日、面ファスナー「マジックテープ」耐熱タイプで、カラー展開を開始すると発表した。

 マジックテープ耐熱タイプは、高耐熱性を特長とするPPS(ポリフェニレンサルファイド)繊維を使用。航空機内装用途で要求される難燃性・耐熱性・低発煙性・低毒性を持ち、航空機シート以外に、保温ジャケットなどの産業資材用途でも採用が進んでいる。

 これまでナチュラル(生成り)色のみの展開だったが、ブラック系など濃色のニーズに対応し、今回新たにブラックとグレーの濃色をラインアップに加えることにした。また、その他の色についても別注での対応を開始する。

 マジックテープ耐熱タイプは、250℃×24時間の高温環境下にさらした後も、面ファスナーのくっつく力=係合力(シアー強力)80%以上を保持。バックコート材を使用しておらず、生産工程でのCO2発生量を約30%削減(当社比)した環境にやさしい製品で、今年30周年を迎えた丸岡工場(福井県)で製織・染色される国内生産品である。

 幅展開ではフック側・ループ側ともに最大100mmまで、指定の幅にスリット対応する。想定用途としては、高耐熱性・難燃性が要求される航空機の内装材固定・シート組み立て部材、消防服・飛行服、溶接現場・溶鉱炉などでの作業服、自動車・鉄道・航空機内の結束バンド、防火シャッター、建材内装材のファスニング、家電関係などが考えられる。

三井化学 敗血症の原因菌を同定する新検査法事業化へ

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2018年9月26日

 三井化学はこのほど、富山大学と共同で行う敗血症に対する新検査法(Tm mapping法)が、日本医療研究開発機構(AMED)の「産学連携医療イノベーション創出プログラム・基本スキーム」(ACT‐M)の今年度の課題に採択されたと発表した。

 同プログラムは、アカデミア発の技術シーズを実用化プロセスに乗せるため、AMEDが産学連携による研究開発を支援する制度。三井化学などは、敗血症の原因菌を迅速に同定する新規な遺伝子検査法の製品化に向け、共同研究を行っている。

 今回採択されたのは「感染菌迅速同定・定量検査創出を目指す研究」。同テーマは代表機関を富山大学大学院医学薬学研究部、課題リーダーを同大学院の仁井見英樹准教授、共同提案機関をニプロ、北里大学、埼玉県立小児医療センターとし、三井化学は共同研究開発企業として開発に携わる。実施予定期間は、18日~2021年3月31日。

 敗血症とは、血液中に細菌が感染する全身感染症のこと。近年、がん治療や臓器移植などの医療の高度化に伴い、重篤な感染症のリスクが増えている。実際、入院患者の主な死因は敗血症などの重篤な全身感染症であり、敗血症による死亡率は非常に高い。重篤な感染症患者を救命するためには、患者体内の感染症の起炎菌を迅速に検出・同定することが臨床上重要となっている。

 現在行われている血液培養検査は必ずしも完全ではなく、また、培養後に行う一般的な生化学的性状検査法では、検体提出から起炎菌の同定まで通常2~3日を要する。結果が判明するまでの間は、同定結果の無いままに抗菌薬の選択を余儀なくされており、その結果、多剤耐性菌の出現や、抗菌薬の選択ミスにより重篤患者が致死的となる危険性など、感染症早期の治療では未だ重大なリスクを抱えている。

 こうした問題解決のため、三井化学は富山大学が開発したTm mapping法の実用化に向けた共同研究に取り組んでいる。同検査法は、血液培養を行わず、採血から5時間程度で未知の起炎菌を同定する新たな遺伝子検査法であり、感染症早期に同定結果に基づいた適切な抗菌薬選択が可能になる。

 同社は同定のための検査キットを研究用試薬として提供開始しており、最終的な体外診断用医薬品としての上市を目指し、医薬品医療機器総合機構(PMDA)との事前相談を含めて開発を進めている。

宇部興産 緑内障・高眼圧症治療剤で製造販売承認を取得

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2018年9月26日

 宇部興産はこのほど、参天製薬と共同開発した緑内障・高眼圧症治療剤「エイベリス点眼液 0.002%」について、9月21日付で日本での製造販売承認を取得したと発表した。

 同剤の有効成分である「オミデネパグ イソプロピル」は、選択的にEP2受容体に作用して眼圧下降作用を示す、新規作用機序の化合物。

 緑内障は視神経の障害により視野の欠損が起こる疾患で、日本では眼疾患における視覚障害(視力低下、失明)の主な原因となっている。

 緑内障の視神経障害と視野障害は基本的に進行性で非可逆的であるため、早期発見・早期治療による障害の進行抑制が、治療上の重要な課題。眼圧を下降させることは、現在、緑内障の障害に対する最も確実な治療法であり、同剤はこの治療法に貢献する薬剤であると考えている。

 今後、新たな治療選択肢として同剤を医療現場に提供するとともに、同剤の適正使用のために、安全性に関する情報を医療関係者と患者に理解してもらえるよう努めていく。これにより、患者のQOLの向上に寄与できることを期待している。

 なお、同剤はグローバル開発品であり、日本以外での承認取得も目指し、現在アジアにおいてフェーズ3試験を実施中。今年度下期に、米国でのフェーズ3試験を開始する予定だ。

帝人 新規メタ系アラミド繊維をアウトドア製品に

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2018年9月25日

 帝人はこのほど、高い難燃性と優れた染色性を持つ新規メタ系アラミド繊維「テイジンコーネックス・ネオ」を活用したアウトドアウェア用の独自素材をスノーピークと共同開発し、スノーピークが展開するアウトドアアパレル「TAKIBIシリーズ」の新たなラインアップに採用されたと発表した。

 今回同シリーズに新たに加わったのは「TAKIBI ダウンジャケット」で、今月21日から全国のスノーピーク直営店、オンラインショップなどにて販売を開始している。

 両社は2016年から連携を開始し、難燃性が高い帝人のメタ系アラミド繊維「テイジンコーネックス」を活用した同シリーズを展開。今回、アウトドアシーンに対応できる高い機能性と、街にフィットする質感や着心地を追求し、着想から二年の歳月をかけて同素材を活用した独自素材を生み出し、新たな同シリーズへの採用に至った。

 「テイジンコーネックス・ネオ」は、優れた染色性と、従来と同等レベルの高い難燃性を持ち、キャンプでの焚火をはじめとする火を扱う場面でも、安全かつ快適に着用することができる。

 スノーピークは「人と自然、人と人をつなぎ、人間性を回復する」ことを社会的使命とし、幅広い事業を展開。主力事業であるキャンプ用品の製造・販売に加え、2014年からは、都市生活でも自然の中でも心地よく過ごすことができるアパレル製品の展開にも力を入れている。

 一方、帝人は独自の高機能素材を活用したソリューションを様々な分野に向けて開発・提供しており、今回の同シリーズをはじめとする新たな用途に広く展開し、色や風合いなど多様な要望に応えるべく技術革新を進めている。

 両社は、今後も日々の生活を豊かにする製品を世の中に発信していく。

東レ PPS樹脂の耐トラッキンググレードが安全規格を取得

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2018年9月20日

 東レは19日、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂「トレリナ」の耐トラッキング性と強度を向上させた新グレード「A660HV」で、国際的な製品安全規格のUL規格で「ランク0(ゼロ)」、IEC規格で耐トラッキング性の最高ランク「材料グループⅠ」を取得したと発表した。

 600V以上の耐電圧特性をもつ同製品を、高耐圧化・小型化が進む新エネルギー車の電装部品など、高い耐トラッキング性が求められる用途へ展開する。

 PPSは難燃性に優れた素材だが、ナイロンやポリエステルに比べ炭化導電路を形成しやすく、耐トラッキング性が低いことで知られている。

 同社はこれまで、トレリナ耐トラッキング性グレードをパワー半導体モジュール用途を中心に販売してきたが、従来の同グレードはフィラーを高充填しているため靱性が低く、強度が不足する傾向にあった。

 この問題に対し、同社は複数のポリマーをナノメートルオーダーで分散させることで、優れた特性を発現させることができる「NANOALLOY(ナノアロイ)」技術を用い、PPSに耐トラッキング性ポリマーを微分散することで、難燃性と耐トラッキング性を両立しながら、強度の向上を実現した。

 一般的なPPSに比べ、絶縁設計で沿面距離を約半分に縮めることが可能となり、製品の高耐圧化・小型化への貢献が期待される。

 同社は今後、同製品を鉄道や太陽光発電に使われるパワー半導体モジュールのハウジング用途に加え、高耐圧化・小型化のニーズが高まる新エネルギー車のパワーコントロールユニットやバッテリー、充電器などへの提案を進めていく考えだ。